月夜裏 野々香 小説の部屋

    

仮想歴史 『風が吹けば・・・』

 

 

第15話 1922年 『売国じゃないよ、売民だよ』

 欧州危機後、

 船舶の大型化と採算性の低下に伴い、国際間交易が活性化していた。

 取引次第では、大国の既得権すら侵食しかねない情勢が構築されていた。

 その切っ掛けを作ったのは、日本であり、

 欧州戦争の回避にもつながっていた。

 軍事的な脅威より、

 国際競争力が注目されるようになり、

 採算を度外視した需要と供給で、

 産業を拡大している日本は、注目されるところとなった。

 02/06

 ワシントン国際会議開催(1921/11/12〜)

 イギリス、アメリカ、ドイツ帝国、オーストリア・ハンガリー帝国、

 ロシア帝国、フランス、日本、清国、イタリアの各国代表らが集まっていた。

 こういった国際会議では、政治、軍事、外交、資源、内政など、

 総合で勝る国が主導権を取り始める。

 「だいたい、伝統や誇りなんて言う輩は、既得権を握っている奴がいう理屈に過ぎない」

 「他国の干渉を締め出し、権力者が自国民を隷属させたいだけだ」

 「大多数の個人は幸福を追求する権利がある」

 「たとえ国家といえども個人の権利を抑圧すべきではない」

 「だから個人は、自由な流通。自由な表現。自由な生き方をすべきだ」

 『この外道が他国の国民に余計なモノを買わせて、富を吸い上げる気だな』

 『公私の振り分けは国情に合わせてに決まってんだろうが』

 『自分の都合の良い解釈を押し付けるなボケナスが』

 『国民が贅沢を覚えたあと、輸出規制されたら、潰される』

 『俺らが、もろ植民地でやっている手口だろう』

 『アメリカのモノを買わせるために他国の国民を働かせるつもりだな』

 『くっそぉ〜 金持ちだからって、いい気になりやがって』

 『欲望や財欲に振り回されている国が、えっらそぉおお〜にしやがって』

 『自由・資本主義は、無法・財欲主義ある。アメリカが言うと、くそくらえある』

 国際貿易一般協定が結ばれる。

 

 

 02/28 エジプトが独立宣言

 

 南バイエルン(南西アフリカ)83万5100

 広大な砂の大地が広がっていた。

 ウォルビスベイ港は港湾が建設され、

 Uボート艦隊の基地が整備されていた。

 とはいえ、人間が生きて行くための決定的な要素である、

 水に欠いていたのだった。

 井戸水と僅かな降水量に頼り、設備投資が行われていく。

 ブラジルから川水を満載した船が浚渫された水路を遡っていた。

 船が到着すると放水し、水路へ放水し、

 網の目状に広がる水路と水路を覆う天幕の中に山羊が集まってくる。

 「こんなので緑化が進むのか?」

 「人間は直接飲めなくても、動植物は、十分な水源だからね」

 「いずれは、天幕の代わりに草木が大地を保水するだろうから・・・」

 「どんぶり勘定だな」

 「ザンベジ川の水を大西洋側に引っ張って来れたらね」

 「ビクトリア滝の連中が怒らないか?」

 「全部は取れないけどね」

 「だいたい、イギリスが一番いいところを総浚いしたからな」

 「ドイツに残されているのは、こういう場所ばっかりだ」

 「おっ 船だ」

 「日本の定期客船だな」

 「日本の船がこんな場所まで来るとはね」

 「それどころか、ハンブルグまで行ってるよ」

 「運賃が安いから、重宝しているんだと」

 「日本円って、金本位制じゃないよな」

 「だけど、円は、もっていないからマルクで払うしかない」

 「イギリスもポンドで払うしかないし、アメリカもドルで払うしかない」

 ツェッペリン飛行船が物資を内陸へ運び、

 ドイツ軍が開発を進めていく、

 この大地で産出するダイヤモンド、ウラン、亜鉛は、ドイツ帝国の工業を下支えしていた。

 また、ドイツの海洋支配を担う植民地のためか、

 莫大な資金が注ぎ込まれ、緑化も進められていく。

 

 

 ブラジル

 日本の30000トン級大型化客船建造と、

 独伊植民地周回航路はポンド・マルク箱であり、

 日本大航海時代の幕開けともいえた。

 そして、需要に応じて、ブラジルにも入港する。

 南米移民は沙汰止みとなったものの、

 第一陣の移民団は上陸しており、

 日本資本は、ブラジル進出を狙って、移民団を支援していたのだった。

 財政投資された彼らは土地を整備し、自作農家として軌道に乗っていた。

 日本の商館が創設されると、低価格の運賃を利用し、流通を押さえて行く。

 もっとも、金本位制でない円は、資産価値ゼロであり、

 日本国内流通用の詐欺と言えた。

 金本位制を採用している外国からみれば紙屑同様であり、

 低賃金がもたらした海洋産業といえた。

 30000トン客船 平安丸

 甲板の日本商人たち

 「ようやく、リオデジャネイロか」

 「綺麗な港じゃないか」

 「今度、40000トン級商船を建造する計画らしいよ」

 「へぇ〜 日の丸商戦隊は、頑張っているわけか」

 「単に外国船より、船賃を安くしているから、それで利益が上がっているだけだよ」

 「まぁ 良いと思うよ。外貨が入るのならね」

 「日本に紙屑の円で船を作られ運用され」

 「ドル、ポンド、マルクを支払わされたら列強も剥れるよね」

 「まぁ しょうがないよ」

 「その外貨で、資源や工作機械を買ってやり繰りしているんだから」

 「日本の観光でも儲けたいね」

 「長野の軽井沢、野尻湖。宮城の高山は有望らしいよ」

 「でも、観光も東ゲルマニアに取られてんじゃない」

 「やっぱり、白人は、白人の世界が良いのかね」

 「サルの群れに飛び込みたいやつは少数派だよ」

 「むかつくうぅうう〜」

 

 

 

 日本は、金本位制を捨てていた。

 日本の富裕層は国際市場で価値の低い円札を握りしめる。

 その代償で就労者を紙切れで働かせることができた。

 外貨収入は、大型客船の就航、米英独権益地での労働、生産品の売却であり、

 国際市場で労働とサービスを提供し、

 富裕層は、海外就労関連投資することで外貨を入手することができた。

 発想の転換と既得権の切り替えだったのである。

 首相官邸

 「既得権益者はうるさかったが、発想の転換と創造か・・・」

 「のようですね」

 「ポンド、ドル、マルクを集めといてくれよ」

 「はっ」

 イワンのバカな日本庶民はともかく、

 権力層と富裕層は、換金紙幣が好きだった。

 「問題は、イギリス植民地防衛か・・・」

 「うまみはありますけどね」

 「鉄道の管理運営と、いくつかの鉱物資源の仕事は悪くない」

 「日本進出も可能だし、チャンスもあり得る」

 「ですが、日本は人口が多い割に、資源も少なく、食糧自給率も低い」

 「生産力と付加価値の低い人種を増やすのは危険です」

 「確かにそうだがね」

 「しかし、一度敷かれたレールは、簡単には切り替えられないものだ」

 「どこで間違ったか、わからないがね」

 「日清・日露戦争まで、サムライの国とばかり思っていましたがね」

 「わたしもだ」

 日本の総人口は5700万人。

 この時期、日本の家族は平均5人。

 家族の組み合わせは父、母、子供、あるいは、祖父だった。

 日本の平均寿命は短く、子供の平均数は、2人から3人であり、

 男女均等で生まれるなら余るのは、二男か二女の1人であり、

 移民人口は、1000万ほどと言えた。

 しかし、工業社会で求めるのは労働者であり、農家ではなかった。

 可能な限り農家を潰し、

 労働者を作ることで近代化していくのである。

 農業の機械化が進むと、労働者は増え難くなるため、

 食管予算をギリギリまで抑え、兼業農家を増やしていく、

 資本家は、労働環境の改善が進めるとこで労働者を確保しようとしていた。

 軍馬が減少し、農耕馬と荷馬が増えると、産業効率が増し、

 外貨収入の大きさと利益誘導で辛うじて労働人口を確保していた。

 無論、政府の目論みがどうあれ、

 国民は、己が利益を求めるのである。

 

 

 ポナペ (330ku)

 ミクロネシア最大の島で建設が始まる。

 66kmに及ぶ環状道路と区画整理。

 トラック環礁の方が艦隊基地として優れていたものの、

 山岳の防衛力と水力発電を当てにして、軍も民もポナペに集まっていく。

 とはいえ、年間降水量4900mm。300日近くが雨に降られる国だった。

 「やっと晴れたよ」

 「熱帯雨林をどのくらい残すかだよな」

 「4割くらい残せばいいような気がするけど」

 「微妙だな」

 「水田を作れば悪くない気もするが」

 「水田は無理そうだ」

 「自生のココナツ、コプラ、バナナ、タロイモが一番じゃないの」

 「米じゃなきゃいやだ」

 「雨が多過ぎる。屋根を作らないと・・・」

 「鉄がもっとないとな」

 「鉄も錆びそうだ」

 「・・・・」

 

 

 満州

 ドイツ帝国に半島から追われた朝鮮人集団が村を襲撃していた。

 ドイツ系資本に雇われたり、

 アメリカ系に雇われたり、

 ロシア帝国に雇われたり、

 独米露の鉄道権益に敵対した中国の村は、朝鮮人の標的となった。

 野盗と一緒に多種多様な武器も流れ込んでくる。

 FNブローニングM1910、コルトM1903、ベレッタM1915・・・

 ドイツ帝国に土地を奪われた朝鮮人も、

 同族殺しを強いられる漢民族も、

 生きていくため、

 ドイツ帝国、アメリカ、ロシアと与するしかなかった。

 「あの村ある。ドイツ帝国に逆らうなんてバカある」

 「ドイツ帝国と組んで満州を支配するニダ」

 「村を占領して酒池肉林のあと、支配者で金持ちある」

 「楽しみニダ♪」

 

 東ゲルマニア(朝鮮)半島 (21万0000ku)

 日本の土建業社が港湾を整備し、

 道路、鉄道、発電所、工場を建設していた。

 ドイツ人は、区画整理された地区に入植し、

 造船、海運、土木建設、工業で力を付けていく、

 波止場で日本人労働者たちが働いていた。

 荷上げ荷降ろしは、嫌われつつも実入りの良い仕事だった。

 日本商船から馬車、鉄道・機関車部品、生活物資が降ろされ、

 社会基盤が造られていく。

 東ゲルマニア開発需要は、数十年ほど続くと見込まれており、

 日本は、総人口の数倍を賄える工場設備を建設していた。

 もし、海外需要が冷えていったとしたら・・・・

 「東ゲルマニアの軍事力は、目立たない気がするな」

 「ドイツ帝国も軍事的緊張を大きくしたくないんじゃないか」

 「軍人は、予算欲しさに軍事インフレさせる時があるからな」

 「意図的に軍事力を引き下げているのなら日本本土も安心かな」

 「だけど、大きな変化はなさそうだ」

 「じゃ ずっとこの状態か」

 「やれやれ、内地も、ゲルマニアも」

 「どこかの植民地でも、日本人は労働者か・・・」

 「結局、外貨を稼ぐには、働くか、奪うかなんだろうな」

 「侵略で奪う方がかっこいい」

 「じゃ 日本政府がヘタレなせいで俺たち、嫌な思いしながら肉体労働か」

 「いやだねぇ プライドも誇りも捨てて、労働者輸出国家じゃないか」

 「朝鮮人は?」

 「選択肢は、死ぬか、満州に行くかで、追い立てられているらしいけど」

 「でも、満州じゃ馬賊らしいよ」

 「日本人は労働者で、朝鮮人は馬賊かよ」

 「いいよな。かっこいいよな〜」

 「まぁ 血が騒ぐよね」

 「でも、なんか、白人にアジアを売り渡したみたいで後ろめたくない?」

 「全然」

 

 

 清国国会で三峡ダム建設が採決される。

 日本人記者たち

 「目標は1800万KWだと、完成すれば負けだな」

 「日本最大の黒部ダムが33万KWだから」

 「軽く54倍か、中国大陸は桁違いだな」

 「東ゲルマニア(朝鮮)半島の水豊ダムでも60万KWあるよ」

 「まったく、毎度のことながら日本は、苦労の割に収益が小さい」

 「日本は、三峡ダム建設で労働力を出すだろうか?」

 「んん・・・出さないと収入にならないからな」

 「それに日本人が労力を出さなかったら」

 「漢民族の仕事だと三峡ダムは自壊するかも」

 「んん・・・金か・・・破綻か・・・どっちも捨てがたい」

 「漢民族を信用するか」

 「清国政府次第じゃないの」

 「清国も国土回復がかかっている」

 「日本資本に発注するかもしれないな」

 「東ゲルマニアの仮想敵国がどこになるかだろう」

 「対清に向かうか。対日に向かうかで、日本の行く末も変わるし」

 「ドイツと清国が対立していた方が漁夫の利かも」

 「清国も日本とドイツ対立で漁夫の利狙いの節もあるからね」

 「まぁ 自分から敵国を作るなんてバカ野郎のすることだよ」

 「普通は、シードに収まろうとするからね」

 

 

 南沙群礁

 太平島(0.43ku)

 装甲巡洋艦 春日、日進

 春日 艦橋

 「この小島か、要塞を建設するのは?」

 「全長1350m。最大幅410mほどです」

 「水くらい出るだろうな」

 「硫黄が採掘できるだけだそうです」

 「駄目だな。左遷場所だ」

 「ドイツに取られる前にとってしまえと」

 「いくら硫黄が採掘できても、要塞砲は買えそうになさそうだが」

 「沈まないので、下手な軍艦より良いと思われます」

 「日本漁船の基地になるのなら良いか」

 建設師団が上陸すると、

 海上側に向かって堤防が建設され、のばされていく。

 その後、内陸側に鉄筋コンクリートで溝が作られ、

 塔と砲座が建設されていく。

 日本の建設師団は、高水準の職人に達しており、

 最新の土木建設機械を購入していた。

 この時期、

 清国海軍は、艦隊整備もままならない、こけおどしでしかなく、

 ドイツ、イギリス、アメリカも小島に関わっていられないでいた。

 

 

 ロシア帝国

 ラスプーチン伯爵の下、ロシア貴族潰しが進んでいた。

 貴族潰しが進むほど、領民は、農奴から解放され、

 自作農家化が進むとロシアの民衆は、ロマノフ王朝を信任していく。

 結局のところ、ロシア帝国も、江戸時代中期以降と事情が似ており、

 貴族の既得権を潰さなければ、ロマノフ王朝が潰されるまでになっていた。

 とある城、

 小高い塔で数人の貴族たちワインを嗜みつつ、下界を見下ろしていた。

 「完全に包囲されてしまったな」

 「くっそぉ〜 ペレストロイカ(リストラ)されちまったよ」

 「胡散くさい取引に騙された」

 「ラスプーチンの野郎。なぁああにが神の僕だ」

 「外国資本を利用して、貴族潰しなんて汚いぞ」

 がちゃ!

 扉が開かれ、

 コサック上がりのロシア軍将校が現れる。

 ごっくん! × 3

 「侯爵閣下。大逆の証拠は上がっている」

 「「「・・・・」」」

 「・・・逮捕しろ」

 大陸国家の敗北は死と直結する。

 もっとも、最近は、いくばくかの資産が保障され、

 国外追放で済まされていた。

 ロシア帝国議会も下手に民主化するより、

 このまま、ロマノフ王朝に貴族潰しを続けてもらった方がいいと、

 専制君主制は継続していた。

 

 
 

 サラエボとルーマニアを分断し、

 オーストリア・ハンガリー帝国とブルガリアを結ぶ回廊が整備されていた。

 鉄道建設の建設が進めば、ブルガリアから、

 さらにトルコにまで至る鉄道が建設できた。

 

 11/01 トルコ革命

 スルタン制廃止に伴い、

 ドイツ帝国は、

 ベルリン(Berlin)、

 ビザンティウム(Byzantium)、

 バグダード(Baghdad)、

 を鉄道で繋ぐ3B政策が実現されていく。

 ドイツの国際鉄道戦略は、

 イギリスの

 カイロ(Cairo)、

 ケープタウン(Capetown)、

 カルカッタ(Calcutta)の3C政策と衝突し、

 国際紛争の焦点となっていた。

 

 

 トルコ帝国

 トルコ軍のアラブ・イスラム鎮圧戦は、熾烈を極めていた。

 ハーシム家を核にした反乱軍は、イギリス軍の支援を受けており、

 苦戦するトルコ帝国は、ドイツ帝国に中東派遣軍を求め投入する。

 ドイツ派遣軍は機械化されており、

 馬上で小銃しか持たないアラブ・イスラム族長軍を圧倒していた。

 

 エジプト独立後のアレクサンドリア港

防護巡洋艦 筑摩 3隻
排水量 全長×全幅×吃水 hp 速度 航続距離
5000 144.8×14.2×5.1 22500 26 10kt/6000海里
45口径152mm砲8基 40口径76.2mm砲4基   魚雷3門
↓↓
45口径152mm砲4基 40口径76.2mm砲4基   爆雷4基×80
筑摩、矢矧、平戸

 防護巡洋艦 筑摩 艦橋

 日本海軍将校

 「どうやら、ドイツの3B政策の方が有利のようだ」

 「ドイツ帝国、オーストリア・ハンガリー帝国は既に連結され」

 「ブルガリア、トルコ帝国は、繋がりそうですからね」

 「イギリスのインドから南アフリカまで引っ張るというのは、流石に無理があるからね」

 「イギリスは、アラブ・イスラムと組み、イラクを独立させようとしてますよ」

 「だが、ドイツ中東派遣軍はアラブ・イスラム勢力を切り崩している」

 「イギリスとドイツは、世界規模でグレート・ゲーム。やることが違いますね」

 「んん・・・東ゲルマニアは、増強されつつあるからな」

 「あまり関わらない方がいいかもしれませんね」

 「というより、ドイツ帝国の増強に一役買っているのが日本なんだがね」

 「財界は節操がないですからね」

 「まったく、平気で利敵行為をするからな」

 「カイロとケープタウンを鉄道で繋ぐだけでも十分だと思うのですが?」

 「イギリスの野望の方が大きいが、3Cの維持費はインド持ちだよ」

 「なるほど、イギリスの野望に付き合わされる日本も辛いですな」

 「現実問題として、対独貿易の方が大きいのでは?」

 「だがドイツと戦争になった場合」

 「日本はドイツ本国に対し決定だがない」

 「そして、イギリスもドイツ帝国と戦争になった場合」

 「東ゲルマニアに対し決定だがない」

 「なるほど、それで、日本政府は、その状態を維持しつつ、うまみを得るわけですか」

 「たぶん、そんなところだろう」

 「ドイツ帝国の植民地投資、3B政策、潜水艦建造は、英独戦争の可能性を高めそうです」

 「・・・現状戦力で、戦争したくないな」

 

 

 

 南アフリカ ケープタウン

 イギリス戦艦オライオン

 艦橋

 「提督。日本の客船 “ぎょくえいばい丸” です」

 「ほう・・・本当に30000トン級客船を建造したのか、生意気な・・・」

 「50000トン級客船も建造する計画があるようです」

 「格安運賃は、大英帝国植民地維持で好都合だ」

 「日本人も、潰しが利きそうな労働力だそうです」

 「では、いよいよだな」

 「インド人と日本人を使って、植民地の利権を維持ですか?」

 「まぁ 大家地主稼業は左団扇で金が入ってくるし儲かるからね」

 「日本人は建設と管理人、インド人は用務員と借家人でしょうか」

 「まぁ 日本人は必死に背伸びするから丁度良かろう」

 「それにインド人は商人としても優れている」

 客船が到着すると、インド人の入植がはじまる。

 イギリスは、利権を維持するため、

 人種の比重すら変える気でいたのだった。

 インド人官吏と家族が増え、入植地が増大していく、

 それとは別に日本人の入植も始まり、

 イギリス植民地帝国を補完させていく。

 

 

 インド ムンバイ港

 30000トン級客船ソメイヨシノ

 イギリスは、ドイツの中東派遣軍に対抗し、

 インド軍を植民地防衛に派兵させ、

 代わりにインド防衛のため、

 イギリスは、治外法権の日本人街の建設を認め、

 日本軍の駐留を要請する。

 日本政府は、イギリスのインド植民地堅持のため、

 国民すらも輸出してしまうのだった。

 船橋

 「なんか、暑そうな場所に駐留させられてかわいそうだな」

 「駐留軍に不用意に川で泳がないように伝えているだろうな」

 「伝染病は怖いですからね」

 「まぁ 銃を撃ち合うよりは、マシかもしれんが」

 「イギリスのグレート・ゲームに巻き込まれたくないけどな」

 「日本軍将兵が安いからって、無茶苦茶やりやがる」

 「ていうか、日本政府がポンドを欲しがって、軍隊を輸出しているだけじゃないか」

 「インド鉄道60000kmの管理運用は悪くないよ」

 「イギリス人は、日本人に働かせて、利鞘稼ぐ気だな」

 「日本の就労人口を薄めて日本産業を弱体化させる気に決まってる」

 「わかってて乗る日本政府もどうかしてるよ」

 「それだけ、ポンドと資源が欲しいんだよ」

 「つまり、それだけ、日本は、資源と外貨がないのか」

 「というより、それだけポンドの価値が高いってことかな」

 「客船も、インド・日本より、インド・イギリスを往復する方が収入になりそうだし」

 「・・・まぁ ポンドで支払われる方が嬉しいわな」

 

 

 イギリス領インド帝国

 イギリスの直轄州は、インド全体の3分の2(200万ku)に及ぶ、

 そして、522もの藩王国は、3分の1(130万ku)を占め、

 一部、自治が認められていた。

 イギリスの藩王国干渉は、大臣の罷免と任命権に代表され、

 生殺与奪権を握られた藩王国大臣は、イギリスの良いなりとなった。

 イギリスは、欧州戦争を回避した事で、インドに妥協せず済み、

 ヒンズー教とイスラム教の対立と分裂を利用し、

 異種族である日本軍と日本人の移民を足し、利権を強固にしていく、

 イギリスは、内陸部の利権を日本人に認めても、

 沿岸部を押さえていれば、

 インド植民地全体を押さえることができるのであり、

 日本政府は、中国大陸の利権から退いた代償地をインドに求めたのだった。

 そして、インド全域12ヵ所において、

 日本人100万自治都市の建設が検討され、

 先行の日英軍が貨車に乗せられ、内陸へと移動し、

 人口密度の高い街道を通過していく。

 インドは、大きく強い藩王国が、いくつか存在した。

 カシミール・ジャンムー藩王国(北インド)

 ラージプターナ藩王国 (ジャイプル)

 グジャラート藩王国 (バドーダラー)

 ベルチスタン藩王国 (パキスタン南部)

 オリッサ藩王国 (ゴンディア)

 ニザーム藩王国(デカン高原)、

 マイソール王国(南インド)、

 トラヴァンコール藩王国(南インド)などだった。

 当然、大型の藩王国は利権も強く、

 イギリスも遠慮しなければならない。

 小さな藩王国は、イギリスの権限が強くなり直轄州と変わらない、

 イギリスは、インド人の海外官吏と移民を増大させ、

 代わりに日本人のインド移民を足し、

 イギリス領インド帝国の管理人にさせる算段をする。

 そして、日本軍駐留軍は、イギリスの権限の強い、

 自由の利く任地に就き、日本人街の建設を開始する。

 その光景は、インド第9藩王国民といった様相で、

 日本人街は、自衛と利権を確保するため、

 内陸なら水力発電所を押さえることで、

 収入を確保する算段を決めてしまう。

 

 ナーグプル

 日本軍駐留部隊が城郭の一つに入城する。

 駐留基地、司令官は、イギリス軍将校であり、

 日本駐留軍は、隷下部隊といえた。

 インド人は、ロシア軍に勝利した日本軍がイギリス軍将校に隷属していると知ると、

 反英気運、独立気運が沈静化していく。

 インド料理店の日本軍将校たち

 「これが本場のカレーか・・・」

 「右手で食べるんだと」

 「「「・・・・」」」 

 「スパイスが聞いてそうだな」

 「なに語だろう?」

 「テルグ語が多くて、ウルドゥー語、ヒンディー語の順・・・」

 「か、帰りてぇ〜」

 「早く覚えろだと」

 「ったくぅ〜 勉強するより、戦争の方が気が楽でいいよ」

 「勉強より戦死の方がいいか?」

 「日本軍は将校の命も安いからね」

 「それで、この地区の住人たちはどこに行ったんだ?」

 「まとめて、南アフリカに送られたんだと」

 「要衝のインド人を他の植民地に移動させているわけか」

 「参ったねぇ 日本軍に内陸を押さえさせて」

 「イギリスは、海岸線をいつでも封鎖できるわけか」

 「生殺与奪を奪われたようなものだな」

 「その分広いじゃないか」

 「それに内陸部だって、河川を押さえれば、湖に港くらい作れるし」

 「河川砲艦くらい配備できるさ」

 「それで収益は保障できているのだろうか」

 「まぁ 天引きされそうだけど」

 「水力発電所は?」

 「とりあえず水源域は、押さえたからダムを建設して街を作るだけだ」

 「やれやれ、日本人の利権は、大丈夫だろうな」

 「まぁ 株の2割は取られるけどね」

 「ちっ イギリスめ、何もせずにポケットに入れやがる」

 「しかし、山岳地は涼しいとはいえ、100万都市で自治軍1万は、ちょっとな」

 「インド人は多いから電力代と鉄道管理運営費で賄えるだろう」

 「3億2000万か・・・だといいがね」

 

 

 

 北アイルランド ベルファスト

 世界最大級の乾ドック(全長335m×幅50.29m)が存在する。

 日本人たち、

 「これが世界の海洋支配を維持する造船所か」

 「でかぁ〜」

 「製鉄こそ、無から有を作り出す、錬金術だな」

 「日本も50000トン級客船を建造する気らしいけど」

 「鉄も産出しないのになに考えているんだか」

 「結局、自分で輸送出来なければ、ぼったくられるという結論になるよ」

 「それに船を持っていたら供給できる国から安く買い取ることもできる」

 「安く買ってくれるならね」

 騒ぎが起こる。

 「お〜ぃ! アイルランド独立が独立したぞ!」

 「「「「うそ・・・・」」」」

 

 

 地中海

 日本の30000トン級貨客船 まつしま丸 が航行していた。

 スエズ運河経由でイギリスまで行く船だった。

 デッキ

 日本人たち

 「随分、若い客が多いじゃないか」

 「オーストリア・ハンガリー帝国行きの留学生だろう」

 「留学生ねぇ」

 「交換留学制度に予算を取られたって、軍人がブスくれてたよ」

 「やっぱり、イギリス領植民地の日本商館を中心に権益を拡大すべきだと思うがな」

 「イギリス一辺倒はどうかと思うよ」

 「地中海の強国はオーストリア・ハンガリー帝国だろう」

 「貿易は期待できる」

 「しかし、トルコとギリシャは、どうしたものか」

 「近等外交か」

 「それとも、どっちかと組みするか、選択すべきだろうな」

 「波乱になると思うよ。欧州危機に巻き込まれたくない」

 「スペイン、イタリアは?」

 「イギリスの関係を考えないとね」

 「イギリスとポルトガルは良好らしいが・・・」

 「人種問題を気にせず、関係を保ちやすいのはトルコだけどな」

 「トルコと組むと白人諸国を警戒させないか?」

 「いや、イギリス外交を助ける事で日英同盟の価値を保つ場合もあるよ」

 「んん・・・しかし、地中海外交を調べて来いと言われてもな・・・」

 「クーデンホーフ伯爵を仲介にした交易は?」

 「移民需要は多いがね」

 「言語上の問題で直接交易は進んでない」

 「結局、外交関係は利害より、マン・ツー・マン交流の総量らしいよ」

 「んん・・・利害関係の方が強いような気もするがね」

 「まぁ 親しくなっても分が悪くなると大勢側で、他人の振りしそうだけどね」

 「だから、そのマン・ツー・マン交流ってやつで大勢を変えるんじゃないの」

 「留学生を増やすのも、それか」

 「んん・・そんなんで、お友達ができるのかねぇ」

 「裏切りの方が怖いよ」

 「食管予算のおかげで、貧困層の水準が向上しているから大丈夫だろう」

 「だといいがね」

 「まぁ でも、美人がいいよってきたり、金を掴ませてきたら・・・」

 「あははは・・・貧富は関係ないか」

 「どっちの倫理観が強いかじゃないの」

 「いや、どっちの女が美人かだよ」

 

 

 

 日本は、海外領の増大により、

 軽兵装の輸送艦、警備艦の必要性が増していた。

 人員不足は大きく、兵装と人員を省く事で待遇を上げ、

 長距離航行向きの艦艇に改装していく。

 マーシャル諸島は日独権益交換によって日本領となっていた。

 比較的大きめの島でも

 小さな島が点々と礁湖を囲む陸地を合わせたモノに過ぎなかった。

 マジュロ環礁 (陸地9.7ku 礁湖(ラグーン)面積295ku)

 エニウェトク環礁 (陸地6ku)

 クェゼリン環礁 (陸地6.33ku 礁湖(ラグーン)面積839ku)

 日本政府が最初に力を入れたのは、その中でも、比較的大きな島である、

 マジェロ環礁だった。

防護巡洋艦 利根 1隻
排水量 全長×全幅×吃水 hp 速度 航続距離
4113 113.8×14.3×5.12 15000 23 10kt/6000海里
45口径152mm砲2基 40口径120mm砲10基 40口径76.2mm砲4基 魚雷3門
↓↓
45口径152mm砲1基 廃止 40口径76.2mm砲4基 廃止

 1910年に就役した巡洋艦も、僅か10年で古臭い軍艦と化してしまうほど、技術が向上していた。

 艦橋

 「やれやれ、大砲が寂しくなったなぁ」

 「次の巡洋艦はイギリスのC型に準ずる事にするそうです」

 「ったくぅ 共有品を使うなど主体性のない・・・」

 「イギリスの152mm砲と76.2mm砲は悪くないですよ」

 「イギリス艦艇の補修を引き受けられると、収益になりますし」

 「・・・悪くないだけだ」

 「政府は、軍艦より民間船。民間船より土地開発に力を入れてますからね」

 「どいつもこいつも目敏くなりやがって」

 「こんな島に国力を削いでも見返りがないだろうに・・・」

 「燃費の悪い軍艦を派遣するより、マシだよ」

 「まぁ 大口径の砲兵中隊(大砲4基)を置いていた方がいいか」

 「しかし、海上交通を守るには、軍艦が必要だろう」

 「政府は、海軍が海上護衛に熱心じゃないから、費用対効果が悪いんだと」

 「そりゃ 戦艦は好きだけど・・・」

 「玩具に乗ったエリート軍人より、地場に根付いた軍人だそうだ」

 「ちっ!」

 

 

 呉

 サイドカー付きのハーレーダビッドソンが道路を行き来し、

 リヤカーを引っ張るバイクも急増していく。

 燃費の良さと日本の道路事情のせいか、

 バイク陸王のライセンス生産が進む、

 当然、陸海軍もサイドカー付きバイクの機動力に注目する。

 「やっぱり、こいつの機動力は捨てがたいよ」

 「上層部は、荷物をたくさん運べるトラックの方がいいらしいけど」

 「道路建設重視なんだろうな」

 「バイクとリヤカーで一個分隊の物資を運べば、展開も早いよ」

 「かっこ悪いけどね」

 

鳳翔(マイノーター)型空母 1隻
排水量 全長×全幅×吃水 hp 速度 航続距離
17000 200×25×7.92 54000 28 10kt/10000海里
艦載機50機 50口径76.2mm連装砲8基    
鳳翔(シャノン)

 赤レンガの住人たち

 「大砲外し、機関を倍にし、装甲引っぺがして」

 「全長を50m以上も延ばして、真っ平らか・・・」

 「大砲がないのが寂しい」

 「洋上で航空機を運用できるのはいいよ」

 「でも、もし、飛行機が離着艦できなかったら、俺たちクビだよね」

 「け、計算上は大丈夫だよ」

 「その数学者にやらせろよ」

 「あははは・・」

 「計算上だからって、計算上上手くいくとは限らないだろう」

 「上手くいけば、マイノーター型装甲巡洋艦2隻も空母改造だよ」

 「飛行機が高いってこと忘れてないだろうな」

 「事故で失われたら泣きたくなるよね」

 「それだって、戦力化次第だ」

 「上手くいけば、デューク・オブ・エジンバラ型装甲巡洋艦2隻も空母に改造するかも」

 「しかし、新造艦で造れなかったのか?」

 「予算がなかった」

 「新しく造りてぇ〜」

 「空母が旗艦で砲撃戦をしないのなら、装甲の薄い艦でもいいだろう」

 「潜水艦が怖い」

 「まぁ 冶金で10年以上差があるから、買うのも悪くはないよ」

 「厚みが増すほど差が出るから、ますます、差が作られるんじゃないか」

 「客船でも、なんとか、冶金技術は向上するだろうけど」

 「それ以前に公共設備に鉄を取られているのがいけねぇ」

 「そういえば、錆び難いスコップとか、外国に売ってたっけ」

 「ニッケルとか、クロムとか入ってるやつか」

 「賃金安いから、日本で作ると利益になりやすいんだと」

 「貴重な希少資源を・・・」

 「むしろ、これからの軍艦は、空母より、潜水艦という気がしないでもない」

 「潜水艦も高そうだな」

 

 

 日本

 大規模公共工事が相次いでいた。

 水力発電、鉄道、港湾、道路、公共施設などだった。

 大型船を建造することで一度に輸送できるコストを引き下げ、

 東ゲルマニア需要、英独植民地需要、アメリカとの取引など参入し、

 外資を得ることで鉄屑、鉄鉱石、石炭を購入し、

 国内の公共事業を達成していた。

 日本の一部は、空前の好景気に酔いしれつつも

 不安を掻き立てられていた。

 実のところ、己が財産を守り増やすことが主眼であり、

 愛国心を利用し、己が財産を守り、

 支配圏を拡大する者が多数派であり、

 自分が損をしても国益のためという人間は少数派といえた。

 自分の保身と幸福より、

 愛国心を考える国民は、少数派なのである。

 公益性で自己欺瞞しているだけとも言える。

 とはいえ、国家のまとまりや国防をないがしろにすべきではないのである。

 無論、鉄道建設費から軍事費を引き抜けと言うと、

 相当な軋轢が予想されるが・・・

 陸海軍統合兵器局

 射撃場

 ウェブリー&スコット (11.5mm×19.7) 拳銃

 エンフィールドNo1 (11.5mm×19.7) 拳銃

 日本軍将校たち

 「こいつはいまいちだよな」

 「威力はるけど、お辞儀が速すぎる」

 「弾頭を真っ平らにすれば、弾道特性が安定する」

 「んん・・・それでも射程がな・・・」

 「相手の顔を見える距離で撃ち合える、決闘用じゃないの」

 「決闘か・・・」

 「軍人の決闘は、訓練費用分を国に返還してもらわないと血税丸損だよね」

 「11.5mm×19.7で自動拳銃を開発すれば良いのでは?」

 「イギリスは、まともな自動拳銃を開発しないのか?」

 「イギリス人は、拳銃を戦力外と思ってるし」

 「我が道を行くところがあるからな」

 「自動拳銃ならコルト・ガバメント(11.43mm×23)は?」

 「威勢がいいよ」

 「反動が強過ぎて当たらないよ」

 「ていうか、拳銃で壁ごしに相手を撃ち殺す発想が信じがたい」

 「いや、外国に長屋はないから」

 「ぅぅ・・日本も、いい加減、長屋から卒業してぇ」

 「9mmパラベラム弾(9×19mm)は手頃なんだけどな」

 「11.5mm×19.7弾で自動拳銃を開発して、イギリスに逆輸入すれば?」

 「んん・・・金になりそうだけど、弾がいまいち」

 「南部式小型自動拳銃(7mm×19)は、良さそうだけど」

 「日英同盟で言うとマイナスだね」

 「それに玩具だろう。致命傷になるまで互いに撃ち合うのかよ」

 「痛過ぎるというか、かわいそ過ぎるというか、残酷すぎるだろう」

 「不都合があっても致命的な11.5mm×19.7がマシ」

 「不都合を受け入れてまで、イギリスに媚びる必要があるのか?」

 「イギリスに7mm×19を使わせろよ」

 「それか、開発中の8mm×21」

 「パラベラム弾の方がマシという気がする」

 「まぁ どちらにせよ」

 「イギリス植民地防衛に加担しているのだから互換性は、当然でしょう」

 「尖突形状弾にすれば、体内で回転するから効果ありそう」

 「バーグ条約違反じゃ・・」

 「いや、ホローポイントじゃないし」

 「弾頭を十字に切ってるダムダム弾じゃないから大丈夫でしょう」

 「問題は、尖突形状弾にするには、貫通力が足りないことかな」

 「駄目じゃん」

 

 

 

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 月夜裏 野々香です。

 ドイツ帝国は、植民地を着々と開発。東ゲルマニアも増強中です。

 また3B政策でオーストリア・ハンガリー帝国の治安と経済が安定し、

 ブルガリアも一息、

 そして、トルコ革命でトルコ帝国の近代化が進むかも、

 

 ロシア帝国は、民族共産主義の台頭を押さえつつ、

 ラスプーチン伯爵の貴族潰しで、貧富の格差は調整され、

 ロマノフ王朝は、延命処置が取られそうです。

 

 清国は、君主制民主主義へ移行です。

 これは、かなり怖いです、恐怖と言えるでしょう。

 

 アメリカ合衆国は、まぁ 何というか、ジャイアン顕在。

 とはいえ、民族比率でドイツ系が減少しているはず、

 アメリカ合衆国のラテン化が進めば、占めたもの、

 

 一方、イギリスは、マイペース振りが祟って、3C政策が頓挫しそうな予感、

 しかし、世界大戦がなかったことで、インド独立は遠のき、

 イギリス植民地は、日本とインド人の移民で確保でしょうか、

 とはいえ、世界の植民地を押さえても足元のアイルランドが独立したりと、

 いろいろです。

 お陰で、日本は、外需内需両用で頑張ってそう。

 一部は、植民地支配の方棒で、搾取の味を占め、

 一種の搾取麻薬ですか、

 浸ってしまうと、勤労意欲を失って大変かもです。

 

 そして、南沙群礁占領。

 シベリア出兵より負担が少なそうです。

 はてさて、内需・外需と人手不足、賃金・物価高騰となっていきそうな日本です。

 上手く近代的と荒れる国際情勢に乗っていけるでしょうか。

 

    領有 面積(ku) 利権 面積(ku) 軍(万) 人口(万)
北欧 ドイツ帝国 54万0857     4720  
朝鮮半島 東ゲルマニア 21万0000   100 2800 500
遼東半島     3462+1万2500 10 200  
山東半島 ホーエンツォレルン 4万0552 11万6700 20 700 500
カメルーン 南ザクセン 79万0000   10 200  
東アフリカ 南ヴュルテンベルク 99万4996   10 200  
南西アフリカ 南バイエルン 83万5100   10 200  
トーゴランド 南バーデン 8万7200   10 200  
 
ドイツ帝国 350万2167 12万9200   9290 1000

 

 

  

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第14話 1921年 『誰がための平和』
第15話 1922年 『売国じゃないよ、売民だよ』
第16話 1923年 『大英帝国植民地補完計画』