第06話 『瑞穂の庄』
1647年
瑞穂(ニューギニア)
天草四郎は、この地に送られて9年。26歳になっていた。
入植直後は、苦心惨憺で農作が軌道に乗るまで多くの死者を出した。
しかし、海里ツカサが送ってくれた物資で当座を凌ぎ、
次第に自給自足化していく。
常夏の島で水田の収穫が大きかったことが救いで、
いまでは水田が広がり、集落が作られている。
それだけ。
他には、何もない。
無いどころか、人食い人種までいる。
日本人は、大豆を植え、魚を獲ることでタンパク質を確保できた。
余程の大飢饉でなければ、人食いの現象は起こらない。
しかし、ここでは、珍しくなかった、
弱肉強食の頂点に立つ人間が未開地で衝突した結果なのだろう。
食用できる哺乳類が少なかった事も大きい。
ニューギニアは、部族によって異なるが “人食い” が行われていた。
人食い人種は “人食い” を生の融合、弔いの一種と考えている節もある。
日本だと戦乱で殺された死体が数百から数万まで、累々と討ち捨てられていく。
死体を無為に朽ちらせていくのと、
生きる者の内に留めていくのと、どっちが良いか、という気にもなる。
ウジに食われ、腐って土に返っていくのが良いか。
自分を殺した強い人間に食われて血肉となっていくのが良いのか。
しかし、価値観の相違として共食いを認めるわけにいかない。
キリシタンは、人を犠牲にして生きていくより、
人の犠牲になって生きて行く道を選択する。
そして、迫害を受けてきたキリシタンも人食いに嫌悪感を見せ、拒絶反応を起こす。
戦力が整い次第、人食い人種を鎮圧、根絶やしの予定だった。
日本人町も、朱雀のように華やかで栄えている地域と、
瑞穂のように未開地を開拓しても華やかになれると思えない地域もあった。
何もない故に信心深い者は、朱雀でなく、この瑞穂の地に来やすいらしい。
幕府も最初から計算ずくなのか。
海里ツカサの意図なのか。
幹部・信心深い者は瑞穂。
信仰の浅い信者は朱雀へ移している。
宗教は権威主義的な側面があって、上級層と下級層で分けられる、
上級層は手足をもぎ取られて力も半減する。
町奉行が囚人に “遠島を申し渡す” と言えば、朱雀か、瑞穂に決まっていた。
イギリスやオランダも同じようなことをしているらしい。
噂だと、ここと同じように信教の自由を求めて新大陸に向かったイギリスの船があるという。
「船だ!」
見張り矢倉から声がすると高台の大砲の前に人が集まる。
海里ツカサの置き土産で重宝している大砲だが骨董品に近い。
戦うためというより、相手の無法をけん制し、礼儀正しく接しさせるため。
それ以上のものではなかった。
青い空と海が重なる水平線の向こうから帆船が向かってくる。
瑞穂に必要な物は多かった。
船が湾に着くと桟橋からキリシタンと囚人が物資と一緒に降ろされてくる。
キリシタンと重罪の囚人が同じ場所に送られる。
日本全体の目では、キリシタンであるだけで重犯罪なのだろう。
結局、事勿れで権威側、損得勘定で多数派に付いて、
反キリシタンで行動するのが日本人の気質といえる。
キリシタン軍の攻撃で日本民族が壊滅寸前まで追い込まれない限り、
力の信望者たる日本人の意識から、この種の差別は拭えない。
農地開拓は、鉄器や農耕器具が、どうしても必要になる。
瑞穂に向かう海流と風が瑞穂への航海を邪魔する。
瑞穂に価値がなければキリシタンの減少に従い来航する船の数は確実に減っていく。
瑞穂を価値ある世界にできなければ日本のキリシタンは負け犬になる。
天草四郎は、島原の乱で名前を知られ、
キリシタンが集まりやすく利用されている。
しかし、この島を開拓できればキリシタンを糾合し。
遠い将来、日ノ本と瑞穂の立場を変えることもできた。
1648年
ロシア人が扶桑(カムチャッカ)半島に根拠地を建設しようとして “海” と戦闘。
ロシア人を駆逐する。
1649年
この頃、鍋島家、毛利家など、造船で力をつけて、海外雄飛に加わる。
徳川幕府の朱印船は、500隻を数え、船体構造も、準フリゲート船とか、準ガレオン船並み。
装備された大砲は、数こそ少なかった。
しかし、船体構造は、欧州勢と比べ、遜色ないものになりつつあった。
新造朱印船は、全長35m、全幅10mを超えるものが多く、
大きいものだと全長50mに達し、1000トンを超える。
中には、鉄皮をまとう船も現れる。
これら新型船の建造は、大量の木を伐採しなければならず、
日本中の木材が消費されていく。
木材不足は、代替資材の開発につながり、
竜骨や一部の船材に鉄が多用されるようになっていく。
植林を逆算して伐採していくため、木材不足は深刻化し、
北海道、千島半島の木材伐採と植林も検討される。
イギリスと違って、日ノ本は、天災や火事などあって、森林伐採に慎重だった。
船大工の会話
「船材に木材が足りないのは、分かるがね」
「鉄は錆びるし、鉄が余っているとはいえまい。刀や槍とは、鉄の量が違うだろう」
「たたら製鉄では、間に合わないしな」
「刀の方が売れるか。どこか、安い、木材と鉄が、あればいいんだが、もう船代が高くなるばかりだ」
「どうしたものか・・・」
1651年
南蛮交易で反徳川勢力の朱雀移民は進んでいた。
それでも国から出ることなく、
幕府のあり方を根底から覆そうという者が現れる。
悪く言えば、井戸の中の我が侭な、蛙。
良く言えば、生まれた祖国から離れるもんか、打倒幕府、国家権力は、俺の物。
将軍家綱が11歳で即位なら好都合。
徳川幕府に恨みを持つ浪人救済を旗印に幕府転覆を画策、慶安事件が起きる。
通称、由井正雪の乱がそれだった。
一連の事件は密告によって事なきを得るが幕府を揺るがせ大騒ぎとなった。
日ノ本には、減封、改易で仕官のない浪人が余っていた。
江戸城
こそこそと話し声が聞こえる。
権謀術数の末の尻拭いで、くさいものには蓋をする。
駄目なら踏み躙ってしまうの更なる悪巧み。
「こりゃ 朱雀行きをもっと増やすべきじゃの」
「行きたがらない者も多い。勇気がないのも負け犬の性じゃ」
「しかし、由井正雪の乱のような恭順派に見せて反逆だと内部に敵がいるの」
「11歳の家綱様を将軍に守り立てたのだから、こういうこともある」
「んん・・・幼いから毒がなくて好きにできるのが良い」
「しかし、簒奪者が現れやすい」
「順当に将軍になったのだから構うまい。それに朱雀行きを増やす口実にもなる」
「乱の核になる者がいても手足となる不満分子が少なければ動けまい」
「しかし、行きたがらない者は、どうしたものか・・・」
「瑞穂に行くキリシタンは、増えているぞ」
「では、由井正雪が南蛮のどこかで生きていることにし、不満分子を朱雀へ行かせるか」
「そうじゃの・・・」
徳川幕府は、北方開拓と南方交易で稼いだ利益で国内経済を発展させる。
もっとも、さらに発展させようにも金銀が海外流出し、
銅貨ばかりで、それすらも輸出品として価値が高い。
もう一つ、重農主義、重商主義の利害関係で、政策の違いがあり、行ったり来たりする。
参勤交代を利用して、五畿七道の整備と荷役を負わせ、
諸藩を弱体化させることに余念がない。
五畿七道は、幕府の支配圏の確立のため、
日本全国の交通網を幌馬車で結びつける。
街道の往来が激しければ、幕府は諸藩の動きも読みやすく早い対応が可能だった。
幕府直轄の交通機関の運営は、幕府御用達の “海” に任せ、
諸藩の睨みを容易にしていく。
これは、諸国の街道を公道化して睨みを利かせることで、
切腹が減り、緩んでいく、武家諸法度を回復させる効果があった。
1652年
承応の変
老中襲撃計画が密告により事なきを得る。
英蘭戦争(1652年〜1654年)
“御用だ! 御用だ! 御用だ! 御用だ! 御用だ! 御用だ!”
「囮かよ、そんな役回りだぜ」
「しょうがねえ、山側に逃げるか」
海里と永未は、顔を隠していたが追い詰められて、窮地。
刀を抜いて構える。
チャンバラは本意でないが状況に応じて、役人達とも討ち合う。
“御用だ! 御用だ! 御用だ! 御用だ! 御用だ! 御用だ!”
「ったく〜 うぜぇ 連中だな。どうする海里」
「永未。こっちだ!」
木材置き場の下を潜りながら材木を倒し、追っ手を撒き。
「まてぇ! この人攫い、鉄砲鍛冶をどこに連れて行った!」
正面から来る同心と討ち合う。
「そんなこと教えるか!」
「飼い殺しするな」
「なにぃ!」
小太刀は、小太刀の戦い方がある。
大刀を一度逸らせれば、小太刀の返し刀は圧倒的に速い。
ツバメ返しを片手でやれる。
峰打ちで、利き腕を叩けばしばらくは使えず。
隙を見て逃げ出す。
切ってしまうと同僚の復讐とか、
血相変えて追ってくるため、峰打ちの方が逃げきりやすい。
「くっそぉ 卑怯者〜!」
「あばよ」
1653年
徳川幕府は、未開発地の占拠をさらに進める。
瑞穂島(ニューギニア島)は、キリシタンの格好の島流し場所となった。
途上の島々(マリアナ)の占拠も進む。
人の多い東南アジア域では積極的な行動はない。
しかし、瑞穂島へのルート作りは、人の数に任せ、島伝いに建設されていく。
島伝いであれば、大型船でなくても良いことになり、
定期船という形でグアムにまで辿り着くことができた。
その後は、大型船で瑞穂まで行く、
途中の島々の施設は、それなりのものになっていく。
1655年
この頃の東南アジア
日本 (旧豊臣系、キリシタン系、幕府系、独立系)。
欧州 (オランダ、イギリス、ポルトガル、スペイン)。
華僑系。 イスラム系。 地場勢力
争いが大砲や銃を発達させ、人々を狡猾にさせていく。
どのくらい狡猾かというと、自ら戦うことなく敵同士を係争させ。
仇同士を磨り潰させ、全部、自分の物にしてしまうほど・・・
朱印船は、欧州船より劣る事から、2隻から3隻以上で行動するようになり、
日本人町は、一部が閉鎖されて10ヶ所に集中するようになる。
これは、幕府にとっても監視しやすく、
キリシタンの伝播を防ぐ上で好都合だった。
1657年
この頃、北方開拓で幕府は、明人、清国人、ロシア人と接触する。
日本勢が銃や大砲を所持していると、清国人、ロシア人も、紳士的な振る舞いを見せる。
そして、樺太、扶桑(カムチャッカ半島・北東シベリア)、
大和(アラスカ)への発見と開拓は、凍土である事から至難を極めた。
しかし、大量の木材は、朱印船建造に都合がよく、
また、徳川幕府は北方開拓で諸藩を消耗させるべく、
諸藩を消耗させていく。
「沿海州側には、行けぬか」
「清国側が強いようです。北側のロシア人も少数ながら銃を持っている様子」
「・・・北の材木は寒過ぎて伐採期間が限られる」
「しかし、日ノ本が禿山になってはまずかろう」
「植林が間に合わぬか」
「100年以上の杉、樫でなければ朱印船として適さぬであろう」
「それに長雨や大雨がきたら先が思いやられるであろう」
「分かっておる。分かっておる」
「しかし、交易での利益があまりに大きくてな」
「諸藩も材木の過度な伐採を禁制にしなければならぬな」
「諸藩が洪水で消耗するのは構わないだろう。治水の失敗は、改易につながる」
「だが洪水で消耗させるより、荷役で消耗させるほうが良い」
「扶桑(カムチャッカ)と大和(アラスカ)の開拓は辛かろう」
「夏の間の一時期だけだ」
「越冬者は少ないし、冬場になれば牢獄と同じだそうだ」
「食料は」
「食料は十分にある。日本に帰還するときに持ってくる魚と氷で一財産作れ」
「扶桑と大和に向かうときに大量の米を持っていく」
「計算上、扶桑、大和の人間の方がたくさん米を食っているのは、本当らしいな」
「しかし、ロシア人と接触しているそうだが」
「ロシア人も東方を探検しているようだ」
「オランダの情報だと、欧州では僻地・辺境で遅れた国だそうだが大国らしい」
「大砲も持っているだろうか」
「たぶん、船も持っている。いつかは、交易を求めてくるかも知れぬ」
「キリシタンだろう」
「交易はまずいな」
「大和の方は?」
「大和の方が扶桑より、気候が良いそうだ」
「瑞穂も、扶桑も、大和も、日本の別称。上手く、開拓できればいいが」
「防衛できれば、いいのだがな」
「大和側にも強い勢力がいるのか」
「いまのところ接触していないそうだ。現地民は未開人でたぶん、取り込むことができるだろう」
「アイヌ人より多いのか」
「分かっている範囲では少ない」
「では、大和の方が期待できそうだな」
「どうかな、扶桑も、大和も、寒すぎる」
「大きな魚と木材が取れるのは嬉しいが寒い」
「動けるのが夏の間だけか、凍土には、梃子摺りそうだな」
「東の海には、何もないのか」
「無いな、小さい島を見つけたらしい」
「取りあえず、10家族ほど住まわせて城を作らせる事にしている」
「西はどうにもならないか」
「朝鮮との接触を禁じられたせいで、高麗人参が入らなくなっている」
「オランダ人から買うと高くつくが」
「日本で産する事は出来ないのか」
「どうだろうな、研究はしているようだが・・」
「瑞穂は伽羅の植樹を計画しているのは本当なのか?」
「さぁあ、噂だろう」
「そういえば、瑞穂、水田が増えて、結構な石高になっているそうだ」
「ほう、どの程度だ」
「瑞穂島が日本より大きいそうだ」
「しかも、2度も、3度も、稲作ができる」
「では石高は日本の3倍以上か」
「まだ人口が少ないから、そこまでは行かない」
「しかし、石高が大きくなれば人口も増えよう」
「そのうち、瑞穂のキリシタンは瑞穂の木材で船を建造」
「独自に外国と交易をするかもしれないな」
「じゃ ある程度力をつけたら」
「瑞穂の船が日本にキリシタンを迎えに来るようになる」
「それは手間が省けて良い、それに勢力的には、まだ小さい」
「それほど気にする事も無いだろう」
「いまのところ、瑞穂の人口は3万だ」
「たぶん、日本のキリシタンも瑞穂に向かうから30万が行く事になる」
「たぶん、豊臣恩顧の者も行くだろうから結構な勢力になりそうだな」
「瑞穂は、暑いのではないか」
「熱いらしいが稲作向きだ」
「徳川は、もう、石高だけで藩勢を計っていない」
「金、銀、鉄、財、人、漁獲まで含めた蔵高を検討している」
「仮に瑞穂が力をつけても、徳川幕府を脅かすまでに100年以上必要だ」
「その頃には、100年以上差をつけていよう」
「しかし、木の伐採は、何とかしなければならぬ。禿山を作ると治水が・・・」
「船問屋の話だと船が大きいと時化でも沈みにくく効率が良いそうだ」
「大きな船を少なく建造したらどうだ」
「作るのに時間が、かかりそうだな。それに失敗したとき、失ったときの事を考えると恐いな」
「鉄を増やした鉄皮船は良いそうじゃないか」
「錆びぬなら良いとも、金のかかるだけだ。それに鉄も少ないだろう」
「倍の長さの船を建造できるか、やってみるか」
「イギリスでは、それくらいの船を建造しているそうだ」
「イギリスは、スペインに勝って、欧州で、一番強い国になっているのか」
「海で強いのは、オランダだろう」
「海で強いだけという話もあるが、陸で弱いとは聞いていない」
「フランスも最近は強いらしい」
「キリシタンが宣教師から事情を聞いていたとしても、それが事実とは限らない」
「実際、見に行かない限り、わからんかもしれないな」
「しかし、南蛮貿易で力を付けていく藩も増えていると聞く。金銀銅も流出しているし」
「南蛮人は、どうやっているのか?」
「肉の味付けに使う香料もあるが海賊だろう」
「そういうのは、ちょっとな」
「海賊家業でオランダやイギリスと衝突すると船の損失で負ける」
「儲けも減るな」
「んん・・・そろそろ、潮時かも知れぬな」
「鎖国か・・・それまで可能な限り、不穏分子を追い出し、間引いてしまおう」
1659年
清国が南明を攻め滅ぼそうとしていた。
江戸城
「・・・最近は、油が安くなったの」
「樺太の燃える水が庶民にも広がっているようで、火事が気になりますな」
「しかし、木材が不足しておるから大火は困るの」
「では、扶桑(カムチャッカ)の木を伐採するのが良いかもしれぬの」
「夏場なら、いけると聞く」
「それより、諸藩の若い者は、明国の変で、いきり立っておる」
「このままで、この勢いが反徳川に利用されることもある」
「それは、あるやも知れぬな」
「南明は、もはや末期。この機会を利用して、大陸に足がかりを築いてはどうか?」
「大陸は、大きいぞ、深入りすれば、金の亡者が徒党となって天下泰平の幕府を蝕もう」
「天下泰平が若武者の勢いを大きくしているのだぞ」
「それでも、治水工事。参勤交代。北方開拓。片道の朱雀、瑞穂行きで随分と押さえておる」
「朱雀の日本人の人口は、どの程度になっておるのか?」
「30万あまりと聞いたが」
「30万・・・そこに住んでいたタイ人は?」
「例のアユタヤ日本人町襲撃事件の復讐で・・・」
「そりゃ むごいの」
「強者の論理だと負けた側が悪にされる」
「同情されるのは、全てが終わってからだ」
「どっちも、適当な口実で自己正当化して、正義ぶるからの」
「いざ保身が絡めば、虚偽狂言など、日常茶飯事だ」
「正義と正義の戦いでも、本音は自分本位の衝突。大なり小なり、悪と悪の衝突か」
「朱雀軍は、東南アジア最強の軍隊とか」
「南蛮の堺とか。南シナのベネチアとか、呼ばれているらしい」
「朱雀の庄か・・・政は、誰が執っている?」
「堺と同じだ。船を持つ大商人が合議制で決めている、拮抗して誰とも言えんな」
「堺か、商人どもめ、いまでは向こうの方が面白かろう」
「向こうで、船を建造して南シナを自由に往来しているとか」
「ふ 朱雀か、人減らしの出島代わりぐらいにしか思っていなかったが朱雀も大きくなったものじゃ」
「そういえば、朱印船に同行する目付も途中まで足場がないと不平をいうておったの」
「・・・そうじゃの・・・」
徳川幕府は、大陸動乱の機会を逃さず、琉球を占領してしまう。
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月夜裏 野々香です
“御用だ! 御用だ! 御用だ! 御用だ! 御用だ! 御用だ!”
追い掛け回される方は、かなり、うざいと思う。
佐々木小次郎の “つばめ返し”
第一撃、打ち下ろしの牽制をかわしても、持ち方を変えて、
第二撃、突っ込みつつ振り上げられて、バッサリ。
最初から振り上げることを前提にした長剣の打ち降ろしで、
長剣の短所を消しつつ長所を生かせるという感じでしょうか。
その剣捌きは、燕が方向を変えるほど鮮やかだったとか、
腕力凄すぎ。
刃をひっくり返しつつ地面で止めて、全力で討ち上げたのだろうか。
実に恐ろしい剣術かもです。
小太刀で、これをやろうとすると、
つぶてやナイフで気を逸らし、
懐に飛び込みつつ動体視力と優れた剣術で相手の第一撃を逸らし、
第二撃で反撃。
もう、命がけでしょうか。
宮本武蔵は、二刀流。
こちらは、1対多が多かったのでしょう。
生きる強さで筋金入り、剣術も手段に過ぎず、
柔軟性で小次郎に競り勝ったような、です。
ランキング
第05話 『朱雀の庄』 |
第06話 『瑞穂の庄』 |
第07話 『日ノ本 伊達騒動』 |