月夜裏 野々香 小説の部屋

    

タイムスリップ系架空戦記

『時空巡洋艦 露鳳』

 

 第25話 1965 『十 日 十 韋』

 南洋諸島

 弥生(ニューブリテン)島、飛鳥(ニューアイルランド)島、端花(ブーゲンビル)島

 軍によって、しがらみなく区画整理がなされ、

 戦後の公共投資で地熱発電所や鉄道、道路が敷かれ、

 港湾、空港、公共施設が建設されると商業区画と工業区画が発達し近代化が進んでいく、

 弥生湾

 60500t級モンタナ型戦艦ルイジアナが相模型3番艦“薩摩”に先導され入港しつつあった。

 艦橋

 「ガントリークレーンが増えたようですね」

 「そのようだな」

 「ですがラバウル湾を捨てた理由がわかりませんね」

 「現地民との諍いを避けようとしたのと、こちらの湾が広いからじゃないかな」

 「聞くところによると博多湾より広いらしい」

 「しかし、元が取れますかね」

 「領事館で聞いた話しだと、利便性は増して生産性は向上してるらしい」

 「満州で上げた利益を南洋諸島に注ぎ込んだのでしょうか」

 「そうかもしれないが、これだけの短期間にこれだけの成長・・・恐るべき、生産力だな」

 「一般的な生産性では合理的なアメリカ、機能的なドイツが優れてるのですがね」

 「日本は、低賃金と労働力で埋めてしまえるようです」

 「戦勝の傲慢と土地持ちゆえの勤労低減が思ったより低いようだな」

 「生来の生真面目さですかね」

 「ハワイの在日アメリカ人も日本教育を受けると、日本人的な思考になるようですね」

 「まぁ そういうアメリカ人がいてもいいだろう」

 「どうもアメリカ人は土着な同好意識が弱く、資本主義的な企業気質が強い」

 「馴れ合いが少ない方がいいと思いますがね。アメリカ的な教育の成果かもしれませんが」

 「比較検証はすべきだよ」

 「対日外交は、アメリカにとっても重要だ・・・」

 「提督 “薩摩” から停船を求められてます」

 「あとはタグボートに着岸させると」

 「よし、停船」

 「副長。相模型巡洋艦をどう見るね」

 「いい艦ですね」

 「噂が本当なら9000t級巡洋艦で最高レベルでしょうか」

 「艦の両舷に格納してる垂直発射ミサイル60基か」

 「兵装の少なさを考えるなら、情報は本物だろうな」

 「ですが、電算速度を逆算してもトランジスターではありないそうですが」

 「やはり、ICを使ってるのかもしれないな」

 「ですがICは、まだ・・・」

 「日本はX艦の技術を習得しているのかもしれないな」

 「ですが日本の科学技術の習得の度合いは、中国人や儒陀人とは明らかに違いますね」

 「その研究のために軍艦来訪させて反応を見てるようなものだがな」

 

 

 

 政府関係者たち

 「地熱発電だけで製鉄と工場とロープウェイ、ケーブルカー、モノレールが動かせそうだな」

 「火山が多いからね。エネルギー大国ではある」

 「電気自動車もいけそうだ」

 「まだ舗装は進んでないよ」

 「それにしても、ずいぶん、発展してきたじゃないか」

 「山持ちも多いし、水源があれば水力発電もいけるからね」

 「赤道近辺じゃ 最大GDPだよ」

 「日本列島が太陽なら、南洋諸島は月かな」

 「直上で日光が強いのに」

 「赤道付近の国は太陽より、月を国旗に入れるだろう」

 「じゃ 月光諸島とでも総称するか」

 「ツクヨミを掛けて、月巳(つくみ)諸島でもよくないか、巳は丁度、南東微南に当たるし」

 「蛇は多かったっけ」

 「蛇は約100種類。ワニ2種類。カメ13種類」

 「なら、いいじゃん」

 「鳥類は約700種類だから鳥が怒ると思うよ」

 「蛇の方が危ないし、酉は日本から西だからな。この際、鳥に我慢してもらおうよ」

 「総称名があると独立機運が生まれそうだな」

 「南洋諸島じゃ 不便だろう」

 「まぁ そうだけどねぇ」

 

 

 ムッサウ島(414ku)は月巳(南洋)諸島の最北端で、赤道から南に150kmの洋上に浮かんでいた。

 海抜615mほどの山が台地状に切り開かれ、幾つもの施設が建設されていく、

 「こんな場所に宇宙ロケット基地を建設するのか」

 「スコールが多いのが難点かな」

 「それに国家予算規模で欺瞞工作なんて・・・」

 「娯楽施設が欲しい」

 「島の西側に建設するらしいよ」

 「東側は危ないって?」

 「ロケットが落ちてきたら危ないだろう」

 「種子島に建設するって話しは無くなったの?」

 「種子島より少し小さいけどムッサウ島の方が赤道に近いし」

 「標高500mからの打ち上げなら塩害の心配も少ない」

 「何より島の人口が少ないことが一番」

 「南洋諸島も経済成長してるしね」

 「ロケットを運び上げるのが一苦労だ」

 「それくらいの不利ならどうにかなるよ」

 「ドイツなんて宇宙ロケット用のプラットフォーム船を建造してるから」

 「そっちの方が機能的で柔軟性ありそうだな」

 「費用対効果を考えると、どうだかねぇ」

 「宇宙産業は採算度外視の国家の意地の張り合いなんじゃないのか」

 「衛星を使ったネットワークは最低限重要らしいよ」

 「でもせっかく建設しても赤字の浪費確実じゃなぁ」

 「どこかの国の衛星打ち上げで食い凌ぐんじゃないの」

 「官僚仕事じゃ利潤上げられないよ」

 「技術的な問題と安全性をおおかたクリアできたら」

 「宇宙事業の民間移籍も可能かもしれないけど。いまじゃねぇ」

 

 組織は、自己防衛と権益拡大を目指し、

 組織人は、見返りで地位と名誉と収入が約束される、

 組織の存亡は、属する者にとって死活問題であり、

 権力掌握の早道であり、生殺与奪を免れる聖域と老後の安寧に至る。

 官僚組織であれ、営利企業であれ、組織権益は、国益以上であり、

 組織至上主義を追求するなら弱者を衰弱死させ、国益を損なわせ、

 国家構造を瓦解しかねないほど増長する。

 仮想敵国と仮想敵国民も組織益の口実と出世の踏み台に過ぎず、

 競合関係にあるといえた。

 先進国の組織形態は様々であれ、

 上下関係を確立し、利害を一致させ、契約を保障することで組織を構築していく、

 多民族国家のように契約に対する姿勢が厳しい社会が存在するなら、

 単一民族国家のように契約に対する姿勢が甘く、馴れ合いで補完される社会も存在する。

 どちらにせよ。

 利害の一致と信頼関係がなければ組織形成の根底が成り立たたない、

 組織は個人で成しえない偉大な業績を可能にする。

 後進国の多くは、契約の反故が多く、

 私利私欲と公私混同の比重が大きく、信頼関係が失われやすく、

 特権的な階級を構築しない限り、組織形成が困難となっていた。

 そして、インド大陸はそういう社会だった。

 インド藩王諸国会議

 「アメリカは、傲慢にも資本主義と民主主義を至上のモノとし」

 「人類文明の雛型の一つであるインド文化を滅ぼそうとしている」

 「アメリカとアメリカの傀儡ハイデラバード藩王国、パキスタン、儒陀藩皇国に屈してはならない」

 「断固戦うべし」

 「「「「戦うべし!!!」」」」

 「我々は孤立しているわけではない」

 「我が国の心強い友好国も我々の戦いに期待している」

 会議の席上に日本、ドイツ、ソビエトのオブザーバーがいた。

 「彼らは、軍需、民需とも我々の味方をし、支援している」

 ぱちぱち! ぱちぱち! ぱちぱち! ぱちぱち! 

 「何か、助言がありますか?」

 「戦争でイスラム・儒陀勢力を押し返すには、カースト制を廃止するしかないのでは?」

 「そうですね。その方がインド人の総力を結集しやすくなりますし、将兵の士気も上がるでしょう」

 「差別された人たちに差別する者たちのために戦えと言われても本気にはなれないですからね」

 「「「「・・・・・」」」」 しーん

 己が特権を放棄したがるバラモンはいない、

 「む、むろん、そうではあるが、現状でそういった事をすれば混乱が起こり」

 「戦局全体に悪影響を及ぼすと考えます」

 「「「「・・・・・」」」」 うんうん

 「「「・・・・」」」 ため息 日本 & ドイツ & ソビエト

 多くの場合、己が地位と特権を守るために戦うのであり、

 特権を放棄して戦争に勝つといった意識改革に至らない、

 他国の人間にすれば客観的に最善策と思える戦略でも権力層は踏み切れない、

 

 

 日本

 某工場

 「弾薬の発注をしてあげるニダ」

 「これは・・・M16の弾薬ですね」

 「そうニダ。儒陀でも作れるニダ」

 「しかし、生産が間に合わないので、日本にも発注してあげるニダ」

 「ありがたく思うニダ」

 「・・・そうですね・・・この仕様ですが、外箱だけにメイドイン儒陀と書く様にありますが」

 「二重箱の外側はメイドイン日本でいいニダ」

 「内側の箱にメイドイン儒陀と書くまで一つの製品ニダ」

 「しかし・・・交戦国に弾薬を輸出するわけには」

 「国とは戦ってないニダ。あれは反乱軍でインド内紛ニダ」

 「それに日本は藩王諸国と貿易してるニダ」

 「インドへの輸出品は、たしか、医薬品と食糧、衣類で武器弾薬の類は輸出してないはず」

 「そんなことないニダ!」

 「医薬品と食糧、衣類を藩王諸国に輸出すれば、その分を武器弾薬の生産に回せるニダ」

 「では、儒陀も医薬品と食糧、衣類を購入して、余力を武器弾薬の生産に向けては?」

 「それなら輸出入で問題はないはずですし」

 「な、なにをいうニダ!!!」

 「日本は馬鹿みたいに工場を大きくして、仕事がないからかわいそうに思って発注してあげてるニダ」

 「日本人は自尊心がないニダ」

 「儒陀の温情も分からないうえに、接待する気持ちすらないニダ」

 「い、いや、そう言われても・・・」

 「もういいニダ。頼まないニダ!!!」

 どか! どか! どか!

 「・・・帰りましたね」

 「5.56mm×45か。6mm×45より小口径でハードルの高そうな弾薬だな」

 「まぁ 作れないこともないですがね」

 「しかし、かなりドルを持ってるようだな」

 「アメリカの儒陀支援は20億ドルの見通しで、年内の儒陀軍支援は170万ドルを越えてるそうですよ」

 「その一部が日本に回ってくるのなら美味しいがね」

 「ドイツ帝国とソビエトの方が武器輸出してますし、頼みやすいのでは」

 「儒陀はアメリカとイギリスに依存してるし、他の国とのパイプが弱いから・・・」

 電話が鳴る

 「はい・・・・」

 「・・・はい・・・大丈夫なんですか?」

 「分かりました」

 がちゃ!

 「・・・交戦国への歩兵携行用の武器弾薬輸出許可が下りたよ」

 「また、儒陀の工作ですか?」

 「いや、アメリカが日本に作って欲しがってるそうだ」

 「当然、インド藩王諸国側にも歩兵携行用武器弾薬まで輸出できる」

 「そんなのありなんですか」

 「まぁ 双方とも自衛用で目を瞑ることにしたらしい」

 「どっちも、死んで惜しくない将兵が多いのだろうな」

 「よかったですね」

 「さっきの、儒陀人の宿泊先は聞いてたかな」

 「はい」

 「今度はお茶菓子くらい用意するか」

 「大きな工場を維持するのは大変だしね」

 「そうですね」

 

 

 貧富の格差を広げるほど先端技術を高度にできた。

 代償はピラミッド構造の裾野を削るようなものであり、

 無理な巨大投資や無謀な科学技術の開発は構造を不安定にし、

 底辺の負担と搾取率を大きくする、

 露鳳の存在は、先端技術の塊で、開発にかかる不信を減退させ、

 負担を減少させることができた。

 乱暴な言い方をするならプラモデルとマニュアル図をみて金型を興すようなものといえる、

 オリジナルとやや差異が生じるモノの、オリジナルに近い性能となり、

 都合のよい改良も加えることができた。

 しかし、次元世界といった前人未到の開発は、思考錯誤が大きく、国力を消耗させる、

 それは、遠大で回収まで長期の投機が必要であり、

 成功すれば数十倍の利益となって跳ね返ってくる賭けに近く、

 国力に余裕のない国は成しえない、

 日本国は列強と並び、公共設備と社会基盤が国土を埋めつつあった。

 そして、些少なりとも財政的な余力を持ち、

 投機的な賭けを継続できる数少ない国といえた。

 未来科学研究所 (Future science laboratory : F・S・L)

 「次元空芯式共振コイル及び次元スパークギャップスタンバイ・・・」

 「テスラコイル次元移送器共振モード準備完了」

 「原子共有結合のサーチに入ります」

 「原子軌道及び分子軌道の変数は、許容範囲内です」

 「爪切りの固有振動数と原子共有結合を一致させます」

 「価電子波長の同調性は、80パーセント」

 「原子軌道誤差0.01パーセント。分子軌道誤差0.011パーセント」

 「重力計数は正常」

 「目標座標固定」

 「共有結合オールグリーン」

 「分子軌道オールグリーン」

 「空間軸±0.6、時間軸±0.1、重力変動±0.04、最終調整確認」

 「次元磁石ローレンツ力安定しました。転移可能です」

 「転移スタート」

 筒状の中にあった爪切りが青白い光に包まれ、一瞬にして消える。

 “こちら、ラバウル支部。爪切りは無事届きました”

 歓声が沸き起こる

 「こちら日本支部。今度はもう少し、士気が高揚できるモノを要求してくれ」

 “物が小さ過ぎだ。もっと大きなモノを転送できるようにしてくれ”

 「予算がなくてな」

 “人間を転移させられるまで、どのくらいの予算と年月が必要なんだ”

 「そうだな。軍の予算を全部回してくれたら15年くらいで・・・」

 “馬鹿いうな!”

 

 

 医療フロア

 被験者の体に沿って、青白いプラズマが集束していく、

 “美堂君。調子はどうかね”

 「特に問題はなさそうです」

 “プラズマをコントロールできるかね”

 「・・・・いえ、無理です」

 “では、機械的にコントロールする”

 “問題があったら、腕に付けたスイッチで力場を切ってくれ”

 「わかりました」

 “ではスタート”

 周囲に集まった青白いプラズマが回転しながら身体を覆う。

 “呼吸はできるかね”

 「はい」

 “気体分子の出入りは可能にしているはずだ”

 “水槽に手を入れてくれ”

 「はい」

 水槽に入れた手は、水を弾き、腕全体を入れても濡れることはなかった。

 「濡れてません」

 “そうか、次は、火に触ってみてくれ”

 「はい」

 コンロから火が立ち昇り、

 手をかざすと熱気がゆっくりと伝わってくる。

 「自火に手をかざすより、熱さが緩和されてます」

 “そうか、一度、周囲のプラズマに分散され、半分が外に放出され、半分が体に伝わるはずだ」

 “こちらの温度計だと直接触っても1900度の半分で1000度くらいになるだろう”

 「・・・それくらいだと思います」

 “いまのところ、問題は?”

 「いえ、特にありません」

 “いま、2mmほどの鉛に覆われているのと同じくらいだ”

 「そうですか。重みはなにも感じませんが」

 “美堂君は、空手3段だったね”

 「はい」

 “そこにある瓦を割ってくれないか”

 「はい」

 精神を集中し瓦に向かう。

 割れても痛いが、割れないともっと痛い、

 姿勢を正し、何度も深呼吸し、気合を入れ、全身のタイミングを合わせる、

 あとは集中力と力と速度・・・

 ハッ!

 がちゃ!

 「・・・・あれ・・」

 “どうだね?”

 「ほとんど痛くないですよ」

 “そうか”

 “では、3日後、対耐重圧、対低重圧試験をしてみるから上がっていいよ”

 “それまでに異常があったら必ず、医務局に来るように”

 「はい」

 

 

 研究者たち

 「悪くないが、あれだけのプラズマを集束させるのは、相当な電算力が必要だ」

 「ええ、施設のコンピューターを全部で鉛2mm厚程度ですから、もっとICがないと」

 「というより、LSIの処理速度が必要だよ」

 「総理に “分かるが、これ以上、自殺者を増やしてくれるな” と釘を刺されたよ」

 「自殺者は、我々の予算のせいばかりとは言えないでしょう」

 「それはそうだろうけど政治はいい格好しないと集票に関わるから・・・」

 「ICはこれから輸出産業で伸ばせるから収益になるよ」

 「しかし、LSIはまだ国内だけ」

 「ICの収益分をLSI産業に回せば個数は確保できるんじゃないか」

 「そうだねぇ LSIで製品の品質と生産性に反映されるとしても、回収まで時間差があるだろうし」

 「各省庁で取り合いするからな」

 「どいつもこいつも・・・」

 「それと露鳳のせいで、戦中戦後の国際情勢が逸脱してるし、開発速度も変わってるらしい」

 「そういえば磁気テープが開発されたって?」

 「本当はAT&Tが30年代に開発していたらしい」

 「通話が録音されると使用量が減るかもしれないって凍結されてたようだ」

 「ふっ 馬鹿なことを・・・」

 「それが露鳳の情報より早く出てきたわけだ」

 「じゃ 企業収益の害になると思われたビックリ箱が眠ってる可能性もあるわけか」

 「まさか光ディスクを隠してないだろうな」

 「どうかな、どこの国にも機密があるし、企業にも機密はある」

 「OSは、日本製で張り合うんだろう」

 「ああ、時期を待って勝負するはずだ」

 「いつになるやら」

 「かなり先だと思うが、アメリカとドイツ次第かな」

 未知や無知は必要以上の恐怖を誘う。

 しかし、次元異動の基礎理論を確立できたなら状況は一変する、

 未知のモノは全知全能ではなかった。

 現代科学と同様に可否の上限が大きくなっただけであり、

 経験不足と不確実性も混在する。

 

 素材研究室

 複雑な工程の後、焼き出された試作品が数十種類ほど出てくる。

 費用対効果で、一番優れた試作品が工業のラインにのる。

 人材の知識、能力、協調性、組織力は開発コストの差として現れ、

 財力と試作品の数は比例し、

 試作品の数は、部品の優劣となって完成品の総合力を引き上げる、

 「これがマルエージング鋼か」

 「露鳳の情報や百科事典にあるのは、含有量や大まかな製法だけですからね」

 「アメリカはもう開発してるのだろう」

 「宇宙ロケット開発で使われているはずですよ」

 「たぶん、ドイツも同等のモノを」

 「やれやれ、先端技術に追い付くのも至難の業だな」

 「露鳳にある日本は、政治外交でアメリカの属国」

 「そのおかげで技術的な発展が可能になったようですが」

 「いまの日本は、自分で開発しない限り得られませんよ」

 そして、試作品を作れても科学技術のレベルであり、

 工業ラインに載せられるかは、全く、別次元といえた。

 「しかし、製造工程が複雑だな。こりゃ 泣きが入りそうだな」

 「赤字だろうな」

 仮に工業ラインに載せられたとしても採算ベースの産業にのるかも別次元といえた。

 「アメリカが買ってくれるなら輸出してもいいかも」

 「そういえば宇宙ロケットで使ってるんだっけ」

 「機密らしいけど、アタリを付けたら買ってくれるかもね」

 「でも、アメリカ、ドイツ、ソビエトが先に開発してからだろう」

 「だよな、こっちが先に作ると、露鳳のレベルが知られる」

 「ソビエトがキエフ型を建造するのは5年後、就役は10年後・・・」

 「バクーの就役は87年で22年後だ」

 「しかし、科学技術で余裕があってもな」

 「固定費と変動費と利益を考えると、単純に設備投資すればいいというものでもない」

 「結局、底支えする底辺が大切ということか」

 「そうなると成果でドイツ、アメリカに負ける」

 「やっぱり、どこかで無理しないと駄目ってことか」

 

 

 男たちは腕を摩りつつ、F・S・L医療機関から出てくる、

 「どうだったニダ?」

 「よくわからないニダ」

 「でもお金になったニダ」

 「日本人は人体実験をやりたがらないニダ」

 「しかし、在日儒陀人は失うものなどないニダ」

 「日本の医療技術と進歩は、在日儒陀人の人体実験で支えられているニダ」

 「日本人は、対外利益を守るため在日を嫌悪しても手放せないニダ」

 「日本が儒陀に滅ぼされるのは自業自得ニダ」

 「じゃ アメリカのところに行くニダ」

 「また、血を採られるニダ」

 「血も金も二重取りニダ」

 

 

 満州帝国

 MiG21偵察型戦闘機が撃墜されていた。

 落ちた場所が満州国領内であればソビエトの領空侵犯であり、

 ソビエト連邦といえど文句が言えない、

 それが領空侵犯だった。

 「悪天候なら満州領を横断できると思ったらしいな」

 「MiG21PFの偵察型のようですね」

 「第2世代というやつか」

 「性能はどうだったかな」

 「レーダーを装備して全天候型となっているようです」

 「まぁ 撃墜はできますよ。ただ、ミサイルの数が・・・・」

 「それはしょうがないよ」

 「未確認機を撃墜してしまったと、ソビエトに遺憾の意を伝えないといかんな」

 「怒って攻めてこなければいいのですが」

 「警告のテープは記録している。当然、ソビエト空軍側にも伝わってる」

 「照らし合わせればわかることだし、それでも侵入してきたのだからしょうがないよ」

 「新しい発見はあるかね?」

 「・・・いえ、なさそうですね」

 「パイロットは?」

 「ありません、無人機だったようです」

 「なるほど、確信犯か、考えたな」

 「漢民族と朝鮮人の現場からの排除を急がせてくれ」

 「朝鮮人より早く、地対空ミサイルの欠片の回収を頼むよ」

 「はっ!」

 

 

 東京

 ハワイ銀行支店が急速に広がっていく、

 日本の銀行が消極的な担保(利権質)貸し出しなのに比べ、

 ハワイ銀行は、積極的な見込み貸し出しといえた。

 経営者の信用度、事業のアイデアと経営のノウハウ、

 人材の目処が立っていれば金を貸し出すため、

 担保がなくても才覚のある日本人は、ハワイ銀行で融資を受け、

 積極的な事業展開を行い、成功させていく、

 時は、日本経済が堅実に且つ緩やかに上昇していた時期であり、

 その流れに乗った外資運用経営者が野武士の如く現れ市場を席巻していた。

 熱海

 市場関係者が西海岸風のリゾートマンションでくつろいでいた。

 「アメリカ系銀行の融資の仕方が勇気あるというか、ダイナミックだねぇ」

 「これだけの融資を企画書だけで受けられるなんて凄いよね」

 「アメリカ系の銀行は、人を見るノウハウとかも進んでるみたいよ」

 「ふ〜ん、失敗した時が怖いけどな」

 「そういう保身が日本の銀行を担保貸しにしてしまうんだろうね」

 「日本人は回りがすぐ引き摺り落としにかかるし、突いてくるから・・・」

 「それに小心者だし、投機ってなかなかできないよ」

 「そういえば中華民国でもアメリカ銀行から借り入れた漢民族が羽振りを利かせてる」

 「やっぱり、気風の良さ、思いっきりの良さは漢民族が強いのかな」

 「アメリカの資本力と漢民族の商才が組むと手強いよ」

 「ていうか、日本人が使われるのが好きなのが面白くない」

 「使う分には人気あるよ。日本人労働者」

 「無機質というか従属的な性格なとこあるから、本能的に保守的なのかもね」

 「保守的なのも困りものだよ」

 「臭いモノに蓋をするし、変革がないし、淀むばかりだし、腐臭が漂うよ」

 「自己嫌悪が自己改革に繋がる部分があるけど、麻痺すると儒陀人みたいになっちゃうからな」

 「日本は堪力というか腹より和と能力が好まれる同好社会なんじゃないかな」

 「思想的な芯というか、大計がないと矛盾しやすいし」

 「技巧というか能力志向に走りやすいよね」

 「やっぱり、育った環境かな」

 「外を歩けば黒髪と黒眼と黄色い肌で同族ばかり、気質的に馴れ合いになりやすいのかも」

 「満州帝国からの出戻りは、結構、大陸気質だけどね」

 「あと、ハワイ返りの日本人とか」

 「中華民国返りも・・・」

 「スパイが紛れ込んでる可能性もあるんだろう」

 「それはそうなんだけどねぇ」

 「引き籠もりキャリアも内輪の派閥抗争ばかり強くて井戸の中の蛙だろう」

 「元々 島国だし、他所者に対する慣れがないから」

 「世界知らずで、国を危うくしそうだしな」

 「何というか、組織中心の縦割り思考で視点が固定されているのが問題かな」

 「発想が正道過ぎる帰来もあって、極端に走りやすい」

 「まぁ 単一民族で大同小異で不信感の排除で成功してる部分もあるからね」

 「純血種の脆さというか、弱さもあるよ」

 「確かに多民族国家的な雑種のタフさはないかな」

 

 

 アメリカ合衆国 ニューヨーク

 日本人たちがビアホールでくつろいでいた。

 “日本沈没ニダ〜♪”

 「・・・アメリカの厭戦機運が少し増えてるようだ。労働運動も・・・」

 「誰だって軍需産業を維持するための戦争なんてしたくないですからね」

 「異業種のヤッカミと反発。支援もあるのでしょう」

 「アメリカ航空産業も諦めて日本みたいに統廃合すればいいのに」

 「日本の航空産業は瑞燕(MiG29)の開発で決まってましたから」

 “日本沈没ニダ〜♪”

 「各企業にエンジン、機体、部品のパーツごとに分業させましたからね」

 「あれは痛かったみたいですよ」

 「作るモノが決まっていたから分業は最善だったけどね」

 「戦後の民需移行もすんなりいけてよかったよ」

 「自動車は収入減で安定してますからね」

 「・・・結構、日本製が走ってるじゃないか」

 「民間航空産業で日本が引いたからでしょう」

 “日本沈没ニダ〜♪”

 「インド内戦で黒人の地位が上がって購買力が増してますし」

 「黒人の地位を上げてまで、企業収益を守りたいのかね」

 「まぁ アメリカ産業は巨大ですし、固定費も変動費も莫大ですからね」

 「クビ切りすると優秀な人材が海外に逃げていきますよ」

 「日本で優秀な人材を囲い込む話しは?」

 「先行してる技術の蓄積はこちらの方が上ですから、いまのところありませんね」

 「しかし、後進国の産業が伸びると売り上げに響くな」

 「中級品産業など受け入れる事が出来るかもしれませんが」

 「アメリカ人の賃金は高すぎますからね」

 「それにしてもアメリカ産業は基礎基盤が大きく強い」

 「貧富の格差を広げるのが資本主義」

 「人権の平等を保たせるのが民主主義」

 “日本沈没ニダ〜♪”

 「釣り合いが取れてる間は、アメリカ産業も伸びるよ」

 「アメリカ人の驕りが少なく、中国人移民者で労働運動が牽制されてる節があるからね」

 「露鳳の情報より空洞化が遅れてるようだ」

 「それでもアメリカは中華民国の生産力に依存して空洞化が少し始まってるのでは?」

 「アメリカの資本家層は貧富の格差を広げる手法で」

 「海外の安い生産品を利用して国内の労働運動を牽制する」

 「クビになった労働者は軍隊に行って戦争か」

 「どこかで聞いたような、身に覚えがあるような流れですね」

 「ふっ・・・」

 「そういえば日本も低級品を中心に空洞化の兆候があるようですね」

 「中共に支配された中国ではないし」

 「外資シンジケートに支配されて骨抜きになった中華民国となら妥協できるよ」

 “日本沈没ニダ〜♪”

 「しかし、外資シンジケートのクビキ。いつまでもちますかね」

 「漢民族が漢民族の搾取率が外資シンジケートより低いと確信するまでだろうな」

 「何といっても中国資本は最低限の衣食住で、賃金無しで働かせてるからな」

 「少なくとも賃金を払ってる外資系の方がいいと思うだろう」

 「つまるところ、賃金さえ地元企業より多ければ、外資シンジケート支配は続く」

 「だといいけどね」

 「むしろ雲南省の白人社会の方がクビキとして強い」

 「東欧・バルカン人で白人人口は6000万を超えてますからね」

 「いまじゃ 白人世界のアジア支配の要か」

 「でも、貿易相手としては悪くないですよ」

 “日本沈没ニダ〜♪”

 「中華民国にとって雲南省の白人世界は獅子身中の虫ですし」

 「まぁ そうかもしれないがね・・・」

 「しかし、こういう曲がビアホールに流れるとは、アメリカ人も意外と念質だな」

 「ふっ 戦争で負けたより、決闘で負けたのが堪えるのかもしれ・・・・」

 “There was it! Catch it (いたぞ! 捕まえろ)”

 アメリカの警察が雪崩れ込むと “反日ソング” を熱唱していた儒陀人バンドを捕える、

 “観念しろ、強姦魔が”

 “ち、違うニダ! 自分は日本人ニダ! 全然、身に覚えがないニダ”

 “嘘を付け、嘘を”

 “本当ニダ。真実、日本人ニダ!!!”

 “おまえ、そこで反日ソング歌ってただろう”

 “違うニダ。反日ソングは日本人の自虐の心ニダ!!”

 “連行しろ”

 ずる ずる ずる

 “!? あっ あそこにいる日本人たちに強姦しろって、強制されたニダ!”

 「「「「へっ・・・・・・」」」」  (゚0゚)

 「「「「・・・・・」」」」 じー

 「「「「違う、違う!」」」」  (((゚0゚)))”

 「この儒陀野郎、嘘をつけ!」

 「嘘じゃないニダ!!」

 「儒陀とアメリカは同盟国ニダ」

 「同盟国の儒陀人を信じないで、アメリカの敵性国民の日本人を信じるのはおかしいニダ」

 「アメリカの同盟の儒陀人がアメリカ人の幼女を襲うわけがないニダ!」

 『『『『『『『『なんで、幼女って知ってるんだ。誰か言ったのか・・・』』』』』』』』

 「連れていけ!」

 ずる ずる ずる

 「待つニダ!!」

 「あそこの日本人に幼女強姦の罪を擦り付けるといいニダ」

 「みんなで、ジャパンバーグ海戦とアリューシャン海戦の復讐をするニダ」

 「日本人の犯罪は、新聞の売り上げにもなるニダ」

 『『『『『『恥ずかし・・・・・』』』』』』 真っ赤ーーー!

 「この儒陀人どもを連行しろ!」

 ずる ずる ずる

 「わっ! 分かったニダ」

 「俺たちはあの日本人たちを一発ずつ殴るだけでいいから」

 「あとは、煮るなり焼くなりアメリカ人の好きにしたらいいニダ」

 「もういい、連行しろ!」

 ずる ずる ずる

 「ま、待つニダ!! アメリカ人は自尊心がないニダか!!」

 「日本に負けて、アメリカをあいつらの好きにさせていいニダか」

 「みんなで日本人に復讐するニダ」

 「儒陀が手伝うニダ。幼女強姦の証人になってあげるニダ」

 「早く連れて行け!!」

 ずる ずる ずる

 「待つニダ!!」

 「日本人は、なぜ、俺たち儒陀人を助けないニダ!!」

 「「「「へっ・・・・・・」」」」  (゚0゚)

 「同じアジア人ニダ。同胞ニダ!!!」

 「日本人は儒陀を助ける義務があるニダ」

 「日本人は、儒陀の支族ニダ」

 「儒陀本流の儒陀人を助けなければならないニダ」

 「それが日本人の宿命ニダ」

 「「「「・・・・・・」」」」  (゚0゚)

 「早く連れて行け」

 ずる ずる ずる

 「違うニダ〜 幼女強姦の犯人じゃないニダ〜」

 「うるさい」

 「儒陀の血は人類文明発祥の天孫の血ニダ」

 「儒教の儒。仏陀の陀ニダ! とってもいい血統ニダ」

 「きっと幼女は幸せになれるニダ」

 「儒陀人は、自尊心の文明を世界に伝える義務があるニダ」

 「黙れ」

 「アジアの同胞を見捨てた日本人に謝罪と賠償を要求するニダ」

 「「「「・・・・・・」」」」  (゚0゚)

 「同盟国を裏切って、儒陀人を捕まえるアメリカ人に謝罪と賠償を要求するニダ」

 「「「「「「「・・・・・・」」」」」」」  (゚0゚)

 「ち、違う!!! kjgっヴjぐいfぐい。fy。ぢゅdぅty、dつ、ふfg。hぴじょ!!!!」

 ずる ずる ずる・・・・

 「「「「「「「「・・・・・・・」」」」」」」」」 しーーーーん

 がちゃ がちゃ がちゃ

 日本人のテーブルにビールが載せられる。

 「あの・・・これは、店からのお詫びです。本当に申し訳ありません」

 「いえ、大したことじゃないですし・・・」

 がちゃ がちゃ がちゃ

 「これは、隣の席から・・・」

 がちゃ がちゃ がちゃ

 「これは、あちらの席から・・・」

 がちゃ がちゃ がちゃ

 「これは、警察の方から・・・」

 「」

 「」

 「あの・・・皆さん・・」

 「飲みきれそうにないですし、食べきれそうにもないので、一緒に飲みませんか」

 おお〜!!!

 「今夜のことは、お互いのため、飲んで忘れた方がいいでしょう」

 「確かに忘れたい記憶ですね」

 「儒陀と同盟はアメリカの大失敗ですよ」

 「地球上に、あのような人種がいるなんて・・・」

 「地理的に近かった日本は、さぞ、苦労したでしょう」

 「ええ、まぁ・・・」

 「だいたい、儒陀の儒が儒教で、儒陀の陀が仏陀なんて、ジョークにもほどがある」

 「実は、先任の寺本中将が初代皇帝の李垠に冗談で “儒陀が良いんじゃないか” と言ったらしくて・・・」

 「じゃ 日本人が、あの傲慢そうな儒陀と命名したのか」

 「いや、日本語で儒陀は呪蛇とも発音するので」

 「そっちの意味は curse(呪) と snake(蛇)で」 

 「気付くと思ったらしいのですが初代皇帝は気付かず、そのまま・・・」

 「「「「・・・・」」」」

 「キ、キリスト教で “呪われた蛇” は、サタンを意味するのだが」

 「ですよね」

 「朝鮮のままの方がよかっただろうに」

 「朝鮮の朝は、日本から日が昇った朝側だから朝と付けて」

 「鮮は、貢物が少なかったので、中国が鮮と呼んでたので」

 「日本の朝と中国の鮮で朝鮮と・・・」

 「「「「・・・・」」」」

 「じゃ 韓国は?」

 「韓を分解すると、左は “十” “日” “十” で」

 「意味は、10が二つと太陽。尊く万全で真なのですが」

 「右の部首の韋は “違” の本字です」

 「背き合う意味で、本物に背くとか、偽物の意味にもなるので」

 「中国人の高官が嫌悪感で当てに付けて、付けたものかと」

 「「「「・・・・」」」」

 「それじゃ 儒陀のオリジナルは?」

 「・・・火病くらいでしょうか」

 「「「「「「「・・・・」」」」」」」

 

 

 インド大陸

 儒陀 日本語学校

 “日清戦争に勝利した日本は、李氏朝鮮を大韓帝国として独立させました”

 “しかし、ロシア帝国、フランス、ドイツの三国干渉によって、日本は遼東半島権益を捨てさせられました”

 “三国干渉です”

 “日本は、日清戦争で弱体化しており”

 “露仏独に抗しきれず臥薪嘗胆するよりありませんでした”

 “日本に敗北した清国もロシア帝国の圧力に抗しきれず”

 “遼東半島を含む中国東北部の利権をロシア帝国に奪われました”

 “東清鉄道と遼東半島まで至る南満州鉄道です”

 “日本は大韓帝国を挟んで、ロシア帝国と対峙することになり”

 “軍事力を増大させなければなりませんでした・・・”

 「もう、いいニダ!!!」

 「全部、嘘ニダ!! これは捏造された悪い歴史書ニダ!!!」

 「儒陀は、建国以来、一度たりとも外国に主権を奪われたことなどないニダ」

 「儒陀帝国は、有史以来、孤高の王朝として世界に君臨し、栄えていたニダ」

 「こんな。歴史書は、燃やしてしまうニダ」

 しゅっ!

 ぼぉ〜

 ぱち ぱち ぱち

 「燃えるニダ、燃えるニダ、嘘の歴史は燃えるニダ・・・」

 「せ、せんせい・・・」

 「こんな悪い本を印刷する日本は、未来永劫、滅ぼさなければいけないニダ」

 「中華民国も儒陀支派であることを忘れた糞民族ニダ」

 「だから外資シンジケートに国土を蹂躙されてるニダ」

 「この2カ国は嘘の歴史に塗り固められてるニダ」

 「滅ぼさなければならないニダ」

 「儒陀創世記こそ、本物の儒陀歴史。真実の世界歴史ニダ!!!!」

 

 

 儒陀皇帝府

 ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ!

 ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ!

 ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ!

 「暑いニダ〜」

 「皇帝、世界初、儒陀発祥のクムド(剣道)を再興したニダ」

 「おおお〜 それは凄いニダ」

 「みな、並ぶニダ」

 「拝礼ニダ」

 がちゃ がちゃ がちゃ がちゃ

 「起立ニダ」

 がちゃ がちゃ がちゃ がちゃ

 「はじめニダ」

 ばち! ばち! ばち! ばち!

 「おお〜 よくぞ、クムドを再興させてくれた」

 「儒陀創世記の記述通りニダ」

 「4000年の昔、クムド(剣道)は、インドの儒陀帝国で栄えていたニダ」

 「儒陀12支族と共に世界に広がり、世界の剣術の祖となっていったニダ」

 「うんうん♪」

 「クムドは儒陀の栄光ニダ」

 「うんうん♪」

 「しかし、日本支派の悪徳のせいでバベルの塔が崩れ」

 「SOJネットワークが破壊されたことで、儒陀クムドは失われてしまったニダ」

 「本当に痛ましい、悲しいことニダ・・・」 さめざめ

 「そして、日本支族はクムドを奪うと剣道と称し、勝手に日本のオリジナルにしてしまったニダ」

 「日本支族は許せないニダ!!!」

 「クムドを奪い、勝手に剣道を国産にしてる日本支族に謝罪と賠償を要求するニダ」

 「日本のオリジナルを認めようとするインド藩王諸国にも謝罪と賠償を要求するニダ」

 「インド人を教育しそこなったイギリスにも謝罪と賠償を要求するニダ」

 「許せないニダ」

 「日本の暴挙を許してはいけないニダ!」

 「日本の競争社会と排他性を利用するニダ」

 「勝者は5パーセントもいないニダ」

 「95パーセントの敗者と結託して勝者を引き摺り下ろすニダ」

 「縦割り組織同士をいがみ合わせて、バラバラにしてしまうニダ」

 「そして、日本から政治主導力と外交力を奪い自滅させるニダ」

 「日本支族を自滅させるニダ!!!」

 「「「「日本支族を自滅させるニダ!!!」」」」

 「日本支族を自滅させるニダ!!!」

 「「「「日本支族を自滅させるニダ!!!」」」」

 「日本支族を自滅させるニダ!!!」

 「「「「日本支族を自滅させるニダ!!!」」」」

 「日本沈没ニダ!」

 「「「「日本沈没ニダ!!!!」」」」

 「日本沈没ニダ!」

 「「「「日本沈没ニダ!!!!」」」」

 「日本沈没ニダ!」

 「「「「日本沈没ニダ!!!!」」」」

 

 

 

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 月夜裏 野々香です

 徒然なるままに年月が過ぎてきます。

 遠大な目的を持って意欲的に生きてる人たち、

 目先の利益に追われ目的もなく、その場の成り行きで生きてる人たち、

 別に陰謀者というわけじゃないですが、

 目的を持って生きてる人たちは動機があり、

 作為的で行動力があるようです。

 

 

 

 韓の部首は “韋” (なめしがわ)

 朝の部首は “月” (つきへん)

 不思議なことに 十 日 十 は、部首じゃないようです。

 表語文字なのに、

 当然、 十 日 十 は、意味不明 (笑

 取りようによっては、十字架二つに挟まれた日をキリストにすると、

 韓(十 日 十 韋)は、キリストと違う。

 韓(十 日 十 韋)は、キリストに背くという意味になるかもです。

 漢字が先で時空を前後してる気がするのですが、文字の霊意でしょうか。

 姓名判断を信じてない人はどうでもいいことですが (笑

 因みに作者は文字に関係なく万人共通で使える四柱推命派かな。

 

 

 

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第24話 1964 『い・く・ニ・ダ〜』

第25話 1965 『十 日 十 韋』
第26話 1966 『アフリカ大陸、漢華帝国の予感・・・』