月夜裏 野々香 小説の部屋

    

タイムスリップ系架空戦記

『時空巡洋艦 露鳳』

 

 第31話 1971 『嘘でも現実は押し付けるニダ』

 扶桑(朝鮮)半島

 ソウル歴史博物館

 李朝時代、大韓民国時代、半島併合後、儒陀民族追放後の資料が並べられていた。

 禿山と野晒しの家屋と薄汚れた人々が日韓併合後、徐々に変化していく、

 区画整理された街並みが広がり、鉄道と道路が拡張されていく、

 白黒写真からカラー写真に変わる頃には、植樹の成果が現れ、

 半島全体で治水が完備され、

 満州から運ばれてくる資源を加工する工場が連なっていた。

 半島の日本人人口は4500万、

 工業生産力は列島工業生産の6割に達していた。

 親と子

 「儒陀の人たちは、どうしてインド大陸に行ってしまったの?」

 「んん・・・中国人とロシア人と日本人に囲まれてるのが嫌になったんじゃないかな」

 「あそこに儒陀創世記みたいなものもあるし」

 「日本人は、裏切り者の第13支族って聞いたよ」

 「国が上手くいってないんじゃないかな」

 「国民が怒って政府を攻撃しないように」

 「国が率先して誰かを悪く言わないといられないんだよ」

 「それで、日本を悪く言うんだ」

 「いろいろ大変なんだろうね」

 「ふ〜ん」

 

 日本の電子産業地帯

 列強の諜報関係者が双眼鏡で日本の工場地帯を見ていた。

 「山を刳り抜いてるだけあって、全容がつかめないな」

 「その上、官営から民営に落したわりに警備が厳重だ」

 「儒陀も入り込めないのか」

 「駄目だったよ」

 「特高が、一度、人事検査するらしい」

 「主力のIC部品の性能差はアメリカ製とドイツ製とそれほど変わらない」

 「しかし、歩留まりが恐ろしく良いらしい」

 「特定基幹産業というわけか」

 「大した優遇のされ方だな」

 「ドイツのシーメンスもそうらしいよ」

 「コストパフォーマンスを考えない連中だ」

 「山を刳り抜いてなら防空で空軍に負担をかけずに済む利点はあるよ」

 「核弾頭はリスクが大きいし」

 「重量級のバンカーバスターなんて単発爆撃機じゃ無理だからね」

 「ドイツと違って新工場というわけじゃないのが気になる」

 「最初からこの規模が必要になるという発想で建設されているとしか思えないな」

 「それならもっと高品質のICを作ってそうなんだが」

 「日本の模倣生産は早過ぎる、作ってるんじゃないのか」

 「それと瑞燕はF14用に開発したインテル4004級マイクロプロセッサが装備されてる可能性もある」

 「噂だけなら2世代先をいってるとも聞くよ」

 「アメリカも航空産業を統廃合して、電子産業に力を入れないと日本と差が縮まらなさそうだな」

 「各社でF14、F15、F16、F18の開発を乱立させるからな」

 「アメリカは賃金高いうえに、労働運動も強いからね」

 「貧富の格差を広げると大変なことになるよ」

 「中華民国や蜀華合衆国に生産させて、労働運動を牽制していたら産業の空洞化も進むだろう」

 「コストパフォーマンスを突き詰めるとそうなるよ」

 「日本だって低級品を満州で作らせてるし」

 「いくら作っても輸入品に負けるなら買って売った方がましだからね」

 「しかし、日本製の電子部品を買わされてたら、いくら707が売れても・・・」

 「そういえば日本国内線の707の乗り心地とアメリカ国内線の707の乗り心地が違うのだが」

 「それは、アメリカ人の707パイロットを乗せて確認したよ」

 「10パーセント軽量化されるか、推力が大きくなってるらしい」

 「おそらく機体とエンジンのどっちも改良してると思うが」

 「見かけが同じでもかなり改造してるわけか」

 「利潤で負けるだろうな」

 「そのくせ、707の部品を輸出してくるから始末に負えませんよ」

 「ダンピングで関税をかけてるのでは」

 「消費者が剝れて、輸入業者が傾くがね」

 「そういえばアメリカ西海岸の産業はアジアに依存してるからな・・・」

 高価な工場を建設しても採算不良なら赤字垂れ流しとなる、

 もし利益を上げようるなら、

 国際市場に流せる質と量を確保しなければならなかった。

 アメリカやドイツで開発され量産されているICと同等程度の集積回路が

 不釣り合いなほど強力なクリーンルームを要する工場から出荷される。

 そして、全く次元の違うLSIで組み立てられた電子部品が特定の工場に出荷される、

 工場内

 「光ファイバーの初期型のモノは、もう少し後で輸出できるようになるはずです」

 「助かるね。ようやく投資が回収できる」

 「電線を光ファイバーに切り替えたいが」

 「儒陀の工作員が紛れてるらしいから高品質のモノは不味くないか」

 「それは言える」

 「それとコンピューターネットワークもそろそろか」

 「それは国際通信協定締結の後がいいと思うが」

 「中東で戦争が起きる前にやりたいね」

 「そういえばそうか」

 「燃料が上がると採算が落ちて、設備投資できなくなる」

 「満州の油田と東シナ海のガス油田は大きいですが」

 「高騰を抑えられるだけの力はないからね」

 「こちらから戦争を押さえるような対策はできないのでしょうか」

 「あの対立はどうしようもないよ」

 「どうせ、起こるのなら利用する方がいいけど中東は勢力が拮抗してるからね」

 「不得手な中東に手出しして火傷するより、日和見した方がいいと思うね」

 

 

 未来科学研究所 (Future science laboratory : F・S・L)

 研究者たちは、空中の青白い靄のような塊にボールペンを突いていた。

 つん! つん!

 「・・・DPPシールドも、ようやく亜鉛(2.5)から銅(3.0)程度の硬度か」

  ※次元(Dimension) + 位相(Phase) + 粒子(Particle) 

 「長かったよ」

 「エネルギーシールドは、制御装置、エネルギー、発信器さえ無事なら破壊されても再生できる」

 「シールドは気体分子より大きくても水分子や個体分子より小さいから」

 「浸水は止められるし、不沈艦も夢じゃない」

 「それは良いところだけど、破壊された時の損失次第だけどね」

 「破壊がシールド内に籠もって二次被害が酷いことにもなりかねないし」

 「破壊された瞬間、シールドを一度、切るしかないと思うが」

 「そうなると、撃たれっぱなしということにもなりかねない」

 「やはり、シールドを装甲に近付けた方がいいかもしれない」

 「それなら、爆発を内側に閉じ込める率が小さくなるのでは?」

 「それだとエネルギーシールドのうまみが小さくなるし」

 「艦内で爆発したら、外に逃げられない爆発が艦内だけに籠もる」

 「もっと強度のあるエネルギーシールドにして、装甲の手前でエネルギーを消失させたい」

 「それが、いつになるやら」

 「人体防御の方は?」

 「2mm厚程度の銅の強度に集束できたよ」

 「弱い」

 「対弾片用だな」

 「そういえば、最近始まった仮面ライダーぽいな」

 「凹凸が多いと制御が大変だよ」

 「それでもエネルギーがオーラで、必要なのが制御ユニットだけなのがいい」

 「同じ大気の生体系分岐世界に行くとき優位だ」

 「しかし、どういうメカニズムなのやら」

 「まだわからないの?」

 「もっと大規模で残忍な人体実験ができるなら早いよ」

 「「「「・・・・」」」」

 「中華民国の死刑囚を買うか?」

 「まさか」

 「なんか、中華民国の医学界は、派手に人体実験やってるらしいよ」

 「人権の低い国は、医療の伸びも早そうだ」

 「そういえば、中華民国の国力も伸びてるとか」

 「外資シンジケートが軍事費ケチって、設備投資してるからだろう」

 「中華民国政府の牙を抜いても、中華民国軍を強くすると追い出されそうで怖い」

 「それで、軍事費を押さえさせて、設備投資させると国力が伸びて怖いですか」

 「結局、ピラミッドの土台をしっかりさせただけ、ピラミッドを高くできるわけだ」

 「じゃ 中華民国は圧倒的に有利か」

 「救いがあるとしたら中国人同士の相互不信じゃないかな」

 「最近はシンジケート単位で信頼関係が強まってるらしいが」

 「んん・・・日本が唯一、先行してるこの分野で引き離すべきじゃないの」

 「予算があればね」

 「ないのか・・・」

 「高望みをして、背伸びをしようとするとどこかに皺寄せが行くよ」

 「中国人の資本融資を当てにすると中国人が好き勝手やるから、強姦される娘が増えるかもって・・・」

 「アホが国境を無暗に広げるから労働集約と集客率が悪くなるんじゃないのか」

 「やっちまったものをいまさら言ってもな」

 

 

 3000t級おやしお型通常潜水艦 うずしお

 外が同じでも中身は大きく変わっていた。

 機密性の強い潜水艦は、水上艦艇と違って、最先端の技術が使われる。

 DPPシールドはより強靭になり、陸上との次元通信も可能になっていた。

 司令塔

 「音響装置停止」

 「停止します」

 「DPPシールド展開」

 「DPPシールド展開完了」

 「ピン最小 打て」

 「ピン最小。打ちます」

 コ〜ぉカvづtydtyづぢゅff。いfdcfy67づ8でd〜〜!!!!!!!

 艦内が轟音に包まれ、

 艦内の者は耳栓をした上で、さらに耳を押さえる。

 「ソ、ソナーは!?」

 ほとんど読唇術で会話する。

 「・・・シールド内で乱反射しますが外に漏れないようです!」

 「DPPシールドの集束密度を調整すれば対ソナー対策にもなるのか!」

 「こちらから外がわからず、外からもこちら側もわからない!」

 「ちょっとした遮蔽装置だな。もういい、DPPシールドを切れ!」

 「シールド切ります!」

 「もう少し研究が進めば!・・・やっと静かになった」

 「マジックミラーみたいにできるかもしれないそうです」

 「それもいいが、まだシールドとして弱過ぎる」

 「薄くてもいいから対ソナー用で、もう少し長くシールドを張れたらいいのに」

 「DPPシールドは大出量の電力が必要ですからね」

 「もう、技術で誤魔化しきれるものじゃなさそうですね」

 「いまの技術でだろう」

 「艦長。蓄電池が空です」

 「浮上しろ」

 「浮上します」

 

 

 

 釜山の繁華街

 半島南端の港街は繁栄し、

 人々は平和を謳歌していた。

 儒陀人たち

 「先祖の土地を日本人に取られて、悔しいニダ」

 「いい方法があるニダ」

 「外交訪問に来た外国の軍艦の乗員を利用するニダ」

 「大きくて強い黒人や白人の海軍将兵に日本人の娘が抱かれてると噂を流すニダ」

 「そういう写真をたくさん取るニダ」

 「そして、日本人を矮小な日本人と小馬鹿すれば怒って黒人・白人と戦うニダ」

 「日本人を騙せるニカ?」

 「出版社に息のかかった者がいるニダ」

 「売春の儒陀女を日本人と言い張って、雑誌に載せてしまうニダ」

 「馬鹿な日本人の男は、黒人と白人と戦って殺し合うニダ」

 「そのうち、馬鹿な日本の女が出てきて本当になるニダ」

 「日本人と来客した各国の海軍将兵を喧嘩させたらそのうち戦争になるニダ」

 

 

 中華(シンジケート)民国 上海

 外資と私兵マフィア(匪賊)が中国社会を仕切っていた。

 漢民族にとって外資シンジケートは、雇用を整備し、賃金を払う雇い主であり、

 仕事もせず、ひたすら吸い上げる中国軍閥よりマシだった。

 もともと中国軍閥は行政や公共福祉といった概念が弱く、

 外資シンジケートを中心とした経済成長の方が漢民族の生活にとって有利であり、

 社会資本と生産力は毎年のように膨れ上がり。

 外資カジノの上がりの一部が公共投資に使われるため、

 外資シンジケートは経済的な循環と信頼まで勝ち得ていた。

 多くの投資家が中国投資を金の成る木の如く利用し、財布を膨らませていく、

 そして、中国の腐敗官僚はイザというときのため

 私腹を肥やした資本を国外の銀行に貯め込む現象が作られてしまう、

 中華民国の総資産の数パーセントが一瞬で国外に消えることも珍しいことではなかった。

 中華料理店

 「日本の参政権とか、土地所有とか、もっと、公平な権利が欲しいある」

 「公平ねぇ」

 「日本国内で公平な権利がないと安心して投資できないある」

 「預金額を減らすある」

 「「「・・・・」」」

 「まぁ 特定の権益者は、外国人参政権で外資会得を目論んでいる」

 「余剰資本があれば、不況の心配もないし・・・」

 「しかし、外国人参政権となると、まだ、国民のコンセンサスがねぇ」

 「アメリカは市民権さえ取れば、公平な権利が得られるある」

 『そういえば、中華民国の傭兵部隊がインド戦線に・・・』

 「帰化すれば参政権は与えられるのですが」

 「日本は帰化も難しいある」

 「それに中国官僚が日本に帰化すると両国にとってもうまみが消えるある」

 「まぁ それは、そうですが」

 「こっちも命がけある」

 「このままだと、日本の口座から資本を引き抜いて、他国の銀行口座に入れるよりないある」

 『局長。額が大きいので下手すると不渡りと連鎖倒産ということに』

 『野郎・・・不正蓄財で脅しかけてきやがって・・・』

 「まぁ なんというか・・・一度、関係省庁機関と折衝してみないことには・・・」

 「よろしくある」

 「「「「・・・・」」」」 ため息

 国は常に選択を迫られる、

 国境より経済を、経済より国民を、国民より権力と利権を、

 どのような結果であれ、

 強者の保身と利益誘導によって、無難で詭弁に近い弁明がなされ、

 結果のみ弱者に押し付けられる。

 

 

 ドイツ帝国

 工業立国ドイツの座が揺るがされつつあった。

 シーメンス社の会議

 「いま、配った写真は、電子顕微鏡で撮ったICを引き延ばしたものだ」

 「右からドイツ、アメリカ、日本の順番だが日本製のICが一番、できがいい」

 「「「「・・・・」」」」

 「歩留まりの差も当然大きいだろうな」

 「電子産業部門でアメリカ、日本に後れを取ってるようだが」

 「マイクロプロセッサーは4bitから8bitの生産に移行しつつある」

 「日本企業は上手く合わせてるらしい」

 「日本は、アメリカに続いてスーパーコンピューター開発で64bit級を開発してるだろう」

 「儒陀の情報だと、日本語用開発プログラムを検討してるらしい」

 「やはり、最初からそのつもりか」

 「元々冗長性のある日本規格は多言語仕様向きで強いし」

 「中華民国市場は日本規格になびくかもしれないな」

 「64bitはスーパーコンピュータで、早々安くできるものじゃないはずだが」

 「そうはいっても各企業は時間帯で分けて利用してるし」

 「日本は高等教育を受けた者が圧倒的に多く、賃金が低めだ」

 「付加価値の高いプログラムを大量に作れるし、こちらにも輸出してくる」

 「先行開発はアメリカとドイツが多いはずだが」

 「日本の電子産業は裾野が広いよ」

 「後出しでも追い付ける上に改良して出してくるから始末に負えない」

 「やはり、事前に開発して、こちらの開発と市場に乗ってきてるのではないのか」

 「その噂は信憑性が高いね」

 「戦時と違って、平時は経済戦争」

 「経済戦争で負けると戦争という名の暴力に訴えるしかなくなる」

 「いまのところ、そこまでは追い詰められてない」

 「日本に勝つには、より賃金の低い中華民国でプログラムを作らせるしか」

 「それではドイツ帝国産業が虫食いにさせられる」

 「とはいえ、余剰資本を作って、電子産業が押さえ込まれるのを防がないと後が厳しい」

 「雲南省がドイツから離反しつつあるのが痛いね」

 「足を引っ張る民族を追い出せただけでもいいよ」

 「それに追い出された彼らが追いだした我々に有利な取引をするわけがない」

 「儒陀ほどじゃないがね」

 「彼らはな・・・そういえば、ビールの製造用具一式を買っていったらしいよ」

 「ビールも儒陀発祥と言いそうだな」

 「「「「ふっ・・・・」」」」 苦笑

 

 

 イスラエル

 ユダヤ民族の国家は、アラブ世界に包囲されていた。

 産油国と正面から敵対する馬鹿な国はなく、

 戦後と植民地独立のドサクサとユダヤ資本によってイスラエルは建国され、

 アラブの攻勢に晒されながらも根強く生き残り、生存圏を拡大し、いまに至る。

 儒陀藩皇国、イスラエル、雲南省自治省は、疎遠で連携などしていないのであるが、

 その相似性から三国賊とも呼ばれた。

 本来なら国際的な世論になったものの

 世界4強が三国賊盟の利権と複雑に絡んでることから押し殺し、

 最大の被害者と思われた中華民国がアフリカ大陸奪取を狙っているためか、

 自らの正当性を危うくする国際世論は形成されにくくなっていた。

 テルアビブのホテル

 「どうだった? 街の様子は?」

 「そうだなぁ むかしの日本というか」

 「中国戦線以来の空気がビンビン伝わってくるよ」

 「殺意に満ちてんだ」

 「殺意というか、個人的に動機がないから殺気かな」

 「じゃ 戦争を恐れてない。起きそうなんだ」

 「戦争は恐れてるさ。しかし、引く気は全然ない」

 「「「「・・・・」」」」 ため息

 「軍事色強そうだしな」

 「不抜けよりましだよ」

 「元軍人さんはわからないかもしれないけどね」

 「国というのは、一種の生態系なの。ピラミッドなの」

 「ピラミッドの頂点が消えても歪ながら生態系は残る」

 「でもね、底辺が小さくなると頂点を維持できなくなって」

 「一気に社会基盤が縮小して、軍組織そのものも維持できなくなる」

 「それでも軍組織を維持しようとするなら、外征しかなくなる」

 「あ・・・」

 「我武者羅に国防に傾注しても無理した分は必ず、自分に跳ね返る」

 「異分子を抱え込んでしまった弊害は、国内を荒らす」

 「それを防ぐために朝鮮人を追い出したようなものだ」

 「いまじゃ 気薄な人口で高度で近代化された社会を維持するため四苦八苦だ」

 「・・・・・」

 「経験してるのなら、少しは気付いて欲しいものだね」

 「・・・・」 しょんぼり

 「じゃ 原油の高騰は決まりかな」

 「設備投資の下半分が延期だね」

 「回収不能業者が出ると酷いことになるかも」

 「しょうがないよ。投資熱は強いし」

 「他の需要で補填が利く公算もあるし」

 「アフリカ大陸、雲南省、独立した大東亜共栄圏って、中華民国より安全でもね」

 「やや、ヤバめの投資だろう」

 「まぁね」

 「借款を背負わせても、後進国を近代化させない限り、日本の産業は維持できない」

 「そして、後進国が工業で独立すると日本の過剰生産分は値崩れ」

 「日本発の世界恐慌をやることになるかもね」

 

 

 

 インド大陸

 米儒中連合司令部

 「いいか、明日20:00。インド陣地を爆撃と砲撃を加える」

 「23:00。我がアメリカ軍の第1騎兵師団、第1歩兵師団」

 「そして、儒陀軍の猛虎師団、白馬部隊。蜀華軍第一師団がインド軍陣営に攻勢をかける」

 「各師団の進行方向は、地図にある通りだ。いいか」

 「了解ニダ」

 「わかったある」

 ・・・・・・・

 ・・・・

 儒陀軍陣地

 そわそわ そわそわ そわそわ

 「将軍。いま戻ったニダ」

 「どうだったニダ」

 「アメリカ軍と中国軍の配置と攻撃時間を敵に教えたニダ」

 「そうか。これで我が師団への攻撃は半減ニダ」

 「もうすぐ、作戦開始ニダ」

 当日20:00

 アメリカ軍の爆撃と砲撃がインド軍陣地を包み込んでいく、

 23:00

 「時間ニダ」

 「将軍。アメリカ軍の攻撃が始まったニダ」

 「中国軍は?」

 「・・・まだ動きがないニダ」

 「何やってるニダ」

 「わからないニダ」

 「通信兵! 通信機ニダ」

 「中国軍はなにしてるニダ!」

 “儒陀軍こそ、なにしてるある?”

 「た、戦ってるニダ」

 “儒陀軍は戦ってるように見えないある”

 “さっさと突撃するある”

 「なにを言ってるニダ! 儒陀軍は命懸けで総攻撃中ニダ!!」

 「中国軍は、早くインド軍に突撃するニダ」

 “嘘ある。儒陀軍の戦線は全然動いてないある”

 「嘘吐きは中国軍ある。戦線が動いていないニダ」

 “敵の反撃が激しいある。それだけある”

 “儒陀軍の方が進撃してないある”

 「そんなことないニダ。全力で・・・」

 「将軍。アメリカ軍からです」

 “なにしてる。攻撃は始まってるぞ”

 「いま攻撃中ニダ」

 “いま攻撃中ある”

 “儒陀軍も中国軍も全進撃してないぞ!!!”

 「進撃してるニダ!!!!」

 “進撃してるある!!!!”

 ・・・・・・・・

 ・・・・・

 インド藩王諸国軍 陣地

 「戦線の状況は?」

 「いまのところ、先行してるアメリカ軍を反包囲している状況です」

 「では現状維持だ」

 「客将アマノ。本当に信頼できる情報なのですか?」

 「ふっ 儒陀軍も中国軍も自軍以外の陣営と侵攻時間を伝えてきている」

 「つまり、友軍を犠牲にしても、自軍が助かりたいわけだ」

 「儒陀軍と中国軍は防戦。余剰戦力は全てアメリカ軍にまわしていいだろう」

 「しかし、総攻撃されたら・・・」

 「中国戦線では、散々聞かされた話しでね」

 「日本軍が朝鮮人の入隊と参戦を毛嫌いした理由でもあるし」

 「日露戦争時、清国軍と共同戦線を取らなかった理由の一つでもある」

 「「「「・・・・・」」」」

 「本当は満州帝国軍も督戦隊と囚人部隊の方がいいと反対したんだが」

 「老いては子に従えというか。時代の流れというか」

 「金の為だか、産業の為だか知らんが通常兵力による防衛になってしまった」

 「日本人同士が信頼しやすいからといって人柄を見抜く目まで曇らせるとは、嘆かわしいものだ」

 「そういうのは人種差別とは言わんのにな」

 「「「「・・・・・」」」」

 ・・・・・・・

 ・・・・

 アメリカ軍陣地

 前線司令部の周囲は爆発と爆焔と爆風に包まれ、

 進撃したアメリカ軍将兵は機銃掃射に晒され、

 次々と負傷し、死者を出していく、

 「いったい、どういうことだ」

 「半包囲されてるぞ」

 「待ち伏せされていたんじゃないのか」

 「それでも戦力比で押せるはず」

 「儒陀軍と中国軍はどうした?」

 「進撃できないようです」

 「何やってんだ。あいつらは・・・」

 「通信兵。儒陀軍陣地と中国軍陣地に繋げてくれ」

 ・・・・・

 ・・・

 

 

 儒陀 日本語学校

 “日本は世界恐慌により経済的な活路を見失い”

 “軍部を中心に策源地を満州に求める勢力が日本に台頭しました”

 “日本軍は、1931年、柳条湖事件。1932年、満州事変を起こし”

 “清朝皇帝の愛新覚羅溥儀を擁立し、満州帝国を建国させました”

 “この年、五・一五事件によって、日本軍の発言力が強まり”

 “日本の民主主義は弱体化していきました・・・”

 「もういいニダ」

 「日本と日本人は邪悪な侵略を始めたニダ」

 「邪悪で酷い民族ニダ・・・」

 「今日は新たな発見と新しい法律が決まったことを報告するニダ」

 「モヘンジョ=ダロの遺跡にハングル文字の石板が残されていたニダ」

 「モヘンジョ=ダロの本当の意味は “母が炉端で茶を数えている” という」

 「発祥的で慕情のある街だったニダ」

 「ハングルは、儒陀を裏切った日本民族がバベルの塔を破壊し」

 「失わされていた最古の言語だったニダ」

 「1446年に李氏朝鮮第4代国王の世宗が復活させたハングルは」

 「紀元前6000年世界文明発祥の言語だったニダ」

 「そうニダ。ハングルは世界で最も古く、最も新しい言語ニダ」

 「自尊心がとっても至高ニダ」

 「なので、儒陀藩皇国は、漢字を廃止するニダ」

 「「「「・・・・」」」」

 「しかし、日本語学校だけは」

 「中国と日本に挟まれ、仕方なく使っていた気持ち悪い漢字を学ぶニダ」

 「「「「・・・・」」」」

 

 

 儒陀皇帝府

 ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ!

 ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ!

 ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ!

 「暑いニダ〜」

 「早く、冷房を完備させるニダ」

 「いま、日本の会社にやらせてるニダ」

 「急がせるニダ」

 「皇帝。飢餓で各地で暴動が起きてるニダ」

 「軍隊を動員して鎮圧するニダ」

 「暑いから気が立ってるニダ」

 「堪え性のない馬鹿ばっかりニダ」

 「皇帝。それなら大丈夫ニダ」

 「儒陀皇国陸軍近衛師団が儒陀ヨガを6000年ぶりに再興したニダ」

 「おお〜」

 「皆の者!」

 たっ! たっ! たっ! たっ! たっ!

 「やって見せるニダ」

 「「「「日本沈没〜!!!!」」」」 開脚のポーズ

 「腰痛、気分爽快ニダ」

 おおお〜〜!

 「「「「日本沈没〜!!!!」」」」 前屈のポーズ

 「老化防止、足の疲れニダ」

 おおお〜〜!!

 「「「「日本沈没〜!!!!」」」」 弓のポーズ

 「内臓強化、便秘ニダ」

 おおお〜〜!!!

 「「「「日本沈没〜!!!!」」」」 逆立ちのポーズ

 「頭痛、首の強化ニダ」

 おおお〜〜!!!!

 「「「「日本沈没〜!!!!」」」」 くつろぎのポーズ

 「疲労回復ニダ」

 おおお〜〜!!!!!

 「儒陀創世記に伝わる古き伝承はまことであったか」 涙々

 「日本民族がバベルの塔を破壊したことで失われた人類補完運動ニダ」

 「ゆ、許せないニダ!!!!」 怒々

 「日本と日本民族に謝罪と賠償を要求するニダ!!!」 憎々

 「儒陀は、世界と世界人類のために日本と日本民族を滅ぼすニダ!!!!」 呪々

 

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 月夜裏 野々香です

 韓国人の性格は、朴正煕大統領の言が正鵠を得てると思います。

  “我が半万年の歴史は、一言で言って退嬰と粗雑と沈滞の連鎖史であった”

  “姑息、怠惰、安逸、日和見主義に示される小児病的な封建社会の一つの縮図に過ぎない”

  “我が民族史を考察してみると情けないというほかない”

  “我々が真に一大民族の中興を期するなら”

  “まずどんなことがあっても、この歴史を改新しなければならない”

  “このあらゆる悪の倉庫のようなわが歴史は、むしろ燃やして然るべきである”

  “四色党争、事大主義、両班の安易な無事主義な生活態度によって”

  “後世の子孫まで悪影響を及ぼした、民族的犯罪史である”

  “今日の我々の生活が辛く困難に満ちているのは”

  “さながら李朝史(韓国史)の悪遺産そのものである”

  “今日の若い世代は、既成世代とともに先祖たちの足跡を恨めしい眼で振り返り”

  “軽蔑と憤怒をあわせて感じるのである”

 

 そして、より重要なのは、下でしょうか。

 なんというか、半島気質です。

  1、事大主義

  2、怠惰と不労働所得観念

  3、開拓精神の欠如

  4、企業心の不足

  5、悪性利己主義

  6、健全な批判精神の欠如

  7、党派意識

  8、特権・エリート集団意識

 まぁ 嫌なやつです。

 あと棚ボタ願望というか、人を利用する他力本願なところもありますね。

 我田引水と責任転嫁とかも……

 そういう上司が上にいると最悪。

 なぜそういう上司が上にいるのかというと、

 古参。上層部の保身と権威の維持とあとコネでしょうか。

 会社が封建社会になってしまうので、派閥抗争が増えたり媚びたり

 実力と能力のある社員は、蜘蛛の子を散らすようにいなくなります

 人間ですから少なからず思い当たる気がします。

 大人になればズルさも必要ですが、

 日本人からするとズルさのレベルが想像を絶する。

 幼少からズルしてると実力も能力も身に付きにくい、

 そして、大人たちも子供のズルを知恵がある正当化してしまうので

 本人もズルすることを美徳や知恵と錯覚する、

 実力や能力がないのに高望みするのでズルするしかなくなる。

 なぜ、安易にパクって、そのことに罪悪感がないのかってことです。

 パクッたモノに愛情が行かないので劣化モノになってしまう。

 要は、そういった気質が多いか少ないかでしょうか。

 あと、そういうタイプの人は、忠告しても無駄。変わりません (笑

 むしろ、自尊心が傷付けられた恥をかかされと思い込み、

 権威を脅かされたわけですから、逆恨みして噛み付いてきますから (笑

 なので反面教師で、半島人の逆を行けば、失敗が少ないかもです。

 

 

 反日教育は、日本に反対する教育という意味じゃないです。

 日本を滅ぼす。日本人を殺す教育です。

 殺意を向けてくる人間にどう対処したらいいかというと

 インテリより頭の悪そうな暴走族にでも聞いた方がいいかも (笑

 

 

 

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第30話 1970 『嘘をつかないと生きていけない』

第31話 1971 『嘘でも現実は押し付けるニダ』
第32話 1972 『それは陰謀論にすぎないニダ』