月夜裏 野々香 小説の部屋

    

タイムスリップ系架空戦記

『時空巡洋艦 露鳳』

 

 第40話 1980 『愛国は矛、人権は盾』

 戦後の日本は国権が強く、

 満州竜鳳油田、鉄鋼、石炭に資材・資金が集められ、

 重点的な傾斜生産方式が取られた。

 しかし、戦後軍縮が進み、段階的に民主化が進んでいくにつれ、

 特定基幹産業への財政融資は、放漫財政に繋がるなど批判が集まり、

 集中していた財政投資は分散され、

 徐々に需要依存型生産へと切り替えられていく、

 結果的に既得権益に頼っていた特定産業は節度を求められ、

 社会資本が増えると民間活力は増大していく、

 

 

 東京

 社会資本が大きくなり、

 民間活力がまし、資本の集約が始まると利権団体が複雑に絡み合い、

 国の統制が難しくなり、影も大きくなっていく、

 街宣車が某企業を包囲していた。

 “売国会社ニダ!!!!”

 “非国民の社員ニダ!!!”

 “我々は戦うニダ!!!!”

 “天皇万歳ニダ!!!!”

 “謝罪と賠償を要求するニダ!!!!”

 “日本の偉い人が後援してくれてるニダ!!!”

 “お前たちは終わりニダ!!!”

 “天皇万歳ニダ!!!!”

 “さっさと地位と金寄越すニダ!!!!”

 “天皇の訪米絶対反対ニダ。アメリカ人に殺されるニダ!!!”

 ばたばた! ばたばた! ばたばた!

 “な、なにをするニダ!!!!”

 “警察が天皇万歳を妨害してるニダ!!!!!!”

 “警察の反乱ニダ!!!!!”

 “やめ・・・やめるニダ・・・く、苦しいニダ・・・”

 “アメリカに行って天皇が殺されたらお前たちのせいニダ”

 “国家権力が人権侵害してるニダ・・・・”

 某企業の人たち

 「・・・やっと行ったよ」

 「自分たちの都合の悪いことやられると、ああやって、徒党を組んで恐喝してくるからな」

 「ちったぁ コツコツ働きゃいいだろう」

 「この前、焼き肉屋に行ったし、そういうのもいるよ」

 「そのうち狂犬病の犬焼き肉を食わされるかもな。何千年も犬食ってきてるし」

 「「「「あははは・・・・」」」」

 「儒陀気質、火病体質になったらどうするんだよ」

 「「「「あははは・・・・」」」」

 「だけど儒陀人の就職口は狭められてるし」

 「何より、根底が反日だから、すぐに徒党を組んで下剋上だし」

 「それに泥棒は働かない生み出さない」

 「奪うか、捕まるの二者選択だから必然的に攻撃的になる」

 「思いたくはないけど、儒陀人を見たら泥棒って思ってしまうこともあるね」

 「泥棒? おれには街宣車が強盗車に思えたね」

 「帰りが不安だな」

 「まったくぅ 家族まで巻き込まれたくないよな」

 「あいつら厚かましいし徒党を組んで個人攻撃してくるし」

 「騒げば押し通れると思ってるし」

 「儒陀は、愛国を矛で、人権を盾にしてるんだな」

 「強姦魔で人殺しも抱えてるからな」

 「さすが強盗先進国。太刀打ちできねぇ」

 「どこの馬鹿が入れたんだ」

 「自分たちは大丈夫だって思って利用してる各界の有力者連中だろう」

 「このまま、在日を入れたら中身がなくても数万票は確実に動くぞ」

 「満州帝国経済に依存してる人間は多いし」

 「延辺朝鮮族自治州経由だから差別しにくいのだろう」

 「おれたちも国家権力に人権を侵害されるのも嫌だし」

 「権力者も虐殺したって言われたくない」

 「泥を被れない政治家か・・・」

 「ふっ・・・」

 「課長・・・」

 「ん?」

 「これが・・・」

 “潰したい勢力、個人があったら、ご一報するニダ。格安ニダ。はーと♪”

 「「「「「・・・・・」」」」」 ため息

 

 

 儒陀秘密基地 JCIA対日作戦支部

 “これは戦争だ” 

 “一点突破全面展開” 

 “三光作戦。殺光、焼光、搶光。殺し尽くせ、焼き尽くせ、奪い尽くせ”

“軽犯罪でも日本人は殺せる。日本はボディーブロー”

 “言ったもん勝ちニダ”

“強い日本白丁と組み、弱い日本白丁を叩くニダ”

“日本を儒陀に作り替えるニダ”

“選挙のたびに金とポストを増やすニダ”

 と垂れ幕が掲げられていた。

 ホルホルホルルルゥ〜〜〜〜♪ と電話が鳴る

 『・・・楽勝ニダ。店は潰せるニダ。任せるニダ』

 『たかがマイナー個人商店ニダ』

 『もちろん、大先生。お国のために頑張るニダ』

 『心配ないニダ』

 『こっちは、たくさん回線を持ってるニダ。組織的ニダ』

 『すぐ潰せるニダ』

 『任せるニダ。我々が味方した方が必ず勝つニダ』

 『ダムと工場は作れるニダ』

 『成功したら報酬とポストを貰える書付をよろしくニダ』

 『大丈夫ニダ〜♪』

 『集票の時も必ず、全力で応援するニダ』

 

 ホルホルホルルルゥ〜〜〜〜♪

 『・・・はい、もしもし』

 『わかってるニダ。絶対に立ち退かせないようにさせるニダ』

 『大丈夫ニダ。国家権力なんかに負けないニダ』

 『大船に乗った気で任せるニダ』

 『その代わり、選挙の時は頼むニダ』

 

 数台の電話機の前で、数人の男たちが電話をかけていた。

 「お宅のモノを食べて腹痛起こしたニダ。謝罪と賠償を要求するニダ」

 数分後

 「店のラーメンを食べて腹痛起こしたニダ。謝罪と賠償を要求するニダ」

 「うわぁ・・・これは酷い痛そうニダ〜」 と、もう一人

 数分後

 「店の餃子を食べて腹痛起こしたニダ。謝罪と賠償を要求するニダ」

 「うわぁ・・・食中毒たくさんニダ〜」

 「きゃー! あなた〜 しっかり〜 倒れたニダ!」 と、もう一人

 数分後

 「あなたの店の食べて腹痛起こしたニダ。謝罪と賠償を要求するニダ」

 「きもい・・・」

 「わぁー! キヨミ〜 しっかり〜 倒れたニダ!」 と、もう一人

 

 数分後

 「はぁ 立ち退き、馬鹿言うじゃないニダ! 絶対に反対ニダ!」

 「問答無用ニダ!!!!」 がちゃん!!

 数分後

 「ごほん! ごほん! お偉い人ニダカ?」

 「先祖から預かった財産ニダ」

 「助けてニダ」

 「立ち退き、反対ニダ!」

 「お父さん、お腹すいたニダ」 子供

 「我慢するニダよ。よしよしニダ」

 「助けてくれたら選挙の時、応援するニダ」

 「ポストを貰える書付があれば全力投入ニダ」

 

 別の部屋

 「じゃ 強姦しに行ってくるニダ」

 「行ってらっしゃいニダ」

 「いっぱい孕ませてくるニダ」

 「応援してるニダ」

 「お前たちも頑張って文化泥棒して、日本を文化支配するニダ」

 「任せるニダ。日本人は知的障害者で、沈黙が美徳の唖野郎ニダ」

 「会社ごと乗っ取ってやるニダ」

 「そして、日本社会を思い通りにしてやるニダ」

 「日本を世界中と戦争させて滅ぼさせるニダ」

 “日本は太平洋戦争で負けて、アメリカに南北に分断されたニダ” カキカキ

 “儒陀は日本から独立して、アメリカと連合して、日本を分割統治したニダ” カキカキ

 「ヒョン(兄)ニム。面白いニダ! 大傑作ニダ。感動したニダ」

 「トンセン(弟)たち。文章で日本人を叩くニダ」

 “アイゴーーーーーー! 天孫儒陀がチョッパリ日本人を叩いたニダ!!!!” カキカキ

 「「「「アイゴ〜!」」」」

 “天孫儒陀がチョッパリ日本人を踏み潰したニダ!!!! ウェー ハッハッハ!” カキカキ

 「「「「アイゴ〜!」」」」

 “天孫儒陀がチョッパリ天皇を泣かしたニダ!!!! ウェー ハッハッハ!” カキカキ

 「「「「ウェー ハッハッハ!」」」」

 “全日本人が病身舞(ピョンシンチム)を披露したニダ ウェー ハッハッハ!” カキカキ

 「さ、最高ニダ、ヒョン(兄)ニム・・・涙が出てきたニダ・・・」 ぐすん!

 “今日は、日本女の “試し腹” 祭りニダ” カキカキ

 「ヒョン(兄)ニム。凄過ぎる! これは、絶対にノーベル文学賞ニダ!!!」

 「これを読んだらきっと日本人もホルホルになるニダ」

 「次はアメリカ人と中国人とロシア人を悪者にして、日本人の戦争意欲を掻き立ててやるニダ」

 「凄いニダ。ヒョン(兄)ニムは天才ニダ」 ホルホルホルルルゥ〜〜〜〜

 “アメリカ人が・・・・” カキ・・・

 「んん・・・ラストは核戦争で日本が滅びる。決まってるニダ」

 「何か、参考になる本を持ってくるニダ・・・」

 ・・・・・・・

 ・・・・

 どさっ! どさっ! どさっ!

 「・・・持ってきたニダ」

 「良くやったニダ。おれが成功したらお前たちも引き上げてやるニダ」

 「「「「ヒョン(兄)ニム〜!!!!」」」」 ホルホルホルルルゥ〜〜〜〜

 「日本を滅ぼすニダ!」

 「「「「日本を滅ぼすニダ!!」」」」

 「日本沈没ニダ!」

 「「「「「日本沈没ニダ!!!」」」」」

 ぽろっ ぽろっ ぽろっ ぽろっ ぽろっ

 「いくニダ!!」

 「「「「「いくニダ!!!」」」」」

 シャッ! シャッ! シャッ! シャッ! シャッ! 

 シャッ! シャッ! シャッ! シャッ! シャッ! 

 「日本沈没ニダ!!」

 「「「「「日本沈没ニダ!!!」」」」」

 シャッ! シャッ! シャッ! シャッ! シャッ! 

 シャッ! シャッ! シャッ! シャッ! シャッ! 

 

 

 

 未来科学研究所 (Future science laboratory : F・S・L)

 被験者が精神を集中するとぼんやりと青白い靄に包まれていく、

 精神を集中し・・・

 はっ!

 シュッ!

 5cmほどの分厚い木板が二つに切り裂かれて割れる。

 研究者たち

 「ほとんど見えないオーラーローブの刃か・・・」

 「実体の金属と違って疲労しませんし、重さもない」

 「手刀であの厚みの木を切れるのなら悪くないですね」

 「ですがDPP強化は鉄(4.0)で止まってますからね」

 「新型LSI工場が建設されるまでお預けか」

 「ええ・・・コバルト(5.0)は遠いようです」

 「ったくぅ 政府もケチだな」

 「まったくです」

 「オーラと精神統一の相関関係は?」

 「オーラの質は2パーセントほど良くなってます」

 「量は・・・0.4で、もっと変わりませんね

 「2パーセントに0.4パーセントか・・・」

 「その場の付け焼刃で精神を集中してもオーラはそれほど変わらないか」

 「平常の生活で蓄積される分が大きいと言えるでしょう」

 「訓練より日頃の行いか・・・」

 「その代わり、気持ちで変化しにくいので計算しやすいですよ」

 「まぁ ファンタジーじゃあるまいし、そうそう、気分で変化されても困るか」

 「ですが、後光のようなオーラはどうにかしないと」

 「オーラ色の服装を着るように指導してますが、色彩の変化は・・・」

 「むしろ、服装の色に制御する方が・・・」

 「んん・・・いまのところ、携帯用はひとつだけだから・・・」

 はっ!!!

 シュッ キーン〜!

 気合いと共に細い鉄パイプが切断される。

 

 

 満州帝国上空

 世界最強の戦闘機と噂される瑞鶴(Su33)2機が急旋回しながら追尾していた。

 未確認飛行物体は、レーダーで捕捉されてるにもかかわらず、

 機動力だけで瑞鶴を翻弄し、大空の端と端を飛び回る。

 「くっそぉ〜 ムカついてきた」

 『神田。攻撃はするなって言われてるぞ」

 「勝てねぇ ていうか、ロックオンすらできねぇ」

 『根底の基礎技術が違うと思う』

 「どうやって飛んで・・うぁ!」

 不意に正面から現れた未確認飛行物体が瑞鶴の間を抜け、

 あっという間に後方の彼方に消えていく、

 「ムカついた!!!!」

 『あはは・・は・・は・・・』 呆然

 

 

 地上は代わり映えしない生活、

 それでいて少しずつ変化していく生活が送られていた。

 ハルピン駅は、雲南省東欧系白人の乗客が増えていた。

 堅気が99.99パーセント以上を占め、

 怪しげな0.01パーセントが紛れ込む。

 巨大に膨れ上がる産業の影で、0.01パーセントが暗躍し、

 数パーセントの被害をもたらし、数パーセントの利益を持ち出していく、

 多くの場合、受益者と被害者は一致しない、

 しかし、表面的に得られる利益の総数は、失う損益に勝り。 

 集客が増えるほどハルピン駅周辺は賑わい、

 商品が売れ、サービス産業が活気付いていく、

 ファーストフード店

 二人の男が店の片隅に座り、

 学生たちのテーブルを意識しながらハンバーガーを食べていた。

 食材には黒竜江省特産のキクラゲ・ワラビと霊芝が僅かに含まれており、

 パッケージは、大きくキクラゲ・ワラビと霊芝入りと描かれ、高級感だけはあった。

 雲南の留学生たちと日本人学生

 「満州帝国はいいねぇ ほっとするよ」 と白人

 「そうかな・・・」

 「修学旅行で扶桑と日本を回った後、満州に戻ると失望させられるけどね」

 「それを言うと、雲南に戻った時も含まれるぞ。満州帝国とそう変わらない」

 「「「あははは・・・」」」

 「まぁ 日本に住んでると、ちょっとなぁって思うこともあるけど」

 「満州帝国に来ると、まぁ許せるかなって思うよ」

 「おいおい、搾取率の少なさは日本がトップだろう」

 「贅沢だなぁ」

 「そうそう、俺らに言わせれば日本は天国だよ」

 「中華民国なんて、殺すか殺されるかと思ったね」

 「中華民国は最近、良くなってきてるらしいけど」

 「それは、どこのシンジケート圏か、にもよるよ」

 「一番いいとこは、日系だったっけ?」

 「アメリカ系のカジノ界も悪くなかったよ。日本より大雑把だけど、閉塞感が少ないし」

 「怖いと思ったのは中華系、イタリア系、ロシア系のテリトリーかな」

 「イタリア系のテリトリーで、朝、街に出るとな」

 「撲殺された人間が吊るし上げられてたことがあったよ」

 「「「「・・・・」」」」 引き〜

 「刺激はあるけど。いろいろヤバ過ぎてな」

 「でもなんとなく行ってみたい気がする」

 「危ないだろう」

 「おれはもういいや。見たし」

 「まぁ 一度見れば十分だけど」

 「おれは見たくねぇ と後悔した」

 「中華系シンジケート圏はジャガイモとサツマイモを潰して合成樹脂で固めた米が出回ったことあるけど」

 「ご、合成樹脂ってプラスチックか?」

 「ちょっと食べた」

 「ど、どんな」

 「ゴムみたいな・・・殺意が湧いたよ」

 「「「「「あはははは・・・」」」」」

 「もっと酷いのは粉ミルクかな。赤ん坊が何十人って死んだって」

 「ひえぇ〜」

 「外資系シンジケート圏は、まともなミルクだったから良かったらしいけどね」

 「こりゃ 外資シンジケート支配って続きそうだな・・・」

 「さてと、おれはそろそろバイトだ」

 「ああ、おれもだ」

 学生たちが街に散っていく、

 男たちは、ポーランド系の学生を尾行していく、

 路地裏の角を回ると、

 ポーランド人留学生が腕を組んで壁際に寄りかかっていた。

 二人の男は、観念したように首を振る。

 「・・・日本語が話せるんやな。上手いもんや」

 「。いdcyちゅ、lづtdくtgc」

 「・・・日本語で頼むわ」

 「ずっと監視してるようだけど何か用かい?」

 「出身と目的を聞きたいだけや」

 「ふっ 原始的なDPP障壁だな」

 「すまんね。成り上がりで・・・」

 「しかも関西弁か・・・」 やれやれ

 「ほっとけや」

 「出身は、ジュラ紀分岐潮流だ」

 「ただの諜報活動だよ。別に犯罪を目的に来てるわけじゃない」

 「つまり・・・生活的なもの?」

 「お前たちの科学知識や宝物に興味を持てって?」

 「ふふふ あははははは! 笑わすなぁ」

 「「・・・・」」 憮然

 「ほかに用がなければ行くよ」

 「ああ・・・しかし、生態系を狂わせるようなことはしないでくれ」

 「わかってるさ、せっかく時間をかけて馴染んだのに面倒になるし、大変だろう」

 青年は手を振って、去っていく。

 「めっちゃ むかついたわ」

 「しかし、時空遺電子探知機は正しかったようだ。ジュラ紀だ」

 「せやけど、向こうが進んでる。喉元に短刀を突き付けられてるような気分や」

 「連中は、我々がやってみたいと思ってることを既にやってるわけだ」

 「黒船から始まった日本の近代化は、列強と並ぶまでなったけど」

 「もう一度やれるか不安だな」

 「「・・・・」」 ため息

 

 

 

 インド大陸

 儒陀藩皇国

 皇帝の暗殺、不正腐敗と膠着した圧政・・・・

 アメリカが儒陀を見限ろうとしてる空気を感じ取った漢民族は徐々に攻撃的になっていく、

 学生から立ち上がったデモは、市民を巻き込んで20万にまで膨れ上がり

 街は騒然としていた。

 「撃つニダ!!!」

 命令が発せられ

 軍隊と警察による市民の鎮圧が始まる。

 血溜まりが新光州全域に作られ、

 鎮圧と同時に中核運動家が処刑されていく。

 「インドに逃げるニダ」

 「そして、インドで生きるニダ」

 「これを持っていくニダ」

 「これは・・・」

 「役に立つニダ」

 「日本語のわかる者は、日本に行くニダ」

 「延辺朝鮮族自治州は、儒陀最大のお金持ちニ・・・」 がくっ!

 バーン! バーン!

 生き残った男たちが逃げ出していく、

 

 

 

 

 アメリカ合衆国

 100000t級ニミッツ型空母3番艦カール・ヴィンソンが進水する。

 次の建造に備え、造船所ドックを空けるため海に放り出されただけであり、

 完成はまであと2年を要した。

 「1機動部隊で1国と戦える」

 「3隻あれば3カ国と戦える、ですか?」

 「日本とドイツは除いてくれ、分が悪過ぎる」

 「日本は経済力が付いてる割に軽軍備のようですね」

 「どこにお金が流れてるのやら」

 「CIAとFBIが不正な金の動きを調べて公表しようとしてるらしいが上手くいかない」

 「儒陀JCIAは?」

 「スパイ組織じゃないだろう。あそこは・・・」

 「ふっ 軽犯罪組織ですかね」

 「来月あたり、見せしめに何人がやるそうだ」

 「40万人もいるのに少な過ぎませんか?」

 「全部が全部ってわけじゃないし」

 「白色テロがばれたら大騒ぎになるし。人権団体が怖いらしい」

 「わかる奴がわかって自制してくれたらいいがな」

 「彼らが自制ですか?」

 「ふっ」

 「まぁ 国民の大多数は、個人の権利に過敏ですからね」

 「だいたい、庶民は大変でも軽犯罪をスパイ容疑で捕まえたらこっちが馬鹿みたいじゃないか」

 「「「「あはははは・・・・」」」」

 

 

 陸軍工廠

 M1エイブラムスA戦車

 重量55.7t  全長9.83m×(車体長7.80m)×全幅3.65m×全高2.84m

 1500馬力  行動距離498km   速度 67km/h(整地) / 48km/h(不整地)

 51口径105mmライフル砲 

 副武装 12.7mm重機関銃M2(対物・対空)  7.62mm機関銃(主砲同軸)

 アメリカ軍将校たち

 「滑空砲は?」

 「空軍と海軍に予算を取られ過ぎたな」

 「儒陀の面倒を見過ぎてるんじゃないのか」

 「それもあったな。儒陀は投資損だよ」

 「どこかに押し付けてぇ〜」

 「押し付けられそうな国ないな」

 「日本は?」

 「断られたらしいよ」

 「もうババ抜きのババだな」

 「ふっ それに比べてハワイ銀行と中華銀行の利益の良いこと良いこと」

 「中華カジノの上がりなんて大き過ぎてな、投資が止まらんらしい」

 「馬鹿投資家が、すぐ大恐慌の事を忘れやがる」

 「それでもまぁ 旧式になるM60戦車は儒陀、パキスタン、ハイデラバードに売れるはずだ」

 「だけどな。儒陀の国債や株券なんてなぁ紙切れみたいなものだしな」

 「まぁ それでも中古品を押し付けて、貰う債券だし、なにかの足しになるんじゃないか」

 「だといいけど、おまけで、連中を入国じゃ・・・」

 「債券利権のために国内に犯罪者を入国させるようなものか」

 「「「「・・・・」」」」 ため息

 

 

 

 アメリカ合衆国の片隅

 森の中で、儒陀系アメリカ人のシャーマンたちが踊っていた。

 ホルホルホルルルゥ〜〜〜〜

 “チャリョ〜♪ チュンビ〜♪ キョンネ〜♪”

 “飛行機落ちるニダ” “日米戦争で殺し合うニダ”

 “シージャック〜♪ ケイソック〜♪”

 ホルホルホルルルゥ〜〜〜〜

 “滅びるニダ” “天罰で隕石が落ちるニダ”

 “グーマ〜♪ シヲ〜♪”

 “誰か、狙撃するニダ”

 ホルホルホルルルゥ〜〜〜〜

 

 アメリカ合衆国 パトリック・ヘンリー空港

 合衆国陸軍(United States Army)、合衆国海軍(United States Navy)、

 合衆国空軍(United States Air Force)、合衆国海兵隊(United States Marine Corps)、

 合衆国沿岸警備隊(United States Coast Guard)の全5軍の儀仗兵が整然と並び、

 カーター大統領は、747から降り立った老人夫婦を最大の敬意で迎える。

 こういった式典は、ローマ法王、エリザベス女王、ドイツ皇帝以外になく、

 格付けだけならローマ法王と並び、

 老人夫婦は、あらゆる席上で上座に迎えられ、

 アメリカ合衆国をほぼ支配する有力者たちが最高の礼を示した。

 「陛下。ようこそ、アメリカ合衆国に来られました」

 「華やかな御迎えですね」

 「皆、一緒に写った写真だけでも自慢できますし」

 「陛下の権威にあやかりたいのですよ」

 「そうですか。出生だけの賜です」

 「いえ、海洋生物・植物の著作を読ませていただきました」

 「嬉しいことを・・・」

 「」

 「」

 両国の随行者関係たち

 「ちょっとした国際イベントですな」

 「大国といっても、皇族外交で後手に回るといろいろとあれなので」

 「80年代最初の訪米はありがたいですよ」

 「こちらとしても、ドイツばかり偏るのは国際情勢で良くありませんからね」

 「必要な訪米タスクは、こなせそうですし」

 「これで、日米両国のわだかまりは一区切りですかね」

 「まぁ かなり薄れたでしょう」

 「「よかった。よかった」」

 「日米両国間の交易も一層増えるでしょう」

 「輸出規制の件、よろしくお願いしますよ」

 「そちらも301条の件、お手柔らかに」

 「「「「あはははは・・・・」」」」 

 

 

 

 ソビエト連邦

 クレムリン カザコフ館

 儒陀人2人がドイツ、日本、アメリカから持ってきた土産物を置く、

 「これがドイツ、日本、アメリカで作られてるモノね」

 「はいニダ」

 「引き続き頼むよ」

 「欧米は物価が高いニダ」

 「もっと金を寄越せと?」

 「もっと欲しいニダ」

 「まぁ 5パーセントほど物価が上がってるのはわかってる」

 「成功報酬を5パーセント上乗せしよう」

 「結構ニダ」

 「!? ほぉ 何時になく素直だな」

 「あと、2、3パーセント吹っ掛けてくると思ったが」

 「今日は、気分がいいニダ」

 「そうか・・・・」

 2人の男は、用心深く、モスクワの裏路地に入り込んでいく、

 目的の家を3時間ほど見張り、

 出てきた男の後を付けていく、

 そして、後ろから針を刺すと刺された男は、急にふらつき、路地に座り込んだ。

 犯人たちは何食わぬ顔で立ち去っていく、

 『これで、ソビエトの時空研究は、遅れるぜよ』

 『だども共産主義や封建社会は、上がクズだべ。藪蛇にならなきゃいいべ』

 『別に殺したわけじゃないぜよ。アルコール依存を大きくしただけぜよ』

 『後は、時空研究所も遅らせるべ』

 『ああ、けんどぉ 韓国人に化けるのは難しいぜよ。斜め上を行ってるぜよ』

 『クズにならないと、ばれるべ』

 『『・・・・』』 ため息

 

 

 アフリカ大陸 ナイジェリア

 中華系に武器弾薬を渡すほど、資源が入り、

 イギリスとフランスは、左内輪になっていく、

 人類に対する犯罪と言えなくもない、

 しかし、漢民族のアフリカ大陸移民は、中華民国の国家事業となっており、

 武器商人が動くたびにナイジェリアに武器弾薬が積まれ、

 資源を満載した物資が国外へ流出していく、

 “アフリカ大陸はアフリカ人だけのモノじゃないある”

 大きく掲げられた垂れ幕が中華街に翻り、

 黄色い民軍はイナゴのように広がっていた。

 ナイジェリア沖

 42000t級原子力自走型ドック巡洋艦ワルプルギス

  全長291m×全幅40m ドック(120m×25m)

  80000馬力 速度26kt

  55口径149.1mm連装砲6基 71口径88mm砲8基。

  対艦ミサイル2基 対空ミサイル2基、対潜ミサイル20基。

  対空哨戒ヘリ10機。対潜哨戒ヘリ10機。

 艦尾が∩状に抉られ、飛行甲板で蓋をしたような巨大なドック型巡洋艦が沖合に停泊していた。

 巡洋艦ワルプルギス 艦橋

 背広組と制服組が双眼鏡で港を覗き込んでいた。

 「どうです。アフリカ大陸を見て回った感想は?」

 「いまのところ、白人の利権は守られている」

 「しかし、それも失うことになるかもしれない」

 「イギリスとフランスは核地雷を仕掛ける算段をしてるようですよ」

 「じゃ 漢民族が白人の利権を侵害しようとしたら、核爆発?」

 「ええ〜 これまでの情報が正しければ」

 「イギリス人もフランス人も人質に取られてる状況で、核心中は、嫌だろうな」

 「あと、アメリカのバイオ作物が増えてるので」

 「アメリカの生殺与奪権も強まってるようですね」

 「あの手この手か。ドイツ帝国は雲南省に東欧諸国民を追い出すことばかり」

 「アフリカは後回しだったからな」

 「問題は危険度ですよ。軍人の受ける感想は?」

 「勢力的に漢民族が主流を占めるようになったら」

 「いずれ独立することになると思いますよ」

 「ひょっとしたら巨大な華漢帝国建国になるかもしれない」

 「そうなると、雲南省の利益を越える不利益な圧力を受けるでしょうな」

 「しかし、漢民族同士は、信頼関係がないので、圧政になりやすく」

 「先進国になり難いと思いますよ」

 「むしろ、浸透戦略の方が怖い」

 「それは言えます」

 「日本人は国境の外に出ると大人しくなりますが」

 「中国人と儒陀人は、変わりませんからね」

 「日本人の場合、日本国内でも似たようなものだとか」

 「押しが弱そうですが、我々と似てますな」

 

 エチオピア

 エチオピア王族と儒陀官僚たち、

 「困った。漢民族の流入が止まらない」

 「この国が漢民族に支配されてしまいそうです」

 「大丈夫ニダ」

 「不実で嘘吐き日本と違って、我々は、エチオピアを見捨てたりはしないニダ」

 「ほ、本当ですか?」

 「儒陀は中国人のアフリカ大陸浸透に心を痛めてるニダ。信用するニダ」

 「た、助かります」

 「任せるニダ」

 「ありがとうございます」

 「儒陀の自動車を買うニダ」

 「自動車?」

 「世界で最も素晴らしい車ニダ」

 「必ず売れるし、エチオピア産業の復興にもなるニダ」

 「代金は、現物ニダ」

 「わ、わかりました」

 エチオピアの港だけでなく、

 アフリカ大陸の港に “押す車” と評判の高い自動車コルチナが並んだ。

 

 数ヵ月後

 儒陀藩皇国はエチオピアと国交断絶。

 “エチオピアを捨て、中国と友好関係を結ぶことは我が儒陀に絶大なる利益をもたらすニダ”

 “我が儒陀の見事な作戦によりエチオピアに、その意図を察知されずに断交が行われたニダ”

 

 

 インド大陸

 儒陀藩皇国

 大きなビルの社長室

 「金社長。これを・・・」

 「こ、これは、私のテロンVの玩具じゃないか」

 「誰が勝手に・・・」

 「あっちこっちの会社が作ってるニダ」

 「許せないニダ!!!!!!!」

 「テロンVは、私のオリジナルロボットニダ!!!!」

 「わたしだけのオリジナルロボットニダ」

 「テロンVの玩具を無断で作ってる会社は許せないニダ!!!」

 「犯罪ニダ!!!」

 「作者への敬意に欠く著作権の侵害だけは絶対に許すことができないニダ!!!!!」

 「訴えるニダ!!!」

 「大変ニダ! 金社長」

 「どうしたニダ!」

 「インド藩王諸国でもテロンVの玩具が作られてるニダ!!」

 「それは、国際的な泥棒ニダ!!!! 国家的な犯罪ニダ!!!!」

 「戦争してでもやめさせるニダ!!!!!!!!」

 「社長。作ってるのは国外に亡命した儒陀人らしく・・・・」

 「な、なんだと・・・」

 「国際法廷に訴えvfyhdx8.l;f7ゆf;9.いgfヴ7いう7y9・;y7うcfy7うf9;。!!!!!」

 「しゃ 社長・・・」

 

 

 新・儒陀皇帝府

 ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ!

 ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ!

 ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ!

 「暑いニダ〜」

 「皇帝。新光州を完全に鎮圧したニダ」

 「反乱の中核は、根絶やしにするニダ」

 「わかってるニダ」

 「きっと、日本とインド藩王諸国が裏で手を引いてるニダ」

 「世界儒陀イジメ協会 J・I・K の謀略ニダ、陰謀ニダ」

 「許せないニダ。悔しいニダ・・・」

 「日本とインド人に騙され片棒を担いでる儒陀市民が哀れでならないニダ」

 「日本は世界中で儒陀を誹謗中傷してるニダ」

 「インド人が儒陀に紛れ込んで純真無垢な天孫民族をたぶらかしてるニダ」

 「テロンVの模造品も両国の陰謀ニダ」

 「死ぬほど、悔しいニダ〜〜」 ぐっすん!

 「日本人とインド人を呪ってやるニダ!!」

 「死ぬまで呪ってやるニダ!!!」

 「子々孫々に呪いを伝えていくニダ!!!」

 「戦前の日本は軍産業利権を守るため国を滅ぼそうとしたニダ」

 「戦後の日本は国家基盤利権のため民族を売り渡すニダ」

 「日本に対し大規模人民浸透戦術を展開するニダ!!!」

 「JCIA暗殺部隊も送り込むニダ!!!!」

 「日本に謝罪と賠償を要求するニダ!!!!!」

 「インドにも謝罪と賠償を要求するニダ!!!!!」

 「儒陀皇帝もアメリカ大統領と全5軍に迎えられたいニダ!!!!」

 

 

 

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 月夜裏 野々香です

 史実と戦記の日本の朝鮮・儒陀の浸透率は10対2くらいで考えてます。

 漢民族の浸透率は1対10くらいでしょうか。

 相乗効果でピンチです (笑

 戦争で負けてませんし、

 国権がやや強めなのと白色テロ部隊がいるので、史実よりかなりましな気がします。

 だいたい史実の8分の1ぐらいの危険度でしょうか。

 

 

 “病身舞” で免疫が付いたと思うので・・・てっ 免疫つかねぇ! (笑

 今度は “試し腹” ネタでしょうか。

 ページに内容を書き込む気分になれませんでした。

 検索してください、

 そのうち、儒陀人は、人類種と分岐していくかもしれませんね。

 真偽の判断は読者にお任せします (笑

 韓国に嫁ぐ女性は、先に “試し腹” の有無を確認してから

 

 

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第39話 1979 『世界起源伝説』

第40話 1980 『愛国は矛、人権は盾』
第41話 1981 『全力で抵抗するニダ!!!』