第15話 1937年 『おれ、盧溝橋事件も防いだらしい』
おれ、新世紀二宮忘太ン。
国内利権とか、アメリカとか、イギリスとか、ソビエトとかの使徒と日々戦っている、
厄介なのが日本人に成り済ます浸透型使徒ウリニダで、
特殊能力の “嘘” “盗み” “殺し” を駆使して、利権に食い込んでる。
でも国内の戦いにばかりかまけていられない、
アメリカ、イギリス、ソビエトの世界戦略にとって、日本は、邪魔なようだ。
全世界を巻き込んだ戦争計画に日本も入ってるはず・・・
ああ、わかってます、
あの人たちの邪魔してるの、おれです。
今年は、なんだっけ・・・
スペイン内戦。大阪大でサイクロトロン。大火が続いて、ヒンデンブルグ、日仏交換協定調印。
普天堡の戦い・・これはどうかな、金日成は朝鮮自治区の将軍のひとりだし、その前に別人だし・・・
盧溝橋事件・・はないな。
通州事件は・・・ありそうだな。中国から撤退するように勧告を出すか、
大山事件と第二次上海事件か・・これは阻止しないと・・・・
日独防共協定・・・これはないな。フランスと戦艦とマダガスカルの引渡しがあるし
日中戦争だけは避けないと・・・
1月
スペイン内戦 米議会がスペインへの武器輸出禁止決議案を可決
トロツキーが第二の亡命先であるメキシコに到着
スペイン内戦 反政府軍が領海に機雷を敷設し海上封鎖
ドイツ政府が外国軍艦のキール運河自由航行を禁止
ドイツ海軍練習艦エムデン号が横浜港に入港
日米綿業協定調印
宇垣一成に組閣命令
ソ連政府、第2次モスクワ裁判においてゲオルギー・ピャタコフら反スターリン派に死刑判決。
ケソン比大統領来日
寺内陸相が後任に中村孝太郎を推薦
日米綿業協定で繊維業界の対米輸出が増えることになった。
これは、ユダヤ人用洋上都市建設もあるが、
戦艦10隻の売却で日本の脅威が減少したと思われたのかもしれない、
また、ユダヤ資本による非ユダヤ資本の切り崩しがまだ進んでいないか、反撃があったのだろうか、
日本への経済制裁より、アメリカ国内の産業支配を優先させたようにみえた。
逆に言うなら産業支配が完了すれば、戦争準備完了なのだろう。
ひょっとしたら標的が、日本からフランスに変更されたのかもしれない。
なんにせよ。石油とくず鉄の輸入は、継続できそうだ。
2月
白白教事件
スペインのフランコ将軍、マラガを占領
国賊
権力や利権を強くし、資産を増やすため、国民から搾取し、外患誘致する連中。
有り体に言うなら政敵を倒すため、外国人を使って倒し、外国人に地位とポストを与えようとする連中だろう。
売国
国土や国家資産や国民財産を切り売りしてでも自分の権力や利権を強くし、資産を増やしたい連中。
有り体にいうなら尖閣や竹島をあげても、自分の財布はあげない、増やしたい連中のことだ。
右翼系は国賊利権が多く、左翼系は売国利権が多い、
というより国賊利権が売国利権を作り、売国利権が国賊利権を育てる関係にあった。
こういった連中が多いほど国策が二分され二極化させられていく、
この時代も利権屋のせいで軍国主義が強まり、
産業格差に反発する勢力は、生き残るため、外国人に頼る傾向が見られた。
日本が史実より格差が緩和されているのは、国民一人一月七円政策が施行され、
国民国家の体面を維持し、軍需に頼らない財源が国民にあるからだろう。
とはいえ、マダガスカル開発で大規模な財政投資が行われて格差が広がっており、
国民にばらまかれているのが、大卒の初任給の10分の1以下では、心もとない、
実のところ、政商だからといって、公金を勝手に動かすわけにも行かず、
マルサがウロチョロウロチョロしている。
彼らが動かないのは、俺の外貨利権が多く、
カグツチの開発が順調に行われ収益が大きいからにほかならない、
とはいえ、国税庁も、おれが、国賊か、売国奴なのか、決めかねるほど、円紙幣が消えている。
盗聴器から声が聞こえてくる。
“二宮の野郎。なにやってるんだろうな。あいつは”
“紙幣量が増えてるんだからお金を使わないと損することぐらいわかってると思うのだが”
“本当に外国の開発業者にお金を渡しているのかね？”
“じゃ その円紙幣は、どこに行ってる？”
“通し番号で探しても見つからないのは変だ”
“偽札を作っているとも聞くが”
“偽札はいいんだよ。あれは、別件だから”
“別件？”
“外交戦略用で石油とくず鉄を買うためらしいが”
“いいのかね？”
“欲しがってるのは、緑色紙幣を減らされて賃金を払えないアメリカ資本だよ”
“そうなの？”
“大恐慌で銀行が紙幣を引き上げてるからね”
“貸し渋りと貸し剥がしでユダヤ資本から身を守りながら、連鎖倒産を防がないといけないからね”
“偽札はソビエトの方が多くて、アメリカの政治中枢に人員を送り込んでるらしい”
“なんにせよ。金がなきゃ 外国に作らせても利権を守りたいと思うさ”
“しかし、二宮の金の行き先が不透明なんだよな”
“外国で使えない円だから、国内で消耗するしかないはずなのに・・・”
“金額が金額だから、どうも、怪しいと踏んでるんだが・・・・”
盗聴器から伝わってくる内容は、深刻だが、逮捕未満の気配がある。
こっちは、必死に国力を引き上げて、外交同盟戦略しているのに、
あのばかたれどもが、
税務署の天下りをもう少し増やした方がいいのかね、
それとも、後顧の憂いを断つためにやっちまうか、と思ってしまうよ。
つか、おれ、いったい、なにと、戦ってるんだろう。
もう、まじで、そう思うわ
総力戦研究所
おれは、各大学に総力戦研究所を作らせ、
教授や学生たちにどうやったら日本で軍事クーデターを引き起こせるか調べさせ、
調査結果を公開させていた。
それは、実行部隊でなく、
籠絡しなければならない20の役職と買収資金が公表され、
思想的な対立軸、貧富の格差、社会格差がどれほどあれば可能かといった内容を記事に載せた。
国家の豊かさは、所得や生産力でなく、
モラルと格差にあるという文献が各大学で確認され、
軍事クーデターの主犯階層が国民に公開される。
結果、日本で軍事クーデターを引き起こせる確率は、20パーセント以下であることが判明していく、
議員仲間たち
「驚くべき結果ですかね」
「金融利権は金融格差を望み。法曹利権は法律格差を望み」
「教育利権は教育格差を望み。軍事利権は軍事格差を望み」
「生産利権は収益格差を望み。中央利権は地域格差を生む」
「それは、国益や民益より遥かに美味しいし、外国に勝つことより意味がある」
「まぁ 世の中っていうのは、こういうもんだろうね」
「格差を作って慣らし、少しずつ格差を先鋭化させていくだけで、独裁なら面白いがね」
「国民は脆弱になる」
「中央集権が過ぎれば中央だけが繁栄し、地方が衰退し、国全体が衰弱していく」
「そして、格差の低い者たちが格差を埋めようとして、より格差を望む連中に利用される」
「軍人も専門家で視野が狭いだけでなく、利権屋だからね」
「しかし、陸海軍が、皇道派と統制派の対立で軍事クーデターって想定は、ギャグ？」
「いや、貧富の格差が今より大きければ十分に信憑性が、あったと思うけどね」
どうやら、幾つかの工作が効いたらしい、
3月
ソビエトでニコライ・ブハーリンが逮捕される。
ローマ教皇ピウス11世、ナチスによる教会弾圧とユダヤ人差別を批判する回勅『ミット・ブレネンデル・ソルゲ』を発表。
純国産航空機神風号完成
神風号が福岡・立川間で試験飛行（2時間2分、時速460km）
大阪帝大でサイクロトロン完成
衆議院が会期最終日にして解散（食い逃げ解散）
呉
おれは、蒋介石と一緒に、小洒落た店でこいわし（小鰯）料理を掻き込んでいた。
「助けて下さり、ありがとうございました」
「お互い、危ない目に遭いやすい立場ですからね」
「いや、いや、もっと警戒すべきでした。お恥ずかしい」
「外からでしたが。我が国の潜水艦はどうでした？」
「日本は、戦艦10隻とマダガスカルと交換したので不安でしたが、素晴らしいですな」
「航空戦力も拡充させてますし、アメリカに遅れを取るようなものじゃないですよ」
「しかし、あなたは平和歌を作って、戦争を回避しようと聞いてますが？」
「まぁ 戦争が起きても日本のせいじゃないというアピールですよ」
「なるほど」
「ところで、油田採掘の件は、どうでしょう」
「もちろん、全面的に協力させていただきますよ」
「採掘権と権益の半分は、日本のものですし、お互い、上手くやっていきましょう」
「それは助かります」
「しかし、本当に油田があるのですか？」
「これから探すんですよ」
「なるほど・・・」
『本当は知ってるけどね』 （笑
「・・・・・」
呉は、お歴々の行き来で賑わいを見せていた。
海龍型潜水艦
全長84m×全幅9.1m×吃水8.5m
水上 2434t 3900hp 12kt 30000海里
水中 4200t 8000hp 18kt 460海里
魚雷6門 533mm魚雷26本
深度300m
65人
海龍型潜水艦のモデルは そうりゅう型潜水艦の劣化型だった。
劣化型でもスターリングエンジンで蓄電できるため潜航能力は高く、
世界最強の潜水艦であることに変わりなかった。
軍縮条約明けとともに港に30隻が並び始める。
赤レンガの将校や海軍将校が海龍型潜水艦の中を一回りすると、
おれの発言力が上がってると確認したのか、憮然としながら出てくる。
軍縮条約の破棄で、気負いがあるというか、気持ちで負けたくないのか、
ピリピリしているのか、暴力団の幹部のように見える。
利権が絡んで外資に誑し込まれたら、国民にも暴力を振るいそうで怖い、
まぁ こんな奴らでもさ、
おれのいた頃の日教組より百倍まし、と思うと笑いが込み上げてくるぜ、
でも、いまは、軍部の暴走を抑えないと、百倍も醜い日教組が現れやがる・・・
エジプト王国(100万1450k㎡)
スエズ運河は、イギリスが株の44パーセントを保有している、
フランスもスエズ運河を建設したせいか、少なからず株を保有していて、
英仏分断を画策するうえで、エジプト工作は意味がありそうだった。
昨年、就任したばかりのファールーク1世は、親英派で
イギリス軍のエジプト駐留を面白く思わないエジプト軍将校は、やや、独伊派に近い動きを見せていた。
いま、エジプト将校の中に外交パイプを作り、
スエズ運河国有化を進めさせる将校派閥を作らせようと検討している。
でも、面白いことにユダヤ系もスエズ国有化は、念頭にあるらしくて、
株さえ保有できれば、それがどこの国でもいいみたいな。
なんていうの、おれも持ち株会社以外にも株持ってるけど、その感覚。みたいな。
ひゃっほー
サイクロトロンが完成、
原子爆弾～♪ 原子爆弾～♪
原子爆弾はいいね。原子爆弾は心を潤してくれる。リリンの生み出した文化の極みだよ。
だけど疲れたよ。
カグツチの関連企業百十数社。おれの持ってる株は数百社分。
どんだけ、楽×天召喚して、商品開発したと思ってるんだよ。
金を幾らばら蒔いても足りねぇ
ていうか、楽×天召喚で紙幣を消してなかったらインフレ状態だよ。
ていうか、国民一人一月分配していなかったら、
実在してない紙幣を存在してると仮定するからスタグフレーションじゃん。
4月
ビルマ、英国の準自治州に。
ヘレン・ケラー来日
スペイン内戦中、 ナチス・ドイツ空軍がゲルニカを空襲。
第20回衆議院議員総選挙。
立憲民政党179、立憲政友会175、
社会大衆党37、昭和会19、国民同盟11、東方会11議席。
政界は、国権派と民権派に分かれ、混沌としている。
国権派と民権派の違いといっても価値観は多様で、
分配率を5円がいいとか、10円がいいとかの違いでしかなく、
軍拡派、敷島(マダガスカル)開発派と、
産業基盤とする利権議員や思想系の派閥が混在している。
議会
“軍事力は大丈夫なんだろうな”
“軍事力よりマダガスカル防衛だろう”
“それより、日本国内の産業をどうにかしろ”
“人口が減って消費が減って、小売店は青色吐息だ”
“分配率を10円に上げればいくらでも持ち堪えられる”
“馬鹿か貴様。誰が金持ちになるのかわからないのだぞ”
“それこそ、俺たちの地位すら奪われかねない”
“そんな、小心な神経で議員なんぞやるな”
“お前は、終身だからそんなこと言ってられるんだよ”
“矜持がないから、集票で苦しむんじゃないのか”
“選挙は金なんだよ。爵位持ち野郎！”
“なんだと！！”
わいの わいの わいの わいの
眠い眠い・・・
アメリカが戦争する気満々なのに何やってるんだか。
いったい、どこ見てるんだ。こいつらは・・・・
ぐぅ～・・・・
5月
北海道美唄町で大火（629戸焼失）
宮城県志津川町で大火（340戸焼失）
ヒンデンブルク号爆発事故
英ジョージ6世戴冠式
パリ万国博覧会開幕（～11月25日）
英ボールドウィン内閣総辞職
英 チェンバレン内閣成立
人災と天災の過失率制度が採決され、
大火でも支援金が出されるようになった。
こういうのを放置すると国民が荒み、治安が悪化するのだ。
本当は、もっと、分配率を上げた方がいいのだが、
日本政府が焼失家屋を購入すると、
被災者の大半は、マダガスカルへ移動し、再開発が始まる。
テナント型ビルは、莫大な資本を必要とするが、一度、建設してしまうと、
数倍の敷地面積を持つ住居ビル、食物生産ビル、工場ビル、店舗ビルとなり、
就労と集客が容易になった。
今日はアメリカから著名な経済学者がやってきた。
まぁ おれが日銀にいるから誑し込みたいらしい、
労働することで、紙幣が移動するとか、
国民一人一月分配制みたいな不労所得なんかありえない・・・とかなんとか・・・
しかし、経済学者っていうのは、何なんだろうね。御用利権学者ってやつ、
労働で紙幣が作られて移動するとか、馬鹿なの？
労働価値説とか、 共産主義者なの？
お金は、借金で作られて、需要と供給の欲望に従って移動するんだよ。
労働で金が生まれたり移動するなら格差が生まれるか、ボケが、
ていうか、楽×天で何億も金を消してんだから、
赤字国債なしで国民に分配しないとデフレとか、スタグになるだろうが、
こっちの都合もあるんだよ。
ていうか、大恐慌国の経済学者の言うことが聞けるか、早く帰れ、
6月
第一次近衛内閣成立
普天堡の戦い
ソビエト、トゥハチェフスキー元帥がスターリンに粛清される。翌年まで赤軍大粛清。
日仏戦艦領地交換協定調印
この時代、新聞情報は重視されていた。
普天堡の戦いは、金日成率いる朝鮮自衛隊とソビエト軍の衝突だった。
朝鮮自治区も外交と軍事以外は独立しており、
朝鮮紙幣を発行し、朝鮮自治区内の支配権をほぼ確立していた。
当然、ソビエトとの衝突は、支配を脅かされるとまずいと思ったのか、
日本に仲介を申し出てくる。
そして、ソビエトと交渉し、矛を収めさせていく、
実にいい、緩衝地帯として、育ってるように思う。
てへ～♪
フランスの条約破棄によりワシントン・ロンドン軍縮条約が失効し、軍拡が始まる。
マダガスカル島
PM12:00 ラ・マルセイエーズと、君が代が流れる中、日本とフランスで本交換協定の調印が行われ、
マダガスカル島で、一斉にトリコロールが降ろされて、日章旗が上がり
マダガスカル島沖
リシュリュー（長門) ジャン・バール(陸奥)、
クレマンソー(伊勢)、ガスコーニュ(日向)、ダンケルク(扶桑)、ストラスブール(山城)、
ノルマンディー(金剛)、フランドル(比叡)、リール(榛名)、リヨン(霧島)
戦艦から日章旗が降ろされ、トリコロールが翻った。
礼砲21発が轟き、
フランス戦艦部隊は、フランス本国へ帰還していく、
7月
ミュンヘンでナチスによる『退廃芸術展』が開催される。
第71特別議会召集
廊坊事件。
通州事件。華北各地の日本軍留守部隊や日本人居留民260人が虐殺され。日本の対中感情は悪化。
おれ、盧溝橋事件を防いだらしい、
まぁ 国境を接してるのが、遼東半島だけで、交易が増えている。
盧溝橋に日本軍はいないのだから当然と言えるだろう。
しかし、通州事件は起きてしまった。
歴史は変わってるはずなのに起こるのは、金で軍隊が動いたと考えてもいいだろう。
議会
「朝鮮自衛隊も、遼東半島の師団もその気になっていたらしいぞ」
「例の作戦」
「中国に対し、生ぬるいのではないか」
「日本は、マダガスカルに入植しているのです」
「資源があれば、マダガスカルを開発できる」
「土地より、資源か」
「既にマダガスカルを領有してるのですから、土地より資源ですよ」
「それにどさくさに紛れて遼東半島から中国人を追い出せたじゃないですか」
「ふっ」
8月
軍機保護法改正公布(施行10月10日)
米国政府が上海の居留民保護のため陸戦隊1200名の派遣を決定
マーガレット・サンガー来日
中ソ不可侵条約調印
中国西北共産軍が国民革命第八路軍に改編
ローマ法王庁がスペインのフランコ政権を承認
中国軍用機が呉淞港外仮泊中の米国汽船フーバー号を日本運送船と誤認して爆撃（フーバー号事件）
日本海軍と陸軍は、加賀、青葉、衣笠、加古、古鷹、駆逐艦4隻、輸送船10隻、2個旅団を中国に派遣。
通州事件の賠償交渉になるまえに祟明島(1225k㎡)と、舟山群島（1371k㎡)を占領した。
※ 舟山群島 大小1339個の島嶼。総水域は2万2200k㎡、うち陸地面積1371k㎡。
遼東半島から中国人が追い出された。
日本政府は、通州事件の賠償で、舟山群島と資源を要求し、
日本政府が被害者遺族に金銭を支払うことになった。
資源の譲渡後、祟明島(1225k㎡)を返還すると中国に通達した。
おれってば、通州事件の報復で、日本軍の上海上陸を防いで
祟明島(1225k㎡)と、舟山群島（1371k㎡)の占領で済ませた。
足場も作らず大陸侵攻とか、バカの極みだし、
マダガスカル島を得た以上、中国大陸で浪費するのは、得策でないと思った。
もしろ、1000万tの鉄鋼とそれを加工できる石油と、輸送船を動かす燃料が欲しい。
新潟のメタンハイドレートによる発電は、アメリカの想定と計算を狂わせられると思えた。
あと、バイオ燃料装置も稼働して、軽油系の燃料なら希望が持てた。
そうそう、祟明島、舟山群島にアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスにそれぞれ租借地10k㎡を申し出た。
まぁ あいつらも味方につけておかないと、何か因縁つけられそうだし、
舟山群島（1371k㎡)
中国に来ると、まず思うことがある、
日本は、警察と泥棒が分離している、
例えば、権力と法で格差を作って、その守り手が警察。
格差が広がり貧しさや我欲から犯罪を働く者が現れ、
それを捕らえるのが警察なのだが、警察自体は、不正が少ない、
しかし、中国は、匪賊上がりの軍閥が警察を兼ねていると考えていい、
まぁ 盗人猛々しい、悪貨良貨を駆逐するかのような社会だし、
中国国民が外資に救いを求めることは、珍しくない、
その手引きが租借地や租界なのだが、朱に交われば赤くなるようなところもある、
日本人と中国人との交流は、制限しているし、
中国人の入国も制限している。
しかし、商品と資源の交換は着実に増えている、
そりゃ誰だって、国の目の届かないところで、私腹を肥やしたいぜって思うの、人情だけどさ。
でも、中国人って、本当に信用できないから
租界地より、領土が安全って気がする。
祟明島(1225k㎡)と、舟山群島（1371k㎡)を手に入れたのは、そういう動機だけなのだけどね。
しかし、足場になるまで近代化させるのにどんだけ、資源と燃料が必要になるやら・・・
9月
駐米中国大使がフーバー号事件を米政府に陳謝
第72臨時議会召集
北平で拉致監禁されていた仏人宣教師が9日ぶりに救出される
上海の英仏両軍は、中国軍の租界侵入に武力で対抗する旨決定
国民政府が日本軍の行為を国際連盟に提訴
南京の各国大使館が自国軍艦に避難
経済団体連盟設立
国連は、日本の祟明島(1225k㎡)と舟山群島（1371k㎡)の占領は、通州事件の報復で、
賠償が済めば返還される性質のものであると、提訴を棄却。
どうやら、列強は、日本に租界地を作れたことに満足したようだ。
どうせ、賠償替わりに取った土地だし、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツに入り込まれても構わないだろう、
欧米諸国にしたら、大陸に中国以外に租界地があって、
そこが政治的に安定していることが最大の利益なのだから、
一部で、売国奴扱いする者がいたが無視。
10月
パリ万国博覧会で日本館が設計賞を受賞
おれが思うに、白人世界に日本を警戒させるわけには行かない、
戦艦10隻のフランス売却は、そういった国際的な思惑や印象操作も含んでいた。
もっとも新鋭機が96式戦闘機と96式陸上攻撃機では、心もとないが・・・
あと、飛行場をたくさん作って、安全性と、速度と、防弾を重視させている。
まぁ 史実より好景気だし、機械的な精度もいいはず、
外交戦略はこんな感じ、
しかし、政界は怖い怖い、もう、魑魅魍魎だよ。
どいつもこいつも、生殺与奪を握られてしまうと、被害が家族に及ぶ前に引退して、
子供や子飼いに引き継ぐし、
切り崩しや取り込み工作で、油断できないし、
おれ、一人じゃ厳しいよ。
つか、あれだよ。
歴史改変なんて、大事業は、個人じゃやっちゃいけないんだよ。
内憂外患なんてしたくなる気持ちがわかるね。
おれも朱に交わって、やってるし (笑
フランスは、日本戦艦10隻を手に入れると、旧式戦艦6隻の維持が困難になっていた。
売却先を探したフランスは、ものの見事に日本を裏切った。
フランス旧戦艦部隊
売却先
中国海軍 22189t級戦艦クールベ、ジャン・バール、パリ （45口径305mm連装砲6基 21kt）
ソビエト海軍 27340t級戦艦ブルターニュ、プロヴァンス、ロレーヌ （45口径340mm連装5基 20kt）
総理官邸
おれ、総理官邸に呼ばれちゃったよ。
俺のせいってか。ふざけんな
おれは、解体しろって言ったじゃん。戦艦と土地を交換するのは、3番目のアイデアだったじゃん。
まぁ 国際外交戦略でありがちな結果と言える。
といっても、あまり怖くないけどさ
新聞は上え下への大騒ぎなのだが、
中国が戦艦をモノにできるのは5年先。
ソビエトが戦艦をモノにできるのは、1年先だが、あまり気にすることはない戦艦だった。
11月
日本、マダガスカルに大本営設置。
おれ、フランスの旧式戦艦の中国とソビエトの売却とか
戦争したがりの白人の代表たちと交渉で、頭にきたんで、
欧米諸国や日本の有名歌手を雇って、
Japanese spirit(we are t×e world)。Heart of Japan(イ×ジン)を歌わせてプロディースしたよ。
アメリカの有名歌手も、大恐慌で金欠病だし (笑
レコードにして、世界中に売ったよ。世相があれだから、よく売れたわ。
もう、超～！！！ お金持ち、戦艦建造できそうだ (笑
ていうか、日本は好景気なんで、マジ戦争したくないんですけど、
なのに、ソビエトと中国で戦艦が増えて、国内に戦争したがりが湧いて出るし、
誰に金もらってんの、
もう、お前が最前線に行けよ！
12月
イタリア王国が国際連盟を脱退。
スペイン内戦 テルエルの戦いはじまる。
日本で人民戦線の結成を企てたとして労農派の学者・知識人が一斉検挙。（人民戦線事件）
第73議会召集。
アイルランド自由国で新憲法施行、エールに改名。
日本石炭産出5000万t ＋ 輸入1000万t
日本の石油生産量60万t ＋ 人造石油3基30万t / 石油消費700万t / 石油備蓄量1100万t
日本の発電生産量2330万kw
＝ 水力1820万kw ＋ 火力発電420万kw ＋ 地熱発電20万kw
＋ 洋上メタンガス発電プラットフォーム 7基70万kw
マダガスカル発電 119万kw
＝ 水力102万kw ＋ 火力発電17万kw
日本の議員たちが交替でマダガスカルの17都市の視察に行っていた。
17個の師団建設大隊が意地と誇りを掛けて開発してるだけあって、見事なものらしい。
十二干支市(近衛)、
因幡の白兎市(第01)、鶴の恩返し市(第02)、カチカチ山市(第03)、
花咲爺さん市(04)、金太郎市(05)、浦島太郎市(06)、桃太郎市(07)、
舌切り雀市(08)、かぐや姫市(09)、猿蟹合戦市(10)、一寸法師市(11)、
こぶとり爺さん市(12)、笠地蔵市(14)、わらしべ長者市(16)、牛若丸市(19)、力太郎市(20)、
そして、再創設された第13師団。第15師団。第17師団。第18師団がマダガスカル島に配備され、
座敷わらし市(13)、雪女市(15)、三つの願い市(17)、ブンブク茶釜市(18)の建設を開始している。
昔話から街の名称になったのは、敷島が日本と日本人の島であることを忘れさせないためで、
フランス駐留軍がいなくなって、
38t級97式戦車が陸揚げされている頃だ。
全長9.41m×(車体長6.70m)×全幅3.18m×全高2.4m
720馬力 速度50km 航続距離300km
60口径76.2mm砲 6.5mm×2丁
乗員4人
見た目は、74式戦車だったが、
油気圧サスペンションがヘボで、車体を傾けるといったことはできない。
大砲は碌なのがなくて、海軍高射砲を搭載し、50口径100mm砲の開発を急がせている。
代わり赤外線スコープと、砂塵フィルターが装備され、装甲を厚めにさせた。
1個師団の定数は150両で、総車両は3150両になり量産が進められている。
しかし、総トン数は12万tになるので涙ぐんだ。
対戦車ロケットだってあるのに馬鹿だろうって思うし、
それだけの鉄鋼があれば、トラック何両作れるんだよ。
鉄道何キロ作って、走らせられるんだよ。バカじゃないのか。
あれや、これや、あれや、これや
・・・もう・・いうまい・・・
陸軍と海軍に少しいいところ見せないと、マジ、殺される。
そうそう、おれ、21個の港湾・河川都市に投資している。
というより、ほとんどの企業が、広大な土地を専有し、工場を建て、
ポストを作って、人材を配置させていた。
世界恐慌中に何やってるんだと言えなくもないが、
日本だけは年率30パーセントと戦争のような好景気が続いている。
まぁ お金を印刷して、建設業者にばら蒔いているだけなのだが、
巡り巡って、日本国民へと札束が流れ、副次的な産業が生まれやすくなり、
成り上がりも増えていた。
「二宮議員。アメリカ資本が隠れ朝鮮系に投資しているようです」
「出来レースで10円から始めた成功物語で？」
「まぁ 何を作ってもアメリカ資本が大人買いして、ごり押しで広告費を払うのですから当然でしょう」
「ふっ 夢を見せたって、やってることは、内患を助けてるだけだし。どうしたものかな」
「こちらもやってることですし、あまり、アメリカを怒らせたくはないですが」
「朝鮮自治区の頭領でもなりゃいいものを。まだ日本に残ってるとはな」
「上手いこと日本国籍を手に入れたようですが、そのへんの経緯は、よくわかってません」
「ふっ どうせ、政争で勝つために引き入れた馬鹿がいるんだろう」
「日本の味方になるよう圧力をかけるか。陥れるしかないか」
「・・・・・」 ため息
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二宮勇太（9）
二宮由紀（6）
二宮翔太(3)
洋上メタンガス発電プラットフォーム 7基
洋上人造石油精製プラットフォーム 3基
史実 日本人総人口7063万
戦記 日本の総人口7723万 (敷島17万人）
日本49万8177k㎡。台湾自治区56283k㎡。関東州3462k㎡。
舟山群礁1371k㎡。南洋諸島2475k㎡。
祟明島(1225k㎡)。
敷島(マダガスカル)58万7040k㎡。
| 第14話 1936年 『おれ、2・26事件防いだ』 |
| 第15話 1937年 『おれ、盧溝橋事件も防いだらしい』 |
| 第16話 1938年 『おれ、シム日本シティしてるから、邪魔すな』 |
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