月夜裏 野々香 小説の部屋

 

召喚系火葬戦記 『とある価格と魔術の』

 

 

 第22話 1944年 『目標、一人一個プルトニウム熱電乾電池』

 おれ、心が痛いんだ。

 なぜって、見ず知らずで、会った事もない、人と人が殺し合うとかさ、

 会って、はじめましてじゃなくて、間髪入れずに引き金引いちゃうとかさ、

 それも、国家の思惑なんて大層なものじゃなくてさ、

 利権と保身と格差を維持のためだし、

 声の大きな連中に持ち上げられて踊らされてさ、

 どんな連中かというと、労働価値説を持ち出す嘘つきな、

 労働で金が作られるなら、税金を取る必要ないじゃん、

 そういや、戦国時代は、恩賞が土地の代わりに壷とか、焼き物になった時代があったよね。

 それが金の引換券の兌換紙幣。

 いまじゃ 不換紙幣だよ。担保なし。数字を書いた紙切れだよ。

 紙切れを恩賞みたく思ってるバカが国だけじゃなくて、世界をおかしくしてるんだけどさ、

 殺し合う兵士は、勝っても負けても、うまみなくて、

 なんていうの、殺され損、不具損、

 だいたい戦争させるために紙幣を減らして失業させて、

 自作自演のテロで開戦して、徴兵して敵国に突撃とか、

 ふざけんな! っていうの

 それで、絨毯爆撃で、物心も付かないような子供が殺されてるんだけど、

 あいつら、どんだけ人でなしで人殺しなんだよ。

 マジむかつく、

 さてと、今年も頑張って反米反英反ソ勢力に軍需物資を送っちゃうぞ、

 未亡人たくさん作っちゃうぞ、こら

 母子家庭たくさん作っちゃうぞ、こら

 アメリカンボーイズが死んじゃうぞ、こら

 嫌なら降伏しやがれ てへっ〜♪ (笑

 

 

 1月

   大本営がインパール作戦を認可

   アルゼンチンのサンファンで地震

   イギリス軍ベルリン空襲。2300tの爆弾を投下

 

  

 おれってば、いま、特高と陸海軍将校と話しを詰めている。

 目標はアラビア海、南アフリカ、インドの3つ、

 シミュレーションの結果は、芳しいとは言えない、

 だいたい、ドイツ工業はアドバンテージがない、

 ドイツが製造できるものでカグツチが製造できないものはないし、

 カグツチが作れなければ、ドイツ工業も作れない、

 日本の工業水準もカグツチ製工作機械によって、ドイツのレベルを超えつつあるし、

 カグツチ工業の優位性は変わらず、先行逃げ切り中だ。

 日本が欧州戦線で出来ることは資源と武器の輸出くらいで、

 それならインド独立支援に集中して、譲渡地と租借地を貰う方が得だ。

 もう一つ、アラビア海に入って孤立したイギリスを駆逐できても、ソビエトの駆逐はむつかしい、

 仕方なく、ソビエトと利権を分けることになるのだが、

 そうなったら、ドイツとの関係がギクシャクする。

 それでも中東の油田は欲しい、

 そして、南アフリカは人工ダイヤが大きい、一応、人造でも製造可能だが足りない、

 南アフリカは潜水艦部隊が封鎖してるし、

 いろんな形で工業用ダイヤを手に入れている。

 陸海軍も上陸作戦のあと、現地軍の編成と、利権確保だけが仕事になるだろう。

 日本は、武器弾薬の供給と交換に、

 5パーセントの譲渡地と、0.5パーセントの租借権を資源と交換に返していくだけの作業になる。

 軍部にとっても、ちょっとしたポストなのだが、戦線の拡大が遅れ気味なのは、

 軍部が情報部門や生産部門から人材と資材と資金を掠め奪ってきたツケだった。

 「ここはひとつ、陸軍と海軍を増強してだな3方面同時・・・」

 「「・・・・・」」

 おれと、特高高官の冷たい視線が痛いのか、将官の言葉は、尻切れになって止まる。

 庶民が軍人をどう見てるか知らんが、

 おれには、十分、官僚ヤクザに見える。

 こいつらときたら日本の国力というか、

 総合力を歪めて衰退させてるのに悪びれてないから始末に悪い、

 この時期、懸命に戦略教育をした結果、生産と造兵は、明らかに生産優位で、

 そんな余計な人材を軍に渡せるか、ごらぁ〜! 

 という空気が作り出していた。

 戦争中に何やってんだろうな、って気もするが、

 二宮派と反二宮派の抗争は接戦になっていた。

 師団の97式戦車保有数は100両に達し、戦車総数は2150両ほどになっている。

 月産20両を生産しているから、そのうち、定数150両に達するだろう。

 もっともフランス軍や自由インド軍にも輸出しているから、それほど増えるわけでもない、

 因みにモンキーモデルでない、本物の暗視赤外線装置付き38t級97式戦車が、どのくらい強いかっていうと、

 M26パーシング戦車より強い、

 なので、攻撃3倍法則で試算するなら、

 アメリカ軍が日本に上陸させなければならない戦車は6500両を優に超える、

 地の利や戦力集中や各個撃破を加味すると多少、キルレートが変動するにしても、

 対戦車ロケットの量産も増えてるし、本土防衛は、ほぼ心配なかった。

 しかし、海外地遠征になると話しが変わる、

 無理な兵站と輸送量は、国内生産を浪費させるだけでなく、成長さえ阻害する。

 生産と兵站からして、ないものはないのだから、3つの内1つを選べってことだ。

 斯く言う、おれは、態度が煮え切らない、

 全力で国内投資したいのに慢心した議会と軍部の勢力で、どうにもならない、

 敵より、こいつらに手榴弾投げつけたいぜ、と思いつつ、

 遠征地を1つ選び、

 人造石油精製プラットフォームを20基くらい作れそうな人材と資材と資本を投入する、

 何やってんだろうな。おれ・・・・

  

 

 北樺太

 白衣は、マッドサイエンティストの証し、

 おれ、一応、工学博士の称号も持ってる、

 因みに、未来の原子力工学、機械工学の論文からパクらせていただきました。

 古参の教授と、特高の人たちが粗探しで、原典を探ろうとしましたけど見つからず、

 オランダ経由で欧米諸国に問い合せても見つからず、渋々認めたらしい。

 地位と名誉と財産の全部を持ってるので、結構、羽振りが良くてモテまくり、

 そうそう、アメリカの雑誌サイエンスと、イギリスの雑誌ネイチャーに

 顔写真付きで日本のマッドサイエンティストと紹介された。

 交戦国の敵国人を載せるとか、頭悪いんじゃないのって思っていたら、

 読むと、国際秘密結社ショ×カーの首領で、

 パナマ運河爆破テロを起こした第二次世界大戦の張本人とか (笑

 って、そりゃ おまえたちの自作自演じゃん!

 おれ、一生懸命に邪魔してたよね!

 あと、放射性物質で人体実験とか非人道的な事をして魂を悪魔に売り渡した男らしい、

 いや、やってるけどさ、

 おまえたちだってやってるじゃん!

 「・・・・・・」

 ふえぇえええ〜

 いま、将校に白い目で見られたよ。

 そりゃ 儲けてるけどさ (笑

 ていうか、前触れもなく “こんなこともあろうかと・・・” なんて、この世にないから、

 予算が動いてないのに 現物 があるわけがない、

 おれが何かを作ってるとしたら、それは予算が動いてるからであって、

 おれだけじゃなくて、国家の意思も反映されてるから、

 雲間から淡い光が広がると、

 ダイヤモンドダストが光を反射してキラキラと輝いた。

 化学石油コンビナート工場の建設作業が続けられていた。

 日ソ戦争後、独立建設大隊が北樺太の油田開発に投入され、石油と天然ガスの生産が増加している。

 1940年頃からガラス繊維とナイロン繊維を紡ぎ合わせた防寒具が試作生産され、

 1942年の開戦を前後し、プルトニウム熱電乾電池で保温された防寒服が生産され、

 機械化と合わさって、作業効率が十数倍に向上していた。

 核爆弾が製造できるまでプルトニウムを貯めるより、

 炭化タンタルの器にグラム単位でいれ、プルトニウム熱電乾電池を製造し、

 樺太の石油の増産に寄与させたほうが有利と考えたからだ。

 将来的に一人10wプルトニウム熱電乾電池を携帯できるようにしたら、

 1億人ならプルトニウム200tほど、10万kwで保温、冷房、通信が済んでしまいそう。

 極寒地や砂漠地帯なら100wくらい必要かもしれないが、

 プライベート電源は、少し足りないくらいで丁度いいくらいだろう、

 樺太工業は急速に膨れ上がり、工業都市が作られると、軍需生産も増大していた。

 もっとも、民需と軍需の生産比率が5対1だったことから、

 東南アジアの石油と、中国の鉱石に依存する状況は変わらない、

 

 

 

 

 傀儡っていいよね。

 なんていうの、自分は傷つかず、敵を弱体化してくれる、

 古くは、ウルト×セブンに出てくるカプセル怪獣みたいな。

 新しくは、ポ×モンみたいな。

 狙撃兵は、視力の良い者が選抜され、

 周囲の風景に溶け込む偽装の訓練を何度も受ける。

 銃器の扱いを一通り受けると、一組二人を二個で編成し小隊配備され、

 超長距離射撃で敵陣の指揮官を狙い撃ちする、

 一人が標的を探し、一人が撃つ、

 撃ち損なったとき、予備のもう一人がトドメを刺す、

 狙撃隊が二個なのは、死角を減らすためで、視界内で展開する。

 38式小銃という力を得たテインタンは、その銃口をイギリス兵に向ける。

 数ヶ月前まで神に等しかったイギリス将校がターゲットスコープに入った。

 銃身を固定し、呼吸を整え、引き金を絞っていく、

 衝撃と銃声が轟くと、銃弾がイギリス軍将校の胸を貫いた。

 彼らは、もう神ではない、憎むべき侵略者だ。

 軍機に関わらない一般向け映像は、少しばかりの演出で、世界に配信される。

 中立国なら、いろんな交戦国の視点で作られた映像フィルムを見ることができるだろう。

 英印軍のラングーン包囲戦は、ビルマ人の戦意と練度を育てただけだった。

 ラングーン解放後、ビルマ軍の再編と兵站線が少しずつ伸び、戦線が広がっていく、

 インパール侵攻は、ビルマ解放作戦だった。

 「ビルマ軍も、いい感じで仕上がってますね」

 「日本人ほったらかしで、ビルマ人を訓練した効果ですか」

 「彼らが自分で独立を勝ち取らせればいいんであって」

 「軍事物資さえ渡せば、あとは、イギリス軍を追い出してくれるはず」

 「だといいのですがね」

 「ビルマが片付けば、別の戦線を広げられますよ」

 「日本軍将校が、焦燥気味なのだが」

 「将校の昇格や昇給のために戦線を広げたくない」

 「それまでアメリカ軍の反撃がなければいいのですが」

 「きたら、叩き潰して見せますよ」

 「だといいのですがね・・・」

 タバコ中とアル中の弊害のニュースが流れた。

 タバコにやられた肺やアルコールにやられた肝臓が映る。

 増収を狙って、警告用映像を減らそうと動きがあったがやめさせた。

 差別的なタバコ税や酒税は、国家の意思だし、それは悪くない、

 もっとも、タバコを吸い、酒を飲んで、家族の配分が減ることもあるため

 たばこ税や酒税も万能と言い難い、

 むしろ、サブリミナル効果を狙う映像は、こういう事柄に使うべきだろう。

 あと、子供にも国民一人一月配分があるため、

 アイスクリームやチョコレートの食べ過ぎで太っていく映像も流れた。

 法律でも小学生以下は1個、中学生は2個、高校生で3個以上、店で買えないことになってる。

 本当に守られているかというと、怪しいが・・・

 しかし、20代や30代の新興実業家が現れてるのも事実で、

 俺の子供は、負けそうだなとか、

 空恐ろしい時代になったなとか、

 老人たちだけでなく、おれまで、そんな風に思える時代になってる。

 フランス戦線での97式戦車の勇姿が映された。

 映画フィルムは戦時プロパガンダの一環で、国民の高揚に繋がる。

 日本本土は、まだ攻撃されてないし、

 潜水艦部隊が戦果を上げてるせいか、

 戦争は遠い彼方に思われていた。

 「日本製兵器は、フランスで好評のようです」

 「国産贔屓の国民性も国土の5分の1が占領されたら必死になるだろう」

 「しかし、ドイツは、ドイツ製兵器をライセンス生産して欲しいと」

 「7.62mm機銃はライセンス生産してるよ」

 「それに技術格差がそれほどあるわけじゃないし、ドイツに合わせてもしかない気もするな」

 「まぁ そうですがね」

 「議員。開発中の原子爆弾の実戦投入は、するのですか?」

 「アメリカがもし原爆を使うのなら、日本も原爆を使うと。アメリカに警告すればいいと思うが」

 「こちらから使わないので?」

 「復讐されるのは嫌だろう」

 「しかし、原子爆弾を使えば、アメリカの戦意を挫けるのでは?」

 「君が原子爆弾を持っているとしてだ。アメリカに原子爆弾を使われたら戦意喪失するかね?」

 「「「・・・・」」」

 「日本から先に使う必要はないだろう」

 「アメリカが原子爆弾を使うのなら、日本も原子爆弾を使うと警告するだけでいいと思うよ」

 

 

 そうそう、おれったら、

 楽×天で第二次世界大戦の統計表を召喚して見ていたら、

 北アフリカ戦線の死傷者表の異常に気づきました。

   ドイツ兵102860 イタリア兵850000  合計950000

   アメリカ兵16000  イギリス兵35359  捕虜79978  合計131337

 これは、故意に補給を断って、味方を殺したんじゃないかと、

 ひょっとして、ニューギニア戦線とか、インパール作戦とかも味方の軍隊を殺すため

 いや、日本人やドイツ人を殺すため故意にやったのかと、

 そこで、攻勢の限界に近づいたら、

 国際秘密結社ショ×カーを通じ、

 ユダヤに買収された軍上層部が戦争で、自国民を民族浄化しようとしてると、情報を流した。

 効果があって、北アフリカ戦線や東部戦線のドイツ軍の侵攻速度が鈍り、

 日本は、ニューギニア戦線やインパール作戦を中止させた、

 でもまぁ インドは、メインで、やっちゃったけどね。

 仕方がないから船を出して、ショ×カー部隊で協力した。

 反撃は、ほとんどなかったらしい、

 

 

 

 2月

 トラック空襲

 

 利権による不正腐敗と、世襲による保身と無能化で投資と開発が低迷し

 産業が機能しにくくなり雇用が低下していく、

 紙幣の寡頭化と一極化の集中で、貧富の格差が広がり、

 利己主義と拝金主義が強まって、失業が増大し、消費力が低下し、不況になっていく、

 不況で右翼化すれば軍国化させて戦争で疲弊させて滅ぼし、

 不況で左翼化すれば共産化させて自滅させていく、

 もし、仮に格差を是正し、国民へ再分配すれば、好景気となりやすいが下克上となり、既得権益が脅かされる、

 幾つかの国は、民意のない既得権に支配されており、

 国民への再配分が既得権の命取りとなることから弾圧が行われ、格差ばかりが強まっていく、

 そういった国が日本の近くに存在していた。

 “もしもし、蒋介石ある。二宮伯あるか?”

 「久しぶり、蒋介石総統」

 “もっと、資源を採掘したいある”

 「去年の末。資源帯を見つけたばかりでしょ」

 “マイ利権がないと子飼いを増やせないある”

 “もっと、マイ利権がないと、漢民族は言うこときかないある”

 “ちゃんと二宮伯にも分け前を渡せるある”

 「んん・・・取り敢えず、調査隊は送るけど、反日暴動は押さえてくれよ」

 “わかってるある、採掘場は、軍で力付くで押さえるある”

 “あと、専売商品と、武器も、もっと欲しいある”

 「武器は、むつかしいかも」

 “ソビエトに攻撃されたら、大慶油田を守れないある”

 「日本も、アメリカに宣戦布告されて大変なんだって」

 “97式戦車が欲しいある”

 「97式戦車か。もっと、資源の採掘を増やしてもらわないとな。15パーセント増しくらい」

 “わかったある。労働者をしばき倒して生産力を上げるある”

 大陸資源のありかは、だいたい知ってるけど、言うこときかせるため、小出しにしてる。

 そうそう、中国の暴動が減ってる。

 国際秘密結社ショ×カーが遼東半島と舟山諸島でカウンター反日暴動部隊を編成して

 反日暴動が起ころうとしたら、芽の段階で潰してるせいだろう。

 ちょっと、お金を使うことになったけど、それで資源が余計に入ってくるなら、いいや、

 

 

 

 血縁、地縁、学縁、思縁、金縁の5つの縁が絆となって社会基盤を構成している。

 未来人のおれは、残念ながら、血縁と地縁と学縁が薄いし、信用できる基盤が小さく薄い、

 おれが反日マイノリティや共産主義者なら

 金の力で、血縁、地縁、学縁、思縁、金縁の5つの縁を破壊し、

 過ごしやすい社会を作るのだが、反日でないし、共産革命を起こしたいわけでもない、

 というわけで、実力と能力を中心にした信長型組織になるのだが、

 メリットは、しがらみが少ない分だけ、企業体質を自由にできること、くらいだろうか、

 しかし、縁が薄い分だけ、裏切りに怯え、盗聴が欠かせないのも事実だ。

 おれが、貧困層、あぶれ者、北海道、樺太域に強い関心を持ち、

 人材発掘してるのかというと、新しい入居者が多く、

 5つの縁が比較的小さいからで、それ以上ではない、

 まぁ それでもさ、閨閥に入っちゃったからさ、

 妻方の変なのとか、

 既得権絡みの無能な天下りを雇ってたりするけどね。

 ていうか、コネがあって、国家から膨大な退職金をもらっても独立開業できないとか、

 特殊法人とか。どんだけの寄生虫根性なんだよ。

 おれってば、こういうやつを積極的に陥れてるけど、内緒な。

 北海道

 箱物の建物に併設して、風車が回っている、

 地主は、たいてい、1階か最上階に住むことが多いが、

 この建物は、地主が1階に住み、2階から5階まで室内農耕ができるようになっていた。

 地租税が高くなり、箱物ビルに助成金が出ると、

 多くの土地持ちが土地を売り、箱物を建てた結果だった。

 「伯爵。潜水艦が、また、アメリカの空母を撃破したらしいですよ」

 彼は、後援会の支部長さん、派閥の取りまとめみたいなことをしてもらっている。

 普通、終身の勅任議員は、一般人とこういった交流をしないが、

 おれは、未来の感覚を知っていて、派閥維持のために仲良くしている。

 「そうですか・・・」

 「あまり嬉しそうじゃないですな」

 「そろそろ、アメリカ海軍に日本に攻めてきてもらわないと、トドメをさせないので困るんですよ」

 「あはははは、これは、これは、心強い」

 「わたしら、庶民は、アメリカの大艦隊がいつ日本に攻めてくるのか、怖くてしょうがないというのに」

 「もし、日本近海まで来たら、全滅させてやりますから、楽しみに待っていてください」

 「わかりました。アメリカ艦隊の襲来を心待ちにしています」

 そう、来たら全滅させる。

 そういった空気を作っておけば、こっちから行こうという焦燥感や空気を減らせる。

 焦るのは、経歴作りで凌ぎを削る軍官僚のいる日本じゃない、

 工業と資源で自立しつつある日本に焦るアメリカだ。

 

 

 

 3月

   日本軍がインパール作戦を開始

   東京都が空地利用総本部を設置(戦時農園化、不忍池も水田に)

   トラック空襲

   岩手県宮古で豪雪(死者164名、全壊209戸)

 

  

 戦争中だけあって、軍との新卒の取り合いは、厳しい、

 でもまぁ 弱みとか握っていて、結構いい勝負している。

 だって、電力と燃料が足りないしね。

 工場でビルマ向けの生産が増えている。

 ビルマ軍将兵は、頑張って英印軍を苦しめているようだ。

 そして、軍と特高で編成したショ×カー潜入部隊も世界各地へ散っていく、

 足場ができたら武器を輸出し、勢力を拡大し、イギリスとアメリカの勢力を淘汰していくだろう、

 準備が出来たら軍を上陸させ、

 独立勢力に軍需物資を渡して、独立軍を編成し、イギリス軍を撃退するつもりだ。

 

 もし、開戦前に日本軍がどこか大陸の傀儡国と無駄に戦わされ疲弊していたりとか、

 そんな状態でアメリカやイギリスと戦争と思ったら背筋が寒くなる。

 そうそう、中国で反日暴動が起きる度に、大陸に侵攻しようみたいな連中がいたけど、

 そうならないよう、開戦以来、何十人か陥れたけどね。

 今となっては、小さいことのように思えてくる。

 忘れよう。

 

 

 日本国軍の生産計画は、集中していた。

 少なくとも数が揃うほど、整備性が増し稼働率が向上ししていく、

 日本海軍は、1941年2月に就航した4200t級海龍型潜水艦を皮切りに同型艦150隻を建造しつつあり、

 日本陸軍は37年以降、97式戦車を量産し、フランス軍にも供給している。

 そして、陸海軍共有機の97式連山爆撃機が月産40機に増産され、総生産5000機に達しつつあった。

 連山は、日ソ戦争から対米英戦争まで500機が失われ、200機が部品の食い合いで潰され、

 4300機が日本、敷島、キプロス・マルタに分散配備されていた。

 零戦と雷燕の戦闘機の量産も、それぞれ、8000機と6000機と進んでいたが、

 これまでの訓練、破損、事故、移動、戦闘、部品の共有などで、3分の1が失われていた。

 それとは別にマル1計画からマル3計画にかけて量産された92式戦闘機、95式戦闘機、

 96式戦闘機、97式戦闘機、96式陸上攻撃機の売却も行われていた。

 開戦時における最大多数機は、旧式機で、ほぼ3分の2を占め、

 この旧式機の植民地軍への売却配備されたことで、独立国の士気を上げ、

 独立を早めたことは否めない、

 いまは、零戦と雷燕の生産を減らし、フランスに輸出し、

 ジェット戦闘機 雷燕U を主力戦闘機で生産している。

  キ47重戦闘機 雷燕U

   重量3525kg/4950kg/5272kg

   全長9.76m×全幅11.114m×全高3.55m   翼面積20.50u

   推力1250kg2基  960km/h  航続距離2000km

   20mm機銃2丁

   レーダー装備 

 

 そうそう、雷燕Uの開発と生産が進むと、次期戦闘機の開発も始まる、

 まぁ 当然だけどね、

 開発中のジェットエンジンは、推力2800kg

 形状は、MiG29モドキを二回り小さくした機体で研究開発するつもり、カッコイイからね。

 あと、Tu95みたいな爆撃機も開発中、

 実戦配備されたら軍事バランスは、有利なまま保てるからね、

 

 

 東京の戦略情報司令部に大型の世界地図の台があった。

 日本と北アメリカ大陸に向かって、幾つもの駒が動いていく、

 風船爆弾からの短波を樺太と東京で受信し、

 誤差で位置を測定しながら方向舵や重心を調整し、都市へ誘導する。

 航空機のような旋回はできないものの、数キロかけて数度の向きを変えていく、

 爆弾の代わりにチラシを散蒔く事になったが、

 チラシの内容は 騙されるな。パナマ運河爆破テロはアメリカ政府の自作自演である といったものだった。

 アメリカ空軍は、要衝に迎撃機や対空砲を配置し、撃墜することに躍起になったが

 10パーセント以上は、防空網を突破し、チラシを都市にばら撒くことに成功していた。

 風船一基が数千枚のチラシを都市に散らした。

 アメリカ軍は、化学兵器がチラシに染み込まされているから、近づかず、見るなと宣伝し、

 軍と警察を総動員して、チラシを回収し処分しようとするが、

 ほとんどのアメリカ人は、空から落ちてきた紙切れの文字くらい、読もうとするものだった。

 「伯爵。チラシより爆弾がいいのでは?」

 「拳銃は撃つより、威嚇用で使う方が心理的な効果あるよ」

 「また、心理的ですか。まるで目に見えない敵と戦ってるようで、モヤモヤしますな」

 「おれは軍人じゃないし、武器は使えないからね」

 「逆に相手にそう思い込ませるようにしている」

 「なるほど・・・」

 「敵の側にも、そういうのがいるがね」

 「「「「・・・・」」」」

 

 

 

 4月

 トラック空襲

 

 インド

 連山爆撃部隊が気化爆弾と収束爆弾をダッカに降らせたあと、

 第11師団と第12師団と自由インド軍が上陸した。

 英印軍がいたが気化爆弾の威力は大きく、

 塹壕に隠れた英印軍将兵さえ圧死させていた。

 なんで、インドに上陸したんだろうとか、もういいや、

 たぶん、自由インド軍と契約したんだろうか。

 国内産業を犠牲にしてくれるなよとか思うけど、

 気化爆弾って、結構、捕獲できる武器弾薬が多い、

 それを当てにしての戦線拡大は、どうなのよって気もするが・・・

 しかし、インド人は、日本側についたようだ。

 バンザイしてる写真が新聞に載っている、

 やり過ぎて、武器弾薬に生産力を食われたらジリ貧になるぞ。

 

 

  

 64000t級空母 瑞鶴 翔鶴

 39000t級空母加賀  36000t級空母赤城  21000t級空母蒼龍

 雷燕Uの離着艦が繰り返されていた。

 楽勝で勝てる。

 そう思えるジェット戦闘機だった。

 とはいえ、問題がなきにしもあらず、

 エンテカナード型の機体は、機首と主翼が離れている。

 重量の重いエンジンを主翼の揚力で支えるため、バランス上、そうなってしまうのだろうが機動力で不利だった。

 主翼を前方に持っていくには、機首の重量を重くすればいいのだが、

 例えば、燃料や銃弾だと使ってしまうと軽くなって、重量バランスが悪くなる。

 重量を食っても機首に探知力の強いレーダーを搭載するか、

 優良な機銃を配置するくらいだが、

 重量バランスを保つために重くするとか本末転倒な気もする。

 なんにせよ。

 航空レーダーと優秀な機関砲を持つジェット戦闘機雷燕は、世界最強の戦闘機と言えた。

 この巨大空母が東南アジア制圧、

 敷島沖海戦、ラングーン上陸作戦、ダッカ上陸作戦で活躍したくらいで、

 あとは、待機と訓練が多い、

 “長官。出撃はまだですか”

 「黙って、訓練を続けろ」

 “長官。将兵の士気は、最高に上がっているのです”

 「わかってる。もう少し待て、お前たちの気持ちは無駄にしない」

 “はっ! 待ちます”

 「二宮伯。これだけの戦力があって、アメリカを叩きにいかないのは、兵が納得しませんな」

 「兵は上官の命令に従いますから、待機命令すればいいでしょう」

 「しかし、部下たちも・・・・」

 「馬鹿な部下が出世したくて、上司が言って欲しいことを皆の前で言ってるだけか」

 「それとも。みんなの前で、こう言え、と事前に命令するとか・・・」

 「「「「・・・・」」」」 憮然

 「しかし、せっかく上がった士気が・・・」

 「間が空いたくらいで下がる士気なら、上官が無能なんじゃないかな」

 「「「「・・・・」」」」 憮然

 「体育会系の以心伝心なんて聞きたくもないし。浪花節の即興劇にもうんざりだ」

 「「「「・・・・」」」」 憮然

 「圧倒的な戦力で攻めて行って捩じ伏せても、アメリカは、憎しみをバネに気概を強めるだけ」

 「逆に、攻め手の戦意を摘み取る方がアメリカ人の士気を萎えさせられますよ」

 「アメリカは、リメンバー・パナマで、戦意を失うと思えませんが」

 「日本もドイツもフランスも、リメンバー・パナマなんて、やってないでしょ」

 「そりゃ アメリカの言いがかりですが、広告費に金をかければなんとかなるのでは?」

 「マスメディアは、100回言えば嘘も本当になると思っているのでしょうが」

 「詐称慣れ、扇動慣れ、ミスリード慣れしすぎで。視聴者や読者を馬鹿にし過ぎですよ」

 「逆に政府が国民の信用を無くし、戦意が失せると思わないのですかね」

 「そ、それでも宣伝し続ければ黙せると思ってるのですよ」

 「ベルリン爆撃で女子供が焼け出されて、絨毯爆撃に殺されてる光景の映像を撮ってますよ」

 「多少、金を使いますが、第三国経由でアメリカ国内に流すつもりです」

 「映像でアメリカ人の戦意を挫けると?」

 「アメリカ人が絨毯爆撃で女子供を殺していると、世界中に教えてやりますよ」

 「効果があればいいのですがね」

 「一応、アメリカも民主主義国ですからね」

 「下手にアメリカを攻めて、火に油を注ぐような作戦は、やめてください」

 「「「「・・・・」」」」 憮然

 

 

 新潟工場は、数百台の工作機械が並んでいるが、

 そのほとんどが世界最高水準の工作機械だ。

 工場のもっとも奥まった隠し工場に

 楽×天から召喚した旋盤、フライス盤、ボール盤がある。

 このフロアがマザーマシン工場で、

 この機械を使わせた工員は、震災で見受けした工作機械を扱っていた工員の中で、

 年齢、境遇、忠誠心、技能、経験など吟味して選び、

 守秘義務の念書を書かせた。

 最初の召喚した工作機械は、卓上の小さなものを買い、

 同様の卓上旋盤、フライス盤、ボール盤を製造していく、

 鉄鋼の硬度が高くなるほど加工がむつかしくなって精度が落ち、

 工作機械の寿命も短くなっていく、

 日本でニッケル・クロム・モリブデンを含んだ特殊鋼を削れる工作機械は、ひと握りしかなく、

 カグツチ製の工作機械は、強力なタングステン鋼の刃物と切断油があって、

 最も硬度の高い特殊鋼を精確に削ることができた。

 日本製エンジンが油漏れしなくなった瞬間で、

 特殊鋼を遠慮なく作れるようになった瞬間で、

 製鉄所で作る鋼材も中国との取引が増え、

 鉄、炭素、ニッケル、クロム、モリブデン、シリコン、マンガンなど

 複雑な工程で製造できるようになっていく、

 あれから15年、

 外貨を稼ぎまくって、地位と財産を増やし、

 政商になると予算の都合がつきやすく、

 楽×天で購入できる旋盤とフライス盤を徐々に大きくでき、

 複製した旋盤とフライス盤を日本中の工場へ納入できるようになった。

 今でも新入社員の中からもっとも信用できる工員を選び、

 守秘義務の念書にサインさせ、

 楽×天で購入し召喚した工作機械を使わせていた。

 おれがそこに行くと、尊敬の眼差しで見られる。

 おれって、コネのない弱者の味方してるから、神の様に思われている、

 暗殺されそうになって、RTフィールドで衆知の面前で消えたこともあるしね。

 

 

 

 

 

 5月

 トラック空襲

 

 

 喫茶店で、新聞を広げると、太平洋戦争の戦況が書かれていた。

 アメリカ軍とイギリス軍は、戦線を拡大したくてもフランス西部で押さえ込まれ、

 北アフリカ戦線も、西アルジェリアで食い止められている。

 南アフリカは、黒人が暴動を繰り返し

 インドも自由インド軍が急速に戦線を拡大している、

 アラビア海の中東諸国も独立勢力が力を増している、

 それは、欧州戦線の戦況と連動しているが

 エジプトの中立化とスエズ運河国営化で、日独仏伊の連絡が可能になると、

 アフリカ諸国の独立運動の兆しがさらに強まった。

 それだけ、海龍型潜水艦と音響魚雷の活躍は、目覚まじく、

 日独仏伊の通商破壊作戦は、相乗効果があるのか、米英艦船6000隻が撃沈されている。

 実は、音響魚雷だけでなく、ワイヤー付きの魚雷も生産している、

 ワイヤー付き魚雷の何がいいかというと、

 敵艦の予想推定海域に艦首を向けなくても敵艦船に命中させることができた。

 おかげでドイツとフランス戦艦は、南大西洋まで進出でき、通商破壊を満喫している、

 

 音響魚雷とワイヤー付き魚雷は、軍部と大喧嘩して予算を獲得して建てた工場で生産している、

 おかげで、軍部も大人しくなっている気がするが、あいつらは油断できない。

 というより3日前、陸軍や海軍と喧嘩した割には、

 殺傷沙汰未満で抑えられているから、自制してるのかもしれない、

 なんで、軍部と喧嘩したかというと、来年度の新卒配分で、

 おれも殺意を押さえ込むのに苦労した。

 時々 海軍と陸軍の情報員が監視しているような気がする。

 だいたい、何でもかんでも戦いたがるのがおかしい。

 次の作戦だって、どこであれ、橋頭堡を確保し、

 反英現地民に武器弾薬を渡すだけで、イギリス軍の支配は消える。

 日本人が死ぬ必要はない、

 だいたい、生産力を上げていけば、アメリカ軍が来ても対処できるのだし、

 その金を使って、わざわざ、未開地で戦線を築くこともないだろうが、と思う・・・

 「お待たせしました。抹茶プリン1つと、プリン4つですね」

 子供たちがプリンを口に入れて喜ぶ、

 プリンくらいで喜ぶのだからこの時代は、貧しいのだろう。

 おれのいた時代と比べても社会基盤と設備投資が足りない、

 五重の環状線と区画整理は見事だが、そこに建つ建物のショボさに泣けてくる。

 これが権力層や富裕層が己の紙幣にしがみつき、

 新興勢力や成り金を恐れ、

 国民に新札の紙幣をばら蒔かなかったせいだとしたら万死に値する。

 もっともっとインフレにしなければ、楽×天で買えないものがあるというのに、

 日銀のバカタレがと思う。

 「お前たち、学校は楽しいか」

 ふっ 笑いたきゃ笑え、

 ボキャブラリーが不足と思いつつ在り来たりな事しか聞けない、おれ!

 「うん・・・・」

 「「「・・・・・」」」

 「どうした?」

 「色々言われてる」

 「色々って?」

 「文句言われたり、褒められたり、文句言われたり、褒められたり・・・」

 「ははははは・・・」

 「笑い事じゃないよ」

 「こういう日本にしたいというのが明確だと。ほかの人とぶつかる」

 「しかし、ぶつかるのだから、色々言われたりもするのさ」

 「でも、そういうの家だけ・・・だと思う・・・」

 どうも、おれの息子は、中二病とオタクを併発しておらず、真面目過ぎて面白みに欠ける。

 娘の由紀は13歳で、もうすぐ中二病のはずだが、

 こいつも、教育のせいか、絶滅危惧種の大和撫子の振りをしてる気がする。

 きっと時代が悪いのかもしれない、

 思わず、新聞に顔を隠しながら聞きたくなった。

 「勇太。おまえ、お父さんをどう思う?」

 ドキドキ ドキドキ ドキドキ ドキドキ

 ドキドキ ドキドキ ドキドキ ドキドキ

 ドキドキ ドキドキ ドキドキ ドキドキ

 「ん・・・織田信長。みたいかなって・・・」

 『マジかよ。笑っちゃうぜ・・くっくっくっ』

 「私も織田信長・・・」

 『げっ!』 

 「織田信長」

 「織田信長!」

 子供たちも同じことを言う。

 『キャラ違うし! おまえら、どんだけ、母親に騙されてるんだよ』

 『お父さんは、夜な夜な。ゲームして遊んでんだぞ』

 『エヴ×ンゲ×オンとか、ダウンロードして、涙ぐんでんだぞ』

 『浮気だってしてるし。隠し子だっているんだぞ・・・・』

 「そ、そうか、織田信長ねぇ・・・」

 『むしろ、閨閥の北条家に乗っ取られ中の源頼朝に近いのだが』

 『それでもまぁ 意外に幸せなのかもな・・・おれ・・・』

 

  

 

 6月

   拉孟・騰越の戦い(〜9月14日)。

   ドイツ軍、V1飛行爆弾でイギリス攻撃開始。

   アイスランド共和国がデンマークから独立

   トラック空襲

   北海道で大噴火が起こり、新しく造山され、昭和新山と命名される。

  

 おれってば、後ろ盾らしい後ろ盾は、園川老だけで、

 未来の情報と楽×天で成功した一代の成り金だし、

 園川家が代替わりすると、少しばかり縁が薄れている。

 血統的な才能の制約相続があるわけもなし、

 地域的な地縁繋がりも気薄だ。

 おれは、子供たちの閨閥入りに躊躇しなかった。

 子供たちも閨閥との許嫁がいて、二宮家が閨閥に埋もれ、

 子孫は、しがらみに雁字搦めで、事なかれになり、どこともぶつからず、大勢に流されていく、

 まるで目に見えるような気がする。

 子孫が楽×天召喚を相続できるのなら別だが、それがないのなら、

 一代で、どこまで、日本の行く末を真っ当にしていけるかの問題で、

 よりによって、一世一代の勝負なのに日米戦争とは、どんだけ、見放されてるんだおれは・・・

 北海道の仕事もあるから戦争中に家族旅行の汚名は軽減されるだろうし、

 なんとなく、家族サービスしたくなったので、北海道に行った。

 そうそう、勇太と由紀の許嫁たちと世話人も一緒だ。

 もちろん、どこかの御子息と御令嬢で、世話役も優秀な秘書のようだ。

 サプライズで、昭和新山の噴火を見せてやろう。

 

 31mも隆起したという集落を見て回り、

 もうすぐ、噴火して山ができるぞと、家族や許嫁に教えてやった。

 家族と許嫁たちは、半信半疑だったが、近過ぎると噴火に巻き込まれてしまう。

 適当な場所のコテージを選んで宿泊した。

 23日午前8時15分、東九万坪台地より第1次大噴火。第1火口が形成された。

 そりゃもう、大スペクタクルで、証拠の撮影もしている。

 

 そして、そのまま、何日か宿泊を続けている。

 子供たちは、噴火の様子を飽きずに眺めているし、

 妻も噴火に慣れたのか、恐る恐る見ている。

 新聞を読むと

 ドイツ・フランスの通商破壊戦艦部隊の記事を見つける、

 捕獲した米英の船団の物資は、ほとんど、敷島(マダガスカル)に流れ、

 敷島開発に役立てられている。

 一時的に不足に陥った開発資材も現地の自助努力が補って、成果を上げている。

 むろん、新聞に載らない情報も伝え聞いているから真に受けるわけにもいかない、

 というより、利権勢力が現地から伝え聞いた第一次情報を厳選し、

 都合よく我田引水な世論を形成する為の新聞やラジオなので、

 各利権勢力の思惑を確認するために幾つもの新聞を見比べてるだけといえる。

 よく、二宮派は天下統一を目指している。

 そういった声が聞こえる。

 むしろ、国民一人一月分配で、金融支配潰し、

 天下り潰しをしているのが二宮派で、国民国家の形成を目指していた。

 

 

 とある会合に呼ばれる、

 おれは、日本と中国を日中戦争で共倒れさせたがってる連中を社会的に抹殺したけど、

 中枢は、手が出せない、

 まぁ 戦争が始まると挙国一致も必要だし、

 身元不詳のおれも、閨閥入りすると、しがらみが生まれるし、

 子供の婚約が進むと内情も変わっていくんですわ、

 しかし、後ろから刺されそうになったりすると遠慮なく反撃する。

 あと、日本の焼け野原も面白くないわけで、

 全世界を相手戦争するなんて、馬鹿なことはしたくないわけ、

 老人たちの愚痴を聞いてると保身と利権ばかり、

 地位と名誉と財産を増やすことに血道を上げている、

 迷治(明治) 替小(大正) 消倭(昭和) の言葉が思い浮かぶ、

 どんなに公益性があって、強い軍事力を保有しても、

 利己主義と拝金主義に精神が捕らわれれば、格差が広がり、共同体に亀裂が入り、

 嘘つき、泥棒、人殺しが大量生産され、国がバラバラに解体され民族が滅ぶだろう。

 新興勢力が意外に愛国心が強いことが面白い現象だが、

 国民一人一月分配政策のせいか、

 大義名分で最小限のある愛国心と愛民心がないと人が寄り付かず、共同体を構築できないのだろう、

 もう一つ、

 決定的だったのは、ドル紙幣やポンド紙幣を印刷して、対外工作で使い始めてからだ。

 それが欧米諸国や中国で本物と変わらないと、紙幣が紙切れに見え、

 拝金の神通力が崩壊してしまう。

 作者が物語を作るとき、大義名分を作って主人公と敵を戦わせる、

 あの人たちも同じで、表には出ない、

 表に出ないけど、勧善懲悪な劇場型ストーリーを構築する、

 日本だと、統制派とか、皇道派とか、本来、割り切れないんじゃないの、っていう思想なんだけど、

 傀儡になる役者に紙幣をばら蒔いて雇い、

 対立させてるように見せかけ、クーデターや内戦に追い込むわけだ。

 まぁ 殺されるのは、両派に巻き込まれた良識人たちで、仕組んだ悪党は殺されず出世する、

 取り敢えず防いだけどさ、

 アメリカやイギリスと戦争してるというのに、

 中国侵攻したがる勢力がいて、なんとか、芽のうちに潰してる、

 他にも日本を疲弊させるか、日本人を殺したがってる連中がいる。

 「二宮伯。核爆弾を配備できれば日本は守れるのか」

 「むしろ、中国と戦争しなければ、日本は守れますよ」

 「しかし、資源がないのでは、国は守れまい」

 「蒋介石は、身も守る利権を欲しがってますから、それを与えればいいわけです」

 「大陸の資源開発と、武器弾薬と商品の専売で、大陸の資源を得られるでしょう」

 「しかし、そんなに簡単に資源開発ができるものなのかね」

 「ええ、あとは、私兵を送って、蒋介石の利権を守ってやればいいのですよ」

 「君の秘密結社が、大陸の外患になるわけだ」

 「それで、大陸の親日政権が安定すればいいのであって、大陸に侵攻して反日を増やすこともないでしょう」

 「大陸侵攻は、漢民族に求められているのだがね」

 「漢民族は、数が多過ぎて相手にしたくないですな」

 「核爆弾があってもかね」

 「核弾頭を大量生産するのは、むつかしいですよ」

 「そのプルトニウムを北樺太で使ってるそうじゃないか」

 「あそこは、油田があるので、開発を急がせる必要があります」

 「本当に日本に足りるほど、資源が埋まってるのかね」

 「だから、アメリカが宣戦布告してきたのでしょう。産出計算は、間違ってるようですがね」

 「君が少なめに報告したからだろう」

 「アメリカが戦争したがってることくらい知ってましたからね」

 

 

 

 7月

   イギリス軍はインパールを放棄。

   ビルマが独立を宣言

   ポートシカゴの惨事

   日本の東条内閣総辞職

   トラック空襲

   ドイツでヒトラー暗殺未遂事件が発生。

   日本で小磯内閣成立。

   米ニューハンプシャー州の連合国金融通貨会議でブレトン・ウッズ協定が締結される。

   国際通貨基金・世界銀行が設立。

 

 

 新潟の会長室に報告書が届けられた。

 閨閥や利権の子飼いたちが諜報機関に配置されていて、

 正式な報告書だけでなく、

 似たようなプライベート報告書を作って、後ろ盾の閨閥や利権に送ってるだろう。

 そして、やや遅れて、出涸らしの情報が記事になって公開されていく、

 日本はそういう国だ。

 自由インド軍とビルマ独立軍の攻勢によりインパールが解放された。

 ビルマは独立を宣言し、

 自由インド軍は、インド領内へと進行して行く、

 インパールで降伏したインド軍は、そのまま、自由インド軍に編入され、

 インド大陸へ進行し、英印軍を追い立てている。

 日本がビルマ独立で得た利権は、2つ、

 一つは全土の0.5パーセントに当たる譲渡地3384kuと、

 もう一つは、全土の5パーセント(3万3829ku)の租借権で、

 返還期限を決めず、総額3兆3829億円分の資源と交換に租借権を返還していく、

 単純に1kuが1億円で、この時代のレートだと中型戦艦を建造できそうだ。

 これは、フィリピン(譲渡地1497ku 租借地1万4970ku)、

 マレー(譲渡地1649ku 租借地1万6492ku)にも適用され、

 自由インド軍も、この契約で、軍需物資が引き渡されることになった。

 もし、インドがイギリスから解放されれば

 譲渡地1万6438kuと租借地16万4379kuは、桁違いの巨大利権で、

 戦時国債を帳消しにできそうなほどの利権に思えた。

 この契約が進むと、敷島(マダガスカル)投資より割がいいじゃんか、とか、

 不届きな企業が乱立し、武器弾薬が自由インド軍へ流れている、

 

 戦況はどうかというと、

 大西洋・欧州戦線が主戦場で、

 インド・太平洋戦線は、敷島(マダガスカル)沖海戦後、通商破壊と船団護衛ばかりで、

 水上艦艇同士の戦闘らしい海戦は、行われていない、

 アメリカとイギリスは、輸送船団作って大西洋を渡らせ、

 西部戦線やアルジェリア戦線に戦力を輸送するが、

 日独仏の潜水艦攻撃に晒されている。

 1943年中旬以降、日本の海龍型が北大西洋に進出すると、

 対潜キラーであるはずの護衛空母と護衛艦の撃沈が増え、

 正規空母でさえ、何度も損傷させられている。

 米英海軍は、対日戦に必要な機動部隊の数が揃えられず、

 米英海軍の対日侵攻は遅延しているようだ。

 というより、敷島沖海戦で大量の空対艦誘導ミサイルと音響魚雷が使われて敗北しており、

 怖くて対日侵攻ができないのが正直な見方だろう。

 カムチャッカ半島と北樺太の公共投資は、鉄道や防衛施設を中心に行われている。

 戦争が始まっているが、配当金の額が内地より大きく、少しずつ労働人口が増えている。

 

 問題は、石油だろうか、

 北樺太の油田は、あと40万tは行くだろう。

 しかし、もっと増やそうとすると掘削震度が深くなるから、さらに大きな投資が必要になる。

 予算の取り合いとか、新卒の取り合いとか、資材の取り合いとか、

 ブチ切れ気味の軍部と衝突しなければならないのだが、

 “パトラッシュ 疲れたろ 僕も疲れたんだ なんだかとても眠いんだ” の気分

 おれ一人でいったい、何人やればいいんだか、もう、頭にくる。

 しかし、それに勝てば北樺太の油田だけで、600万tの石油を確保できるはず。

 まぁ まだ足りないが、それでもソビエトと中国から石油を買えるし、

 日本海側のメタンハイドレートの採掘が進めば、トントンで燃料が足りるはず。

 そして、もっと掘削ボーリング技術をあげれば、北樺太の総生産は1400万t級になるはずだし。

 新潟油田を採掘できたら、石油の自給自足どころか輸出すら可能になるはず。

 

 

 そうそう、敷島(マダガスカル)の開発、

 発電所、港湾、鉄道、製鉄所、鉄道、

 上下水道、通信網、公共設備、学校が整備されて、

 クロム、金、ニッケル、コバルト、銅、鉛、亜鉛、白金族、

 ボーキサイト、エネルギー資源として、ウラン、石炭、石油が少しずつ見つかっている。

 重荷だった敷島が工業資源で独立すると、

 移民を増やすだけで、あとは、上手くやってくれるだろうと期待が持てた。

 しかし、産みの苦しみの最中に言い掛かりで戦争を吹っかけてきたアメリカとイギリスには頭にくるぜ、

 なんだかんだで、海龍型潜水艦は、90隻を建造して、3隻が撃沈されて、87隻が残存している。

 数は少ないけど、キルレートが抜群によくて、ハワイとアラスカは孤立気味、

 グアムに至っては、アメリカの潜水艦すら到達していない、

 アメリカもイギリスも涙目だろうか、

 さらに100隻を建造することになっている。

 

 

 

 8月

   枢密院議長に鈴木貫太郎を任命

   トラック空襲

   

 トラックの迎撃で、ジェット戦闘機の雷燕Uを投入した。

 最初の迎撃で、雷燕U124機、雷燕154機、零戦95機は、

 B17爆撃機332機、B24爆撃機219機、ライトニング118機、ムスタング155機を文字通り壊滅させたらしい。

 ジェット戦闘機の存在は教えたくないからか、可能な限り口封じしまくったそうだ。

 当分来なければいいな。

 

 おれ、未来から1923年に来たわけだが、妙なことに気づく、

 未来は5分の1の速度でしか進んでいない、

 このままだと、あと、90年も経ずして未来を追い抜いてしまう。

 この現象だと同じ時間の区画で時間が流れいるわけでなく、

 別世界の並列時間に飛ばされたことになるのか、

 それとも未来の時空は、宇宙空間が広がった分だけ、時間速度が遅くなっているのだろうか、

 わけわかんねぇ〜

 ×夜×の野郎・・・

 

 

 

 9月

   第85回臨時議会召集(11日閉会)。

   ドイツがV2ロケットでロンドン攻撃を開始

 

 

 アメリカやイギリスと戦争しているとは思えないほどの料理が並んでいた。

 対潜魚雷が配備されてからというもの、アメリカの潜水艦部隊に同情するね。

 財界クラブのパーティで情報を集めると、

 ビルマ利権(譲渡地3384ku 租借地3万3829ku)、

 フィリピン利権(譲渡地1497ku 租借地1万4970ku)、

 マレーシア利権(譲渡地1649ku 租借地1万6492ku)、

 の資本投資が行われていた。

 敷島(マダガスカル)58万7040kuに投資をしないといけないのに、なにやってるんだか、

 まぁ 敷島って遠いし、戦争してるし、手近な地域を専有したい気持ちもわからんでもないけどさ、

 そうそう、フランス領インドシナとオランダ領インドネシアもって話しが出ている。

 フランス領は、救援要請があれば鎮圧する側に立たなければならないし、

 オランダも手懐けておきたいから、インドネシアは手を出せない、

 現地民は独立したがっていて、暴動が頻繁に起きている、

 オランダは、植民地の人権で妥協することになるかもしれないし、

 オランダが妥協すれば、フランスも妥協を強いられるだろう。

 そろそろ、アメリカ・イギリス海軍が対日反撃を計画してるらしい、

 北大西洋の米英護送船団がギリギリだし、

 西部戦線も苦戦している。

 そんな余裕はないと思うけど (笑

 

 ドイツがV2を打ち上げに成功したらしい、

 おれも戦争が始まったら悠長なことはしていられないし、

 技術的にセーブしてきたが、もう、オーパーツだろうと遠慮しない、

 日本も地対地ロケットを試作させている、

 既に小型のもので実験していたし、蓄積したデーターもある、

  全長11.25m×直径88cm 発射重量5900kg 投射重量985kg

  射程300km 時速4000km CEP900m 

 細身で軽量な割に上昇加速力が凄まじいし、

 長射程で、爆薬も大きく開発したばかりの20kt級原子爆弾を搭載でき、

 トランジスターで誘導力も高い、

 将校たちは、時代の流れに追いつけていないのか絶句しているし、

 一部、勝った勝ったと喜んでいるようだが、

 こいつら、これが一般的な技術になった未来の恐ろしさを実感してないし、

 想像すら出来ていないとは・・・馬鹿どもは哀れだ。

 冷戦時代といえば、小学生でさえ、日本列島が消し飛ぶんじゃないかとか、話題になるほどで、

 核の冬とか、直面したくない、

 「これが零号ミサイルですか?」

 「ええ、日本領海を守りやすくなるはず」

 「次の初号ミサイルは、ハワイと中国と極東ソビエトに睨みを効かせられる」

 「二号ミサイルは、アメリカ本土、欧州ソビエトを狙えるでしょう」

 「しかし、零号、初号、二号とは、妙なネーミングですな」

 「趣味ですから」

 「・・・それじゃ 仕方がありませんな」 ため息

 最近、おれの中二病暴走に異議を付ける人間が減って、

 もう、好きにしてくれという感じになってる、

 いっそ、宇宙ロケットを飛ばし、衛星軌道から敵艦隊の移動を監視してやろうかという気になってる。

 もっとも、宇宙ロケットレベルになると、トランジスターでは、むつかしそうだ。

 たぶん、IC基盤が必要になる。

 そして、ICの試作は、上手くいってるし、

 工場で量産に入れば、生産も軌道に乗るだろう。

 一昔前は、クリーンルームの予算で、やいのやいの言ってた軍官僚もいたが、

 いまは、陰口ほどに小さくなっている。

 とはいえ、アメリカもイギリスも欧州向け輸送船団のローテーションで苦境に立たされ、

 対日戦の艦船を揃えられない、戦況が続いている。

 

 

 10月

   ダンバートン・オークス会議で連合国が国際連合を提案

   トラック空襲

  

 シミュレーションしていくと、

 西部戦線と東部戦線が膠着状態に陥っていて、

 北アフリカ戦線もアルジェリア戦線で止まっている、

 その主要な原因は、日本潜水艦が大西洋に進出し、

 米英護送船団を攻撃し、護衛空母や護衛艦を撃沈していることにあった。

 ドイツとフランスの潜水艦が航空支援を失った船団に切り込み、被害を拡大している。

 アメリカとイギリスの海軍は、日本潜水艦の大西洋進出を妨害しなければならず、

 ラバウル基地から南洋州を空襲し、

 インド洋に艦隊を進出させ、日本-敷島-欧州の連絡を断とうと通商破壊を繰り返している、

 しかし、その過程で多くの艦船が雷撃され、

 日本潜水艦の撃沈は、ほとんどない、

 アメリカとイギリスのキルレートは圧倒的に不利で、

 次の焦点は、敷島(マダガスカル)になりそうだった。

 

 

 おれ、ソビエト、中国の外交代理人と会食している。

 要件は、日ソ中3国中立条約のことで、自動更新するかの事前協議だ。

 実のところ、ソビエトはドイツと戦争していて、北朝鮮区画の防衛で自信がない、

 既に独ソ戦で挙国一致できてるソビエトは、中立条約を伸ばしたがっている

 中国は、人非人のソビエトと戦争したくないが、

 良心家の日本と戦争して、挙国一致したいという自己矛盾を抱えている、

 戦争状態で挙国一致とか、

 どんだけ、格差と差別で国内矛盾が大きんだって思うのだけど、お国柄だろう。

 おれとしては、自動更新にやぶさかでないというと、

 ソビエト代理人は、ホッとし。

 中国代理人は、ため息をつく。

 ぶっちゃけ、北朝鮮は、ソビエト領のままがいいわけよ。

 そうそう、北朝鮮の話しを聞くと、北朝鮮区画の人口の半分は白人になって、

 朝鮮人は、強制的に対独戦の前線に送り出されているらしい、

 東部戦線でドイツ軍とソビエトの督戦部隊に挟まれているとか、泣きたくなる状況じゃね。

 朝鮮系や、お人好しな日本人は、同情してるようだけどさ、

 おれは、同情しないね。

 

 

 

 

 11月

   アメリカ大統領選挙でフランクリン・ルーズベルトが4選が決まる、

   ゾルゲ事件のリヒャルト・ゾルゲ・尾崎秀実が処刑。

   インド独立

  

 マジか (笑

 ルーズベルト4選とか

 デッチ上げテロのリメンバー・パナマで戦争ふっかけたルーズベルト再選とか、

 民主主義、終わってるだろう。アメリカ

 苦戦してるんだから、もう戦争やめろよ。アメリカ。

 しつこいと嫌われるぞ。アメリカ。

 もうジャ×アンの横暴は、嫌なんだよ。アメリカ。

 大国だからって利権侵略するな。アメリカ。

 金の亡者かよ。アメリカ。

 

 

 新聞によると、

 連山爆撃部隊の空襲に支援されながら、

 ガンジス河を吃水の浅い第一号型輸送艦32隻、二等輸送艦45隻で何度も往復させ、

 近衛師団、第01師団と、自由インド軍を遡上させたらしい、

 二等輸送艦は、97式戦車を1両から2両搭載できるから、

 2個師団分300両の戦車を遡上させるのに往復した回数は、4回〜6回くらいだ。

 歩兵部隊の全軍移動は、150回〜200回くらいだろうか、

 まぁ インドの船舶を徴用すれば、80回〜120回の往復で住むだろうか・・・

 しかし、ダッカに攻勢をかけていた英印軍を降せば、チョロイのかもしれないが

 M3リー戦車、M3軽戦車、バレンタイン歩兵戦車が撃破されてる写真があるけど、そんなに弱かったけ、

 97式戦車とか日本軍って、そんなに強かったかね。

 スバス・チャンドラ・ボースがニューデリーに到達し、インド独立を宣言して、

 自由インド軍は国軍となって、イギリス軍の掃討作戦を開始したらしい、

 ていうか、自由インド軍を主力に、日本軍は支援でやるはずじゃなかったのかよ。

 なに主体的にやってるんだよ。

 こうも戦功争いが激しいと、不安になるぜ、

 下手に進軍して、死傷者続出と勘弁してくれよ。

 見舞金とか、治療費とか、遺族年金とか、誰が面倒見るんだよ。

 軍歴が出世に繋がるとか、いろんな意味でやばい世の中になるだろうが、

 

 インド独立で既にビルマが分離独立しているため、

 残った430万1140kuの0.05パーセントの譲渡地2万1505kuと租借地21万5057kuが問題になるが、

 基本的に港と繋がってる陸地であればよく、独立政府との妥協になった。

 ボースは、イギリス直轄領を日本に相続させようとしたが、おれは未来を知ってる、

 インド(328万7590ku)、

 パキスタン(80万3940ku)、

 セイロン(6万5610ku)、

 バングラデッシュ(14万4000ku)

 宗教がらみで分裂することが分かっていたらイギリスの相続にこだわる必要はない、

 イギリスの座に日本が居座ったとかイメージが悪過ぎて嫌だったし、

 譲渡地は、アンダマン・ニコバル諸島8293kuとインドとパキスタン国境の1万3212ku。

 大陸に繋がる租借地21万5057kuが決まる、

 人口気薄な砂州と砂漠域で利益がなさそうだったが、

 現地民が少なく、日本が自由にできそうな地域だった。

 ボースは “それでいいのか” という表情で、

 ガンジーは “イラン国境近くの砂漠をくれてやれ” みたいな意見で、流石、ガンジーと思うたわ (笑

 どちらにせよ、イギリスの真似をするつもりはないし、

 敷島は、中東とインドに繋がる足場を得られる、

 そして、協議の結果、インドとパキスタン国境の砂州と砂漠が決まってしまう。

 インド独立が決まると、日本国内で次は “どこ” となった。

 生産力は伸びてるし、南アフリカも中東も、悪くない選択肢かもしれないが、

 おれとしては、公共投資とか、社会基盤とか、国内産業に資本と資材と電力と労力を回したいね。

 軍を辞めて、地元の街を見回したら衰退してるとか、嫌だろうが、

 おれ、戦後社会で、オタク値とか、中二病値が下がってたら、反乱起こすよ。

 は ん ら ん

 って、なんで白い目で見るかな、

 そんなに海外地が欲しいんかよ。

 そんなんじゃ幸せになれないよ。マジで、

 無駄なファンタジー上げ、恋愛上げで、庶民を現実逃避させたりしないけどさ、

 

 

 

 12月

   トラック空襲

   第86議会召集

 

 日本石炭産出5000万t + 輸入1000万t

 日本ガス油田10万t

 日本の石油生産量220万t + 人造石油10基100万t / 石油消費880万t / 石油備蓄量700万t

 日本の発電生産量2610万kw

   = 水力1890万kw + 火力発電490万kw +  地熱発電90万kw

      +  洋上メタンガス発電プラットフォーム 14基140万kw

 

 

 マダガスカル発電  817万kw

   = 水力547万kw + 火力発電270万kw 

 

 戦争で石油消費量が増えてるし、石油備蓄量が減ってる、

 ヤバす。

 産業を維持するには、石油か、石炭か、発電が必要ってことです。

 でもまぁ 東南アジアの石油が入ってくるし、発電量が増えて工場も大きくなってるし、

 なんとか、フランスの武器弾薬工場になってる。

 正確にはドイツ規格が多いから、ドイツ製が増えてるけどね。

 そうそう、ドサクサに紛れて、キプロスのギリシャ人とトルコ人を合わせて49万人を本国へ帰還させてる (笑

 ギリシャ人は、ドイツの占領地だったから意外に簡単だったけど、

 トルコは、中立国だったから兵器や武器弾薬をあげたりとか、苦労したよ。

 でも住民は、ドル紙幣とポンド紙幣を払ったら意外に気前よく家と土地を売ってくれて移動してくれた。

 戦後、アメリカとイギリスで、ギリシャ人とトルコ人のお金持ちが増えるんじゃないかな。よく知らんけど (笑

 

 

 

 

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 二宮勇太(16)

 二宮由紀(13)

 二宮翔太(10)

 二宮慎治(6)

 

 洋上メタンガス発電プラットフォーム 14基 

 洋上人造石油精製プラットフォーム 10基

  

  史実 日本人総人口7443万

  戦記 日本の総人口8727万  (敷島540万人)

 

 

 

 日本49万8177ku。台湾自治区56283ku。関東州3462ku。

 舟山群礁1371ku。南洋諸島2475ku。

 祟明島(1225ku)。

 敷島(マダガスカル)58万7040ku。

 新北方領土51万2610ku

    (カムチャッカ半島472300ku、北樺太40310ku、ウラジオストック500ku)

 ビルマ利権(譲渡地3384ku 租借地3万3829ku)、

 フィリピン利権(譲渡地1497ku 租借地1万4970ku)、

 マレーシア利権(譲渡地1649ku 租借地1万6492ku)、

 インド利権(譲渡地2万1505ku 租借地21万5057ku)、

 キプロス軍管区(9250ku)

 マルタ軍管区(316ku)

 

 楽天市場

 

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第21話 1943年 『おれ、この世界にきて・・・・』
第22話 1944年 『目標、一人一個プルトニウム熱電乾電池』
第23話 1945年 『年遅れの9.11 東南海地震』