第38話 1960年 『おれ、猪苗代遷都した』
何となく戦前の古参が新参の足を引っ張っている気がする、
なんでそう思うかっていうと、戦後誰が成功していくのか知ってるからね。
しょうがないから、それらしい会社を作って、戦後の企業人、文化人、学界人を囲ったよ。
でもまぁ 成功するかは、まちまちだったね。
しかも、絨毯爆撃で人が死んでないから、もっと、有能そうな人間までいそう、
やれやれだ。
1月
猪苗代遷都
磐梯山の中腹、寝殿造風の皇居が建設され、
猪苗代湖(103.3ku)を囲む平地300kuと西に並んだ会津盆地300kuは区画整理され、
建設大隊21個が寄ってたかって首都を建設し、
総理官邸、国会、最高裁判所など、政府行政機関と公道が整然と並んでいる
ジオポリマーで固めた地盤は、強固で、近衛師団の
「首都に近衛師団は、いるの」
「近衛は、一応、首都防衛師団だから」
「ヘリの比重を増やすべきだな」
「ヘリの性能は向上してますし、それは確かに言えますね」
「それは、そうと、在米闇銀行からの情報ですが、気になることが」
「なに?」
「海外の日本人を謀殺、誘拐、テロ事件で殺害し、日本民族を日本国内に引き籠らせようという動きが」
「それで、シンガポール沖で、日本の民間ヨットが海賊に襲撃されたことを合わせると・・・満更・・・」
「ああ、それ、昔からだから、自分たちが手を出さず、現地民を使うのは、常套手段だね」
「そ、そんなに」
「自分たちは、日本人をぶっ殺せと言わない限り、第三国の人間に言わせる」
「そして、第三国の人間に圧力をかけて、実際にやらせる」
「だから明治維新以降、国境線を広げようとしたし。罠と知りつつ敷島を取りに行ったんだけどね」
「報復すべきでは」
「報復しようにも白人諸国が結束したら負けるよ」
「そ、そうでしょうが・・・」
「少なくとも、敷島が自立成長するまで自重すべきだと思うね」
「それはいつまで?」
「敷島育ちの三世代が人口の大半を占めるくらいじゃないと」
「それ、滅茶苦茶、年月がかかりますよね」
「あと100年くらいかもな」
「それまで、日本人が我慢できればいいのですが」
「そうだな」
2月
猪苗代遷都で政治の中心が北上し、経済もやや北に移動していく、
当然、足場は大きくなるし、人脈も繋がないといけなくなる、
子供たちを連れ回す、
人脈のつくり方なんだけどね。
おれってば、歴史知ってるし、誰が成功するのかも知ってる。
まぁ 後ろ盾がない方が忠誠心が得られやすいよ。
だから勧誘出来そうな場所に行って引き抜く、
でもまぁ 予想に反し、有望な人間がウヨウヨいるよ。
やっぱし、戦争で必要以上に将兵が殺されていなかったり、
絨毯爆撃で民間人が殺されていなかったり、
そんなだけで、こんなに変わるのかね。
だから、大学の理科系とかでは、掘り出し人が見つかる、
てなわけで、おれ、財力に任せて、忠臣になりそうな人間を抱え込んでいくわけよ。
まぁ お前たちも独立したらこうやって、自分の味方を増やしていけ、って感じでね。
参謀本部
人工衛星の写真と、在米闇銀行八咫烏と、独仏伊同盟国の情報により、
アメリカ軍の現状が総合的に判断されていく、
アメリカは、紙幣発行減少で貸し渋りと貸し剥がしが増えている、
また、中国投資で大企業へ紙幣が集まりやすく、
冷戦を理由に増税が行われ、
貧富の格差が少しずつ広がり、弱者用のフードクーポン人口が増え、
日本がばら撒いた紙幣を回収しようと、放浪者も増えている。
軍事は、60000t級空母フォレスタル、サラトガ、レンジャー、インディペンデンス
ミサイルを搭載型に改造した巡洋艦が並び、原子力潜水艦も増えていた。
最大の脅威は、B52爆撃機だが、偵察衛星で、位置が知れる。
「未だに空母建造に力を入れてるとは、対外制圧の夢は捨てていないということか」
「日本も新型空母を建造するでしょ」
「総理は、空母建造。もう少し遅らせたいと」
「総理・・・」
「もっと、カーボンナノチューブ工場を増やしたい」
「そして、敷島の都市型高層ビルも、あと、100棟は欲しい」
「GDPに比例して、軍事力を伸ばしていただけないと」
「好景気なのは認めるよ」
「しかし、好景気は、財政投資の後ろ盾と、民間活力があってこそだろう」
「しかし・・・」
「遅らせたほうがいい理由は、もう一つあるよ」
「空母建造にカーボンナノチューブを多く使いたいだろう」
「そりゃ まぁ しかし・・・」
「そのほうが国力を大きくできると判断している」
「それに、いまの海龍型潜水艦で十分、アメリカ東海岸を火の海にできるだろう」
「「「「・・・・・」」」」 ため息
カーボンナノチューブ工場の増設と年間生産10万t体制が決まっていく、
3月
カーボンナノチューブの生産が増えるほど研究施設も増えていく、
研究室は、軍施設の中に置かれ、日本や敷島など数十箇所に増えていた。
各大学の教授、助教授は、身体検査を受けた後、出入りし
カーボンナノチューブの研究ができた。
おれ、一人じゃ 大したことできないだろうし、
これくらいしないと、研究が進まない、
まぁ いまある情報と成果も特定の人間に公開するから
お前たちも協力してくれ、みたいな感じだ。
当然、政官財学を結ぶネットワーク網にも組み込まれ、
活気のある報告と論文が掲示され、議論がなされた。
たまに覗くが、日本人って、こんなに賢かったっけ、って思う。
いや、まったく、日教組の教育は、最悪だね。
日本人の精神と誇りを貶めてくれたし、
内罰なベクトルで内向きに膠着化させてくれた、
知的水準をよくもまぁ 落としてくれたわ、
ていうか、少なくともロリ系アダルトとパチンコはないな。
こんなのおれの知ってる日本じゃない、みたいな (笑
そうそう、研究所建設は、思ったより広範囲になるし、規模が大きくなるし、数も増えそう、
まぁ 予算は増えるね。
おれ、楽×天を物色してたら、
転移系火葬戦記 『縮地の指輪で・・・』 1000円 作者 X夜X X々X
“行き先1900年 先着一名様でVRMMO。転移魔法使えます。戻れなくなるけど (笑”
なんて、見つけた。
だけど、誰かが買ったみたいで、すぐ、消えたよ。
馬鹿なやつだ (笑
でも転移魔法か、いいな。
ちょっと、使ってみたいぜ、
おれ、そっちがいいかも、
なんて、他人の家の芝生は青く見える、
4月
日ソ両国は政府間交易なので、朝鮮人は基本的に日本入国できない、
でも、ルートがあって、原子力・核物質関連の製造をしている洋上プラットフォームは別、
ここで働くと金になるし、中国に亡命できるルートもあった。
子供たちに日本の裏事情も教えないといけないんだよね。
ほら、そのことには、触れないでください、みたいな、
高知沖
洋上ウラン精製プラットフォーム
メタンハイドレートを燃やして電力を作り、ウランを精製していた。
「いいんですか。朝鮮人に核製造をやらせて」
「日本人にやらせると、社会問題になるって、政権基盤を失いかねないからね」
「アメリカやソビエトに情報が流れるのは困るのでは?」
「むしろ、核爆弾を持っていることを教えて、核実験をせずに日本と戦争する気力を押しとどめてるよ」
「まぁ この辺は、与野党超党派で了承済みだ」
「それで、たんまり稼がせて、無事に帰還させてるのは、面白くないですね」
「でもね。帰還者が多い方が次の労働者が得やすいし、真剣に働いてくれる」
「まぁ 長生きできないけどね」
5月
U2撃墜事件
ソビエト領空を審判していた。
某研究所
マットサイエンティストは白衣がよく似合う、
未来の動物愛護協会から文句が出そうな実験が進められている。
研究の成果が少し上がってるのか、人に似たモノと、犬に似たモノが動いていた。
「全部、カーボンナノチューブなのですか」
「一応、人型にしているのは、臓器移植の研究だが、人間に移植してもパワーダウンする」
「まぁ それでも幾分、役に立ってる」
「しかし、真価を発揮させるなら、純粋に人造人間だろうな」
「人造人間が、可能なのですか」
「人工知能と人工腎臓・肝臓以外は、そう遠くない未来に完成するよ」
「そういえば、日本のICは、欧米のものより進んでると聞いてます」
「進んでるよ。進んでると言われてるアメリカでさえ、数個のトランジスターを組み込んだ初期の集積回路を開発したばかり」
「一方、日本は、300万個のトランジスターを組み込んだ大規模集積回路を開発中だ」
「そんなに差が・・・」
「なんの後ろ盾もなく、一代で、総理大臣に上り詰めようなんて、それくらいのことをしないとな」
「「「「・・・・・」」」」
子供たちの尊敬の眼差しは悪くない、
大半は、楽×天とRTフィールドのおかげだけどさ、
おれも頑張ったし、
北緯40度以北は、偏西風を当てにした洋上風力発電が強い、
機材にカーボンナノチューブ製を使えるようになるとプロペラの効率が良くなり、
風車の寿命を伸ばすこともできた。
プロペラの周りにカバーをつけた風力発電装置は、発電効率が大きく、
最新のものは1基1500kwに達し、カムチャッカ、千島、オホーツク、北海道を中心に5600基が回り、
総風力発電総量は、700万kwに達していた。
この数字は、日本の発電総量9300万kwの13パーセントに当たる。
史実だと、総発電量は1960年2360万kw弱しかなく、
日本の総発電力が9300万kwに達するのは、1972年から1973年にかけてのことだ。
負担の大きな敷島開発と譲渡地の開発を行い、数倍の国軍を維持しつつ、
10年ほど前倒しできた電力事情と、省エネ型電化製品は、悪くない、
それでも、人口比当たりの発電で不利なことに違いなかった。
「随分と風力発電が増えたな」
「懸命に作りましたから」
「漁業関係者とは?」
「上手くいってます。株を配当できてますし」
「あと、風車を繋ぐ堤防で釣りもできますから」
「それは、漁業関係者にマイナスだろうよ」
「まぁ そうでしょうが」
「40度以南でも風力発電を欲しがってる地域があるようです」
「効率が悪いのではないか?」
「効率は悪いですけど、設置しやすい面積が減っているので」
「ミクロネシアは、太陽光熱発電が効率が良くなるが」
「日本は、潮汐発電がよかろう」
「潮汐発電ですか」
「まぁ 研究はさせているが航路とぶつかるとまずい形式が多いからな」
6月
フランス領インドシナと、オランダ領インドネシアは生き地獄な戦況、
なんでそうなってるんだろう、みたいな。
現地独立軍に武器弾薬を流してないと無理だよね。みたいな。
いったい誰が、武器を流してるんだろう。みたいな。
表向き、ソビエト、中国、ドイツ、マレーシア、タイ王国、日本が武器を流してるらしい、
まんざら嘘じゃないけど、扱ってる武器は、総量の4分の1ほどだから、
残りはアメリカとイギリスだから、
テレビを見ていると、
日本領ウェーク沖の海面から水柱が立ち昇る。
領海侵犯した潜水艦が撃沈されたのだが、
日本は、ウェークの領海内で他国の潜水艦が事故を起こして沈んだと発表し、
数日後、アメリカが、潜水艦の羅針盤が狂う故障が多発しており、
ウェーク沖で就役したばかりの5000t級潜水艦ハリバットが座礁沈没したと発表した。
「U2偵察機でソビエト領空侵犯の次は、潜水艦で日本の領海侵犯か・・・」
“領海に入ってから撃沈するとか、生ぬるい”
“だな、今度は、領海に近づいたら撃沈してやればいいんだ”
“そうだそうだ”
掲示板で、関係各所からいろんな意見が流れていた。
掲示板に書き込めるのは、日本の守秘義務に関わる有力者20000人で、有力者ばかり、
下手すると政策まで決まっていく、
ていうか、有力者にしては、短慮な気がするが・・・・・
7月
コンパクトカセットが史実に登場したのは1962年。
日本は、軍機として開発され、戦前から潜水艦に磁気テープが装備されていた。
磁気テープが真価を発揮したのは、潜水艦訓練中の将兵に音を聞かせ、
事前に実戦の感覚を伝えることができたこと、
機関音で敵の方向と距離と水深と艦種を何となく見当が付けられたこと、
いまは、大容量記憶ディスク装置に音紋が記録され、
音紋と照合するだけで、方向と距離と水深と艦種が弾き出された。
いずれは、メモリーに記録されて瞬時に照合でき、
自動的に敵艦に向けて最適値で艦を機動させるようプログラムを組めるかもしれない、
メモリーの記憶容量が大きくなってからだけどね。
そうそう、コンパクトカセット。
先出しするか。後出しするかで、議論になってる。
先出しすると特許料を取れて得はするが、欧米列強の警戒度が高まる。
後出しすると特許料が取られて損するが、欧米列強の警戒がとどまる。
欧米列強を結束させてしまうのは、あまりにも面白くない、
ぶっちゃけ、ユダヤ資本がつくる国際ルールに従うのには、うんざりしている。
国際競技で日本人が勝ち出すと
ルールそのものを変えるキチガイに合わせていたら損するばかりだし、
いい加減、日本のルールを欧米に押し付けてやりたい気もするが、実力不足なことは歴然かな。
というわけで、敷島の基幹産業が日本と並ぶまで臥薪嘗胆することにした。
まぁ 権利者のおれが我慢するって言ってるんだから、
議論は、重苦しくも収まっている。
おれ、幾つノーベル賞を逃してると思う。
笑っちゃうよ。きっと、
まぁ 派生発明してる科学者たちも同じ気持ちらしいけど、
おれが動かなきゃ 彼らも動きにくいって感じだ。
どの道、おれの発明なんて、楽×天から引っ張り出したモノだから、ないも同じだけどね (笑
そうそう、トランジスタテレビを売るよ。
軍機で軍部と省庁と大学で使われたけど、そろそろ頃合だしね。
新北方領土51万2610ku
遷都が終わると、カムチャッカ半島開発と敷島開発の予算が増える
その多くは、箱モノで都市型高層ビルだった。
予算は、巡洋艦を建造するのとほとんど変わらないが、
何もなければ、数百年に渡って、堅実に円を手に入れられる優良物件で、
補助金と配当金目当ての投資家に支えられている。
その投資で外国人の投資が増えていた。
外資枠5パーセントの範囲なので、日本人が代理人になるが、
外国人向けの賃貸になることが多く、
完成と同時に外国人が入り込むことが増えていた。
「配当金はそれほど大きくないはずだが、意外に人気があるな」
「長い目で見れば優良物件ですし、新素材が使われてること、気づかれたのかもしれませんね」
「まぁ 日本の足場が欲しいのだろう」
「外資枠は、もっと制限したほうがよくありませんか」
「だが、欧米諸国からの資源も大きいし、市場も大きい」
「それに経済制裁の時、対抗処置になる」
「配当金が少なすぎて、大した痛手にならないと思いますけど」
「まぁな」
8月
リアル異世界の敷島(マダガスカル)59万3784ku。
夏に南半球に来ると冬になるよ。涼しいよ。
日本は、地熱を熱源にスターリング機関で深々度発電してるけど、
敷島は、太陽熱を熱源にスターリング機関で昼間のみ低深度発電している。
冬になると熱量が下がって、今ひとつ電力が上がらない、
でもまぁ 足しにはなってるよ。
いま、都市型高層ビルの建設ラッシュ
1棟当たりの鋼材は、細身のビルだと2000t。太身のビルだと8000tが使われてる、
カラジャス鉱山が年間8000万tほど生産している。
希少金属が5パーセントから10パーセントほど必要になるので、
単純に計算するわけにはいかないけど、年間20棟ほど建設している。
世界最大級の敷島製鉄所は、ブラジルの鉱山と中東の石油のおかげで、生産が伸びてるよ。
そうそう、浄水システムと、淡水化プラントのおかげで、飲料水、農業用水、工業用水が増えたし、
総人口は、2600万人に増えたよ、
でも5分の4は、建設業者で、半分くらい日本に帰る可能性が高いけどね。
まぁ 帰るよりたくさんの人間が来ればいいだけだけど、
それでも敷島で家庭を持って、敷島出身の子供が増えて、
敷島育ちの日本人も多いよ、
ていうか、次男三男以降の新卒者と退役後の第二の人生を送ってる初老が多くて、
中間層が抜け落ちてる感じ、
そうそう、資源開発も進んでるよ。
おかげで、希少資源も結構な量になってる。
まぁ 買える間は、海外から資源を買うけどね。
敷島 衛星追跡センター
「ソビエトが打ち上げたという衛星は?」
「赤い光点が、スプートニック5号です」
「アメリカ、ドイツも宇宙ロケット打ち上げているし。衛星追跡レーダーサイトを建設している」
「そろそろ、日本が打ち上げた衛星もバレるはず」
「日本は人工衛星を静止軌道衛星4基。低周回軌道5基を打ち上げてますから、弁明しないと」
「まぁ 実験用衛星とでも言っておけばいいさ」
地中海に来ると、否応なく、ドイツ勢力圏が強まり、影響力が強くなる。
とはいえ、ドイツの東欧とバルカンの制圧戦は、続いていて、
紛争終結まで何年も、いや、十数年とか、数十年先になるかもしれない、
キプロス
54式戦闘機 火影は、迎撃機。
攻撃を担当するのは、富嶽、艦艇、基地に配備した巡航ミサイルで、
その気になれば、地中海周辺国を火の海にできる。
メリットがないけど、一応、国防だから、
富嶽は、キプロス島とマルタ島を往復しながら巡回することが多く、
いざとなったら、敵国に突撃して、巡航ミサイルを発射するのが役目だ。
そうそう、民間の工場も進出しているよ。
日本の執事服とメイド服は、世界最高水準と言われ、海外に輸出されている。
もちろん、楽×天から召喚したモノをモデルにして売ってるだけどね、
結構な利権になってるよ。
メイドの多い欧米諸国に売れてる。
おれ、頑張って萌え文化を守るからな。ちゃんと種を蒔いていくからな。
いつの日か、きっと・・・
地中海っていいよね。
開放的になれるし、ラテン系な気分だよね。
グラチェ イタリアン。
それにしても、若い白人はいいねぇ
掴まれちゃうと萌えるし、
あ・・・合体・・・
たまにいるよ。天才の血統を産みたい、みたいな女の子が、
いい歳こいて、頑張れるよ。本当に (笑
いや、誤解なんだけどね。
ほら、おれも歳だしさ、生きている間に、おれの種を手に入れたい、みたいな・・・
あぅ〜〜〜〜!
9月
ウーマンリブ運動が加速しているらしい、
日本でも衆議院を中心にそういった動きが現れている。
まぁ 確率的に衆議院の半分は、女性になりやすいからね。
それに、男だけに10を支払うより、男女の賃金比5.5対4.5の方が得だ。
企業は、就労人口が倍になるなら、一人当たりの賃金を半分にできるようなものだし、
しかし、国家としては、どうだろうと、思うわけよ。
子育てを嫌がるようになると、人口減になるし面白くないからね。
まぁ 確かに女工は辛い仕事だけどさ、昔の話しだし、
いまは、機械化が進んで、分配金で経済に余裕あるし、かなり楽な仕事になってるじゃん。
山腹に扉があって、中に入ると、直径15m。全長1km秘密のトンネルがある。
トンネルは、上層・中層・下層に大きく分かれ、部署によって階層が増えている。
トンネルの手前5分の1は、軍の施設で。奥の5分の4は、研究用だった。
なんとなく、昔のロボットアニメの基地をイメージしてしまうが、
幾つかの分野があって日本全国で70ヵ所ほど建設され、さらに増やす予定だ。
人造人間研究も進んでいるが、
未来から召喚した二足歩行ロボットは現物で弾みがついているのか、
カーボンナノチューブの軽量強靭な素材のおかげなのか、
ロボット研究も、負けないほど進んでいる。
機密第一で、各大学で、幾つかの適性試験の後、
守秘義務にサインできるものだけが、入所できる。
有能か。有能でないかは、全く考慮されていおらず、風変わりな人間も少なからずいる。
まず驚くのは、試作されているLSIと、コンピューターの存在で、試作中のロボットだろう。
各財閥の技術者も多く、秘密が共有されている。
浮き沈みの激しい企業にあって、
守秘義務にサインした者だけは、給与が安定し、
企業からも切り離されている。
守秘義務は厳守で、退職後も海外渡航を禁止されてしまうが・・・・
「ここが、第31アマツカゼ研究所か」
「はい」
「中期に建設したのに成果は、上位に食い込んでる」
「今回のロボット戦は、調子が良かったようです」
「いまの状況は?」
「次のロボット戦は、総合で5パーセント増しを目標にしています」
「ですが、優秀な人材が3人も弾かれたショックが大きすぎます」
「適性を外した者を入所させては、機密が守れんよ」
「軍機に絡まない分野で成果を上げればいいだけだ」
「そうでしょうが、残念です」
研究員の多くは、総理大臣の姿を確認すると、一様に驚いていた。
「閣下は、軍と不仲と思われてるので、驚いてるのでしょう」
「不仲だよ。軍上層部の5分の1を粛清したいくらいだ」
「あれでも恭順を示していると思いますよ」
「こっちも、苦渋の妥協してるよ」
10月
アフリカ大陸のイギリス領とフランス領の独立が始まる。
独立させ、政府軍と反政府軍を戦わせ、武器を売った方が得と判断したのだろう。
そういえば、未来の日本も国賊自民と売国反日が戦っていたっけ、
もう、あいつらのやり口ときたら一貫してるから、トラウマになるわ。
一応、人脈は、繋げようとしたけど、
基盤のある宗主国のイギリスとフランスが有利で浸透戦術が上手くいかない、
でもまぁ 資源が買えるならいいや
東京湾
公開されている範囲の技術で、総アルミ製のスクーナー型機帆船を建造していた。
トランジスターと連動した機械で、ポリエステルやナイロンの帆を操ることができ、
省エネ型の外燃機関やディーゼル機関を装備している。
水産大学が保有して、教官と学生たちが日本と敷島を何度も往復し、
大型船になると、乗客を乗せることも少なくなかった。
船橋は、機能性が高く、
方位磁針、六分儀、時計、海図で現在地を知りやすくなっていた。
そうそう、イギリスがホーカー・シドレー ハリアーを飛行させた頃、
日本も60式垂直離着陸戦闘機 不知火 と 白虎 の実証飛行試験を開始する。
不知火
重量6000kg/12000kg
全長14m×翼長9m×全高4.2m 翼面積34u
ターボファンエンジン4000kg2基
最大速度1468.8km/h(マッハ1.2) 航続距離3400km
25mm機関砲1基 ハードポイント6基 増/ミ/爆1000kg〜4000kg
乗員1〜2人
不知火は、技術者に任せていたらハリアーともYak141とも似つかぬ。
機首下部にせり出した推力4000kg級低バイパス比ターボファンエンジン2基を配置した
X32をスマートにしたような双発機が出来上がる。
偏向ノズルで空中に浮上したよ。
ぶっちゃけ、設計の細かいことに口出しても上手くいかなくなるのは目に見えている、
しかし、ハリアを上回る仕様だけは出していた。
そして、カーボンナノチューブとチタンを大量に使用しているだけあって、
見掛け以上に軽量化され、
優れたLSI電子装置は、機体の姿勢制御を上手く調整している。
「なんか、蛾。みたいだな」
「確かに、蛾に似てますね。エリアルールの関係で、こうなりました」
「単発でも飛べるのか?」
「帰還できるという意味でしたら帰還できますよ」
「重量の関係で、垂直離着陸というわけには行きませんが」
「予算の関係で余分な整備士は、雇えない。整備性はいいのだろうな」
「ええ、光ファイバーを張り巡らせてて。不具合があれば、赤の発光ダイオードが点滅しますから」
「しかし、垂直離着陸機で、音速とはね・・・」
「いまは、マッハ1.2程度ですけど」
「機体の軽量化と、経の規格内でエンジンを向上できるのなら、1.6まで向上できます」
「それでも凄いとしか言いようがない」
「ただ、問題は、価格がべらぼうに高くなるということでしょう」
「それはしょうがないよ」
「というより、羽振りよく、金を使って格差を薄めて欲しいものだ」
「そういう問題なのですか?」
『高性能化させて。機体数を減らして、うるさい軍人を減らしたいからな』
「貧富の格差で支配構造を維持する気がなければ、金は、ばら撒けるよ」
「一番、有利は、カグツチですからね」
「まぁ 今のところ、そうなるな・・・」
そして、白虎。
重量6000kg/18000kg
全長15m×翼長8m×全高4.2m 翼面積34u
ターボファンエンジン4000kg2基
最大速度1200km/h 航続距離3400km
25mm機関砲1基 ハードポイント6基 増/ミ/爆1000kg〜7000kg
乗員1〜2人
白虎は、不知火と同じく、蛾に近い形状だけど、
似て非なる設計思想に基づいて製造され、むしろヘリに近い、
推力4000kg級高バイパス比ターボファンエンジン2基を機体中央に左右に並べ、
45度に傾斜させて配置している。
エンジンのせいで、機体が狭められているのが白虎の特長で、
偏向ノズルを水平にすることで飛行する。
全長が不知火より1m長いのは、高バイパス比ターボファンエンジンで吸気口経が大きいからで、
垂直離着陸は、上部吸気口ノズルを水平にし、
偏向ノズルを45度下げれば垂直に真下にして浮揚する。
水平飛行のときは、上部吸気偏向ノズルを機首側に向け、
排気口偏光ノズルを45度上げれば水平飛行ができた。
そして、45度傾斜させたエンジンの偏向ノズルは、不知火より、冗長性が高く、単発飛行も容易だった。
ただし、機体上部の吸気口と機体下部の排気口の段差があり、
姿勢制御をフライ・バイ・ワイヤーに頼るため、まだ音速突破が難しかった。
「こっちは、どうだ?」
「音速は出ませんが、高速攻撃ヘリと言っていいでしょう」
「値段の高い高い方の攻撃ヘリだな」
「不知火より機体を頑丈に作ってますし、否定しません」
そう、白虎は、より近接支援機に近く、A10攻撃機に近い思想で設計されている。
両機とも推力4000kg2基で、自重が6000kgで、運用に必要な燃料を足す。
単純計算に垂直離着陸に推力1000kgが必要なら、積載量が1000kg以下になった。
空中給油するなら、燃料を減らして、積載量を増やす手もある、
もっとも通常離着陸なら、不知火が4000kg。白虎が7000kgほどの積載量に増やせる。
エンジンの強化型は、研究していて、
将来、軽量化と、推力5000kgにまで上げられる見込みがある。
そうなれば、積載力を3000kg弱に増やせるはず。
どちらにしても積載量が少なめなのは、日本機らしいというか、相変わらずな気がする。
「しかし、不知火と白虎は、最後までもつれ込んだな」
「VTOL機の運用は、経験がないので、運用しながら、次期開発で規格を絞り込んだ方がいいとなりました」
「まぁ 開発製造側も使ってみないことには、って、決め兼ねていたし、しょうがないか」
「不知火は空軍・空母より。白虎は陸軍・強襲揚陸艦よりですね」
「取り敢えず、早々に決めてもらいたいね」
11月
アメリカが日本が秘密裏に宇宙ロケット7基を打ち上げ、
7つの人工衛星を運用していると公表した。
仕方がないので、宇宙ロケットで観光写真用の人工衛星を打ち上げたことを認める。
この頃、人工衛星とか、B52爆撃機とか、ICBMとか、SLBMとか、
ボチボチ現れ、配備が増えそうなので、
軍管区の花崗岩質の山体は刳り貫かれ、トンネルに部隊の分散配置がされようとしていた。
花崗岩質の山体でなくてもジオポリマーを大量使用し、モース7まで引き上げることができた。
花崗岩のモースが6.5。通常のコンクリートが3〜5なので、
強靭な地盤で核の直撃にも抵抗力があると考えられていた。
独立守備旅団(1500人〜6000人)の128個は、既にトンネルに駐屯していて、
正規21個師団も幾つかのトンネルに分散させてる。
あと、守備旅団は、地の利に適性化した編成と兵装を装備していて、
身軽さから派遣用戦闘旅団も編成している。
12月
火力発電所は、発電効率が徐々に効率化していた。
CC発電(47.2パーセント)、ACC発電(54.1パーセント)、MACC発電(58.6パーセント)、
欧米列強が40パーセント水準にあることから、
日本の火力発電所は先端技術で大きく引き離していた。
まぁ 楽×天で買った書籍を召喚して作らせたんだけどね。
日本は10万kw級火力発電所が圧倒的に多いよ。
危険分散もあるけど、開戦前に電力会社を統合させていなかったから、そのまんま、
でも基幹産業は国が補助金を出してバンバン建設しているから割安感と安定感があって、投資家がよく買うよ。
でも配当金は、民間の株式会社より少ないかな。
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二宮勇太(32) 国光(11) 修司(9) 瞳(6) 昌司(♂)
二宮由紀(29) 和真(12) 花夏(10) 瞬(6)
二宮翔太(26) 直美(5) 総彦(2) 達実(♂)
二宮慎治(22) 義矢(2) 美鈴(♀)
日本石炭産出5000万t
日本ガス油田1500万t
日本の石油生産量2000万t + 人造石油110基1100万t / 石油消費14000万t / 石油備蓄量9000万t
日本の発電生産量9300万kw
= 水力2100万kw + 火力発電4000万kw + 地熱発電900万kw
+ 洋上メタンガス発電プラットフォーム 160基1600万kw + 風力発電700万kw
敷島(マダガスカル)発電 1967万kw
= 水力567万kw + 火力発電1400万kw
譲渡地 (28035ku) 890万kw
= 水力30万kw + 火力600万kw + 太陽光熱260万kw
史実 日本人総人口9341万
戦記 日本の総人口1億4451万 (インド洋・敷島2600万人)
日本59万5325ku。
近衛師団(猪苗代)。
第01師団(太平洋・東部)。第02師団(樺太)。第03師団(南朝鮮)。第04師団(南朝鮮)。第05師団(太平洋・中部)。
第06師団(西南・南部)。第07師団(北海道・西部)。第08師団(北部・台湾)。第09師団(沖縄)。第10師団(日本海・東部)。
第11師団(南部・台湾)。第16師団(南朝鮮)。第20師団(北海道・東部)。
独立旅団21個
カムチャッカ半島472300ku 第14師団。独立旅団10個
ウラジオストック500ku 独立旅団5個
関東州3462ku。 第12師団。独立旅団5個
舟山群礁1371ku。 独立旅団5個
南洋諸島2475ku。 独立旅団15個
祟明島(1225ku)。
フィリピン利権 (譲渡地1497ku 租借地1万4970ku)
譲渡地 ディナガット島(802.12ku) シアルガオ島(437ku) その他の島々(258ku) 独立旅団6個
租借地 サマール島(13080ku) レイテ島の一部(1890ku) - 460ku
マレーシア利権 (譲渡地1649ku 租借地1万6492ku)、
譲渡地シンガポール(707ku+942ku) 独立旅団5個
租借地ブルネイ近郊(1万6492ku) - 1000ku
敷島(マダガスカル)59万3784ku。
第13師団。第15師団。第17師団。第18師団
インド利権(譲渡地2万1505ku 租借地21万5057ku)、
譲渡地 アンダマン・ニコバル諸島8293kuとインドとパキスタン国境の1万3212ku。 独立旅団20個
租借地インドとパキスタン国境の21万5057ku - 4500ku
ビルマ利権 (譲渡地3384ku 租借地3万3829ku)、
譲渡地 ラムリー島1350ku チェドバ島523ku タニンダーリ群島1511ku 独立旅団8個
租借地エーヤワディ管区3万3829ku - 1000ku
キプロス軍管区(9250ku) 独立旅団8個
マルタ軍管区(316ku) 独立旅団2個
総面積170万9192ku
10000t級穂高型巡洋艦
穂高、夷隅、吾妻、黒姫。八雲、浅間、姫神、蔵王。
入笠、雲仙、
第37話 1959年 『おれ、封建社会で助かった』 |
第38話 1960年 『おれ、猪苗代遷都した』 |
第39話 1961年 『おれと、闇閨閥の系譜』 |