月夜裏 野々香 小説の部屋

    

天ぼた系 火葬戦記 『神火風』

 

 第06話 1950年 『長寿と繁栄を・・・ それとも・・・』 

 

 南太平洋 ソロモン海域

 クリーブランド型軽巡洋艦は、行政関係者を乗艦させていた。

 黒部(サンタフェ) 艦橋

 「佐藤艦長。サボ島です」

 「ガダルカナルで戦ったアメリカ重巡に乗って、ガダルカナルに戻ってくることになるとはな」

 「いつまで、アメリカの軍艦を使うんですかね。無論、居心地はいいですが・・・・」

 「他人のフンドシをはいてるようではあるな」

 「そういえば、艦政本部もインチ部品の補修でブチキレ気味だった」

 「しかし、30年は使うだろう」

 「同型艦もあるので部品を食いつなげば50年は持つかもしれません」

 「まさか、10年で旧式化してしまうはず」

 「現政権は軍に冷たいし、経済的な理由だけで護衛艦に人員を振り分けようとしている」

 「それに民間人も軍隊が暴走したことを知ってる」

 「肉親を殺されてるし、我々を許してはいまい」

 「しかし、それは陸軍が」

 「それくらい、国民の大半も、わかってるだろうさ」

 「だが既得権から議員を選ぶのは困難になってるし」

 「とうぶんの間、軍の発言力はないと考えてもいいだろう」

 「盛者必衰、諸行無常ですね」

 「かまわないだろう。占領地が多過ぎるし、維持軍だけでも相当なものだ」

 「むかし、幅を利かせてた官僚たちが辺境に追い出されてしまったがね」

 「広長閥がどこまでやれるか、様子を見るべきだろうな」

 「広長閥というより、神火人だろう。誰も信用しないだろうが」

 「それは、どうでしょうか」

 「日本艦隊壊滅で日本本土爆撃。焼け野原から逆に対米対ソ戦線を押し返し」

 「アメリカ機動部隊を拿捕。極東ソビエト軍も敗走させたんですからね」

 「死病発生が原因としたら日本人の発症が少な過ぎるのが異常ですし」

 「新聞は、神火風なんて流してるが信じてる者は少ない」

 「神火風より信憑性があればどんな噂でも信じますよ」

 「確かに正気な人間は、神火風なんて信じないだろうが、大勢がそうなれば信じた振りくらいするだろう」

 「子供に馬鹿にされてもですか」

 「まぁ 真っ赤になるだろうがな」

 「だが、これから民需が強くなりそうです」

 「軍需であろうと民需であろうと同じだよ」

 「官僚は、既得権益と癒着する」

 「そして、利権を守るため法律を変えて庶民から資本を吸い上げるだろう」

 「しかし、広長閥は天文学的な国債と軍票を払うためとはいえ、国民に金をばら蒔いた」

 「それで、国民が押さえられているのかもしれないが、我々の利権構造は完全に崩壊したな」

 「「「「「・・・・」」」」

 「そういえば、アメリカ資本系の広告業界に天下りしないかと打診がりましたよ」

 「広告業界・・・」

 「ええ、軍部は悪くないという世論を張れるそうです」

 「なんでアメリカ資本が?」

 「彼らにとって都合のいい宣伝や論陣をしてもらいたのでは?」

 「それか、旧軍属の囲い込みんでよからぬことを」

 「ふん! 女子供の頭上に爆弾を落とされて、それでも保身でアメリカに仕えろとはね」

 「痩せても枯れても武人のすることではない」

 「しかし、アメリカはお金持ちですから」

 「気に入らんな」

 「確かに・・・」

 

 

 

 

 ガダルカナル島 (5336ku)

 陸海軍将兵5000人が降り立ち先行部隊と合流する。

 「滑走路8本か」

  ルンガ川西岸  1647m×61m

  ルンガ川東岸  2104.5m×45.75m  1403m×45.75m  1830m×45.75m

  イル川西岸    1525m×45.75m   1311.5m×76.25m

  テナル川東岸  1403m×76.25m   1525m×45.75m

 「こりゃまた。凄いね」

 「お金持ちの国はやることが違うな」

 「むしろ、日本軍将兵22000以上が戦死した島を取り戻せたことが感慨深いね」

 「しかし、もう戦争は勘弁願いたいものだ」

 「参謀本部は、どの程度配備すると?」

 「とりあえず、50機程になると」

 「この規模の基地で50機は少ないな」

 「ほとんどが哨戒機や輸送機だそうです」

 「もっと気に入らん」

 「アメリカの再戦は当分ないと自信があるのでは?」

 「かもしれないが・・・」

 

 

 

 

 

 東京

 広長閥は、その気になれば、一人でも帝国議会を恫喝し、政策を誘導することもできた。

 権力を維持するため、政官財癒着や利益誘導、少数民族を利用する工作も必要なかった。

 とはいえ、歪で不自然な権力構造がいつまでも通用するはずがなく、

 軍と警察、そして、全国民を敵とするわけにもいかなかった。

 薩長藩閥政治がそうであったように、

 広長閥も人材を日本全国の官職につける工作を進めていた。

 東京

 “原爆を落とされた人々の世界平和を望む会”

 神火人たち

 「政界再編と州制と連邦化。薩長閥の反発は大きいようですね」

 「薩長閥は、広長閥の敵じゃない」

 「神火人の上位3000人は、どれだけ離れていようと交信ができる」

 「中位者は周囲100mから2000mを射程に収めてる」

 「下位者の回復能力は、常人をはるかに超える」

 「そして、上位者、中位者は少しずつ増えている」

 「増えてるというのは面白い現象だな」

 「先達からコツを学んだか。神火核が体に馴染んだと考えていいだろう」

 「今のところ仲間内で争いはないが主流になればどうなるかわからん」

 「広長閥で主導権争いが?」

 「海軍でいうなら、呉と佐世保で呉が上位になるから自然と広島閥が主導権を握った」

 「しかし、権威主義を嫌う人間は少なくない」

 「まぁ 今のところ国を相手にしてるから、内紛で殺し合いにはならんだろうが・・・」

 「権力抗争が行き着けば殺し合いになりかねんな」

 「政治勢力の人員数じゃ最小だし、棲み分けすればいいだろう」

 「問題は売国勢力かな。一度、外国勢力にお金をもらうと弱みを握られるし」

 「日本人から阻害されてしまう」

 「だから毒を食らわば皿までって感じで、執拗に突っ走ってしまうんだろうな」

 「問題は、どのへんから処分していいのか、線引きが難しいところだな」

 「やり過ぎると、こっちが白い目で見られるし」

 「「「「んん・・・」」」」

 

 

 

 

 陸海軍で分かれて開発していた技術が国防省技術研究本部に統合させられ、

 個別系。造艦技術、航空技術、車両技術、

 共有系。耐久技術、安全技術、砲口技術、装甲技術、電子戦技術、医療技術、核技術、

 を中心に部署が作られていた。

 この中で、航空技術、電子戦技術、核技術の予算は増加し、

 アメリカとイギリスから捕獲したエンジン、レーダー、ソナー、医療等の研究向上が拡充させられていた。

 旧来ながらの軍体質の軍人は、辺境に更迭されるか、辞任に追い込まれ、

 技術系将校の地位は向上し、傭兵側の干渉が減らされていた。

 関係者たち

 「ようやく、規格統合しても主力兵装はアメリカ製とソビエト製の補填か」

 「研究ばかりで実証が少ないと腐るぜ」

 「兵装を統合するって、どうやるの?」

 「戦争で兵器や武器弾薬を作り過ぎてダブついてるだろう」

 「だから交換だよ。少し割り引いてやれば、第三国を介してあらかた交換できるって寸法」

 「陸軍兵装はソビエト製で、海軍兵装はアメリカ製が中心か」

 「とはいえ、平地の多い寒冷地から密林の熱帯地まで多様だからな」

 「地域ごとで欲する兵器体系が違うのが問題だよ」

 「狙撃銃は38式を使うとしても。やはりM1カービン小銃とPPSh1941が人気を二分してる」

 「M1ガーランドとモシン・ナガンM1891は、悪くないが交換するべきだろう」

 「ふっ だから新型銃は、連射が効いて射程を伸ばせる6mm×50になったのだろうな」

 「軽機関銃は数のDP28(7.62mm×54R)と。質のM1919機関銃(7.62mm×63)で甲乙付けがたい」

 「ブローニングM2重機関銃も捕獲が多い」

 「拳銃はPPSh1941と同じ弾を使えるトカレフが多い。いいようだが安全装置がな・・・」

 「だけど、ガバメントは嫌だよ」

 「拳銃は、持ち歩きやすいヨーロッパ製だな」

 「それは言える」

 「戦車は数でT34だけど、エンジンだけはアメリカ製がいいな」

 「いや、戦車エンジンはディーゼルだろう」

 「それは言えるがM26戦車はとても良い」

 「だがスターリン重戦車も多いからな」

 「火砲はZiS3、51.6口径76mm野砲。あとM30 23口径122mm榴弾砲」

 「それとML20 29口径152mm榴弾砲」

 「PM37 82mm迫撃砲とPM38 120mm迫撃砲でソビエト製が数で多い」

 「高射砲は、61K 37mm対空砲と52K 55口径85mm砲」

 「よくもまぁ 置いていってくれたもんだな」

 「戦友が次々と死病で死んでいったら誰だって逃げ出したくなるさ」

 「アメリカの軍艦は、神火人一人に乗り込まれただけで・・・ って本当?」

 「そりゃ 隔壁越しの敵兵が見えて、音も出さずやれるんじゃ 逃げ道ないし、殺戮だよな」

 「気づいたら手遅れってわけか」

 「アメリカとソビエトは対神火人用の兵装を開発するんじゃないか」

 「まぁ 相手が正体不明でも死因はガンマ線か中性子線って検討ついてるだろうからな」

 「隔壁や装甲は、最悪でも対X線、対レントゲン線を考えるだろう」

 「日本もやるべきじゃないの? 神火人に睨まれないよう対核兵器用ということで」

 「まぁな」

 「連中が研究所に入ってくるとヤバイが」

 「そこまで教育受けてる人材は少ないだろうな」

 「しかし、いずれは、高校、大学と来て、流れ込んでくる」

 「となると20年くらい先のことか」

 「子供が優秀ならな」

 「例の神火核で優秀になるんじゃないの」

 「ていうか、背中越しに回答が見れたら流石に点数はいいぞ」

 「それに交信できるらしい」

 「アホでも3人集まれば文殊の知恵で大丈夫ってか」

 「さぁ 神火核が脳にどういう刺激を与えてるか、まだわからないからな」

 「滅茶苦茶に頭がいい可能性もあるし」

 「頭が良くなくても意思疎通で繋がってると解釈したら群体生命体じゃないかな」

 「なんか、ヤバい気がしてきた」

 「まぁ 何らかの作為は感じられるが、神火人は、新人類って考えてもいいかも」

 

   

 

 

 不逞の輩たちの巣窟

 白人がハリセンを持って教壇に立ち、

 生徒たちが並んでいた。

 「日本で利己主義と拝金主義を蔓延させるのだ」

 「そうすれば、個人主義が強まり視野が狭まり、全体の利益を考えられなくなるだろう」

 「せいぜい組織権益にとどまり、組織内派閥の対立も強まるだろう」

 「殺人は請負い、弱みを握ったら金だけじゃなく、地位も確保しろ」

 「組織的にやるのだ」

 「「「「あいごー」」」」

 「社会の格差や軋轢が大きくなれば、教室でイジメが増え、社内でイジメが増え、社会でイジメが増える」

 「皺寄せは弱者の家族に集まるだろう」

 「そして、男女同権を強め、夫婦間で亀裂を起こさせ」

 「子供たちの不和を誘うのだ」

 「「「「あいごー」」」」

 「いいか、まず、企業攻撃だ」

 「「「「あいごー」」」」

 「企業は誹謗中傷を嫌う。誹謗中傷を繰り返し」

 「マッチポンプで身内を入れることで、誹謗中傷をやめさせる」

 「そして、少しずつ足場を築いて、身内を増やしていくのだ」

 「「「「あいごー」」」」

 「黒い車に日の丸をつけて軍歌を流しながら公道を走れ」

 「献金しない企業は非国民企業扱いするのだ」

 「そうやって日本人の愛国心を喪失させていくのだ」

 「「「「あいごー」」」」

 「それから、世論を可能な限り、快楽主義、利己主義、拝金主義、アダルト色を強めさせ」

 「日本人の精神を世俗的、刹那的にしていくのだ」

 「そして、マスコミ、教育、官僚、財界に侵食して、日本人をボロボロにしてやるのだ」

 「「「「あいごー」」」」

 「日本を滅ぼせ」

 「「「「あいごー」」」」

 「日本を滅ぼせ」

 「「「「あいごー」」」」

 「日本人を滅ぼせ」

 「「「「あいごー」」」」

 扉が開いた。

 「企業攻撃中の3年B組が全滅した」

 「なんだと」

 「全員が死んだ」

 「「「「死神ニダ!!!!」」」」

 どたっ!  どたっ!  どたっ!  どたっ! 

 「こら! まて、逃げるな。日本人と戦え!!」

 「「・・・・・」」

 

 

 

 

 アメリカ商船が上海に入港していた。

 中国人が乗船すると、情報交換が始まる

 「中国情勢を聞きたい」

 「みんな日本人に怯えてるある」

 「中国も死病が広がってるのか?」

 「たくさんではない」

 「しかし、反日の中心人物は、次々死んでるある」

 「どこかの村で、日本人女性を襲ったら、村の男が全滅した話しも広がってるある」

 「あと、金を払わなかった業者が全滅したある」

 「本当に?」

 「逃げ伸びた当人がいないのでわからないから噂ある」

 「しかし、よくあることある。幾つもの村が全滅してるある。業者も全滅したある」

 「そうか・・・」

 「通常の取引であれば死病は起きないのか?」

 「起きなかったある」

 「そうか・・・」

 「マフィアが死神教の幹部を誘拐した途端、日本から警告が突きつけられ」

 「ワシントンで1000人近く死んだことがあったな」

 「本当にマフィアがやったあるか?」

 「ふっ」

 「とにかく、日本人はヤバいある。本当に死神がついてるある」

 「アメリカでは死神教に入信するものが急増している」

 「中国もある。屈辱ある」

 「中国側で、神火風の秘密を調べてくれ、対価は支払う」

 「可能な限りそうしたいあるが、命が惜しいある」

 「多少は上乗せする」

 「そうして欲しいある。生きてる心地がしないある」

 「アメリカは日本をどうにかできないあるか?」

 「日本の死神教は反ユダヤの受け皿になりつつあるし」

 「純粋なドイツ系、アングロサクソン系、アイルランド系は、死神教を介して結びつきを強めてる」

 「ユダヤは反撃しないので?」

 「死神強に手を出すのはまずい」

 「もっとも厳重に守られた金庫にいたユダヤ人が死んでる」

 「ユダヤが死神を恐れてるのだ」

 「日本人から情報を仕入れられないあるか?」

 「引退した友人は残らず口をつぐんでるし」

 「特高でさえ、神火風に付いて聞くと口を閉ざすほどだ」

 「日本人の間でもタブーになってるあるか」

 「しかし、日本側が、アメリカの原爆実験の被爆者の資料を欲しがってるフシがあったな」

 「では、神火風は原爆と関連してるあるか?」

 「わからんね。とにかく、有用な情報を調べてくれ」

 「わかってるある」

 

 

 

 大和(アラスカ)州 (171万7854ku)

 ジュノーと呼ばれる街は、比較的アメリカ本土に近い、

 アメリカ人たちは死病を恐れて本国に移動し、日本人ばかりが住んでいた。

 日本軍の軍事力はそれほどでもなかったものの、

 アメリカ軍もカナダ軍も死神を恐れ、国境線に鉄条網を張って監視を強化してるだけだった。

 関係者たち

 「綺麗な街だな」

 「自然も綺麗だ。寒いけど」

 「寒いところは得意だよ」

 「神火人はいいなぁ」

 「お前も若干、神火人だぞ」

 「おれは宮崎で、広島や長崎じゃないんだけど」

 「西日本一帯は、神火核が飛び散ってて、少しばかり回復力が高いと思うな」

 「そうなんか」

 「たぶん、常人より寒さに強いし回復力高いぞ」

 「よし!」

 「あははは・・・3〜4個だから、ちょっとだけな」

 「ちょっとだけかよ・・・つか、見るな!」

 「あははは」

 「神火核は、どうやっては体内に入るんだ」

 「ほとんどは肺から入る、あと、胃袋から入ったりもあるな」

 「そうなんか・・・」

 日の丸をつけた緑色のムスタング4機編隊が頭上を飛び去っていく、

 「アメリカ軍のそばなんて、何か不安だな」

 「不安なのは、アメリカ軍だと思うな」

 「アメリカは、99パーセント勝ちで、とどめの原爆で藪から龍を出したようなものだし」

 「下手すりゃ西海岸だって放棄する可能性だってあったのだから」

 「龍か。目に見える龍だったらもう少し対応のやりようがあったんだろうけどな」

 「無手じゃな」

 

 

 

 

 外満州 (100万ku)

 油田地帯に製油所が作られ、発電所、製鉄所、工場が作られ、

 巨大な産業が建設され、近代的な街並みが整備されていた。

 関係者たちが煙突を見上げていた。

 「この分だと、外満州は日本以上の生産力を持ちそうだな」

 「まぁ 油田があればいけるでしょう」

 「しかし、もう少し、煤煙を少なくできんのかね」

 「せっかく作った鳥居街道が汚れるじゃないか」

 「精油精製技術が低いからですが、改善していくつもりですよ」

 「フィルターが少ないのでは?」

 「まぁ もう、あと、三重、四重は必要ですかね」

 「中国人が以前より減ってるようだが」

 「例の死神騒ぎで南に逃げ出してるらしいですよ」

 「ああ・・・ あの山賊が全滅したっていう・・・」

 「新聞じゃそう書かれているかもしれませんがね」

 「中国で山賊は半農半賊の山賊村で、中国じゃ普通の村と思っていいくらいなので」

 「普通じゃないだろう」

 「まぁ 日本がそうじゃないからね」

 「中国はやったりやられたりで、ずっとやられてきたので意識の違いですよ」

 「中国人が少ないと市場が減るな」

 「南に行く中国人が日本製品を買って行くので意外に悪くないですよ」

 「なんにしても外満州の産業が軌道に乗れば、対米対ソ対中で十分戦える」

 「あまり戦いたくないですがね」

 「まぁ そうだが」

 「しかし、発電はともかく、燃料としては今ひとつな油田だな」

 「ええ、それと工業用ダイヤが少なくなってることがネックです」

 「今のところ、サファイヤで誤魔化してますが、採算性がガタ落ち」

 「あ・・・ それは輸出解禁になったよ」

 「おや、イギリスは、絶対に日本にダイヤを輸出しないとか息巻いていたようですが」

 「最近、担当者が亡くなったらしくてな」

 「なるほど、実に好都合なことで」

 「ふっ まったくだ」

 「「「「・・・・」」」」

 

 

 

 装甲列車が外満州から和洋州 (22万ku) 中国京杭大運河東部域へ入っていく、

 司令車

 将校たち

 「中国人の表情がいいようだ」

 「運河を作らせたら金を払って、大陸側へ行かせますが、抵抗する者は少ないようです」

 「今のところはですが」

 「心配はいらないよ。中国軍閥の上層部は死神を恐れて戦々恐々だ」

 「日本人を悪者にするといった小細工すら怖くて出来なくなってる」

 「無茶して反日を煽ったりすまい」

 「和洋州はいずれ、日本人社会になるのですか」

 「運河を広げて堤防を高くすれば、侵略されにくいだろう」

 「日本軍が主役じゃないのが悲しいですがね」

 「時に、広島と長崎の神火核は同じものなのか?」

 「双方向通信ができるということは同じ核と考えていいのでは」

 「中国人の情報だと、正常な核爆発ではない可能性があるらしいが」

 「アメリカの代理人か」

 「情報の内容からして、そうでしょうね」

 「アメリカの諜報機関も大変だな」

 「同情はせんよ。日本にとっては獅子身中の龍なのだから」

 「そういえば、神火人のせいで、一気に旧人類に追いやられた観がありますからね」

 「完全に生殺与奪の権を握られては、どうにもならんが」

 「権力構造をごっそり変えられても、皇族に手を出していないのが救いですかね」

 「ふっ 教育の賜物だな」

 「いえ、副総理は陛下の勅任ですから執権格ですし」

 「むしろ、強化されてるフシがありますよ」

 「そう・・・なるのか・・・」

 「力尽くで権力構造を作り変えられても天皇がそのままなら国民レベルでは簒奪にならないのだろう」

 「じゃ 室町、鎌倉、江戸といった時代の節目にいるわけか」

 「それで済むならいいが新人類の兆候かもしれないからな」

 

 

 中国京杭大運河より西側で唯一の日本領が西通州だった。

   1937年(昭和12年)7月29日

     中国軍 冀東防共自治政府保安隊 約3000人が

       通州の日本軍留守部隊約110名と、婦女子を含む日本人居留民約420名を襲撃し、約230名を虐殺した。

 この通州虐殺事件が日本人を怒らせ、

 盧溝橋事件から始まった日中戦争の賠償が和洋州譲渡だった。

 日本人たちは、屋台で飲茶を食べていた。

 日本人と中国人の賃金格差は巨大で、

 日本人が共同で区画の権利を買い、中国人から家賃をとって利鞘を稼ぐ者が増大していた。

 そして、飲茶屋台部隊も日本の信託会社の代理店がオーナーになっていた。

 「西通州は、防衛力が弱いから流石に怖いな」

 「でも、漢民族が死病を恐れてる間は、大丈夫だろう」

 「大丈夫ねぇ 漢民族の精神は、そんなやわじゃないと思うがな」

 「しかし、通州事件の賠償は120万円で済んだのに追加していいのかね」

 「だから日中戦争分も足してるんじゃないか」

 「今の金額だと、120万なんてって思うがな」

 「もっと吹っ掛けてやればよかったんだ」

 「その時は、結構大きなお金だったけどね」

 「しかし、通州事件のことを忘れてるというか」

 「よくもまぁ 企業どころか、国民まで、和洋州投資を増やすもんだな」

 「結局、家と土地と車をあって、普通に働いていたら生活に困らない連中だろう」

 「国民基礎所得で定期的に金が入っても、これといって使い道がない」

 「銀行に入れとくと利息がインフレに負けて目減りする」

 「それならって、和洋州投資が一番配当が大きいから投資する」

 「おかげで運河建設も進みが速いってわけだ」

 「金があれば国内で使えばいいのに」

 「和洋州の治安がいいなら、少しでも儲けたいと思うんだろうな」

 「死神教のお陰か」

 「通州小町って亡霊の噂も中国人の間に流れてるよ」

 「通州事件で殺された少女の霊が自分を殺した中国人と似た中国人を殺していくって」

 「それは怖い」

 「通州殺戮事件記念館なんて建てるからそう思うんじゃないの」

 「日本人はあまりいかないが」

 「和洋州に反発してる欧米人や中国人に見せると黙り込むからね」

 「反対してるのは、地政学な理由で反対してるのだから、無理だろう」

 「一般人に地政学は関係ないし。感情論になるから効果があるよ」

 

 

 

 

 

 ニューヨーク

 閑静な郊外に寝殿造り風の屋敷が作られ、

 併設するように神社風の建物が建立し、聖炎主教という看板が取り付けられた。

 死神教が献金の半分を信者に再分配するようになると信者が急増していた。

 そして、その性質から反ユダヤが集まりやすく、

 死神教は、主導権こそ取らなかったものの場を提供していた。

 反ユダヤ勢力たち

 “長寿と繁栄を”

 ““““長寿と繁栄を””””

 「アメリカ・イスラエル広報委員会(AIPAC)と、ユダヤ名誉毀損防止連盟(ADL)は驚異だ」

 「訴えられるし、誹謗中傷されるし、日干しに遭うからな」

 「こちらも対抗して、国内国家を構築するしかないと思うが」

 「ネットワークはユダヤ人が強い」

 「強いのは金融だよ」

 「製造は我々が強いはず」

 「しかし、意図的にドル高を作り出し、資本を国外に流出させ、海外の製造力に頼り始めてる」

 「これでは、怖くて労働運動を起こせない」

 「銀行家の手口だな」

 「日本は頼りにならないのか?」

 「日本は、国民に均一に紙幣をばら蒔いている」

 「金持ちは幾ら稼いでも、金が国民に流れるんで、惰性的になってるようだ」

 「ふっ 幾ら走っても車輪を回してるようなもので、聖域が作れないのではつまらないだろうな」

 「しかし、対ユダヤ政策では、プラスが大きいと思う」

 「どの道、ユダヤ人と同じ土俵で戦っても不利なのだから」

 「なるほど死神教が献金の半分を再分配してるのは、反ユダヤ政策でもあるわけか」

 「じゃ 日本人が意図してやってると」

 「わからんね。何も考えずにやってる節もあるし」

 「日本は、民主主義の形態をとっていても中身はアメリカ民主主義と別物で」

 「幕藩統治がそのまま、省庁利権派閥統治に移行したようなところもあるからね」

 「今は原爆が落ちた広島閥と長崎閥が強いようだが、なぜそうなったのか皆目見当がつかない」

 「なんにしてもアングロサクソンが結集しやすいのが死神教というのも変なものだが」

 「我々は多数派のようだが、ユダヤ人に各個撃破されてると思うね」

 「それは言えるな」

 「とにかくFRBは何とかすべきだと思うな」

 「このままでは紙幣供給を止められ、産業がズタズタにされかねない」

 「「「「「・・・・・・・・・」」」」」 こくん

 

 

  

 

 

 神火人たち

 「ユダヤ人は気に食わないがユダヤ人は、アメリカという巨木を食い荒らすシロアリのようなもの」

 「気に入らないからといって、全面的に敵対すべきでないと思うが」

 「敵に対しても味方に対しても金融支配でブレがない獅子身中の虫だからね」

 「今は、欧州復興で製造業を欧州に移して、アメリカの製造業を落としてるようだが」

 「中国側に対してはどうなんだろうか」

 「進出している節はある」

 「しかし、日本が中国の基幹産業を抑えてる限りは、投資は低調だと思うね」

 「問題は、日本がアメリカに臥薪嘗胆を強いたことだよ」

 「三国干渉に続く、臥薪嘗胆と、日露戦争の経過は、今回のアメリカ、イギリス、フランスのアジア後退に当てはめられる」

 「彼らは、対日反撃を考えるだろうか」

 「アメリカやイギリスで内輪の誰かを悪者にしない限り、対日憎しは収まらない」

 「こちらとしては、貧富の格差を利用して、貧困層の資本家への反発を強めたいが、やり過ぎると共産主義で反発される」

 「成功してもユダヤが駆逐され、アングロサクソンが強くなってアメリカが正常になる」

 「失敗しても我々が駆逐され、ユダヤの反日プロパガンダで、反日政策が継続する」

 「せいぜい、献金の半額還元を継続して、問題意識を植え付け、場を提供する程度か」

 「ふっ ジレンマだな」

 

 

 

 

 日本海軍は、アメリカの主力艦や補助艦艇など多数を捕獲したものの主力艦の燃料消費に耐えられず、

 民需政策転換が進むと、中型艦艇の燃料消費にも耐えられなくなる。

 そして、ついには駆逐艦すら使用が制限され、

 ディーゼル・電気推進で航行する護衛艦に乗り換え始めた。

 呉

 1360t級エヴァーツ型護衛駆逐艦(21)  1740t級バックレイ型護衛駆逐艦(44)

 1240t級キャノン型護衛駆逐艦(23)  1250t級エドサル級護衛駆逐艦(24)

 1450t級ラッデロウ型護衛駆逐艦(4)  1350t級ジョン・C・バトラー型護衛駆逐艦(24)

 海軍将校たち

 「満州で油田が発見されたというのに、冷や飯は辛いの」

 「広長閥は民間出が多いですし、軍属ですら軍人に辟易していたようですからね」

 「海軍とはいえ、彼らの圧力に抵抗するのはむずかしいでしょう」

 「今後は、ディーゼル電気推進機関の艦船が主流になることは歪めないですし」

 「如何ともしがたいですな」

 「アメリカから石油を購入してるではないか」

 「購入はしてますがね。燃料はただじゃありませんし」

 「中東の油田を押さえればいいのではないか。アメリカより安いのでは?」

 「確かにそれは言えますがね」

 「しかし、資本、人材、資材とも入手が低調になりそうです」

 「もっと国防省の宣伝をすべきだろうか」

 「国民の多くは陸海軍より、広長閥を支持してますからね。反発を食うだけかと」

 「まったく・・・ 自業自得とはいえ、落ち込むな」

 「時に、神火人は電波を飛ばして意思疎通ができると聞いたが」

 「はい、会話を受信できますよ」

 「最近は、無線機で受信できない波長に変えてる節があるようですが全員ではないようです」

 「当然、知識や情報も瞬時に交換できるのだろうか」

 「出来ると思われますね」

 「じゃ 数万個の脳が連結して意思疎通してると思っていいのだろうか」

 「軍医の話しでは、連結も孤立も自由自在だとか」

 「もっとも意思疎通ができるのは上位者の数千人だけのようですが」

 「じゃ 常人は勝てないな」

 「神火核は、子供にも遺伝するのかね」

 「今のところ、その兆候は無いようです」

 「それは救いだな」

 「なので、地方に散って、利権を押さえ始めたのかもしれませんね」

 「ふっ」

 「それと、例の神火核の研究は進めてるようです」

 「子々孫々に神火核を相続させたいわけか」

 「でしょうね」

 「確かに神火人は羨ましいからな」

 「「「「「・・・・・」」」」」

 

 

 

 

 アメリカ 白い家

 「日本人は、外満州、扶桑州、大和州で城郭神社仏閣の建設を検討してるようです」

 「伝統と一緒に移民か・・・ 嫌悪するところだな」

 「日本の貴族制、武士制度は、欧州のものとは少しばかり捉えられ方がちがいますから」

 「ふん! 既得権の世襲など虫唾が走る」

 「日本は、政体の持続的な民主化に成功してるようです」

 「抽選と選挙か」

 「運任せの抽選の後で、国民が選択できるので、利権の思惑は通り難いですし」

 「金権政治も困難でしょう」

 「広長閥か。パイプは掴めないのか」

 「死神教の幹部が代理人と言えますね」

 「死神教か。彼らのやってることが日本の意思なら、日本は敵だよ」

 「少々 消極的ではありますがね」

 「だが、明らかに我々の支配権に対して挑戦してる」

 「くそっ 何が “長寿と繁栄を” だ。あれは、我々の挨拶だ。パクリが!」

 「それも逆の意味で使ってる。わざとだろうか」

 「わざとだろう」

 扉が開いた。

 「大統領。広島と長崎で採取した放射性物質ですが」

 「ガドリニウム、カリホルニウム251やアクチニウム227などの放射性物質が含まれてる節があります」

 「なぜ?」

 「たまたま、自然にあるものを発見したとは思えませんし」

 「核爆発で生じたと考えるならありえない確率です」

 「不可解なことなのかね」

 「物理学的にはあり得ません」

 「広島と長崎にもっと、人を派遣して、調査を急がせよ」

 「しかし、広島、長崎ともアメリカ人に対する反発が強すぎます」

 「公には困難かと」

 「では、誰か使いたまえ」

 「生憎、使いやすい朝鮮人が四川盆地に移動させられています」

 「じゃ 対日工作は?」

 「旧ソビエト領ユダヤ自治区の同胞と交渉ですが彼らも死神に怯えてますし困難ですな」

 「彼らをイスラエルに移民させられるか」

 「それは可能ですよ。日本人は国内の異民族を追い出したがってますからね」

 「しかし、そうなると、日本国内での工作は上手くいかない」

 「と言っても死神が怖くては、日本国内で工作するのも困難か」

 「最悪でも情報だけは集めるべきです。こちらが目を瞑っては何もできませんし」

 「どちらかというと、日本の死神教は、我々に敵対する勢力を結束させてる節があります」

 「だからといって、対日排斥する勇気はないよ」

 「朝、目を覚まさなかったら、と思うだけで夜も眠れんからな」

 「神火風の正体を掴むまで、対日反撃は控えるべきでしょうが、面白くありませんな」

 「まったく、一方的に都合のいい死病などと・・・」

 「日系人は、神風の変種と云う者がいますが」

 「天の加護等ない。そんなものがってたまるものか」

 「しかし、古代日本から日本人とスファラデェイ系ユダヤ人の関わりが強いかと」

 「関連性は否定しない」

 「しかし、仁徳天皇陵や剣山を暴いたわけでもないのに何がわかる」

 「それに神道とユダヤ教は少しばかり被ってはいるが別物といってもいいし」

 「血統的に混ざり過ぎてるではないか」

 「ハザール人よりは、血の繋がりが近いでしょうがね」

 「仮に日本人が血統的スファラデェイ系ユダヤ人に近くとも天の加護などありえん」

 「「「「・・・・」」」」

 

 

 

 

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 月夜裏 野々香です。

 国家経済防衛

 単純に言うと国家と民族が自国資本と自国資産を守りつつ、

 対外投資で外資と資源を得るわけです。

 

 バブル前後、

 ドルを買って円高ドル安で馬鹿損。アメリカ国債を買って馬鹿損。

 アメリカ株を買って馬鹿損。アメリカ固定資産を買って馬鹿損。

 中国企業進出で泥沼、中国株購入で泥沼。

 多いと思います。

 なぜ、国内資本を国外に貸し出して、国内にばら蒔かないのか。

 これをやると庶民から紙幣を吸い上げる成金が減って、利権を守れるわけです。

 利得者は無能でもよく、

 紙幣価値を高めつつ、海外からの利鞘を稼げて美味しいわけです。

 これを有能と自惚れていた日本政官財のやったことですが、

 日本の産業発展を潰し、資産をどれだけ食い潰してきたか

 そして、日本経済を破綻に追い込んできたか。

 これらの資本を日本人が持っていたら、どれほど多くの産業を興し、

 外貨を上げたかわからない。

 海外投資で、戦前戦中に軍事的にやって来た泥沼と消耗戦を経済的に繰り返し

 路上詐欺に騙されるが如く、日本を衰退させた人たちがいるわけです。

 そして、衰退させてなおも利権を守ろうと、不利な地の利に逐次投資を繰り返し

 元を取ろうと愚かな投資を繰り返す。

 さらに日本国内資産を奪おうと7並べの如く通貨流通を止め

 税金で庶民の生皮で締め上げている状況のようです。

 関税が防波堤なのですが、

 規制緩和が続き、国内企業株を外資に買われ、

 国内企業の製品を買っても国内に循環せず、欧米資産になっていく、

 さらにTPPをやるとそういった国家防衛が不可能になり、

 日本の利権をごっそりアメリカに奪われることにもなりかねないわけです。

 この戦記の日本はもう少し余裕があるかもしれません。

 

 信用創造は、お金の移動、または、又貸しのことですが、

 1枚の1万円札が飛び交うことで、1枚の1万円が数十倍から百数十倍の価値を生むわけです。

 信用創造の何がいいかというと紙幣の希少価値を高め、

 札束1000万を運んでアイスクリームを買わずに済むわけです。

 ではタンス預金はどうか。

 銀行家や経済学者は理解しがたいかもしれませんが、

 流通させないことで意外と紙幣価値を高めてる。

 というより余剰国内資本というわけです。

 何よりタンス預金が悪というなら、宗教と政治家は日本の二大悪でしょう。

 日本に個人貯蓄とタンス預金が無かったら20年のデフレで滅びかねなかったわけです。

 ですがいよいよもって市場に出回る紙幣が減り、不安になり、投資も見送りな感じです。

 しかも外国人労働者が日本で働き紙幣を国外に運び出している。

 このまま紙幣が減っていくと自殺の増大だけでなく、

 金を巡っての犯罪が急増し、日本人同士の殺し合いが起きるわけです。

 国民に金をバラ撒き、自殺や犯罪を抑止し、治安を安定させるべきでしょう。

 

 

 問題は銀行口座の紙幣です。

 銀行口座の紙幣は、公定歩合がかかり、保有しているだけで利息がかかり。

 銀行は、利息を得るため、企業投資したり、人に貸すわけです。

 そして、利息込で利益を生まなければ銀行が潰れる。

 なので、爺さん婆さんを騙し、賃貸ビルを建てさせて、潰させて奪ってしまうとか。

 需要もないのに町工場に新型機械を買わせ、ジリ貧に追い込んで潰し、

 町工場ごと奪ってしまうとか。

 銀行行員にとっては、手柄で、ライバル企業にとっては嬉しいのでしょうが (笑

 現実にやってるわけです。

 この銀行がアメリカ国債、ドル、アメリカ株、アメリカ固定資産を買って大損こいて

 さらに円高で回収不能なわけです。

 今、円紙幣をどこが保有してるかというとユダヤ金融資本です。

 TPPでアメリカ資本が何を企んでるかというと、

 銀行の個人口座どころか、タンス預金まで狙ってるわけです。

 この状況を切り抜けるには、お金を刷って、国債を発行せず、国民に均等に配るわけです。

 円札を7並べのように溜め込んでいた勢力は、円を溜め込む意義をなくし、

 紙幣を放出するわけです。

 こうなると円の流通量が増えてインフレが起こるわけですが、

 基本的にインフレを起こすのは、

 独占企業、カルテルの値上げ。

 労働組合(賃金昇給)と資源メジャー(原価上昇)であって、

 所得増加によるインフレは二次的です。

 仮に倍の180円になったところで問題ないわけです。

 問題は、積極財政で外資株保有の大きな日本企業に配る方です、

 こちらは、外資が円札をばら蒔いてしまう可能性が非常に高く、

 下手をすれば企業が値上げを図り、

 意図的にスーパーインフレさせられる可能性が高いわけです。

 しかし、国民に配るなら大半は日本人ですし、

 銀行預金やタンス預金などから徐々に消費に回されることから、

 民族貨幣価値を守り易いわけです。

 

 アメリカ合衆国は自由民主主義どころか、軍需資本主義帝国で、

 金融で国民の首根っこを押さえつけて支配し、軍事力で外国を支配してるような帝国です、

 もし、アメリカ国債を買わず、国内投資を継続し、国民に金をばら撒いていたら、

 もし、アメリカドルを買わず、国内投資を継続し、国民に金をばら撒いていたら、

 もし、アメリカ株を買わず、国内投資を継続し、国民に金をばら撒いていたら、

 もし、アメリカ固定資産を買わず、国内投資を継続し、国民に金をばら撒いていたら、

 もし、政官財がGDPでリベートを取らず、国内投資を継続し、国民に金をばら撒いていたら、

 もし、アメリカ需要に傾注せず、アメリカ以外の国々に投資し、日本の利権を確保していたら、

 火葬戦記 『神火風』は、国家民族経済を守れた日本の戦後です。

 

 

 

 日本・輝夜 (72万ku) 日本・半島

 和洋州 (25万ku) 中国京杭大運河東部域 

 日満州 (100万ku) 外満州 

 扶桑(カムチャッカ・チュクチ)州 (121万ku)

 大和(アラスカ)州 (171万7854ku)

 南洋 (ビスマルク・ソロモン諸島) (78150ku)

  フィリピン バターン・コレヒドール島 日本自治 “桃太郎” 区 (1000ku)

  マレーシア ブルネイ 日本自治 “金太郎” 区 (1000ku)

  インドシナ ダナン 日本自治 “舌切雀” 区 (1000ku)

  インドネシア パレンバン 日本自治 “浦島太郎” 区 (1000ku)

  ビルマ ヤンゴン 日本自治 “因幡の白兎” 区 (1000ku)

  シンガポール 日本人自治 “鶴の恩返し” 区 (1000ku)

 

 2410t級ガトー型潜水艦46隻

 2424t級バラオ型潜水艦26隻

 2424t級テンチ型潜水艦8隻

 

 1360t級エヴァーツ型護衛駆逐艦(21)  1740t級バックレイ型護衛駆逐艦(44)

 1240t級キャノン型護衛駆逐艦(23)  1250t級エドサル級護衛駆逐艦(24)

 1450t級ラッデロウ型護衛駆逐艦(4)  1350t級ジョン・C・バトラー型護衛駆逐艦(24)

 

 “原爆を落とされた人々の世界平和を望む会” 

 広島  賀茂忠行  天光正教  ウリエル  死神ウラン

 長崎  安倍晴明  聖炎主教  サリエル  死神プルト

 

 

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第05話 1949年 『悪魔教 VS 死神教』

第06話 1950年 『長寿と繁栄を・・・ それとも・・・』
第07話 1951年 『胎動、中規模海軍国群』