第13話 1957年 『インフレーショントリック』
政治家と官僚が国益を考え、国家の成長を望む時、民間活力が発揮され、国が繁栄する。
しかし、政治家と官僚がゼロサム理論で私利私欲に走り、
己が地位、名誉、財産を外患を誘致してでも守ろうとすると、
衆愚化教育が始まり、国民を政治・経済から遠ざけてしまう。
無知になった国民から収奪するようになり、邪魔をする者を殺し、奪うか破壊していく、
国家権力構造の末期、
世襲と天下りによる特権層は、国家が疲弊することも厭わないほど強まり、
紙幣発行の金融を私物化し、庶民の反抗を挫くために増税し、再配分先を内輪で取り込み始める。
自由と、公平と、競争が失われ、抑圧、差別、不正により国民を押さえ込んでいく、
圧政と不正腐敗で国民の支持を失うとき、
権力を脅かす政敵を殺し、
仮想敵を捏造し、仲間内で地位、名誉、財産を集約し、社会を統制し、中央集権を構築していく、
しかし、幾ら天下りを増やそうと、貧富と地域の格差が広がるほど、国民は支配層を憎むわけで、
民意を失った国は、裏切りにより内戦で殺し合うか、民衆の暴動により革命に近付くことから、
戦争で誤魔化すため自作自演のテロが起こりやすくなり、外交戦略が危ぶまれていく、
国家が滅ぶとき、概ね。そういった経路をたどる。
清朝末期の軍閥や
幕末明治維新にいたる武家社会と、戦前戦中にかけての日本陸海軍もそれに近い、
戦後日本は、広長閥が支配していた。
それまでの経緯から基幹産業の投資は続いていたものの、
戦功のない者や弊害となった人々は、更迭されていく、
そして、権力を庶民上がり占めていたことから、利権政治に疎く、国民基礎所得法が制定される、
戦後10年にして、第1次建設国債の国民分配が行われた。
戦前戦中ならば、目もくらむような桁だったものの、
一人10000円にも満たない額でしかなく、
戦後は、それまでの明治大正昭和と、全くちがって見えた。
経済成長率は10パーセント代が続いていた。
それは、今年の賃金は前年を上回り、
来年の賃金は今年の賃金を上回るということだった。
当然、いくら預貯金を溜め込んでも紙幣価値は目減りしていく、
しかし、一旦、勢いがついたインフレ政策は止めようがなく、
人々は、遮二無二働くよりなかった。
官僚と広長閥の人たち
「このまま成長率が続くと、預貯金と国民基礎所得を足しても老後は辛いことになりかねません」
「しかし、アメリカ、ソビエト、中国に囲まれては、国家再建をやめられまい」
「しかし・・・」
「どうせ、支払いは10年後だし。建設国債に比例した国民基礎所得の比率をもっと増やすか」
「それは、もう少し、検討しなければ」
「今は臨時の国民基礎所得の分配で補ってるが、戦後直後の大インフレに比べたら大したことはない」
「国民に金を渡すということは、言う事を聞かなくなる政敵勢力を増やすということなのですよ」
「しかしだね。金の力で。我々に逆らえる勢力が現れると思うか」
「「「「・・・・・」」」」
「神火人が一代限りとわかった以上、経済成長はやめられない」
「大和州、扶桑州、日満州、和洋州が独力で自衛出来る程度、投資しないと」
「円紙幣のままインフレを続けると危険なほど桁が大きくなりますが」
「最低賃金が20万0000円を越えた当たりで、宗通貨を発行しよう。それで、2000宗00円になるはず」
「いいですけど・・・」 ため息
大和州マッキンリー山(6194m)
花崗岩の山体は、上3分の2が雪に包まれていた。
日本の国防省は、この山を大和州の国防の中心に据えることに決め、基地建設を進める。
日本人たち
「標高2500mに基地を作るのはいいが、大自然への冒涜な気がするな」
「地下ばかりじゃ やりきれないだろう」
「地下鉄で山頂近くまで乗り上げるんだろう」
「まぁ 山頂にレーダーサイトを作れば300kmから探知できる」
「それに、山を登るのに交通機関を変えるのは非合理的だろう」
「そりゃそうだが」
「6周もくるくる回れば頂上になるよ」
「しかし、大和州どころか、日本最強の総司令部になりそうだな」
「いいんじゃないの、核戦争になっても大丈夫そうだし」
「だけど何百発も直撃食らったら」
「その頃には、アメリカの方が悲惨なことになるんじゃないか」
「まぁ そう云えなくもない」
Mi4ヘリはソビエト製だった。
自重5100kg/全備重量7150kg/最大離陸重量7550kg
全長26.80m×回転翼径21.00m×全高4.40m
エンジン1675hp 速度185km/h 航続距離500km 出力重量比0.21kw/kg
乗員1〜2人 完全武装兵士16名 or 貨物1600kg
この機体をソビエトから大量購入した理由は、国産ヘリの開発があるものの、
レーダーサイトの建設のためで、
山裾まで運び込んだ物資を天候が急変する前に山頂近くの平地に運び込むためだった。
ロープウェーを建設すれば、ヘリは用済みになり、別のレーダーサイト建設に回される。
「なかなか、いい平地じゃないか」
「側壁から側溝を掘って行けたら、ちょっとした基地になるだろう」
「戦後の軍隊は山に登ったり地下に潜ったりが好きだな」
「絨毯爆撃と核被爆の後遺症じゃないかな。特に広長閥」
「徴兵をやめるそうだし、兵力を減らすらしい」
「兵力が少ない時は、地の利を活かせる場所に移動するしかないからね」
「国防省は、ヘリ開発をしないのか?」
「いま、建設国債ばかりで、穴掘りばかりだからな」
「国防予算で入ってこないの?」
「レーダー、ソナー。ジェット戦闘機。装甲列車。潜水艦に集中してる」
「あと、予備役500万制度を取ることになりそうだから」
「小銃500万丁体制か」
「歩兵装備一式と、機関砲、迫撃砲、パンツァーシュレックもつくからな・・・」
「じゃ 正面装備は・・・」
「まぁ そこそこ整備する。たぶん、赤字国債をもっと大きな赤字国債で誤魔化すんじゃないかな」
「それ返せるのか?」
「国民にばら撒いてるお金があるからな。まぁ たぶん、大丈夫だろう」
アメリカ合衆国
砂漠に朝鮮人部隊が集められていた。
白人将兵がヘリコプターに乗り込むと離陸していく、
「白人士官たちはどこに行くニダ」
「師団報告があるから先に行ってろって言ってたニダ」
「しょうがないニダ。行くニダ・・・」
正面上空で太陽の数千万倍の閃光が輝き、
「「「「「・・・・・」」」」」
世界が光に包まれていく、
白い家
男たちが世界地図の周りを囲んでいた。
日本の利権旗が毎月のように増えていく、
「日本の政治・経済・軍事は、原爆投下以前と原爆投下後で大きく違うな」
「ええ、らしくない」
「派閥均衡の常識枠、現状枠で最大の努力をするのが日本人でしたからね」
「派閥均衡を破壊し、現状を改革してしまうような一貫した精神や思想はなかった気がするが」
「利害調整型政治から影の政府支配に移行したような・・・」
「建前と綺麗事を捨て、一級国民の日本人と、二級国民の中国人を分けている」
「絨毯爆撃と艦砲射撃。そして、原爆投下の反動かもしれませんが」
「心理学的にはあり得るかもしれませんね」
「戦争で傷を負ってない、朝鮮人を四川省に追い出しをかけたのも民意と言えるでしょう」
「五族協和や王道楽土なんて理想は、安全圏にいる親方日の丸のプロパガンダで自縄自縛だし」
「直接、痛みを受ける国民は、自傷行為を続けられない」
「庶民上がりが多数を占める広長閥が権力を手に入れてるなら、そういった方向はありえなくもない」
「しかし、それで、漢民族1億2000万人の強制労働とは大変な資源だ」
「日本人は製造、経営関係にシフトしているので、土木建設機械が急速に増大してますね」
「和洋州の中国人で日本人の国籍を取れる人間はいるのか」
「両親片方が日本人でないとむつかしいようです」
「あと、日本の小中高大を出て、日本人と結婚する」
「どのくらいいるのだ」
「毎年百数十人のようです」
「意外といるもんだ」
「問題は、スパイになりたがる人材と接触できないことくらいかな」
「日本で白人は目立つから。黄色人種が頼りだからな」
「こちらで教育した黄色人を日本に送らないと」
「日本は子供が生まれると血液を採血して、10年後に国民基礎所得を渡している」
「血液と住民票の両方で。国民統制を行なってるので、侵入は困難ですよ」
「血液検査を廃止させようという勢力は?」
「血液検査は、国民基礎所得と対になってる制度ですからね。無理かと」
「日本人の中国人労働経営者は増えてるのか」
「ええ、職業訓練学校で中国人雇用ノウハウを教えてるようですね」
「賃金が少なくて済むのですから、金の生る木でしょう」
「低賃金を利用して海外利権を漁っていきやがる・・・」
報告書が届いた。
「日本企業はブラジルとパラグアイ国境の川に水力発電所を作るらしい」
「妨害できないのか」
「例のフィルムが世界中に流れてますからね」
「反米が強まりますし。国民感情で日本と組みたくなるでしょう」
「フィルムを全部、買い取れ」
「買うほど複製されますよ」
「販売店を強盗に襲撃させろ」
「ますます、アメリカが反感を買うだけでしょう」
「それに味方が原因不明で死んでいく者。多数ですからね」
「何としても神火風の正体を探れ」
「本当に死神教が正しいのか疑わしいですからね」
「戦前の調査だと、陰陽師は最初は消極的な占いだったようですが」
「古代、朝廷は、民衆の恨みを買いやすく、呪詛返しを発展させたり」
「天候を予知して操るとか、人を不幸にする呪殺に発展したようです」
「客観的な見方をするなら陰陽師の呪殺と呪詛返しは、朝廷の権威と権力基盤を守るためのブラフで、まやかし」
「大衆操作に過ぎなかったが実態でしょう」
「しかし、死神教の言い分では、陰陽師の結界と式神に至る手順が複雑で不確実性が強く」
「武士階級が強まるにつれて陰に隠れ。明治維新の西洋近代化に伴って闇に潜んだと」
「なんであれだ。原爆投下と、神火風で変わったよ」
「アメリカ国民でさえ、陰陽師に関心を持ち始めている」
「まぁ 神火風の現象と、死神教の呪詛返し説は、説得力があるからな」
「今回の核実験は?」
「核爆発は成功してますがね」
「死神教の結界は張りましたが、呪詛返しは、失敗しています」
「というより、キリスト教にウリエル、サリエルを動かさせるような戦争時代の気運を作り出せるわけがない」
「呪詛の相手である神父、牧師が殺されず。前線の将兵が死んだのはなぜだ?」
「陰陽師の言い分だと、結界による呪詛返しの特徴で、ウランとプルトは、憎しみの総意で考えるとか」
「なので、近い順に波及していったと?」
「「「「・・・・・」」」」
「死神教は、広島長崎の被爆者の異常回復について、なんと言ってる?」
「噂は聞いてる。呪詛と呪詛返しに特異点が生じたかもしれないが、見たことがないのでコメントできないと」
「異常回復の情報そのものを消しにかかってるのか」
「かもしれませんね」
「核実験では、呪詛返しが成功してない。異常な回復力を見せた事例もない」
「じゃ 核爆発で新人類誕生は、偽情報なのか」
「というより、呪詛がなければ呪詛返しもなく、当然、異常回復力といった現象もないのでは?」
「あるいは、日本が神国というイメージを国際的に広げるための偽情報の可能性はありますね」
「噂を流して、そういう現象を見たと言わせた」
「しかし、朝鮮人は、死神教は嘘っぽいが、異常回復の証言は嘘をついてるとはとても思えないと」
「嘘つきのプロが騙されるということがありえるのだろうか」
「朝鮮人が神火風を利用して、もっと金を得ようと嘘をついてるのでは?」
「「「「「・・・・・」」」」」
「じゃ 情報源も、胡散臭い死神教と同じか」
「陰陽師の奇跡も?」
「陰陽師が癌を治したのは事実ですよ。X線で確認しましたから」
「おかげで信者がまた増えた」
「日本が医療で我々より上のはずがない」
「ですが、広島長崎出身者が医療に務める率が多いようですが」
「広長閥は生かすも殺すも自由自在か」
「そうそう、日本で新興宗教の神仁道が強まっているようです」
「神仁道?」
「日本は神の国。日本人は神の民だから、神が守ってくれたのだと」
「彼らは “しんびかぜ” と呼ばず “かみびかぜ” と呼んでるようです」
「ただのオナニー選民教のような気がするが?」
「かもしれませんが日蓮系宗教と並んで勢いがあるようです」
「日本の外交戦略にも影響が出てくるでしょう」
「ふっ 独り善がりな宗教でマイナスになってくれるといいな」
「何人か入り込ませています。ミスリードさせることができるかもしれません」
「日本で、ほかに注目すべきことがらは?」
「大戦の戦訓のようですが、電磁波技術が進んでるようです」
「そういや、日本製の電子レンジを輸入してたな」
「安かったようで・・・」
「アメリカ企業を潰す気か」
「調整してみます」
宇宙(マヌス)島(1639ku)
港湾が整備され、鉄道が建設され、道路網が作られ、街が建設されていく、
宇宙ロケット発射場として開発されていく島は、垂直打ち上げだけでなく、
カタパルトレール射出など研究され、開発されている。
自由都市リューベックから来たドイツ人科学者も少なくなく、日本の宇宙開発に参加していた。
磁石によって浮かぶ飛行機に似たロケットが勢い良く台座から飛び出し、75度の角度で台座から飛び出した。
それは滑空し、数字の書かれたマットに落ちた。
「234mだそうです」
「重心をもっと前に置いたほうがいいのか」
「カタパルトは、物資の打ち上げだけなら100km。人間の打ち上げなら600kmから800kmは欲しいな」
「宇宙島は東西に96kmほどしかないのだが」
「斜坑を掘ってそこから打ち上げればいいだろう」
「地下100kmも穴を掘れるものか」
「掘れないか」
「今のところ、せいぜい、深度10kmくらい」
「じゃ 加速させながら少しずつ角度を持ち上げていくしかないか」
「急角度だと全長も短くなるからその辺も兼ね合いかな」
「カタパルトで、音速まで加速させて射出」
「あとは、ブースターでどこまで持っていけるかだろう」
「大型ジェット機で運んで空中で切り離す方式も結構進んでるし」
「垂直発射方式も研究が進んでる」
「ぼちぼち追い上げないと苦しくなりそうだ」
「山の頂を削って地表でも高度を稼げばいいのでは?」
「まぁ そういう方法もある」
「なんにしても理想的な曲線と飛翔体が完成すれば、実験を繰り返しながら大きくしていく」
「そして、本格的なカタパルトレールの建設工事に入るから、もうしばらく年月がかかるな」
和洋州
1億人以上が第二京杭大運河建設に関わっていた。
幅1kmの平地が海抜下12mまで削られていく、
渤海に流れ込むウーリエ(武烈)河から長江に流れ込む杭州までが京杭大運河で、
北端と南端から次々と浚渫工事を進めて運河に海水を流し込んでいた。
「渤海と東シナ海の水路浚渫は?」
「進んでるよ」
「しかし、上流まで海にするってトンデモ工事だな」
「完成すれば、大陸と和洋州を運河どころか、海峡で切り離せる」
「日満州側とは切り離す必要はないと思うけど?」
「運河に大型船を引き入れるほど利益は莫大になるからね」
「金のためか」
「まぁ 和洋州と日満州は地下鉄と地下道を通せば問題無いだろう」
「1kmのトンネルになったら電気自動車にしたいものだが」
「まぁ その方が安全だろうが、大手自動車会社は電気自動車で競争したがらない」
「電気自動車なら中小企業でもいい勝負ができるからな」
「天下り先は欲しいが。会社なんて大きくしても怠惰な部署が増えるだけだし」
「ほどほどの会社を競合させたほうがいいんじゃないか」
「まぁ そうだろうが、戦争の事もある。最悪でも基幹産業は守りたいからな」
「それに和洋州は大要塞でもないと、安心して移民したがらないかもな」
実験用新幹線車両が疾走していた。
新型車両は、半リニアモーターといえるもので、
既存の新幹線下部に磁石板を取り付け、レールにも磁石板を取り付けていた。
車体を持ち上げることは出来なくても、磁石の反発で接地重量を軽減させ、
速度の向上だけでなく、耐久性をも引き上げることができた。
もっとも、この改造は、1両あたりの製造価格は7000万弱から1億に跳ね上がり、
車両だけでなく、レールにまで及ぶ、
「3分の1の重量で走らせてるようなものだが。意外と悪くない乗り心地だ」
「カーブ部分は、反発を弱くしたほうがいいと思う」
「横風が怖いから側壁を高くしたほうがいいかもしれませんね」
「というより、両サイドから磁力の反発を使って固定させないと危いな」
「また工事が必要ですな」
「計画だと主要幹線は地下に潜るって、地上は支線と待避線に。って言ってるくらいだし」
「いっそ、蓋をかぶせてトンネルにしたいくらいだ」
「装甲列車が困るのでは?」
「ミサイルを発射するから、それは言える」
「軍のスケジュールを組み込むのは面倒で困るよ」
「装甲列車搭載のミサイルって役に立つの?」
「さぁ 戦車より射程が長いらしいけど」
「射程2500kmから50kmまで6種類くらいあって」
「その気になったら中国軍の戦車を全滅させることができるって聞いたこともあるけどな」
「ほぉ やるもんだ」
「だけど、装甲列車も新幹線型の車両だから。中国軍に攻撃されたら民間車両もやられそう」
「中国は、攻撃してくるかな」
「さぁ アメリカやソビエトからいろいろ買ってるみたいだけど」
「アメリカとソビエトは、日本と中国が共倒れしてくれたら万々歳だし」
「日本人も中国人もそれくらい気づいてるだろう」
「だといいが。日本は、おバカな政官財と軍の我田引水のせいで、危なく滅ぼされそうになったからな」
「広長閥は、日本は2度と、戦時国債と増税を目当てにした株価高騰と、対外謀略に乗せられて戦争しないと公言してる」
「大丈夫だと思うけどな」
房総沖
8000t級ミサイル実験艦 “火槌”
甲板に幾つも穴が空けられ、筒が仕組まれていた。
その構造は、タンカーと似ている。
その一つから炎が拭き上がり、5mほどの長さのミサイルが上昇していく、
艦橋
「・・・射程2500kmか。もう戦艦はいらないな」
「問題は索敵力だから」
「そういえば使い捨ての索敵ミサイルも開発していたな」
「あと、核の小型化」
「もっと核実験が必要だな」
「核実験で、例の神火核は現れたか?」
「いえ、現れませんでした。計算通りの核爆発でした」
「地下実験だからかな」
「まさか、都市の上に落とすわけにいかないだろう」
「それに核実験を嫌ってる人間も少なくないようで」
「好きで核実験したがる人間はいないだろう」
「とは言ってもミサイル迎撃となると困難ですから。核兵器の攻撃力に頼るしか・・・」
「神火人でも迎撃は困難か」
「ん・・・ ミサイルを目で追いかけて制御を狂わせるか。自爆させられるなら直撃は、避けられるかも」
「電子妨害や中性子とガンマ線の加熱で?」
「運まかせでも、機械でやるより観念的でやり易い」
「未だに。電子妨害力でアメリカに負けてるとはね」
「おれも、500mを超えると自信ないし。迎撃ミサイルに頼るしかないかな」
「じゃ 核爆発には負けるか」
「核ミサイルで編隊ごと蒸発させてしまうのが得策」
「もう戦争したくねぇ」
陰陽師が原子爆弾の呪詛返しに成功したことが知れ渡ると、
信憑性はともかく、世界中の呪術・神秘学が注目され、息を吹き返していく、
当然、詐欺勢力が加わって産業になり、
そういった組織を母体にした秘密結社も強化されていく、
薔薇十字団でルーン魔術の入団儀式が行われていた。
上位者たち
「死神教のおかげで3倍増しか」
「護符の売れ行きはいいが、死神教に対抗できるか、怪しいね」
「日本の陰陽道なんて、詐欺だよ。詐欺に決まってる」
「死病でアメリカ兵150万。ソビエト兵150万が死んだのも詐欺かね」
「科学的な理由があるはずだ」
「科学的理由を行ってくれ」
「「「「・・・・」」」」
「俺、アメリカで陰陽師の幹部が癌を治してるところ見たよ」
「種も仕掛けもあるはずだ。奇跡などあるわけがない」
「あまり声に出さないでくれ。入団者が減る」
「何人か日本人を入れたほうがいいだろうか」
「ん?」
「ほら、日本人が入会するとさ、そのぉ ルーン魔術のミスティアスが増すんじゃないかと」
「んん・・・そうだな・・・何人か雇ってみるか」
「「「「えぇえええ・・・」」」」
「日本に神火風があるのに。日本人が薔薇十字団に入るってことはだ」
「薔薇十字団のルーン魔術は、力があるってことだろう」
「な、なるほど・・・」
中国四川省朝鮮軍閥
アメリカ軍の武器弾薬が集積していた。
四川省の一角で朝鮮人4000万は地歩を固め軍閥化していく、
アメリカ人たち
「朝鮮人の様子は?」
「なんか、退化し始めてるぞ」
「おいおい。街ぐらいまともに作ればいいのに」
「全部、両班に取られてしまうからな。働く意欲すらなくなっている」
「両班は日本が解体しただろう」
「朝鮮人は封建主義者で、血縁地縁主義者だから両班は簡単に復活する」
「やれやれ」
「軍編成は?」
「日本が旧式武器を渡したようだし。武器だけは多めに持ってきたからな」
「もっと、日用品が必要になるかもしれない」
「ったくぅ 日用品くらい作れ」
「まぁ 日用品でも我々に頼ってくれた方が言う事を忠実に聞いてくれるだろう」
「どうだろうねぇ・・・」
「まぁ 日本に潜入させて、何人か日本人を殺させれば、我々の犬になるしかなくなるだろう」
「まぁな」
アメリカ軍は朝鮮族軍を編成させると、
中国語が得意な対中特殊部隊と、
日本語の堪能な対日特殊部隊を組織させ、
第5列として潜入させようとしていた。
白人が教壇に立った。
“いいか。日本に潜入したら、右翼、左翼、ヤクザ、マスコミ、宗教に潜入して売り込むのだ”
“媚びて媚びて媚びまくって地位を手に入れろ”
“馬鹿どもは権力、主義、思想のため、味方を裏切り、有能な人間を殺し、国さえ売り渡すだろう”
“権力層富裕層を金と女と地位で篭絡しろ、汚い仕事はすべて引き受けて、弱みを握れ”
“カッコウ作戦で、日本人の赤ん坊と、朝鮮人の赤ん坊を取り替えろ”
“上に甘く、下に辛いカースト社会を作るのだ”
“封建的な主従関係を作って弱みを握れ。排他的な利権を作って政府と国民を反目させろ”
“日本国民同士を不信させ、啀み合わせ、憎み合わせ、殺し合わせろ”
“右手で弱者を弾圧したら。左手で弱者を助けて味方にしろ”
“日本で貧富の格差を拡大させ、革命を起こさせろ”
“犯罪を蔓延させろ。覚醒剤をばら撒け、日本を解体するのだ”
「「「「「「あいご〜!!!!!」」」」」」
“死神教に潜入し・・・”
がたっ! どたっ! がたっ! どたっ!
がたっ! どたっ! がたっ! どたっ!
“こら! まて、どこへ行く、戻れ!”
“戻ってこい!!!”
朝鮮人は死病の本体を死神教と思い始めていた。
アメリカ合衆国
シカゴ 聖炎主教
“長寿と繁栄を”
“長寿と繁栄を”
陰陽師と白人企業主
「ずいぶん、信者が増えてるようですな」
「お陰様で、死神プルトも大人しくしているでしょう」
「だといいのですが・・・」
「大丈夫ですよ。呪法は手順がありますし、強い憎しみに感応しない限り、やすやすと動かないでしょう」
「なるほど・・・ 時に・・・ どうでしょう。早速ですが、アメリカ企業に投資なされては?」
「投資していますよ」
「いえ、信者に再分配してるあれですよ」
「あれは、布教の一環ですから」
「しかし、死神・・ いえ、聖炎主教の繁栄を思えば、信者に再分配するなどと・・・」
「別に構わないんじゃないんですか。信者さんたちは喜んでますし」
「もっと有効に使うべきですよ。道を作ったり、図書館を作ったり」
「遊園地を経営したり。ショッピングモールを建てて家賃を取ったり」
「ほかのキリスト教会は、みんなやってますよ」
「それを信者に返してしまうなんて・・・」
「半分しか。返してませんから」
「しかし、信者に献金した以上の金を返してしまうなど、庶民を堕落させてしまうだけですよ」
「日本の開国、幕末、明治維新を振り返ると、議会制民主主義に移行して民意を取り入れるなど」
「国家の堕落だと息巻いていた人たちがたくさんいましたよ」
「国家は、大名家や武士の家系が指導するものだと」
「・・・・・」
「まぁ 確かに議会制民主主義で国家が堕落したのは事実でしたけどね」
「しかし、民主主義のプラスもあった」
「そして、国民の権利は参政権だけでなく、紙幣を持つ権利も民主主義だと思うわけです」
「むろん、それは、それで、堕落するでしょうしょうが。それ以上のプラスもあるわけですよ」
「それが日本の経済成長というわけですか」
「国民は言う事を聞かなくなりますがね」
「国民基礎所得で生活が補填されるなら、死ぬまで生きていけますし」
「権力に固執したがったり、戦争したいわけでもなければ、財政投資より公平ですよ」
「しかし、とある勢力からすると・・・ 日本の金融政策は、少々目障りになってきてるようなのですが」
「アメリカも、金権支配は程々にすべきではありませんか」
「フードクーポンなどと、国民の選択を狭め牧畜扱いしてるとしか思えない」
「日本だって、中国人相手にポイント通貨制を導入してるじゃないですか」
「日本国内でも取り入れ始めていますよ」
「それは紙幣価値を保つため。紙幣をあまり刷らないようにするためでしょう」
「まぁ 確かにそうですがね。在日中国人でさえ、アメリカの低所得者より良い生活をしてますよ」
「まるで社会主義だ」
「陰陽道風に言いますとね。人には、右手も左手も必要なんですよ」
「資本家の国では、低層労働者と失業者がかわいそうだ」
「・・・・お金持ちが信仰を無くすかもしれませんな」
「仕方がないですね」
「・・・・」 ごっくん!
白人企業主は怖々とあたりを見渡す。
15000t級砕氷艦 “富士” は、シンガポールを出航すると機動部隊と共に南下した。
空母からMi4ヘリが空母から飛び立って補給品を先行して降ろし、
砕氷艦が湾に乗り付けると、さらに大量の物資を降ろした。
南極大陸の夏は短かく、わずかな時間で多くのこと成し遂げなければならなかった。
建設部隊と越冬部隊が訓練通り動いていた。
アチラコチラで爆発を起こして邪魔な岩を破壊し、ボーリングが始まる。
平地を作るためにブルドーザーが行き来し、ローラー車で整地され、
建材組み立られ、建物同士をアーチ状の通路で繋いでいた。
ディーゼル発電機に火が点され、風力発電機が回り始めた。
電灯が付き、
外壁は四重で厚く、室内は天井、壁、床下がセントラルヒーティングの内張りになっていて、
からかすかな暖かさが伝わってくる。
神火人たちは作業しながら天候と氷河の様子を見守る。
「白ばっかりか」
「北極圏で多少慣れたけど。草も生えてないのは、流石に味気ない」
「新領土でさえ未開地が多いというのに南極大陸か」
「とっかかりさえ作ってしまえば、あとは年月の問題ってこともあるからね」
「農耕はいつになるやら」
「ディーゼル発電と、風力発電を使ってみるらしいけど、自給自足は、流石にな・・・」
「石炭。油田。鉄鉱石を見つけないこと、むつかしいかもな」
「空から見つけた?」
「いや、氷が厚過ぎて駄目」
「じゃ 出たとこ勝負か」
「いつになるやら・・・」
“東500kmに低気圧発生”
偵察機の無線が直接、聞こえる。
「こっちに来るのか?」
“まだわからないが、逆時計回りのカタバ風だから掠るかもしれない”
「南極の寒さくらいどうということないが、天候が変わる前にやってしまわないと、家が飛ばされる」
作業員と越冬隊の動きが速まっていく、
長崎
東京と並ぶ小・中・高・大学校が建ち並び、
全寮制等、その設備、レベル、規模は、広島と変わらない、
少年は、山口昇一。
本来なら死んでいたはずの場所で拾われ、広長閥の養護施設で育てられた。
そして、運良く戦場から帰還した父親の元に返された。
物心つく頃から放射線を操り、先生役数人と無線交信を始める。
テレビの走査線に付いて学ぶと、自分で折りたたんで映像や音声になるよう工夫した。
コツを覚えるようになると、テレビを見たり、ラジオを聴いたりで、
時々 表情が変わるのを奇異に見られることがあった。
神火人の先生は老練な年寄りや優しげな女性だったことから、柔和に育つことが多く、
14歳になると、広長閥系列のアルバイトだけで生計が成り立った。
学校を終えて、校門を出て行くと、後ろから声がかかる。
「よぉ 山口。おまえ、また、アルバイトに行ってんのか」
「山口。国民基礎所得じゃ足りないのかよ」
「山口。親が借金してんのか」
有力者のバカ息子は取り巻き4人に囲まれて気が強いのか、声をかけてくる。
なぜか、嫌われ、絡まれることが多く、
家の大きさ、親の地位の高さを全てと考えてるらしい。
先生が止めていなかったら1年前に殺していたところだ。
『まぁ この歳で人殺しなんてするもんじゃないか』
我ながら我慢強いと思い始めていた。
しかし、先生たちもいい加減、頭に来ていたらしい、
二、三日前から練習していることがあった。
「山口。逃げるなよ」
「悪いけど。時間までにいかないといけないから」
「中学生でアルバイトなんて、山口は哀れな奴だな」
「「「「あはははは・・・」」」」
山口は、周りに人気のないことを確認すると、
振り向きざまに拳をバカ息子と取り巻きたちに向けた。
子供たちは、一瞬で顔を歪め悲鳴を上げながら逃げ出していく、
“うまい、うまい”
“これがミリ波?”
“そうだ。あまり、やり過ぎるなよ”
“うん”
某重工 研究室
「山口君は、上位者のようだね。年齢で逆算して体表面積で考えると珍しい」
「きっと、満遍なく、たくさん浴びたんですかね」
「赤子の頃、火傷してる上から黒い雨を浴びて、さらに何日も雨水を飲み続けたのかもな」
「覚えてませんけど、それ、ゾッとします」
「なんにしても貴重な存在だ」
「やはり、内定は、宇宙関係になるんですか」
「神火人はどこでも引っ張りだこだからな」
「君の適性もあるし、好き好きもあるから、強制はしないが」
「年齢で客観的に考えると、宇宙関係が望ましいと、大抵の者が思うだろう」
「むろん、安全な仕事もあるがね。特に研究、開発、製造は待遇がいい」
「性格的に宇宙行きの適性があると思いますか?」
「宇宙開発研究所の優先順位は、健康、モラル、協調、先見、想像、知識の順だ」
「まぁ これまでのところ、問題無いだろう」
「仮に問題があっても放射線に強い神火人の特性に比べたら些少に過ぎないからね」
「わかりました。なるべく安全な形の宇宙開発にしてください」
「当然だ。神火人をみすみす失わせるようなヘマはしないよ」
「国家の大損失だからね」
というわけで、父親にアルバイトなんかせず、勉強に専念したほうがいい言われながらも、
大学付属の宇宙科学研究所という御大層な職場でアルバイトを続けていた。
ビルマ (67万5578ku)は、広大な国土と豊富な資源を有し、
独立後は、政治経済行政を構築しながら着実に民族資本を育てていた。
ビルマの資源が “因幡の白兎” に運び込まれ、
日本の商品が “因幡の白兎” からビルマ全土へと送られ、取引量は年々増加していた。
「鉄道、道路建設と水力発電所を発注したらしい」
「またか。いくら中国人労働者がいるからって、無茶やるよな」
「抱え込んでしまったものはな。しょうがないよな」
「この調子で行くと、ビルマは相当な速度で近代化していきそうだ」
「タイ王国の方が10年進んでると思うけどな」
「インドシナもかなり近代化が進んでるらしい」
「インドネシアは?」
「幾つもの島に分かれ、国土が大き過ぎて、統一感がないから手古摺ってる」
「しかし、軌道に乗ったら加速がつくだろう」
「国の小さなマレーシアの方が近代化で有利かもしれない」
「ビルマは前線だったし。意外と陸海空軍の整備も早いかもな」
「ビルマ軍は強くなりそうか」
「ん・・ 一回りしてきたけど、近代戦という感じじゃなかった」
「武器売ってるけど。大丈夫か」
「ビルマは独立して間もないから、戦争する予定はないよ」
「ふっ だといいがね」
「しかし、東南アジア全域に中華街ができそうだな」
「それは嫌だが和洋州の中国人を少しでも減らしたい」
「そういや、イタイプダム建設もやるって?」
「中国人労働者を送り込みたいんだと」
「やれやれだな」
ビルマ
ポッパ山(標高1518m)
タウン・カラット(標高737m)
精霊ナッ信仰の総本山があった。
死神教が失敗した時のための保険が精霊ナッ信仰にあった。
真高と城木は下調べをしながら創作を続ける。
「とりあえず、発端はインパール作戦の生き残り部隊だ」
「彼らは、ビルマで、精霊ナッ信仰の根源となったモノを見つける」
「それは、無事に日本まで運ばれ。参謀本部の地下で研究され」
「力のある36個の石を一定の法則に従って置いていくと、座標にいる人間を殺してしまうことがわかる」
「なぜ?」
「なぜ・・・ なぜ・・・ 精霊の力じゃダメかな」
「もう少し、アメリカ人が納得するようなものじゃないと」
「なぜ、力ある石と法則が存在するのか」
「なぜ、それが、精霊ナッ信仰の根源になったのか」
「なぜ、座標の人間を殺すことが可能なのか」
「なぜ、日本の部隊がそれを手に入れることができたのか」
「せめてこれらのストーリーを作らないと。あと、サイドストーリーも必要だな」
「そうだな・・・ まず、石が何なのかだよな」
「ウランとか?」
「ウランならアメリカも持ってるよ」
「神火核は放射線の種類を変えたり、一定方向に照射できるよな」
「ああ」
「じゃ ある法則で置くと、放射線を一定の方向に照射できるというのは?」
「海の中や山を透過して?」
「それはないな。流石に」
「アメリカ人が確実に躊躇するくらいの説得力がないとな・・・」
「そうだ。ニュートリノだ。ニュートリノなら地球だって通過できる」
「ニュートリノ・・・」
「ニュートリノって人を殺せるのか」
「いやそうじゃなく、ニュートリノを操作して、衝突させて人間を殺すというのは?」
「んん・・・いいけど・・・なんで、そんな遺跡というか遺物があるのかな」
「過去の遺産とか・・・ あれだ・・・ 人類以前の先生代の遺産」
「オカルトかよ」
「まぁ それとなく、科学技術的な要素と辻褄合わせが必要だが」
「オカルトじゃないとアメリカ軍とソビエト軍を300万も殺せないだろう」
「とにかく、死神教は神火人の隠蔽宗教に過ぎないし」
「精霊ナッの魔石や法則だって、神火人を遠ざけるブラフ宗教に過ぎないからな」
「なんにしてもインテリを騙せるくらいの内容じゃないと」
「ほかは進んでるの?」
「サンカと高天原。剣山の古代ユダヤのアーク・・・」
「ん・・どうも死病の原因として弱いな」
「UFO説は?」
「なぜ、アメリカ軍とソビエト軍が攻撃されて。日本人が攻撃されないのかわからない」
「そうだ! アメリカ軍の内部犯行説は?」
「内部犯行・・・」
「アメリカ軍が化学兵器と細菌兵器で日本を攻撃しようとしたら、それが漏れた」
「いいねぇ・・・」 にやり
「アメリカ政府はそれを隠している」
「おぉおおお〜」
「しかし、どうして、アメリカ軍が死ぬんだ」
「だから事前に飲んだり食べたりした防毒薬で死んだことにすればいいじゃないか」
「・・・あぁ・・・ ソビエト軍は?」
「あ・・・・」
「まぁ それらしい痕跡を残しておけばいいか」
「ここは強引にアメリカはソビエトに供給した食料にも防毒薬が入っていたとか」
「おぉおおおお〜」
「しかし、アメリカはそこまでやるのかな」
「やるだろう。先住アメリカ人4000万人を殺戮したのだから」
「んん・・・ そうなると、死神教の存在価値が減って危なくなるんじゃない」
「だからアメリカ軍の防毒薬死亡説の風評を流し。アメリカに死神説と防毒死亡説の二者選択を強いる」
「おぉおおお〜」
「ソビエトも満州敗走をアメリカのせいにできたら共産党は安泰だ」
「よし! よし! よし! アメリカがどっちを選択するか楽しみだ」
「アメリカは、軍の不祥事を公認するくらいなら、死神教を支持するはず」
「ああ、勝った。俺たちはアメリカに勝つぞ」
「よし、じゃ どうやって、防毒死亡説の風評を流すかだ」
「当然、どこか、第三国がいいな」
「うんうん」
「」
「」
「」
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月夜裏 野々香です。
国土が広いので、史実の10倍(200年)くらいインフレを続けるつもり、
建設国債は、10パーセントずつ増えていきます、
1947年1兆円、1948年1兆1000億、1949年1兆2100億、1950年1兆3310億、
1951年1兆4641億、1952年1兆6106億、1953年1兆7716億、1954年1兆9488億、
1955年2兆1436億、1956年2兆3580億、1957年2兆5938億といった形 (笑
ちなみに10年だと、
1967年6兆7275億、1977年17兆4495億、1987年45兆2593億、
1997年117兆3909億、2007年304兆4817億、2017年789兆7470億、
軽く史実を超えて、累積すると、とんでもない金額になりそうです。
と言っても10年前の建設国債を 1957年2兆5938億 - 1947年1兆円
2017年789兆7470億 - 2007年304兆4817億 って、償還して発行するので、
実質 1957年1兆5938億 2017年485兆2653億 となるわけです、
いわゆる、国家財政のインフレトリック。インフレーションマジックってやつです。
とはいえ、建設国債10年分は、大きな金額です。
当然、インフレも進むので、
“円通貨” → “宗通貨” → “恵通貨” → “界通貨” → “凰通貨” → “新円通貨” って
なってしまいそうです (笑
たぶん、1987年あたりで宗通貨発行で45兆2593億円 → 4525億9300万宗 になりそう。
だいたい10パーセントの成長率だと40年から50年くらいで新通貨発行でしょうか
ちなみに2007年の国民基礎所得は、1997年117兆3909億の20パーセントなので
23兆4781.8億で、人口で割ると年20万円くらいか、
物価を考えると、老後は、やっていけないので追加国民基礎所得は2倍で推移しそう。
建設国債を続けるなら、それくらいの規模で業界格差を埋めないといけないかもです。
ていうか、この戦記でやります、って、そこまで続けないけど (笑
日本・輝夜 (72万ku) 日本・半島
和洋州 (25万ku) 中国京杭大運河東部域
日満州 (100万ku) 外満州
扶桑(カムチャッカ・チュクチ)州 (121万ku)
大和(アラスカ)州 (171万7854ku)
南洋 (ビスマルク・ソロモン諸島) (78150ku)
フィリピン バターン・コレヒドール島 日本自治 “桃太郎” 区 (1000ku)
マレーシア ブルネイ 日本自治 “金太郎” 区 (1000ku)
インドシナ ダナン 日本自治 “舌切雀” 区 (1000ku)
インドネシア パレンバン 日本自治 “浦島太郎” 区 (1000ku)
ビルマ ヤンゴン 日本自治 “因幡の白兎” 区 (1000ku)
シンガポール 日本人自治 “鶴の恩返し” 区 (1000ku)
日本海軍
第01機動部隊
空母 白鳳(ランドルフ)、海鳳(ハンコック)、雷鳳(タイコンデロガ)
戦艦 薩摩(ミズーリ)、駿河(ウィスコンシン)、
重巡 穂高(セントポール)、
軽巡 八瀬(ダルース)、黒部(サンタフェ)、白萩(モービル)、河津(ビロクシー) 駆逐艦18、
第02機動部隊
空母 蒼鳳(アンティータム)、幻鳳(シャングリラ)、慶鳳(ボノム・リシャール)、
戦艦 因幡(アイオワ)、播磨(ニュージャージー)、
重巡 蔵王(ボストン)、
軽巡 天白(オクラホマシティ)、三原(アムステルダム)、日高(マイアミ)、天神(パサデナ) 駆逐艦18
2410t級ガトー型潜水艦46隻
2424t級バラオ型潜水艦26隻
2424t級テンチ型潜水艦8隻
1360t級エヴァーツ型護衛駆逐艦(21) 1740t級バックレイ型護衛駆逐艦(44)
1240t級キャノン型護衛駆逐艦(23) 1250t級エドサル級護衛駆逐艦(24)
1450t級ラッデロウ型護衛駆逐艦(4) 1350t級ジョン・C・バトラー型護衛駆逐艦(24)
ジェットエンジン
直径40cm級流星エンジン 直径60cm級彗星エンジン
直径80cm級蒼星エンジン 直径100cm級紅星エンジン
“原爆を落とされた人々の世界平和を望む会”
広島 賀茂忠行 天光正教 ウリエル 死神ウラン
長崎 安倍晴明 聖炎主教 サリエル 死神プルト
第13話 1957年 『インフレーショントリック』 |
第14話 1958年 『戦争したいから不況にするの』 |