月夜裏 野々香 小説の部屋

    

天ぼた系 火葬戦記 『神火風』

 

 第16話 1960年 『事大賊党 VS カオス・クライシス』

 

 地球生態系の頂点に達した人類は、生態系を狂わせる存在となり

 人類を淘汰する人類組織が形成されていく、

 その最右翼が白色人種であり、アングロサクソン人種とハザール人種といえた。

 彼らは軍事力と謀略によって世界を植民地化し、

 貸し借り強奪型金融システムで、紙切れと現資産を交換しつつ、

 世界支配を推し進め、全てを成功させる趨勢にあった。

 障害となった白人種のゲルマン人種を撃退し、スラブ人種を封殺しつつ、

 黄色人種の漢民族種と日本民族種の殲滅に取り掛かった。

 

 計画は、支配欲を利用し、金融支配によって貧富と地域の格差を広げて国民を分断し、

 戦争、内戦、革命を繰り返させた。

 そして、九分通り成功しかけた終盤、

 戦後支配を確かなものとするはずの原爆投下は、放射線と電波を自在に操る神火人を広島と長崎に誕生させてしまう。

 神火人は、アメリカ軍の大規模侵攻を押し返すだけでなく、ソビエト参戦による侵攻すら挫いて押し返した。

 もはや、アメリカ人とロシア人は、自己の命を保つために日本との講和を求め、

 大幅に譲歩し、大敗と行ってもおかしくないほどの国土を日本に譲渡することになった。

 

 神火人は、試行錯誤しながらも日本の権力基盤を掌握し、食指を海外へと伸ばした。

 神火人は、多くが庶民上がりで、その気質が残されていた。

 日本に寄生していたユダヤ金融権力構造は覆され、

 東アジアの白人支配域も大きく後退させられてしまう。

 

 一方、欧米列強の支配層は、世代を重ね世襲化し、天性の才能が失われ、

 先祖伝来の矜持は、都合のいいように改竄され、努力を惜しみ、心を内を怠惰とエゴが支配していた。

 詐称、暴力、金権、陰謀など、独善的な支配を推し進めており、

 日本に大敗して後退させられたものの、人類支配は諦めておらず、反撃が目論まれていた。

 

 

 四川省朝鮮軍閥で、朝鮮民族諜報工作軍 第五列 事大賊党が結成されていた。

 目的は、各国の支配層に擦り寄り、被支配層を押さえつけ、

 貧富格差、地域格差、同胞不信、分断工作、造反反乱、国賊と売国を煽り、

 犯罪を増長させ、社会を混乱せしめることだった。

 国家の獅子身中の虫と言える集団だった。

 しかし、不正特権を維持し被支配層の掌握を望む層に需要があり、

 蛇がとぐろを巻く旗は、事大賊党を象徴する。

 すなわち、彼らの資質は、旧約聖書に現れた “年老いた蛇” の血脈を受け継ぐ、

 手と足がなく、自ら生産することなく、生産する者と生産したものを貪欲に捕食していく、

 そして、彼らの勢力は現時点においても “年老いた蛇” なのである。

 蛇がとぐろを巻く旗は、ユダヤ金融思想を体現した組織で、世界支配の尖兵軍だった。

 

 白人司令官が壇上に立った。

 “朝鮮人は、決して孤立していない。小さくもない”

 “目標を持って大同団結すれば巨大な塊となって、各個撃破で個人を押し潰せるだろう”

 “全世界衆愚化を推し進めよ”

 “権力に沿って権力者をミスリードさせ、彼らの人民支配を助けよ”

 “マスメディアを支配し、大衆を無知化させ、倫理道徳を破壊するのだ”

 “人の思考を大局的な政略から中局的な戦略へ移行させ”

 “中局的な戦略は小局的な戦術へと移行させるのだ”

 “視点を下げさせ、視野を狭めさせ、視点を固定させ”

 “高潔を殺し、大衆を衣食住と性欲に駆り立て、世俗へ導くのだ”

 “人と人を不信させ、バラバラにし、各個撃破すれば恐れるものはない”

 “朝鮮人は、世界支配の尖兵となるのだ”

 “これを見よ”

 映像がスクリーンに映されていた。

 柵の中に猿がいて、豊富な食料を食べていた。

 映像が進むにつれ、猿が増えていく、

 しかし、あるときから徐々に食料が減らされていく、

 食料を巡って猿同士の諍いが起こり、

 ある猿は肥え太り、ある猿はやせ細って、死んでいく、

 食料が減らされるにつれ、諍いは激化し、猿は殺し合い共食いさえ起こっていく、

 “これは、食料だけではない、人間社会は金でも起こせるのだ”

 “このことを知っている者と知らない者とは、全く違う人間なのだ”

 “これを全世界で展開し、懐を懐を肥やし、権力を手に入れるのだ”

 “諸君の健闘を祈る”

 “整列するニダ”

 「「「「「「ニダー」」」」」」

 “全世界に組織を作るニダ”

 「「「「「「ニダー」」」」」」

 “クライアントは、全世界の上層部だから安心ニダ”

 「「「「「「ニダー」」」」」」

 “左右対立。貧富格差対立。宗教対立。民族対立。権力対立。言語対立”

 “すべての対立を利用して伸し上がるニダ”

 “両対立の頂点に立って戦いをコントロールするニダ”

 “地位と名誉と財産を掌握するニダ”

 “格差を拡大し、不信を増長させ、不況を起こすニダ”

 “社会不安を煽って戦争を起こして権力を握るニダ!!!”

 「「「「「「ニダー」」」」」」

 “漁夫の利ニダ!”

 「「「「「「ニダー」」」」」」

 “意思のあるところに力は働くニダ!!”

 「「「「「「ニダー」」」」」」

 “四川牢獄から脱し、祖国に帰還し、日本を植民地にして併合するニダ!!!!”

 「「「「「「ニダー」」」」」」

 “そして、日本人を奴隷にしてやるニダ!!!!!”

 「「「「「「ニダー」」」」」」

 “それでは、人事異動を発表するニダ”

 「「「「「「ニダー」」」」」」

 「今年は、中国45人。ブラジル15人。インド12人。アメリカ8人。日本・・・」

 

 

 

 “原爆を落とされた人々の世界平和を望む会”

 東京千代田区永田町にある7階建ビルが日本の権力の中枢であることを知る者は少ない。

 広長閥は、貴族院の与野党のどちらにも人材を派遣し、事実上支配していた。

 衆議院は、新参が占めたものの、多数派工作に成功している。

 関係者たち

 「遷都するって?」

 「ああ、まぁ あれだよ。広長閥の都合のいい感じにしないと」

 「たしかに皇居は、明治維新以降、徳川幕府の居城を間借りしてる形だからね」

 「天皇の皇居を作るのは悪くないよ」

 「それで、どこに移転するって?」

 「人口を移動させてから押さえたほうがいいらしいが」

 「軍事的には大和州マッキンリーらしいけど」

 「冗談。本州にするらしいよ・・・」

 

 誰かがビルの中に入ってくる。

 「権力の忠実な番犬はいらないニカ?」

 「「「「・・・・」」」」

 「ご主人様のためならなんでもするニダ」

 「「「「・・・・」」」」

 「本当ニダ。権力金持ちクラブを国民から守ってみせるニダ」

 「国民基礎所得は、日本国民を経済的に独立させてしまう制度で支配の障害になるニダ」

 「世界中でそんなことしてるのは、日本だけニダ」

 「すぐにやめるニダ」

 「あ、あのぉ ここは、広島長崎の被爆者の互助会なので・・・」

 「な、なにか、勘違いしてるのでは?」

 「大丈夫ニダ。秘密は守るニダ。どんな汚い仕事でもするニダ」

 「い、いや、特に必要としてませんけど」

 「そうニカ・・・ 残念ニダ・・・ でも連絡先だけは、教えておくニダ・・・」

 男たちは紙切れを置くと去っていく、

 「よくもまぁ 嗅ぎ付けたもんだ」

 「あいつら、昔しから権力と金の流れには、独特の感性を持っていたからな」

 「薩長閥も維新内戦と西南戦争で日本人同士で殺し合ったからつい伊藤博文暗殺で使ったのが運の尽き」

 「そのあと、ズブズブだったんだろうな」

 「国外に追い出せよ」

 「だけど、神火人は殺生を嫌がり始めてるし。同じ日本人を殺すのはもっと嫌だろうしな」

 「だから情報戦略で世論操作してるんだろう」

 「ていうか、追い出しても、追い出しても湧いて出てくるんだよね」

 「・・・どこからか、入ってくるんだよな」

 「旧薩長閥の縁故で、外交ルートじゃないの、弱みを握られてるらしいから」

 「まぁ 多分ね・・・」 ため息

 壁越しのマジックミラーに数人の白人と朝鮮人がいるのが見えた。

 「もうユダヤ人と朝鮮人は、同類人格かもな」

 「ハザール人がユダヤ人に成り済ましてるし。朝鮮人も日本人に成り済ましてるし」

 「精神の発露っていうか、ベクトルが同じだな」

 「特権産業もそうだが、連中の侵食を許すと、タブーが増え、嘘がまかり通って、自由な発言ができなくなる」

 

 

 

 

 ユーゴスラビア

 日本の外交団がチトー大統領と接触していた。

 チトーのカリスマだけで国家体制が支えられていたに過ぎない連合共和国だった。

 日本政府は、チトーの支配に協力することで利権に食い込み、

 ユーゴは、核の抑止力に関わる日本人の協力を些少なりとも得られ、

 鉄道、通信、推力発電などの公共工事などで国力を増強させることで、欧州日陣営の発言力を強めた。

 ベオグラード

 男たちが杵を振る。

 臼の餅米は潰れ捏ねられ、白い塊になっていく、

 女性たちが水を足しながら餅を捏ね、

 出来立ての餅を臼から上げると、台で細かく取り分けていく、

 死神教は、日本の伝統料理でユーゴ人の懐柔工作をしていた。

 日本人たち

 「一回りしてきたが、綺麗な国土だな」

 「山がちだし、欧州の田舎って感じか」

 「これだけ自然が豊かなら、もう少し、近代化してもいいのだが」

 「7つの国境、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字、1つの国家」

 「バラバラだからな」

 「だけど、民族主義者がこれほど弾圧される国は珍しい」

 「大統領のカリスマ性と共産思想で、バラバラの国をまとめてる、しょうがないんじゃないか」

 「というより、文化背景を思想統制で越えられるか実験してる節もある」

 「まぁ 憎み合う5民族、4言語、3宗教、2文字を掻き混ぜなきゃならんのだから大変ではある」

 「インドほどじゃないよ」

 「他人ごとだからってわけじゃないが、成功させたいような気もする」

 「大統領派でユーゴスラビア全域をカバーするような部分で介入はできそうだけど」

 「父方のクロアチアと、母方のスロベニアが基幹産業を抑えてるのか」

 「近代化で遅れてるし。反発があるから全部というわけじゃないな」

 「日本人が膠役をやればいいんだっけ」

 「土木建設機械と、中国人労働者を使えるから、邪魔さえなかったら、公共工事は早くやれるよ」

 「まぁ 言語、人種、文字が増えるだけという気もするが」

 「仕事だけの関係なら大丈夫なんじゃないか」

  欧州日陣営兵器がユーゴスラビア軍に配備されていく、

   空軍 サーブ35ドラケン(直径60cm級彗星607型エンジン2基)

   陸軍 40t級Strv103戦車

   海軍 1800t級UボートXXX型

 

 

 

 欧州日陣営 トルコ

 40t級Strv103戦車が荒地を疾走していた。

 開発はスウェーデンだったものの、

 設計と部品の一部は、リューベック兵器廠と日本兵器廠が関与していた。

 主砲は63口径105mmFlaK38砲が搭載され、油気圧式懸架装置が改良されていた。

 400hp級ディーゼルエンジンと、

 インホイールモーター1基20kw/12基360kw (326馬力)

 ハイブリットエンジンの組み合わせで、短距離なら無音移動も可能だった。

 日本外交武官たち

 「いい戦車じゃないか」

 「待ち伏せ用なら悪くないな」

 「しかし、国情を考えると、トルコに向かないかも」

 「乗員が少なくて済むから、そのへんは、なんとかなるんじゃないかな」

 「そう、いえなくもないが砲塔がないからな」

 「車体を隠せて、敵戦車を誘導する地の利があって、数を揃えて待ち伏せないと」

 「1対1ならともかく、戦線が突破されて、多対多の混戦になると負ける」

 「長射程だから混戦になる前に2両くらいやれるんじゃないか」

 「だといいけど・・・」

 「Strv103戦車は、日本でも配備できるのでは?」

 「車高を低くするため、縦にすりゃいいものを横にしてるから幅が3.6mある。鉄道に載せられないよ」

 「そりゃ致命的だわ」

 「しかし、戦車は、戦車の性能を追求して開発しないと」

 「鉄道に制約されたら展開が早くても戦車戦に勝てない」

 「だいたい、いつまでも捕獲戦車はよくないだろう。Strv103戦車が益し

 「そうなんだけど、日本は、国土開発を優先して、土木建設用重機ばっかり作ってるからな」

 「和洋州を中国大陸から切り離そうなんてするからだ」

 「だけど、日本人の大陸移民は確実に増えてるよ。人口も増えてるし」

 「教育の中身が大切なんだけどね」

 「ふっ 分母の人口が増えれば、分子の優秀な人間は増える」

 「天才なんていうのは、分断教育で、少数精鋭で作るもんじゃない。現れるものだからね」

 「あとは、押さえ付けて殺さず、上手く、引き出して生かすことじゃないか」

 「問題は天才が広長閥の味方になると限らないことだろう」

 「確かに・・・」

 「だけど、戦車を開発してるって聞いたぞ」

 「そういや、核開発局と歩兵装備局の連中がブツブツ言ってたっけ」

 「そりゃ 歩兵が手持ちできる成形炸薬弾で戦車を撃破できるんじゃ ブツブツいうだろう」

 「対成形炸薬弾装甲を開発してるらしいよ」

 「期待できそうなの?」

 「さぁ 又聞きだから」

 「まぁ そのくらい言わないと戦車開発させてもらえない空気なんだろう」

 「それはあるな」

 日本は、欧州日陣営を形成するだけでなく、捕獲した武器の売却も始めていた。

 軍需産業は製造ラインを増やし、独自兵器体系の開発と構築を徐々に進めていた。

 

 

 和洋州

 潮風が内陸を流れていた。

 人々は釣りに興じたり、運河沿いの公園でくつろいだりしていた。

 等身大で付き合う漢民族は、政府がいうような脅威を感じられない。

 むろん、通州事件が教科書に載せられ、

 日本人の一部は、個々に態度を硬化させることがあった。

 しかし、漢民族が誠実さをみせ、約束を守るなら、付き合いは広がっていく、

 むろん、特高が監視しており、カルテルのような排他的特権が形成されそうになると警告される。

 日本人と漢民族の違いは、参政権と国民基礎所得の格差があるだけといえた。

 ポイント通貨制は、和洋州と日満州で始まり、金を介在させない生活に支障ないことから、

 日本人も利用している。

 産物ポイントが放射線測定や機械式で判別されるようになると、

 ポイント係に裏工作ができなくなり、漢民族も真っ当に働き始めた。

 

 

 

 国境都市天津

 海水が運河に流れ込み大陸と和洋州を広大な運河が隔て、

 大型船が行き来し、物資を荷揚げ、降ろしていく、

 日本から来た旅行者たち

 「すげぇ 本当に海水だ」

 「和洋州を大陸から切り離すとか、馬鹿なことをすると思ったけど」

 「本当にやってしまう真性が怖いわ」

 「漢民族1億人の労働力で2500kmを割ると、40000人/1kmだからな」

 「土木建設機械の数もあるが単純に年月の問題でもある」

 「山岳域は、まだ残ってるよ」

 「終わった重機を回してるから時間の問題だろう」

 「全通したら海流は北から南に流れるらしいから上海が少し涼しくなるらしい」

 「第二京杭大運河が完成すれば大型船が直接乗り入れられるから運河に面した岸は、発展するだろうな」

 「だけど、壮観な光景だな」

 「でも地下鉄で和洋州と中国が繋がってるから漢民族の侵入は、変わらなかったりして」

 「一応、入国審査できるだろう」

 「まぁ 出入りを管理できるのは救いだけどね」

 

 

 

 

 重慶軍閥

 アメリカとイギリスの資本が入り込み、徐々に浸透していた。

 アメリカ資本は、労働階層を弱体化させるため国外に労働生産力を求めており、

 当初、日本企業の商品を購入していたものの、

 日本の国力が増してくることから労働生産国を中国軍閥に切り替える戦略をとっていた。

 しかし、中国軍閥は信用できず、治安も悪いことから産業コンツェルンのマフィア化が進み、

 マフィアが産業構造を管理しているような社会だった。

 店頭に扇風機、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジなどの日本商品が並ぶ、

 日満州と和洋州から漢民族が帰国すると、

 日本から送られてくる商品を売却することで生計を立てることができた。

 「凄い品数ある」

 「ポイント通貨が残ってるからあと5年は日本の商品を取り扱えるある。大儲けある」

 「その後は、どうするある?」

 「日満州と和洋州から戻ってくる漢民族を雇って、ポイント通貨分を輸入するある」

 「ずっと続けることができるある。店も大きくできるある」

 「羨ましいある。日本に行くある」

 「だんだん難しくなってきてるある」

 「きっと、どこかに抜け道があるはずある。和洋州に行くある」

 「通州小町に気をつけるある」

 「通州小町?」

 「通州事件で殺された手まりを持った浴衣少女の亡霊ある」

 「同胞が何人も殺されたある。とっても怖いある」

 「「「「・・・・」」」」 ごっくん!

 

 

 

 

 大和州

 マッキンリー山脈の南側の平野は、東西を山脈に囲まれた広大な平野が広がっていた。

 上流には、巨大な水力発電ダムが建設され、

 当初から地下鉄と地下街と上下水道を計算した区画整理がなされ、計画都市が建設されていく、

 工事が進むにつれて日本人の人口も徐々は増え、

 街はイルミネーションが増え、彩りが豊かになっていった。

 しかし、それは街の中心だけで、周辺は大自然に囲まれていた。

 日本人たち

 「ついに製鉄所も完成か、極地の世界で工業を自立させそうだな」

 「あまり、産業を大きくしても売れないと赤字になるよ」

 「そうなったら、予算という補給を受けられても売れず、設備投資そのものが不良債権になってしまう」

 「どこかのバカがデフレをやり始めたら前線に送り出された産業は、予算という補給を絶たれ壊滅する」

 「そこまで馬鹿な奴はいないだろう」

 「南洋で補給切れにされて、アメリカ軍に殺戮されそうになった記憶があるし、大本営発表は信用できないからな」

 「いまの広長閥は、少しましな気がするがな」

 「神火人は怖いがね」

 「ときに、大和州はアメリカに近いから危ない気がするが」

 「大和州は寒冷地だから意外と守りやすいと思うよ」

 「だといいけど」

 「特にマッキンリー山は世界最強の要塞になりそうだし」

 「でも兵隊がな」

 「日本全体で予備役500万人分の装備を準備するんだろう」

 「日本の正規軍をやれても、武器を放出したらアメリカ軍やソビエト軍も撤退するしかなくなる」

 「そうしたいのは山々だけど、予算がね・・・」

 

 

 

 日本 某病院

 医者が首を傾げ、レントゲン写真を見つめる。

 重度の胃癌と言われていた男は、沈んだ表情で、進行する癌を気にしていた。

 「治ってますね」

 「はぁ?」

 

 日本医療は、二重構造になっていた。

 一つは、人口比・距離比で病院を配置した国家公務員制軍隊構造、

 もう一つは、民間医療を中心にした業者だった。

 これは、一部の無資格の神火人が暇潰し、小遣い稼ぎで放射線医療に関わり始めたからで、

 杓子定規な資格制度を中心とした大学医療制度と衝突したからだった。

 無論、国益だからと、大学医療を中心としたヒエラルキーに入っていく神火人もいた。

 しかし、正規の医療学、実務をすっ飛ばしてるのか、酔狂者になりやすく、

 西洋医学と派閥と先任で凝り固まった大学医療制度と相性が悪く、

 731部隊出身の医者と敵対関係になっていく、

 神火人は執刀せず、癌細胞を殺すことができ、

 上位になると、通りすがりの癌患者を擦れ違いざまに直せるほどだった。

 大学医療も、民間医療に引っ張られる形で、放射線医療を取り入れたものの、

 放射線制御は、神火人に劣り、勝てないでいた。

 早い話し、軍事力や政治権力だけでなく、

 医療の分野でさえ、ヒエラルキーの権威が崩壊していた。

 

 

 何人かがブツブツ言いながら下町のマッサージ院を出ていく、

 「なんか、さっきの人たち。怒ってたみたいですよ」

 「ああ、軍の施設にこないかって誘われてね。断ったら怒ったわ」

 「あはははは・・・ それは困る」

 「もう、この街に根っこが生えましてね」

 「助かるねぇ ・・・なんか、照明を変えたね」

 「健康にいいそうですよ」

 「本当かい?」

 「そういう噂ですよ」

 「なんだ」

 

 

 

 紅海に面したジェッダ港にサウジアラビア海軍が配備されていた。

 サウジアラビア機動部隊

  空母マッカ(イントレピッド)、リヤード(レキシントンU)、 軽空母アスィール(カウペンス)、

  戦艦マディーナ(ワシントン)、ジーザーン(ノース・カロライナ)

  重巡ジャザン(ウィチタ)、

  軽巡アル=ジュバイル(アストリア)、ヤンブー(アトランタ)。

  軽巡タブーク(サンフアン)。ナジュラーン(コンコード)、サーダ(トレントン)、駆逐艦12

 サウジアラビア機動部隊は訓練が進むにつれ、練度が高まり、

 インド洋で演習ができるまでになっていた。

 日本軍事顧問団の人たち

 「これが新型ミサイル機か・・・」

 それは直径40cm級流星エンジンを取り付けた戦闘機型の自律ミサイルだった。

  槍弓(そうきゅう)

   重量4000kg 

   全長10m×全幅9m×全高4m 翼面積20m

   推力1800kg  速度1300km/h  航続距離2000km  弾頭500kg

 「無人なのに大丈夫なのか」

 「敵艦のいる海域さえわかれば、発艦させれば勝手に飛んでいく」

 「それに目標海域がわからなくても誘導機に従って付いていく」

 「そして、自分で敵艦を発見して襲撃する」

 「誘導機は、震電改型でいいのか?」

 「ああ、戦闘機は空対空だけに注意すればいいから楽だ」

 「まぁ 偵察機が発見してから発艦させても十分に合う速度と思うがな」

 「こんなの後進国に売って、大丈夫なのかね」

 「電子装備は古いものを使ってるから、それほど脅威じゃない」

 「いや、十分驚異だろう。大戦中の機動部隊なら壊滅してる」

 「しかし、よくもまぁ 売ったもんだ」

 「たぶん、蒼雷も売るんじゃないかな」

 「おいおい」

 「原油利権はそれほど大きいってことか」

 「使い切れないぐらい油を買って廃坑の再利用で備蓄してるらしい」

 「本音は採算性が悪くなった炭鉱をさっさと廃止したいらしいけど」

 「あと、シールドマシンで穴掘ってるだろう」

 「人口が少ないから地下鉄を作っても採算が取れないトンネルに石油を入れておくらしい」

 「穴の掘り過ぎなんだよ」

 「中国人労働者がいる間に土建をやってしまおうってことだろう」

 「それで、日本人を製造にシフトさせているわけか」

 「原油が水より安ければ工作機械を動かし易いし、製造単価も少なくて済む」

 「重機を動かす燃料も安いし。中国人労働力もいるから地下鉄を掘り易い」

 「早い話し、今のうちってことね・・・」

 震電改がカタパルトを発艦していくと、ミサイル機が続いて発艦していく、

 「上手く、誘導できるかな」

 「付いて行くだけだから、なんとかいけるでしょう」

 「日本は成功してるんだろうな」

 「配備されてるけどね。垂直発射型ミサイルとどっちがいいか考慮中だよ」

 「格納庫を柔軟に使うなら全通格納庫だから垂直発射型ミサイルより、艦載機型ミサイルかな」

 「だけど、両艦舷のサイロを増やして、垂直発射ミサイルがいいって派閥も強いからな」

 「垂直発射方式だから、即応性が難しいところだな」

 「ところで、新型空母は建造するのか」

 「予算折衝中じゃないかな」

 「サウジアラビアが高額兵器を買ってくれたら、建造できるかもしれないけどね」

 「買ってくれそうなのは、産油国のイラクとイランのような気がする」

 「国防意識が強いところは買ってくれそうだけど、部族意識が強いと、海洋より、内輪ごとだしな」

 「しかし、イギリス利権は縮小中だから日本の利権が食い込めそうだ」

 「邪魔されてるけどね」

 

 

 

 イランは、カスピ海を囲んでソビエトと国境を接していた。

 産業を中東石油に依存する日本にとって、イランの軍事的独立は悪くなく、

 イランの北辺防衛に協力していた。

 日本の重機が輸出され、建設業者と共に中国人が作業をしていく、

 イラン軍は、地下網を張り巡らした拠点に駐屯地を作り、パンツァーシュレックの訓練を繰り返していた。

 日本軍事顧問団

 「イランは戦車を欲してるようだ」

 「そんなに戦車がいるのかね」

 「カスピ海に面した平地は穀倉地帯だから取られたら取り返さないとまずいだろうし」

 「取り返すとなったら戦車だからね」

 「待ち伏せ用ならStrv103戦車は? たしか日本製部品も使ってるだろう」

 「できるなら日本製戦車を売りつけたい」

 「戦車は開発してたっけ?」

 「開発はしている」

 「開発はしているが、成形炸薬弾に耐えられるわけじゃない」

 「まぁ それでも戦車が欲しいようだ」

 「そんなに戦車がいるのかね」

 「上層部は忘れがちだが、他国の国防は神火人がいない恐怖があるのだろう」

 「ふっ 国防省も知らず知らず、神火人を戦力に入れちゃってるよな」

 「産業用国土開発と、国防用の地下網は、ついでにやれるって部分があるからね」

 「要は、戦車か重機かって選択肢になるな」

 「だけど、イランは、イラクやパキスタンと犬猿の仲になりそうな風潮があるけど」

 「どうせ、アメリカかソビエトの分断工作だろう。あと、中東油田権益を持つ日本への嫌がらせだな」

 「日本も日清戦争、日露戦争、日中戦争って、代理戦争やらされたからいい加減懲りた」

 「なんとか、仲介して矛を収めさせてくれ」

 「まぁ 両国には戦車を買うより地下網を広げたほうがいいとは言ってるがね」

 「でもイスラエルと戦争したがってるよ」

 「やれやれ・・・」

 

 

 イラク バクダット

 地下30mにトンネルがシールド工法で掘られていく、

 その全体像からサンドスパイダーネットと言われ、

 司令部は、地下100mにあった。

 「素晴らしい。これなら難攻不落の地下城塞だ」

 「石油を売ってくださるならアラビア海側のバスラ。北辺まで伸ばせますよ」

 「太陽に悩まされず移動できるなら、石油くらい、幾らでも売る。売るぞ」

 「ありがとうございます」

 全土がほぼ平地のイラクは、戦車戦向きの国土だったが、

 日本の土木建設能力がそれを払拭しようとしていた。

 むろん、戦車は欲していたが、イラク人であっても地表は暑く、地下は涼しいのか、

 毎日のように地下網を延ばしていた。

 日本人たち

 「バスラにも地下網を作りたいらしい」

 「北のクルド人より、湾岸が大事ってことか」

 「石油だからね。日本としても助かるような困るような」

 「まぁ どの道、アメリカやソビエトの戦車と撃ち合ったって、勝てないだろうし」

 「地下に潜ったほうが戦い易いだろう」

 「むしろ反日になられる方が困る」

 「今のところイスラム教、ユダヤ教、キリスト教のような確執はないよ」

 「いまはな」

 「それよりイラクは、中国人労働者をそのまま使うって?」

 「ん? 現状の待遇なら構わないそうだ」

 「というか砂漠に住めるものなら住んでみろって言われたが」

 「あと、イランもイラクも日本人が知らない方向にも地下を伸ばしたいのだろう。何やら動いてる」

 「国防を考えるとそうだろうな」

 「どちらにしろ、中東の政治は、安定させて欲しいものだ」

 「どこが勝っても国防は必要だし、取引だけの日本と敵対しないだろう」

 「だといいがね」

 

 

 

 放射線加工は、通常加熱と違い、添加剤不要で、原材料の形状と、物性を保持しやすかった。

 混合材料処理の優れた放射線加工のマザーマシンが工場に配置され、

 先端技術は、軍事技術に応用され、

 素材加工、医療技術、電子技術、装甲、火力、推進剤で向上を見せていた。

 神火人は、研究開発とマザーマシン工場で関わり、

 日本の放射線制御データーの蓄積は世界屈指で、外国との格差を隠す必要性に迫られ、

 産業の二重構造化が進んでいく、

 

 

 

 国防省技術研究本部 車両開発部

 材質、品質、精度の向上が見られたものの

 対成形炸薬弾装甲の見込みは立っていなかった。

 それは、高価な戦車が歩兵が携行できる兵器によって撃破されるということで、

 敵の魚雷の届く海上に戦艦を投入するに等しかった。

 戦車開発に傾注するのは費用対効果が悪すぎた。

 しかし、アメリカとソビエトは戦車を製造し続け、各国も戦車開発をやめなかった。

 それは、国内軍事産業と維持するためであると同時に、

 戦車開発競争で中小国を疲弊させるためといえた。

 とはいえ、戦車が地上戦における主導権の一つであることに違いはなく、

 敵戦車を撃破できる戦車を保有することで自軍将兵を積極的に鼓舞し、

 敵将兵の士気を挫くことができると考えられた。

 むろん、戦後の軍用兵器による戦訓が少なく、

 机上のシミュレーションだけで、戦車の価値判断をするわけにもいかず。

 日本も戦後初の戦車開発と配備をしなければならない時期に達していた。

  A車 全長9.80m(車体長7.55m)×全幅3.40m×全高2.30m  50t

      砲塔型   63口径105mmFlaK38砲

      無砲塔型  61口径128mmFlaK40砲

  B車 全長9.42m(車体長6.6m)×全幅3.24m×全高2.30m  45t

      砲塔型    55口径105mmFlaK38砲

      無砲塔型   三式56口径120mm砲

  C車 全長9.41m(車体長6.7m)×全幅3.18×全高2.30m   40t

      砲塔型    51口径105mmFlaK38砲 

      無砲塔型   63口径105mmFlaK38砲

 幾つもの試作から有望な戦車が選ばれた。

  50t 全長9.80m(車体長7.55m)×全幅3.40m×全高2.30m  

  無砲塔61口径128mmFlaK40砲  掃討砲塔 7.92mm×57  乗員3人。

  400hpディーゼルエンジン + インホイールモーター1基20kw/16基320kw (435馬力)

  835馬力  速度56km/h  航続距離360km

 開発者たち

 「なんとも大きな戦車にしたもんだ」

 「強靭な橋を作ってるし、道路も鉄筋コンクリートで作ってるから大丈夫なんだと」

 「どうせ役に立たないなら、次世代戦車と撃ち合える戦車にしたかったんじゃないか」

 「その頃には機械的に旧型化してるんじゃないの?」

 「電気推進は意外と長持ちさせ易いからね」

 「支援戦車と思って配置しとけばいいだろう」

 「次世代戦車は、対成形炸薬弾装甲を開発して砲塔付き戦車にして欲しいものだ」

 「でも上面、前後左右に監視カメラを置いてるから、1人でも戦闘できる」

 「上面の監視カメラは掃討機関砲塔と連動してるのか」

 「対空砲としては心もとないが、車外に出なくても撃てる」

 「排土板と水上浮航装置はStrv103と同じか」

 「火力、防御力、速度は上だよ」

 「あと、油気圧サスペンションの足回りは、特に金をかけてる」

 「外国に売れるの? むしろそっちが重要なんだが」

 「どうだろう。国土の起伏が大きな国は買ってくれるかも」

 「屋根の上に物をたくさん載せたい軍隊もな」

 「神火人が製造を手伝ってくれたら、世界最強の戦車になるのに」

 「神火人を個々の製造で使うわけにはいかないんじゃないか」

 「まぁ シールドマシンや大型ブルドーザを製造のとき出張したことがあるらしいけど」

 「末端の製造に降りてくることはほとんどないよ」

 「戦車は大型ブルドーザーより下かよ」

 「第二中国京杭大運河や地下鉄網は、重要なんじゃないの」

 「やっぱりローマオリンピックのあと東京オリンピックが決まったからだろうな」

 「やれやれ、高度成長を恨みたくなるねぇ」

 

 

 

 核技術の進歩により軽量小型化が進み、

 ロケット技術の進歩により、小型化と射程が伸びていく、

 洋上を走る中距離弾道ミサイル発射艦の建造が可能となると、

 日本海軍は、防空能力を持つ航空母艦の両艦舷に弾道ミサイルサイロを配置した艦艇を計画し、

 呉海軍工廠で大型艦艇建造の準備が進んでいた。

 

  36000t級伊勢型航空巡洋艦

   全長280m×艦幅30m(全幅46m)×吃水9m

   ディーゼル電気推進160000馬力  速度32kt  12000海里

   対空ミサイル60基  対艦ミサイル60基

   迎撃ミサイル60基  対潜ミサイル60基  

   大型巡航ミサイル60基

   61口径128mmFlaK40砲×2基  71口径40mmガトリング6連砲×6基

   戦闘機12機  哨戒ヘリ12機

 海軍将校たちがテーブルを囲み、設計図を見ていた。

 「やれやれ、万能艦にしちまったよ」

 「中距離弾頭ミサイル艦は専用艦で建造してもらいたかったね」

 「建造中にミサイルの射程が伸びたりしてな」

 「別に中距離弾道弾が大陸間弾道弾になっても。迎撃ミサイルが中距離ミサイルになっても構わんよ」

 「まぁ そこまで射程が伸びることはないだろうが」

 「しかし、大型艦は、科学技術の進歩に鈍感だからね。戦艦大和にならなきゃいいのだが」

 「予算的には大和より楽らしい」

 「空母型が戦艦と違うのは、それ自体の性能というより、器だからね」

 「器さえあれば、艦上機やミサイルは時代の進歩に追いつけるよ」

 「なんにしても、これ一艦で昔の機動部隊と戦えるくらいだから、隔世の観があるねぇ」

 「むしろ、潜水艦に力を入れたほうがいいような気もするけどね」

 「隠すより見せる方が脅威を与える時があるからね」

 「この艦を東太平洋に浮かべるだけで、十分な驚異をアメリカに与えることができる」

 「それで十分だよ」

  

 

 

 

 メキシコ

 陰陽師たちが銃痕だらけの警察署を見上げた。

 「なんなんだ。この国は」

 「撤退したくなってきたわ」

 陰陽師たちの背後を車が通り過ぎて、コントロールを失って商店に突っ込んでいく、

 警察官が近寄って車の中を覗くとサブマシンガンを持ったメキシコ人4人が死んでいた。

 「・・・やっぱり、撤退かな」

 「なんかもう、治安最悪な国だな」

 「逆にマフィアを潰せないか」

 「利権が大き過ぎてな。政治家、官僚、軍隊、警察の中にマフィアがいる」

 「逆らうと見せしめで残忍な殺され方をするらしい」

 「麻薬はそんなに儲かるのか」

 「どうかねぇ しかし、マフィアへの武器供与はアメリカの諜報筋だろうな」

 「アメリカは、メキシコがマフィアの国である方が近代化せず都合がいいからな」

 「中南米以南でも武器をマフィアに渡してるんじゃないか」

 「ブラジルは利権が大きいから、さすがに追い出したけどな」

 「メキシコはどうしたものか」

 「やってもいいけど、神火人の数を揃えないと、命がいくらあっても足りない」

 「むしろ、武器の供給元を叩くか」

 「メキシコマフィアを支援するなとワシントンを脅迫したほうがいいかも」

 「だけど、アメリカは核兵器持ってるし」

 「正直、正当防衛以外の人殺しは避けたい」

 「だよねぇ・・・」

 「とりあえず、手を出してきたマフィア組織の上層部を皆殺しにしないと日本人観光客が危ない」

 署長が近づいてくる

 「是非、メキシコを助けていただきたい」

 「「「「・・・・」」」」

 「お願いします」

 「とりあえず、式神を送りますので彼らの組織は教えてください」

 日本民族は、世界最大最強のアメリカ、ソビエト、イギリスの大攻勢を敗戦寸前から巻き返した。

 その民族のハッタリがメキシコ人の勇気を生み、反麻薬マフィア組織を形成してしまうことがあった。

 組織形成は名称から始まる。

 “クリシス・カオス” という名称が決まり、

 メキシコシティ最大の麻薬組織の上層部が、なぜか、壊滅すると、

 武器が反麻薬組織 “クリシス・カオス” に流れ、メキシコ全域で銃撃戦が始まる。

 反麻薬組織 “クリシス・カオス” は政治組織へと発展し、メキシコ政治権力を手中にしていく、

 メキシコから出現した “クリシス・カオス” は、国際政治武装結社 “カオス・クライシス” となり、

 全世界へと波及していく、

 神火人たちは、深夜の小学校に集まった民兵組織を謁見していた。

 「諸君の頑張りによって、世界から麻薬を淘汰できるのである」

 「証拠をきちんと掴み、可能な限り冤罪を防ぐことが大事である」

 「また、味方を誤射しないよう・・・」

 『あらら・・・』

 『ついに組織を作っちまったよ』

 『情に流されたな』

 『情に棹(さお)せば流される』 ため息

 『とりあえず、足がつかないように武器はアメリカ製とソビエト製を使おう』

 『だな』

 

 

 

 

  

  

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 月夜裏 野々香です。

 なんとなく、戦後日本は上手くやっていけそうな。やっていけなくなさそうな (笑

 身の丈がいきなり大きくなって、戦略とかも変わっていきそう。

 

 

 日本・輝夜 (72万ku) 日本・半島

 和洋州 (25万ku) 中国京杭大運河東部域 

 日満州 (100万ku) 外満州 

 扶桑(カムチャッカ・チュクチ)州 (121万ku)

 大和(アラスカ)州 (171万7854ku)

 南洋 (ビスマルク・ソロモン諸島) (78150ku)

  フィリピン バターン・コレヒドール島 日本自治 “桃太郎” 区 (1000ku)

  マレーシア ブルネイ 日本自治 “金太郎” 区 (1000ku)

  インドシナ ダナン 日本自治 “舌切雀” 区 (1000ku)

  インドネシア パレンバン 日本自治 “浦島太郎” 区 (1000ku)

  ビルマ ヤンゴン 日本自治 “因幡の白兎” 区 (1000ku)

  シンガポール 日本人自治 “鶴の恩返し” 区 (1000ku)

 

 

 日本海軍

 第01機動部隊

  空母 白鳳(ランドルフ)、海鳳(ハンコック)、雷鳳(タイコンデロガ)

  戦艦 薩摩(ミズーリ)、駿河(ウィスコンシン)、

  重巡 穂高(セントポール)、

  軽巡 八瀬(ダルース)、黒部(サンタフェ)、白萩(モービル)、河津(ビロクシー)  駆逐艦18、

 

 第02機動部隊

  空母 蒼鳳(アンティータム)、幻鳳(シャングリラ)、慶鳳(ボノム・リシャール)、

  戦艦 因幡(アイオワ)、播磨(ニュージャージー)、

  重巡 蔵王(ボストン)、

  軽巡 天白(オクラホマシティ)、三原(アムステルダム)、日高(マイアミ)、天神(パサデナ)  駆逐艦18

 

 2410t級ガトー型潜水艦46隻

 2424t級バラオ型潜水艦26隻

 2424t級テンチ型潜水艦8隻

 

 1360t級エヴァーツ型護衛駆逐艦(21)  1740t級バックレイ型護衛駆逐艦(44)

 1240t級キャノン型護衛駆逐艦(23)    1250t級エドサル級護衛駆逐艦(24)

 1450t級ラッデロウ型護衛駆逐艦(4)   1350t級ジョン・C・バトラー型護衛駆逐艦(24)

 

 ジェットエンジン

 直径40cm級流星エンジン  直径60cm級彗星エンジン

 直径80cm級蒼星エンジン  直径100cm級紅星エンジン  直径120cm級天星エンジン

 

 “原爆を落とされた人々の世界平和を望む会” 

 広島  賀茂忠行  天光正教  ウリエル  死神ウラン

 長崎  安倍晴明  聖炎主教  サリエル  死神プルト

 

  

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第15話 1959年 『日陣営と、米ソ雪解け』

第16話 1960年 『事大賊党 VS カオス・クライシス』
第17話 1961年 『反日RPG 札束は権力ニダ』