第26話 1970年 『必殺、トロイの木馬作戦ニダ』
アメリカ合衆国は、南米諸国の急速なGDP増大と
日中・太陽同盟の国際的な利権拡大に危機感を増大させていた。
アメリカ国内でも死神教がセーフティと雇用を行うことで民衆を味方につけ、
信者の組織化に成功すると議員を排出させていく、
ホワイト(White)、アングロサクソン(Anglo・Saxon)、プロテスタント(Protestant)、
通称WASPは権勢が縮小することを恐れ、排日・南米弱体化を目的に戦争を欲した。
その結果、コロンビア麻薬密売人のベネズエラ越境で、
コロンビア軍のベネズエラ侵攻に至った。
しかし、国力比で勝るはずのコロンビア軍は士気が低く、
世界最強と言われるアメリカ軍も国内暴動で士気が削がれ、戦意が上がらない、
そして、ジャングルの滑走路からサーブ35ドラケン編隊がゲリラ的に出撃を繰り返した。
数機のB52爆撃機がジャングルに落ちて巨大な爆炎を上げ、
サーブ35ドラケン編隊とF4ファントム編隊が交差し、とぐろを巻くように位置エネルギーを変え、
赤外線追尾ミサイルを撃ち合い、機銃射撃を繰り返した。
地上戦でもベネズエラ軍のRPG7とパンツァーファウストR4のロケット弾がM48戦車を破壊し、
怒ったM48戦車数両が突進すると、
木々の間で土砂を盛り上げて車体を隠したS戦車の待ち伏せ砲撃に遭い、
将兵たちは、ブービートラップにより死傷者を続出させていく、
そして、ブラジルから武器弾薬が流れ込んでいた。
空母ミッドウェー撃沈後、ブラジルのベネズエラ支援は顕著になり、
日本とソビエトは、ベネズエラの駆逐艦マドックス攻撃をアメリカの捏造であると公然と非難し、
アメリカは、コロンビアがベネズエラを侵略していると国際社会で公言した。
対し、日本とソビエトは、アメリカこそ侵略国であると反論、
アメリカ国民の厭戦気運は高まり、
空母コーラル・シー艦内でも反戦運動が起こっていた。
コロンビア軍の勢いは急速に低迷し、
同歩調を取るアメリカ軍もベネズエラ軍のゲリラ戦に悩まされた。
アメリカは、国民の反戦、軍の苦戦を誤魔化そうと、
黒人の社会的な地位を引き上げさせつつ、
月面着陸ロケットの打ち上げを継続し、国際的な権威を高めようとし、
アポロ宇宙船の月面着陸の成功が映像で伝わると信憑性とは別に、
世界各国でも宇宙開発が積極的になり、
多少なりとも国際社会の矛先を交わしていく、
南米諸国に移民した中国人はチケットポイントを持っており、
日本商品が定期的に供給されており、裕福な層が少なくなかった。
現地資源を購入すると日本に輸出し、
対価の商品を得ると現地で売り捌いて、資源を購入し、
それを日本に輸出するといった商売を繰り返した。
そして、戦争が始まると、中間マージンと貿易量が膨れ上がった。
日本の貿易商社にとって中華資本は、製品を売り捌いて、資源を購入してくれる業者で、
南米全域の販路を制し始めていた。
むろん、日系で独自の流通ルートは作ったものの、漢民族2億が作る市場にはかなわず。
戦争以降、華僑資本が強まっていた。
アマゾン川上流マナウス港
発電ダムが建設されると、ブラジル政府官僚、日本のゼネコン、華僑の株が振り分けられていく、
ブラジル政府官僚にとって利権は、金の生る木であり、
ブラジル人であれ、漢民族であれ、金を払ってくれるなら金は金だった。
そして、戦争が始まると防衛産業を強化しなければならず、
工場で機関銃、対戦車ロケット、曲射砲、地雷などが製造されて戦場へと送られ、
利権と交換に日本、ソビエト、ブラジルへの発注が増え、漢民族の待遇も良くなっていく、
マナウス日系ホテル
日本人たち
「なんじゃ このスープは?」
「タカカ・・」
「あはははは・・・笑える味だ」
「普通に、中華料理を食べるべきだったな」
「まぁな。しかし、現地料理を今のうちに食っとけ、中華風になったら元祖の料理がわからなくなる」
「そういや、中国人が増えたからな・・・」
「戦争で需要が増えてるからね」
「戦功を立てて国軍で地位を得たい中国人も少なくないみたいだ」
「しかし、ブラジルもやれやれだな。外患誘致してまで利権が欲しいとはね」
「国民基礎所得のある日本じゃ 外国人に利権を売る発想は湧きにくいが」
「ブラジルは、多民族国家だから中国人が増えることにそれほど抵抗が弱いのだろう」
「それに日本政府は、ブラジルをアメリカにとっての中国的な存在」
「コロンビアとベネズエラをアメリカにとっての朝鮮的な存在する方針らしい」
「上手くいってないがね」
「南米は、歴史的な厚みが薄いからね」
「ともあれ、日本は建設能力が高いから、ブラジルの基礎工業力を底上げできるし」
「漢民族は、中国のくびきから逃れられて、販路と集金力がある」
「ブラジル人の政府高官も漢民族から税金を貰う方が楽なのかもしれないな」
「問題は、南米諸国の華僑資本が強くなって、日本でなく、中国13軍閥と直接取引し始めることかな」
「日本は、中国人が減って人件費が高騰してるからな」
「日本は、電力と機械化で生産力が増加しているし」
「国民基礎所得で上げ底させて賃金格差で釣り合いをとっているだろう」
「中国13軍閥の生産力が強まっても製品価格で負けないはず」
「だけど、戦争が始まってから地下シェルターや地下鉄建設も増えてる」
「兵器工場も大変な発注で、中国人の取り分も増えてる」
「そういや、うずしお社は、空母ミッドウェーの撃沈で海外受注が殺到して大儲けだったらしいな」
「装甲列車の問い合わせも増えて。鉄鉱石と石油と石炭の輸入も増えてるし」
「日本経済は好景気か」
「日本経済を助けるような戦争は、アメリカも面白くないだろうに」
「コロンビアとベネズエラは、反米の橋頭堡になりそうだったからね」
「麻薬戦争を仕掛けて仲違いさせたかったのだろう」
「それなら国際的に反米気運が強まるリスクを冒しても戦争したくなるよ」
「だけどな。麻薬生産地コロンビアを助けて」
「麻薬排斥国のベネズエラを麻薬業者を匿ったから攻めるって、どんだけ無茶を・・・」
「アメリカは、普通に諜報工作で麻薬を使うからな」
「日本もやられてんじゃないの?」
「まぁ 外交特権があるから、その手前までしか届かないけどね」
「そういや、アメリカは、なんでベネズエラに原爆を使わないのかね」
「死神が怖いんじゃないか。また150万人も死んだらまずいだろう」
「じゃ 創作情報の効果はあるのかね」
「んん、日本の軍上層部の幹部と話したことあるけど、正直言って、核兵器は使いたくないらしい」
「アメリカ軍将校が同じ思いだといいけどな」
「アメリカ軍は、自国の兵士をキノコ雲に兵士を突っ込ませるからな」
「日本人とメンタルが違う気がする」
「例の沖縄戦のフィルムを見るとそう思わざるを得ないが・・・」
「あのフィルムは、禁30歳以下にすべきだと思うね」
「確かにそうだが、アメリカ映画で幻想を持つ若者がいるから禁20歳以下では弱くないか」
「それも嫌だが、憎しみを伝え教えるみたいで・・・」
「そうだよな」
アメリカ合衆国 白い家
「これが広島と長崎の土壌で発見されたものです」
拡大した写真が配られていた。
「・・・なんだろうな」
「カーボンとシリコンの膜の切れ端のようです」
「自然物?」
「まさか、自然ではありえませんよ」
「なんでそんなモノが?」
「調査によると、広島と長崎の爆心地から周辺に向かって広がっているようです」
「それがカーボンとシリコンの膜?」
「核爆発が起きたので、放射性物質も微量ですが発見されますが」
「広島型ウラン原爆、長崎型プルトニウム原爆の核爆発では生成されない放射性物質も見つかってます」
「では、原因は他にある」
「いえ、土壌分布の広がりからして、広島と長崎の核爆発が原因ですね」
「いま、生成されないと、その口で言ったばかりだろう」
「アメリカで行なってる核実験では、見つかってませんので」
「核実験で人体を燃やした時に生まれるものじゃないのかね」
「それも兵士で試しましたよ」
「10万単位じゃないとな」
「い、いや、それは無理ですよ」
「ベネズエラで・・・」
「国際問題になりますよ。反米機運が高まったら減収です」
「それに、ベネズエラには、死神教の結界が貼ってるのですが」
「「「「・・・・・」」」」
「死神教の信憑性が高いと言えるかもしれません」
「「「「・・・・」」」」
「日本に潜入させた朝鮮人記者は、死神教は、特高の思いつきで。場当たり的に生まれたと、言ってたぞ」
「朝鮮人は嘘つきですから、金欲しさで嘘をついてるのかもしれません」
「何人か始末して、嘘をつけないようにしてしまえ」
「既にやりましたが、何度も同じ結果の繰り返しでして・・・」
「もう、何が本当なのかわからんな」
「少なくとも、こられのサンプルは本物ですよ」
「とりあえず。複製を頼むよ」
「それがどうやって作ってるのか・・・」
「いそいでくれ」
「はい」
「・・・この膜、何かを包んでいたものかもしれませんね」
「何を?」
「さぁ 思いついただけですから」
「もっとサンプルを集めてきたまえ」
「しかし、オリンピックのドサクサというわけにも行きませんし」
「なにか、投資したまえ。地区ごとの学校の生徒に土を捏ねさせて、作ったものを買えばいいだろう」
「ああ・・・ 日米小学校の国際交流とかで産品の交換とか。なんでもいいや」
「日本は国際交流より、同胞交流を重視してますからね」
「城塞都市の中心には、ポイントチケット市場がありますし」
「学校、企業、同好、趣味、宗教など娯楽、研究、市場の場が作られてますし」
「数万のコミュニティネットワークが存在してますよ」
「じゃ そこから入ってコミュティを分断して、荒廃させていくしかないのか」
「朝鮮人が多ければ、ぺんぺん草も生えないくらいにバラバラに出来るかもしれませんが」
「なにぶん、少ないですし」
「日本人だけだと、こじんまりムラ社会を作る傾向があるので、介入しにくいかと」
「まぁ いいだろう。続けていけば進展があるはずだ」
「欧州の動きは?」
「反米機運が強まっている節があります」
「マスメディアを総動員して、反ベネズエラを強めろ」
「逆に反コロンビアが強いですし」
「日本は、コロンビアとベネズエラの麻薬戦争は、アメリカを利するだけの南米離反の計だからやめろと・・・」
「「「・・・・」」」
「手の内を読まれてるわけか」
「この中に、裏切り者がいるんじゃないだろうな」
「日本人でも兵法ぐらい知ってるのでは?」
「日本にいる工作員を使って情報と戦略を軽視させ」
「世論を戦術重視、兵装重視に誘導しろ。女子供でもいいぞ」
「日本人を浪花節で狭心な戦闘民族にさせてしまえ」
「しかし、工作員が少なく・・・」
「「「「・・・・」」」」 ため息
日満洲
堡塁と堀の土台が造成されると、
行政施設、公共施設、商業施設、工業施設、住宅地が配置されていく、
日本の人口増加率は3.5パーセントほどで、
都市を過密させるか。肥大化させるか。新都市と建設するかだった。
日本政府は、新都市建設を選択し、毎年のように都市を建設し、
行政機関を整えさせると、新居を販売していく、
初婚は国から一定の奨励金が渡されることから、
結婚したばかりでも新天地で公募された職業と家をローンを買うことが容易になった。
欧米列強は、日本の政策と、日本人の新しい習性をスズメバチと恐れていたが、
新都市が本当に根付くのは、城郭神社仏閣が作られてからといえた。
農林水産省、科学技術庁、文部省の3省庁で大陸棚開発が検討されていた。
隔壁で区切ったタンカー10基を大陸棚に沈め、鉄筋コンクリートで蓋をし、
空気を送り込めば出来上がりというものだった。
施設は広大で、1気圧、2気圧、3気圧、4気圧、5気圧、6気圧、7気圧、8気圧、9気圧、10気圧・・・
と、幾つもの気圧区画で研究と実験が行うことができた。
設置場所は、遼東半島と山東半島を結ぶ海峡トンネルに併設しており通勤と流通で都合が良く、
作った作物や養殖海産物を市場に回せるなど将来性も悪くなかった。
関係者たち
「もっと、鉱物資源の有りそうな海域の方がよかったんじゃないか」
「孤立した海域だと働き手が減るし、まずは交通と流通で市民権を得ることだとさ」
「橋梁は大丈夫だろうか。1気圧だとぺっちゃんこ。10気圧だと破裂ということもある」
「深い場所でも60mもないよ。浅瀬もあるし、前後5気圧程度なら問題はなかろう」
「それはそうと、外国報道関係者が発電システムを取材したがってるらしい」
「日本の発電量と消費電力と燃料消費量を疑い出したのかな」
「そりゃ 疑うだろう。一応、送電線を敷いても使ってないところが多いし」
「仕事量を火力発電所で逆算したら総電力で少なすぎるし」
「総発電量で逆算しても燃料消費は欧米の4分の1以下だ」
「いくら、中国人労働者の人海戦術だって言い張ってもおかしいと思われる」
「地下トンネルを掘る燃料とエネルギーは、どこからきたのって、誰でも思うさ」
「荷電粒子発電してますなんて言えんからな」
「もう、何基くらい作ってるんだ」
「放射性物質量に比例するから軍民合わせて80000基だそうだ」
「民間が70000基使ってるとふてくされてたらしいが」
「資源を買ってるのは民間だろうが。軍に任せるとジリ貧で強盗紛いになるからな」
「まぁ そうだが全部で5888万kwになる。幾らなんでも誤魔化せんだろう」
「最近は1125kw(1500馬力)級を製造できるようになってるし」
「ますます誤魔化しが効かなくなるかもな」
白龍型潜水艦20番艦 戦龍
排水量 水上3000t/海中4300t
全長90m×全幅9m×吃水8.5m
栄01型1000馬力20基 水上/海中20000馬力 30kt 航続距離60年
533mm8管 40本
乗員65人
通常型潜水艦のような静粛性を持ちながらも原子力潜水艦並みの潜水能力と機動力を持っていた。
船殻は複合素材が使われて強大な水圧に耐え、
船体から放出される微細バブルによりソナーの反射を狂わした。
艦内生活は荷電粒子発電により快適で、空間は広かった。
兵装は、通常魚雷だけでなく、
射程2500kmの魚雷型巡航ミサイルを装備し、対地攻撃も可能にしていた。
司令室
艦長と士官たちが海図を見ていた。
「アメリカ海軍の公表だと。これが空母ミッドウェー撃沈までの、うずしお型潜水艦の一連の動きらしい」
「できれば証言で直接、戦訓を聞きたいが」
「撃沈されたよ」
「・・・ダミー魚雷で誘導したのかね。上手く、動いてるし、運もいい。ベネズエラ海軍もやるもんだな」
「艦長はドイツ系で、副艦長は日系だそうだ」
「「「・・・」」」
「ふっ また、何か言われそうだな」
「死神教のおかげで、日系人が増えてるらしい」
「そうなのか。俺も死神教の神父になればよかった」
「「「あはははは」」」
「しかし、昔よりいい。むかしは潜水艦乗りは体臭でモテなくて、漢民族の女ばかりだったらしいからな」
「幾ら御国のためだからってモテないのは厳しいですからね」
「そうそう。国も難癖つけて、予算増やしてくれなくて、ローテーションは最悪だった」
「戦前戦中の艦長に言わせれば天国らしいが」
「潜水艦が好きじゃなかったらやってられなかっただろう」
「そういえば、急に潜水艦の建造が増えたんじゃないですか」
「好景気で予算が増えたから作っていいんだと」
「というより荷電粒子発電のおかげなのか」
「水上艦艇の存在価値そのものが疑われて潜水艦の予算が増えてるらしい」
「戦争特需ってやつですかね」
「かもしれんが、海外州でも建造したいとかで、押し切られたらしい」
「軍機は大丈夫なんでしょうか」
「まぁ よほど格差が広がって利己主義と拝金主義が強くなってなきゃ 同胞を裏切るなんてないだろう」
「艦長。そろそろ、時間です」
「そうか。浮上するぞ」
「もう、ディーゼル潜水艦と思わせるより、原子力潜水艦と思わせたほうがいいのでは?」
「音が静かすぎるそうだ」
F14戦闘機
自量18191kg/最大32100kg
全長19.1m×全幅(10.15m〜19.54m)×全高4.88m 翼面積52.5u
最大離陸重量時翼面荷重 611.42kg/u
推力 2基 5600kg / アフターバーナー9479kg
最大速度マッハ2.34 航続距離3220km
20mm機銃 機外最大搭載量6577kg
アメリカ合衆国がF14戦闘機を開発すると、
日本空軍は、蒼雷が力不足であることから対抗策を検討していた。
56式戦闘機 蒼雷
自重6000kg/運用12000kg/最大20000kg
全長16m×全幅10m×3.8m 翼面積48u
最大離陸重量時翼面荷重 416.66kg/u
直径40cm級流星406型(2000kg)×4基(8000kg)
巡航速度2基1000km/h 航続距離2000km
最大速度4基2450km/h 航続距離800km
25mm機関砲 1丁 ハードポイント10基 増/ミ/爆6000kg
離陸滑走距離600m
量で言うなら800機体制から1000機体制にする方法もあるが、
質で言うなら機体の形状改良と軽量化と推力増大があった。
また、新規に開発する方法もあったものの予算の枠組みがあった。
日本国防省空軍局
「408型は推力2100kgいけるらしい」
「4基で8400kgか。少ないな」
「しかし、性能は向上するよ」
「F14相手だとどうなんだろう」
「F14は艦隊防空用だし。むしろ、開発中のF15が侵攻用で怖い」
「電子装備で負けてなかったら勝てると思う」
「電子装備はやや互角かな」
「もっと人口を増やして市場を大きくできれば儲かるから、電子産業の工場を大きくできるのでは?」
「それ言うと民間に金が流れるから嫌」
「広長閥は民需が好きだからな」
「広長閥も死人が増えて地元から切り離されてるから、相対的に弱っている」
「しかし、神火人は年の功が大きいし、中枢の利権を押さえてる」
「金融支配や利権支配にこだわらなくてもいいから怖いし、やはり強いよ」
「神火人が老害化しない限りはね」
「まぁ 世襲の強迫観念は、国民基礎所得で抑えられてるから、よほど、下手を撃たない限り大丈夫だろう」
キューバ危機以降、各国でシェルター建設が増えていた。
日本も同様で、最悪のケースから海外州に独立できるだけの機能も持たせようとした。
大和州
マッキンリー総司令部の地下には、巨大地下施設が建設され、
その気になれば、首都機能を移転させることも出来た。
平時にあっては、日本と海外州の代表が鍵を使わなければ開かない扉があった。
「核戦争になったら、ここに行政機関が移るわけか」
「30万人が住めるがね。核戦争後の地表に出るのは何時になるやら」
「放射性物質の半減期を考えると、地表に出るのは大変だと思うよ」
「幾ら荷電粒子発電でもそこまでは、持たないからな」
「やはり、宇宙植民が最大の核抑止かもしれない」
「宇宙か。アメリカには幻滅させられた・・・」
「日本なら大丈夫とは限らない」
「国というより、時期早々だっただけだろう」
「あと20年もすれば・・・」
「だといいがね」
リビア
日本のゼネコンが公共工事を進めていた。
その多くは太陽光熱発電や地下施設だった。
強力な太陽熱は発電だけでなく、海水を真水に変えて緑地化を進めていく、
ゼネコン労働者に紛れて軍関係者が入り込んでいた。
「石油の出る国は強いねぇ ユーゴより予算が大きい」
「アメリカが敵対する動きを見せてるけど」
「ベネズエラと小競り合いしてるからその間にやってしまうべきだと思うね」
「リビアが日本の敵にならなければいいけど」
「地中海の北アフリカなんて、地政学的に日本から一番遠い国だと思うよ」
「どおりで割引価格だと思った」
「ぶっちゃけ、石油なんて安売りさせれば日本のエネルギー使用量は、いくらでも誤魔化せる」
「誤魔化せなくて省エネ開発してるじゃないか」
「そういや、政府広報を出してたな・・・」
サーブ35ドラケンとMiG21の編隊が上空を通過していく、
「日側と東側の両方を買ってるのか」
「攻撃してくるとしたらイタリア本土か。アメリカ空母からだろうからね」
「イタリアは戦意が低いからこないと思うけどな」
「じゃ F14トムキャットか」
「F14は可変翼らしいけど」
「空母機なのに大型機だし。構造が複雑だから整備が大変なんじゃないかな」
「日本も新型機を開発しようぜ。可変翼機で」
「6発機と8発機は、研究してるみたいだけど。デルタ翼で。可変翼じゃないよ」
「また、小型エンジンか」
「日本人は小型が好きだし。単純に推力が5割増だからね」
「リビアは戦車をどうするって?」
「主力をT10重戦車か。T55にするらしい」
「まぁ 砂漠だからね」
「戦車を売るより。地下要塞建設の利益が大きいだろう」
「ゼネコンだけはな」
イラン・イラク離反工作が功を奏をしたのか、
イランは、アメリカよりに移行していく、
空母エンタープライズ機動部隊と
イラン機動部隊
空母ワスプU、ベニントン、 軽空母ラングレー、バターン、
重巡ピッツバーグ
軽巡モントピリア、デンバー。セントルイス、サンディエゴ、駆逐艦13
は、合同演習を開始し、
日本とイランの関係は冷却化していた。
イラン 首都テヘラン
レストラン
ターチン モルグ(炊き込みご飯) アーシュ マーストゥ(スープ) クク グーシュトゥ(コロッケ)
ホラーケ バーデンジャーン(ナスの煮込み)がテーブルに並ぶ
酒があればいいのだけど、イスラム世界は禁酒だった。
日本人たち
「やれやれ、発注をアメリカ企業に取られちまったよ」
「ユダヤ資本はお金持ちだからね。その気になれば何でも出来るさ」
「しかし、ドルを貰って何を買いたいのかね」
「さぁ アメリカのデパートを見て回ったことはあるが特に魅力的な商品はなかったな」
「買収なんて無理はいつまでも続かないと思うがね」
「しかし、イラクとイランも犬猿の仲だし、上手く成り込まれたようなものだ」
「アメリカの反日・反ソ離反工作は、中米だけでなく。中東でもやってたってことだろう」
「イランの油田利権は残ってるし。石油は輸入できるさ」
「しかし、アメリカも日本との新規受注合戦で勝つんだから、ユダヤは大赤字なんじゃないか」
「ふっ 投資は公金だよ。私財なんか使うものか」
「それでいて、借金は、アメリカ国民に押し付けるに決まってる」
「「「「あはははは・・・」」」」
ソビエト
新型攻撃ヘリMi24が日本の外交武官に公開された。
理由は、日本がMi4、Mi6、Mi8、Mi10、Ka25のお得意様で買ってくれそうだったからだ。
「攻撃ヘリ専用じゃないのか」
「空飛ぶ歩兵戦闘車です。お買い得ですよ」
「んん・・・」
武官はスペックを確認し、操縦した日本人したパイロットと何度も言葉を交わした。
「・・・まぁ いいか。じゃ100機ほど買おう。それとライセンス生産を」
「ありがたい」
「それはそうと、T10戦車の輸出が増えてるそうじゃないか」
「第三次中東戦争のおかげでな。なんなら日本にも売ってやれるが」
「戦車は、いらん」
「日本は、どうせ作るなら攻撃ヘリを国産して。我が国の戦車を買ったほうがいいだろう」
「なんなら、試作だったIS7重戦車を生産して売ってやるが」
「戦闘機と潜水艦に金を掛けすぎて。攻撃ヘリの開発まで金が回らないのでね」
「戦車は、まぁ 自動車会社の研究開発みたいなものだ」
「変則戦車の61式で、正統重戦車のIS7重戦車と相撃ちで、それはないでしょう」
「戦訓が手に入らなかったので、なんとも言えませんが」
「対戦車ロケット全盛時代に戦車に力を入れてもねぇ」
「日本は複合装甲を開発してると噂があるのですがね」
「あはははは・・・ 噂だけならSFの数だけありますよ」
「ソビエト海軍も伊勢型に近い航空巡洋艦を建造してるとか」
「・・・まぁ 噂ですな」
日本、ソビエト、アメリカの三つ巴で核兵器を向け合ってる。
限られた予算内で主兵装を揃えると、優先順位の低い兵装はおざなりにされ、
その時々の国際情勢により、三勢力間で離合集散も起こり得た。
日米ソ間で有利な立ち位置を守るため
二国間取引も外交パイプを作る上で重要な外交戦略カードとなった。
二線級兵器の売買は、それほど大きな損失でないと考えられ、
日本は、ソビエト製ヘリを輸入しライセンス生産する、
そして、日本で製造したMi4、Mi6の部品がソビエトに輸出されることさえ珍しくなかった。
「・・・時に、日本の死神教は、ソビエトで国民基礎所得の喧伝をさせないのかね」
「へ? 政教分離ですよ。日本政府も死神教と関わっていませんし」
「日本政府は、どういう見解で国民基礎所得を?」
「資本主義は、利権のある者がご飯を注ぎ、子飼いに分け、子飼いの子飼いが下の子飼いに分けていく」
「弱肉強食で国家統制で都合がいいのですがね」
「ご飯を分ける量を不当に減らせば、弱い者から衰弱して死んでいく」
「紙幣量を減らすと、お溢れに預かれない者、反抗する者は分けまえが減って、犯罪や自殺が急増する」
「国民基礎所得は、建設国債の2割を国民に均等に分配して格差を是正する方法ですよ」
「これをやると資金の流れが不明確になり」
「統治が困難になるのですが、国民の不満は減りますし、犯罪や自殺者は減る」
「人口が気薄で国土が大きいとき、国力を大きくしたいときに便利なんですよ・・・」
「そういえば、ソビエトも当てはまりますね」
「よく反対派が出ませんでしたね」
「愛国とか、同胞とかいいながら利権を抱え込んでる奴ほど、意地汚く搾取するので大変だったそうですよ」
「まぁ 国民給付制なんていうのは、単一民族ならの手法でしてね」
「多民族国家は、抗争が強くて難しいでしょうし」
「少数民族が政治経済を牛耳ってる国は、なおさら困難でしょう」
「しかし、不満は減らせるので、あとは給付額の兼ね合いでしょうね」
「なるほど、それで成長率10パーセントを?」
「まぁ 建設国債の額と連動してますから、不公平と反対する国民が少なくてね」
「・・・・」
「・・・仲間内で国民基礎所得をソビエトに取り入れたがってる派閥があるのですよ」
「共産主義の労働価値説は、どうしたんです?」
「政教分離より。労資分離を考える人間もいますよ」
「資本主義ですね」
「正直、共産主義は、酔いから覚めて勢いが落ちてますからね」
「軍事的に伸びてるのに?」
「ソフホーズとコルホーズを見れば泣きたくなります」
「最低保障して自由競争させたほうがましなのですよ」
「死神教は使えませんが、別の形で支援しますよ」
「武器に、資本に、人材に。ちょっとした私兵部隊なら作れるでしょう」
「助かります」
第三次中東戦争が終わり、安定したかに見えた。
しかし、イランの新規公共事業発注がアメリカ側に取られ、
米・イランが接近するとイランとイラクの間で、緊迫感が増していく、
日本にとって、イラクとサウジアラビアの重要度が増していたが、
両国にもアメリカとソビエトの浸透しようとしていた。
イラク バクダット
日本人たち
「イラクとイランが拗れるとホムルズ海峡を封鎖されかねない」
「それがアメリカの狙いだろう」
「艦隊を派遣して砲艦外交するか」
「アメリカのベネズエラ戦争を真似して中東戦争しろってか」
「外交戦略上、フリーハンドがいいに決まってる」
「しかし、アメリカはリベートに幾らお金を使ったかわからんがイランの新規鉱区開発がアメリカに取られた」
「イラクだって、ソビエトの侵食が激しいしな・・・」
「石油安や資源安は、日本の国力を押し上げてるからな」
「アメリカとソビエトは国際緊張を高めて、石油価格、資源価格を高騰させたいのだろう」
「そうすれば日本の採算性は低下し、黒字貿易が減る。そして、国力も衰退する」
「まぁ アメリカとイランの取引に関して言うとリベートがいつまで続くかって話しだよ」
「ふっ 日本は、アメリカと違って、国民基礎所得って、打出の小槌があるし」
「ソビエトと違って、資本主義の活力もある」
「様子を見ましょう」
反日ギルド朝鮮チーム コード名 ムン キン リン は、味方のように振る舞いながら近づき、
勢力が逆転すると裏切るトロイの木馬作戦が得意で、人のいい日本人は、たいてい、引っかかる。
繁華街は、心に隙間の多い、寂しがり屋が集まる。
「これはこれは、総裁。今日もいらっしゃいましたニダ」
「おお、君らも好きだな」
「ノーパン喫茶は、大好きニダ」
「ははははは」
「最近の景気はどうニダ」
「まぁ 通貨量なんて、人口と産業の大きさと貧富間の配分調整だけだし」
「国民基礎所得で民衆の不満はないからすること少ないな」
「通貨量を減らしていけば総裁の権力は強まるニダ」
「んん・・・・」
「通過量を減らすと。所得税を増やして強制的に、金融循環を速めないといけなくなるからな」
「違うニダ。減らすのは国民基礎所得ニダ」
「しかし、そんなことをしたら消費が減るから、設備投資が難しくなるし、お金持ちは資金を溜め込んで、手放さなくなる」
「それでは物を作っても売れなくなるし。雇用も減って、恐慌になるだろう」
「そんなことないニダ。民間活力で巨大産業になるニダ」
「そうかな。社会資本が少ないくなるのに産業を興せるだろうか・・」
「それに、その産業が成功してお金を集めてしまったら、その分のお金が減ってしまう」
「アメリカ資本は、そうやって自分の権力を得たニダ」
「アメリカは、ユダヤ支配を守るために格差を維持してるようなものだし」
「日本国内は日本人ばかりで大同小異。同胞だから・・・」
「天皇みたいになるニダ」
「天皇か・・・ いいなぁ・・・」
「せっかく、勉強してキャリアになって総裁になったのだから天皇になるニダ」
「しかし、貴族院はどうでもいいと思うかもしれないが」
「一任期で庶民が多い衆議院が格差増大を黙ってないだろうしな」
「資本家が日本経済を引っ張ってるニダ」
「経済は弱肉強食といえばいいニダ。強がりなバカはみんな賛成するニダ」
「いや、日本は、資本家より。開発者の熱心さと、労働力の質の高さが国際競争力だからな」
「そんな、金持ちが労働者を奴隷のように扱うのは・・・」
「国民基礎所得を廃止して。格差を広げて、労働者をもっと働かせるニダ」
「日本人は必死になって馬車馬のように働くニダ」
「そうすれば、生産力は増えて、日本経済はもっと大きくなって、総裁は天皇になれるニダ」
「天皇か・・・・・」 にゃ
反日ギルド朝鮮チーム コード名 ムン キン リン は、大蔵省にパイプを作ることに成功し、
日本の金融政策にダメージ4を与え、レベル11になった。
3人は、喜びのあまり、キムチパーティでHP4を回復する。
「大成功ニダ。迷っていたニダ」
「日本人は、地位名誉財産が大好きニダ。特にインテリほど馬鹿ニダ」
「アメリカと同じように雇用率を下げさせて、日本人にフードチケットを食らわせてやるニダ」
「権力者に擦り寄ってヨイショして、軒下を借りて母屋を乗っ取るニダ」
「マスメディアを握って取材を装って、ノコノコ出てきた愛国者を抹殺するニダ」
「あとは、タブーになって、治外法権を手に入れて主人になるニダ」
「日本人のコミュニティを破壊して。住民票を取り扱って、日本人を殺して成り済ますニダ」
「ユダヤ戦略の真似ニダ」
「利権を握ったら金の流通を減らして、反抗する者は、兵糧攻めしてやるニダ」
「日本を拝金主義者、利己主義者に改造してやるニダ」
「自殺者、犯罪者、人殺しを急増させるニダ。日本人の人口も減らしてやるニダ」
「最後には世界中と戦争させて、漁夫の利ニダ」
「日本人は、死ね死ねニダ」
「「「ウェーハハハハ!!!」」」
反日ギルドから次のクエストが送られてくる。
1、日本食品に毒を入れる。 2、日本の銀行を襲撃する。
3、日本人から金を騙し取る。 4、日本人を自殺させる。
5、日本女性を強姦する。 6、日本人を拉致誘拐する。
7、日本の文化財を盗む、放火する。
「「「・・・・・・・」」」
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月夜裏 野々香です。
あと何年かで総人口2億人の大台
企業数は史実の2倍。平均内部留保は2.5倍くらいでしょうか、
大企業は、国内の市場を新興企業に荒らされるので、海外利権を溜め込みそう
戦後生まれの最年長は27歳。平均年齢はかなり若そう。
日本、日満州、和洋州、輝夜と広大な面積で
そして、大和州と扶桑州でも開発を進めてるので衣食住は余裕余裕でしょうか。
あと海底開発と南極の開発も (笑
Mi24ハインド購入 (笑
好きなんですよね。ハインド。
総人口1億8928万人。
日本・輝夜 (72万ku) 日本・半島 内地人口9095万。
海外州人口9832万人
和洋州 (25万ku) 京杭大運河東部域 3685万
日満州 (100万ku) 外満州 3685万
扶桑(カムチャッカ・チュクチ)州 (121万ku) 982万
大和(アラスカ)州 (171万7854ku) 1228万
南洋 (ハワイ、ビスマルク、ソロモン諸島) (10万6461ku) 245万
フィリピン バターン・コレヒドール島 日本自治 “桃太郎” 区 (1000ku)
マレーシア ブルネイ 日本自治 “金太郎” 区 (1000ku)
インドシナ ダナン 日本自治 “舌切雀” 区 (1000ku)
インドネシア パレンバン 日本自治 “浦島太郎” 区 (1000ku)
ビルマ ヤンゴン 日本自治 “因幡の白兎” 区 (1000ku)
シンガポール 日本人自治 “鶴の恩返し” 区 (1000ku)
日本海軍
第01機動部隊
36000t級伊勢型航空巡洋艦 伊勢
空母 白鳳(ランドルフ)、海鳳(ハンコック)、雷鳳(タイコンデロガ)
戦艦 薩摩(ミズーリ)、駿河(ウィスコンシン)、
重巡 穂高(セントポール)、
軽巡 八瀬(ダルース)、黒部(サンタフェ)、白萩(モービル)、河津(ビロクシー) 駆逐艦18、
第02機動部隊
空母 蒼鳳(アンティータム)、幻鳳(シャングリラ)、慶鳳(ボノム・リシャール)、
戦艦 因幡(アイオワ)、播磨(ニュージャージー)、
重巡 蔵王(ボストン)、
軽巡 天白(オクラホマシティ)、三原(アムステルダム)、日高(マイアミ)、天神(パサデナ) 駆逐艦18
2410t級ガトー型潜水艦46隻
2424t級バラオ型潜水艦26隻
2424t級テンチ型潜水艦8隻
1360t級エヴァーツ型護衛駆逐艦(21) 1740t級バックレイ型護衛駆逐艦(44)
1240t級キャノン型護衛駆逐艦(23) 1250t級エドサル級護衛駆逐艦(24)
1450t級ラッデロウ型護衛駆逐艦(4) 1350t級ジョン・C・バトラー型護衛駆逐艦(24)
ジェットエンジン
直径40cm級流星エンジン 直径60cm級彗星エンジン
直径80cm級蒼星エンジン 直径100cm級紅星エンジン 直径120cm級天星エンジン
“原爆を落とされた人々の世界平和を望む会”
広島 賀茂忠行 天光正教 ウリエル 死神ウラン
長崎 安倍晴明 聖炎主教 サリエル 死神プルト
第26話 1970年 『必殺、トロイの木馬作戦ニダ』 |
第27話 1971年 『双頭戦略と、新自由(奴隷)主義』 |