月夜裏 野々香 小説の部屋

    

天ぼた系 火葬戦記 『神火風』

 

 第27話 1971年 『双頭戦略と、新自由(奴隷)主義』

 

 日満州

 城塞都市の幾つかは、街作りの一環として、公民映画上映場があって、

 地元の学校、企業、商店街、同好など映画制作グループが作った映像が無料で流されていた。

 客の反応が良ければ、金の取れる映画館で流されることも少なくなく、

 金が取れなくても宣伝効果があると撮り続け映し続ける企業も少なくなかった。

 むろん、広域メディアもコマーシャルを流そうと虎視眈々と画策するが、

 一度、広域メディアで流された映像は、使用料を取られ、枠に空きがない限り公開できなかった。

 学生たちがくじを引くと、入札枠が決まっていく、

 「3日後で15分取れたよ」

 「土曜日15時か。見てくれるかな」

 「タイトルとあらすじ次第かな」

 「気合入れたから見てくれるといいけど」

 「特撮より、アニメが強いからな」

 「映像に耐えられる二枚目がいないのが辛い」

 「ドイツ系が仲間にいると特撮が強くなるけどな」

 「「「あははは」」」

 カメラの小型化が進み、値段が安くなると、自治体が映画鑑賞用の公民館を作り開放してしまう。

 クリエティブな競争が激しくなると、

 引退した年寄りや休日の暇人が公民館の映場で時間を潰すことが増え、

 広域メディア関係者がスケジュールを取り寄せ、

 掘り出し物がないかと巡回することもあった。

 

 

 日本でゼネコンが大隆盛を迎えていた。

 人口が増えれば都市を肥大化させるか。過密化させるか。新都市を作るよりなく、

 内地でさえ、人口流出を利用しつつ旧市街を整地し、計画都市の建設を達成させつつあった。

 しかし、国民基礎所得でばら撒いているせいか、

 幾ら稼いでも次から次へと紙幣が印刷されるため徒労感が大きく、

 雨後の筍の如く湧いて出る新興企業との競争に晒される。

 大企業は、国外に利権聖域を求め、海外利権を得ていた。

 経済連定時会

 大企業、中小企業、都市企業の代表者たちが集まり、

 会議が終わると利害関係者だけで集まりやすかった。

 「やれやれ、むかしは財閥っていったら、泣く子も黙る力があったものだ」

 「広長閥のせいで・・・」

 「神火人は、必ずしも商才があるわけじゃない。だから、我々のライバルとは言えない」

 「正確には、国民基礎所得のせいで金融支配の統制が国民に届いていない」

 「我々も、財政に頼って天下りにペコペコしなくていいのはいいが」

 「個人、家、中小企業、新興企業の独立が高く、抑えが利かない」

 「そして、広長閥は、我々より、新興企業と縁を結びたがる傾向が強いことがあるな」

 「そういう意味では、広長閥は、政治家であり、官僚的なモノの見方をしているのかもしれない」

 「しかし、お札を印刷するのをやめてくれないと、地場企業と新興企業に追い詰められて苦しい」

 「特に国民基礎所得は、どこに金が流れていくか統制できないからな」

 「国内市場は押しまくられてるが。海外利権は押さえているだろう」

 「公共事業で資源の4割くらい配分されるがね」

 「しかし、地場企業と新興企業も力をつけると我々と同じように、海外利権を押さえる」

 「中堅企業も、後塵の新興企業に追撃されてるからだろう。ざまぁみろだ」

 「だからって、俺たちの縄張りが荒らされてるんだが」

 「海軍に軍艦を作ってもらって海外利権を得やすくして貰った方がいいかな」

 「広長閥は、そういうの嫌うから」

 「まぁ 人口が増えてるのなら国内消費は確保できて、金にはなるがね」

 「広長閥は、貧富の適正な是正と、利権の配分率の安定をやめないつもりだ」

 「じゃ 資本家は、いつまでも回し車を回ってるようなものだな」

 「徒労感はなくならないか」

 「それでも、次の瞬間に、亡くなるよりましだがね」

 「「「「あはははは」」」」

 「日本は、政府から日銀が独立してない。だからアメリカのような企業天国はないよ」

 「うらやましいな。金権支配で利権を押さえて、王様のような生活」

 「少数の羊飼いのエリート教育と、質の低い羊の教育」

 「広告業界は、短絡な二社選択を国民を強いるだけ」

 「大衆は、ホームレスが怖くて、漢民族以上の使い捨てか」

 「という事は、アメリカ人より、華僑の生活水準がいいのか」

 「華僑に渡した数十年分のポイントチケットは、海外市場を押さえるのに役に立ってるし」

 「次の販路の呼び水になってる」

 「アメリカは大陸国だからな」

 「日本だって大陸国みたいなものだけど」

 「だけど、自治城塞都市群国家みたくなってるからな」

 「それでも移動の自由度は高いよ」

 「日本は、最悪でも海外資源を押さえないと話しにならない」

 「というより、採算性のよい海外資源だけどね」

 「高度な製品を安定して作るなら終身雇用が有利だけど。新興企業に引き抜かれることはあるからな」

 「それはそうと、神火核の技術のすそ野を大きくしたほうがいいよな」

 「んん・・・ まぁ 最大の利権だし、広長閥は、一定の基準で裾野を広げる気らしい」

 「なんにしても、権力構造上、これほどバラバラにされたのは初めてだし」

 「国は強くなるが、我々の影響力は、ものすごく小さくなっていくな」

 「気の持ちようだろう」

 「この前、アメリカの工作員と話したのだが」

 「アメリカ資本は、日本と共同で、国家の枠を超えたグローバル世界企業を作りたいらしい」

 「アメリカ資本はグローバルじゃなく、日本市場が欲しいだけだろう」

 「「「「・・・・」」」」 うんうん

 「アメリカは、関税障壁だの、非関税障壁だの煩くて困る」

 「しかし、アメリカと後進国との取引を見ていると、アメリカは信用できないし」

 「現物交換じゃないと怖くて取引できないがな」

 「アメリカだっていざとなったら平気で約束を破るよ」

 「アメリカ資本の言うには、日本は海外受注をやめて」

 「一緒に、国際連合傭兵部隊を編成して、後進国を相乗効果で支配しようと」

 「それは侵略だろう。やばいよ」

 「だから海賊、反政府、共産軍を育てて、マッチポンプでって」

 「はぁ アホか」

 「そうそう。アメリカがベネズエラでやっていることを一緒にやろうなんて冗談じゃない」

 「アメリカには、ベネズエラ投資が宙に浮かされた補償をして欲しい」

 「そうそう、イランの発注にも無理やり割り込んできやがって」

 「全く全く」

 

  

 

 マナウスで軍事教練を受けた兵士たちがベネズエラへと向かっていく、

 それだけではない、コロンビアに対して浸透ゲリラ戦術を行い、指揮系統をズタズタにしていく、

 アメリカは、容易に勝てると思われた戦争で苦戦する。

 日本は、本土爆撃、原爆、沖縄戦のフィルムを世界中に散蒔く事でアメリカ軍の侵略を強調し、

 ブラジル、日本、ソビエトは、ベネズエラを支援し、武器弾薬を供給し続けた。

 マナウスの日系ホテルで日本・ソビエト・ブラジルの関係者たちが新聞を広げていた。

 「おっ 俺たち悪の枢軸とか書かれてるぞ」

 「ロイターの野郎、ええかげんなこと言いやがって・・・ 日本は、資本主義国だろうが」

 「中南米の橋頭堡がソビエトや日本に荒らされたら面白くないのだろうな」

 「チリのアジェンデ大統領も危そうだし」

 「ソビエトは、共産仲間だろう。アジェンデ大統領を助けないのか?」

 「チリは、足場がないから」

 「あの連中はな・・・ 共産主義で他国の既得権を破壊し、無政府状態にしたあと、資本主義で利権を奪い独占する」

 「あと、民主化で既得権を破壊して、全体主義で利権を囲い込むし」

 「そういう、双頭戦略の繰り返しが好きだからな」

 「工作員は煽りまくるし」

 「馬鹿ほど、右翼だ。左翼だ。で、茶番劇で分断されて啀み合わされる」

 「「・・・・」」

 「連中の思惑に不用意に乗ると、騙されて殺されて、全部乗っ取られるよ」

 「「・・・・」」

 「日本はいいよな。どっちつかずで」

 「戦前戦中とちがって、戦後は、私利私欲の強突張りと。工作員を減らしたからね」

 「「・・・・・」」

 

 

 

 

 国防省

 日本の総人口1億9590万人

 人口増加率3.5パーセントで増えているせいか、比例して将兵も増える。

 国防費がGDPの3パーセントならば、人口比でも587万人ほど欲しいのだが世の中思い通りにいかない。

 開発に必要な研究設備は、累積的に大きくなり、

 兵装の近代化のためにも膨大な設備投資が必要で、兵装の定期更新でも予算が嵩む。

 その上、広長閥は、軍部を信用しておらず、

 ゼネコン寄りの軍拡が進められてしまう。

 一般国民もエリートの辻より、一般校の栗林の戦功が大きいという帰納的な認識も強かった。

 そして、正面装備増強のかわりに、予備役が増やされ、

 一般校や社会人から軍組織内に採用された民権派の参謀、オブザーバー、政務官も少なからずいた。

 関係者たち

 「Mi24ハインドは、どうだったの?」

 「悪くない」

 「じゃ補修用の一般企業と。特注用の大手で棲み分けするとして」

 「どこまで、広げたものか」

 「これまでと同様、日本、輝夜、日満州、和洋州、扶桑州、大和州、南洋州の基幹部隊のみ特注でいいと思う」

 「補修用は、部品の売買もあるから入札社のお任せでいいとして」

 「問題は、特注用か」

 「飛ぶだけなら栄を1基装備するだけで60年は飛ぶ」

 「UFOモドキじゃ 1500馬力だが」

 「ウォータージェット、エアージェット機能を兼ねた海空両用の荷電粒子発電機関も完成しているし」

 「特殊部隊戦闘機用の直径40cm級流星451型エンジンは、荷電粒子ターボファンエンジンになる」

 「問題はどこまでスペックを高くするかでしょう」

  Mi24ハインド

   全長21.50m×主回転翼直径17.30m テールローター直径3.91m

   翼長6.66m 円板面積235.00m2

   自重7675kg 運用10500kg 最大離陸重量11000kg

   発動機クリーモフ製TV3-117ターボシャフトエンジン(出力2200馬力)2基

   最大速度320km/h  巡航速度270km/h

   航続距離1000km

   乗員3名 +  8名 or 積載1500〜2400kg

 「スペックを上げるとしても採算性を考えると数量でかけないと」

 「予備を含めて350機くらいかな」

 「500機は欲しい」

 「海軍は?」

 「海軍はでかい機体が困るし。Ka25があるから」

 「しかし、Ka25より確実に数を増やせるしスペックも良くなるよ」

 「同軸反転式ローターはいいよ」

 「また、そういう粗末な具体例で・・・」

 「粗末ってことはないだろう。艦艇の積載空間を前提に考えろ」

 「沿岸からの対潜哨戒は大型がいいだろうが」

 「大型って言うなら大型航空艦隊が」

 「大型航空艦隊というなら海軍じゃなくて空軍だろう」

 「「・・・」」 ぶっすぅ〜

 「そんな。非常識な原子力航空艦隊なんて作ったら何が起きるかわからんだろう」

 「そうそう。藪蛇はダメだよ」

 「ぶっちゃけ、航空艦隊を創設できるなら、巡視船しかいらないっていうのが本音なんだが」

 「秘匿性の高い潜水艦はともかくとしてだ」

 「そんなの作ったら荷電粒子発電機がバレやすいだろうが」

 「そうそう、だからずっと飛ばすなら宇宙船でって」

 「宇宙船は上げたり下ろしたりが逆に不便」

 「わがままだな」

 「いっそ、Tu95を買うか、それなら野暮ったいから原子力機なんて疑われない」

 「Tu95を何機作る気だ。特殊部隊用なら2、30機がせいぜいなのだが」

 「「「「・・・・」」」」

 「船仕様でいざという時、飛ばすほうがマシ」

 「じゃ 世界最大の飛行艇艦隊で」

 「飛行艇は空軍だよな」

 「「「「・・・・」」」」 憮然

 「・・・Mi24は、同軸反転式ローターで短かくならない?」

 「「「「・・・」」」」

 「空軍は?」

 「対空哨戒で使うのは悪くないが、固定翼機でもいいからね」

 「ヘリなら滑走路がやられても戦えるだろうが」

 「滑走路なら道路を増築した補助滑走路が腐るほどあるのだが」

 「逆に性能次第」

 「500機なら、カーボン、シリコンなど複合素材を使えって、重量を半分に落とせる」

 「それだけで、自重4000kg 運用10500kg 最大離陸重量11000kg」

 「栄エンジンの530kgを足しても積載量は5000kgになるから、お釣りがくる」

 「しかし、栄は1基1500馬力だから、本当に浮くだけだな」

 「省エネになるよ」

 「3基使えば4500馬力で音無しで飛べる」

 「クリーモフエンジンは295kgで2基減らすと。重量が1590kgに増えるけど。燃料を搭載しなくてもうまみが減るな」

 「対空哨戒に関して言うと、機動性を上げる方が」

 「機動性はともかく。エンジン音がないのは、強襲でいいと思う」

 「特高としては、情報統制で発覚しやすくなるのは困る」

 「スピーカでエンジン音を流せば」

 「遠目で素人なら騙せるかもしれんが」

 「特高は買える?」

 「まぁ 内地で10機。州で5機もあれば便利だけど。目立つのは・・・」

 「40機か」

 「あ、いや・・・」

 「正直、荷電粒子発電は給排気口にこだわらない」

 「あればあるで割増で使えるだろう」

 「何よりプロペラなくてもなんとかなるし」

 「荷電粒子発電向きのVTOL機を作る方が便利と言えなくもないが」

 「それは特高がUFOモドキでやってるじゃないか」

 ごほん! ごほん! ごほん!

 「なんにしてもだ。戦車が歩兵の対戦車ロケットで破壊され易い戦場だし」

 「戦車の代わりに攻撃ヘリの需要が高まってる」

 「まぁ 少なくとも対ヘリ誘導ミサイルが出てくるまでは、安心だけどね」

 「特高は、施設が狭いから、どうせ使うなら同軸反転式ローターがいいなぁ」

 「おい!」

 「空軍も高々度で安定してホバーリングさせたほうがいいから同軸反転式ローターに賛成」

 「それも高々度飛べる4基」

 「おいおい」

 「いいだろう。MiもKaもライセンス取ってんだし。折衷で開発」

 「そういや、次期主力戦車は、どうするって?」

 「んん・・・路線が増えてミサイルも性能が向上してるし。装甲列車有利だからな」

 「装甲列車有利は、戦車に対してというより。建設国債のせいなんだけど」

 「「「「・・・・」」」」

 「まぁ 次期主力戦車は、複合装甲と滑空砲で、砲塔ありになりそう」

 「でも、金がないから配備数は期待できないか」

 「軍事費も建設国債みたいにできればいいのにな」

 「それいいよね。予算上の融通効くし」

 「そうそう。バラマキじゃないなら反対勢力も減らせるし」

 「ゼネコンは嫌がってたよ。広長閥も」

 「また、昔の “脛に傷” をチクチクと・・・」

 「時にアメリカは、なんで、ベネズエラ攻撃で航空兵力を主力にしてるのか」

 「アメリカのUH1イロコイとか、カモだろう」

 「UH1イロコイの生産で企業を軌道に乗せて、余剰資本を溜めて一気に新鋭ヘリって発想だよ」

 「昔みたいに戦車で押していけばいいのに」

 「陸戦は、侵略行為だって反対勢力が足を引っ張ってるらしいよ」

 「あと、核戦争後、ヘリコプターが主力の航空戦力になると思って投資してるんじゃないかな」

 「まぁ 核戦争なら飛行場は、叩くだろうからな」

 「日本は主要都市分の核ミサイルしかないよ」

 「「「「・・・・」」」」 ため息

 「というよりヘリは国内の暴徒鎮圧用じゃないかと」

 「「「「「あはははは」」」」」

 「そういや、アメリカで生産に入った、AH1コブラは、どうなの?」

 「あれは、対戦車攻撃ヘリでまだベネズエラで見てないらしい」

 「AH1コブラは兵員輸送を考えてない」

 「攻撃ヘリと兵員輸送を分けるの、いい考えだよね」

 「哨戒・強襲用は大きくなるし。艦船用は中途半端になるし。対戦車用なら小型になるからな」

 「なんなら同軸反転式ローター型のMi24ハインドで大中小を作るとか」

 「遠目だとなんの機体かわからないのと距離感を狂わせられるのが特典」

 「・・・まず・・金がねぇのが問題なんだが」

 「とりあえず、大は小を兼ねるし。電子機器を沢山詰める方が有利」

 「前線で使う小型は荷電粒子発電を知られるかもしれないし、後回しということで」

 「「「「「・・・・・」」」」」 こくんこくん

 

 

 

 

 基幹産業の生産が安定し、採算が軌道に乗り、需要と供給が相乗効果で拡大し、

 新商品が生まれ、産業のすそ野も広がっていく、

 その最大要因が世襲天下りから再分配される財政より、

 紙幣を循環させやすく民間活力を生かしやすい国民基礎所得だった。

 もちろん、金融支配の視点に立つと面白くないのだけど、

 面白くない者たちは、人類の一握りしかいない。

 さて、草の根の経済の流れとは別に、

 国の意志を決める財政は、公共投資、設備投資、安全保障を中心に再配分されている。

 特に、秘匿性の高い軍機は、

 核、電子部品、シリコン、カーボンナノチューブ、グラフェンなど研究開発機関と、製造施設で、

 地下工場に置かれていた。

 そういった区画は、毎年のように新設されたり、増設されたりしている。

 これらの新技術は、神火核を研究し複製しようとした過程で生じた新技術だった。

 なかでも、神火核の機能を一部模倣した劣化モノの荷電粒子発電機は、

 致死量の放射線を浴びつつも白内障にもならず精密加工できる神火人だけが製造できた。

 

 次期主力荷電粒子発電機は2000馬力級を目標にしていた。

 質量比だと、海洋戦力で優位。陸上戦力で通常。航空戦力で過小過ぎた。

 

 

 

  

 南米諸国では、日本本土爆撃、沖縄戦とハワイ占領時のフィルム映画が毎日のように映され、反米色が強まっていた。

 アメリカが支援するコロンビアと、日本とソビエトが支援するベネゼエラの戦争は、

 アメリカ・コロンビア軍にベネゼエラの油田地帯と首都カラカスの一部が占領されたものの

 ベネズエラ市民はAK47と60式銃を手放さず、市街戦が続いていた。

 

  AK47 7.62×39弾 

   重量3900g(マガジン無し、III型) / 4400g(マガジン付、III型)

   銃身長415mm/全長870mm

   銃口初速730m/s  有効射程600m

   装弾数30発   発射速度600発/分

 

  60式 6.5mm×50小銃

   重量4200kg

   銃身長460mm/980mm

   初速740m/s  有効射程600m

   弾倉25発  500発/分 

  

  M16 5.56x45mm

   重量3500g

   銃身長508mm/全長999mm

   初速884 m/秒  有効射程500m

   装弾数20発/30発(箱形弾倉)  発射速度900発/分

 

 AK47は命中率が低かったものの、それ以外で無類の強さを発揮し、

 60式は命中率が高かく、それ以外はAK47と同じか、わずかに劣っていた。

 そして、M16は、60式より命中率が低く、AK47よりデリケートだった。

 アメリカ軍将兵は、長距離から60式で狙われ、至近距離になるとAK47に苦戦していた。

 街は、空爆と重砲が戦場に降り注ぎ、ベネゼエラ軍だけでなく、女子供まで銃を取って戦おうとしていた。

 アメリカ軍の小隊が街の一角を制圧しようとしていた。

 「ジョンソン二等兵がやられました」

 「くそっ! コミュストが女子供にまでトカレフを配りやがって・・・」

 上空のUH1イロコイがソビエト製のRPD軽機関銃に狙い撃ちされたのか、

 黒い煙と炎を吐きながら落ちて爆発した。

 「ベンジャミン少尉。あの教会です」

 「ケビン。第2分隊は右」

 「了解」

 「トーマス。第3分隊は左だ」

 「了解」

 「五分後、14:30に同時攻撃する」

 「「了解」」

 「言い残すことがあったら、今のうちに言っとけ」

 「少佐。自分は戦争が終わったら、妻と娘の待つりんご園で、アップルサイダーを作るんです」

 「完成したら送りますよ」

 「ケビン・・・おまえ・・・勇気のある奴だ・・・頑張れ・・・」

 「少佐。じ、自分は、戦争が終わったら許嫁と結婚するんです」

 「そうか・・・トーマスも・・・幸せになれよ・・・」

 「「行きます」」

 教会の周りは、音を立て易いものが幾つも置かれ、

 なかには、踏むだけで教会に接近を知らせるものもあった。

 右翼のケビン隊は、包囲しようと回り込んでいたが足元の仕掛けに気づかず、発見され、

 AK47の掃射を受けた。

 士官がスローモーションのように倒れていく、

 「ケビン〜!!!!!!」

 教会からの銃口の数は、4〜6人だった。

 「撃て。撃ちまくれ!」

 第1小隊は包囲攻撃を狭めつつ、協会のゲリラを鎮圧していく、

 「少尉。教会を制圧しました」

 「第1分隊は歩哨。第二分隊はトラップの確認。第三分隊は小休止」

 「トーマス。残存兵を確認にしてくれ」

 「了解」

 「第5小隊は?」

 「まだ、高地で包囲されたまま、取り残されているようです」

 「まずいな・・・通信兵・・・」

 「スワローへ報告。こちらウィスキー小隊」

 「チャーリー小隊とまだ合流できてない。座標3465・7523に砲撃を頼む」

 “了解したウィスキー小隊。5分後に、座標346・723へ砲撃する”

 「五分後だな。了解した」

 「くっそぉ あっちこっちにトラップを仕掛けやがって」

 「中国人のトラップは特に陰湿ですからね」

 「あいつら、オリノコ川以南の財産を広げるために必死だな」

 「・・・少尉。面白いものを見つけましたよ」

 兵士の一人が説教台に隠していた書類を見せた。

 「・・・なんだ」

 「英語だな。アメリカの保険会社の書類のようだが・・・」

 「なんでしょうね」

 「くたばった奴隷保険・・・」

 「第三師団将兵リスト」

 「兵士に保険金がかかってるぞ・・・ 受け取りは、第三師団長だとさ」

 「「「「「あははははは」」」」」

 「日本人がアメリカンジョークをやるなんて傑作だぜ」

 「「「「「あははははは」」」」」

 「少佐。ロシア人かもしれないのでは?」

 「ソビエトは、こんな上質の紙を作れない」

 「アメリカの保険会社だって、こんな上質の紙を使うものか」

 「だから、このジョークは、日本の印刷会社さ・・・」

 !?

 銃声が響くと、

 窓際で笑っていた士官がスローモーションのように崩れ落ちていく、

 「トーマス〜!!!!!!」

 60式小銃の狙撃で死傷者が急増していた。

 アメリカは、黒人の市民権を約束することで兵員の増員を行なったものの、

 インフラが整備されたベネズエラが気に入ったのか、元より捨てるもののない黒人兵士の裏切り者が続出する。

 ベネズエラ大統領ラファエル・カルデラは、オリノコ川以南の後方に下がって徹底抗戦を継続した。

 これは、日本ゼネコンと漢民族の移民でインフラと軍事基地が整備され、

 ブラジル領から武器弾薬が供給されていたからにほかならなかった。

 

 B52爆撃機20機編隊が爆弾の雨と降らせジャングルを燃やしていく、

 地対空ミサイルが打ち上げられ、3機が撃墜される。

 後方司令部

 日ソ軍事顧問団たち

 「硫黄島、沖縄、ガダルカナルの生き残りだっけ、粘り強い戦いに定評のある予備役が手を貸しただけはある」

 「よくもまあ、現代戦まで亡霊のように・・・」

 「結局、戦場心理を理解してたら、ハードを組み合わせればいい」

 「逆に戦場に行ったこともない将兵なんて、新鋭兵器を持っても怖すぎて話しにならんよ」

 「しかし、我々もベネズエラまで送られたものだ」

 「正直言って、ベネズエラが落ちると、反米橋頭堡で困るからな」

 「しかし、やり過ぎて、仕返しでホルムズ海峡を封鎖されると困る」

 「そんなことになったら第三次世界大戦になるかも」

 「まぁ その手前で止めたいがね」

 「結局どう終息させるのって話しだが」

 「一応、ベネズエラとコロンビアの対立を残したままって、アメリカと話しがついてるけど戦局次第」

 「なんともダラダラしそうな戦争だな」

 「アメリカは、南米諸国の近代化と国力増強が急過ぎて、押さえときたかったのだろう」

 「それと死神教の躍進が異常なこと」

 「戦争で反日も増やしたかったのに成功せず」

 「かと言ってベネズエラを落としてしまうと、世界全体に反米が広がる」

 「だから侵略もできず、撤収も困難か・・・」

 

 

 

 日本海軍

 呉で伊勢2番艦 “扶桑” の建造が始まる。

  36000t級伊勢型航空巡洋艦 “扶桑”

   全長280m×艦幅32m(全幅46m)×吃水9m

   荷電粒子発電160基160000馬力  速度32kt  航続距離60年間 (公開10000海里)

   対空ミサイル60基  対艦ミサイル60基

   迎撃ミサイル60基  対潜ミサイル60基  

   大型巡航ミサイル60基

   61口径128mmFlaK40砲×2基  71口径40mmガトリング6連砲×6基

   戦闘機12機  哨戒ヘリ12機

 

 ベネズエラ海軍潜水艦が空母ミッドウェーを撃沈したせいか、大型艦は、存在価値を疑われている。

 むろん、それ以前にも、潜水艦によって、大型艦が撃沈されている。

 そして、原子力潜水艦が建造されるようになると、水上艦と潜水艦の天秤は、潜水艦に傾きつつあった。

 それでも、大型艦を建造するのは、潜水艦では不可能で、大型艦でしかできない任務があり、

 大国の威信と、更新した対潜装備の自信と期待感があるのかもしれない。

 日本の伊勢型航空巡洋艦がまさにそれで、中途半端の極みにも思えた。

 

 

 そして、荷電粒子発電機は、水上艦と航空機を合わせたような。

 いわゆる、飛行艇なのだけど、水上艦に近い艦艇を研究開発させてしまう。

 それは、ジューコフスキー翼を兼ねた三胴船に一体型の菱形翼を付けたような奇妙な形態になった。

 荷電粒子ターボファンエンジン案

 1500t級

  中央船 (全長120m×全幅10m)  左右船 (全長40m×全幅8m)  ×  全翼幅60m

  直径40cm級流星451型荷電粒子ターボファンエンジン 推力 2500kg100基 250000kg

  巡航ミサイル40基、対空ミサイル40基、対潜ミサイル40基、迎撃ミサイル40基、25mm6連装4基

  速度1000km/h 航続距離30000海里 

 

 荷電粒子機関ウォータージェット・エアージェット案

 1500t級

  中央船 (全長120m×全幅10m)  左右船 (全長40m×全幅8m)  ×  全翼幅60m

  荷電粒子エンジン 1500馬力(1125kw) 400基 600000馬力(450000kw)

  巡航ミサイル40基、対空ミサイル40基、対潜ミサイル40基、迎撃ミサイル40基、25mm6連装4基

  速度580km/h 航続距離60年 

 関係者たち

 「もう、飛行機にしたいのか。軍艦にしたいのかわからんな」

 「ていうか空軍は、くたばれ海軍って感じで設計してる」

 「「「「あはははは」」」」

 「航空機は、全天球から攻撃されるけど。海中からの攻撃は二の次」

 「水上艦艇は、空中、海中、水上の3つの対処が求められる」

 「軍艦が飛べるならって、仕様を突き詰めたら、自然に、この形になった」

 「カーボンの重さは、鋼鉄の4分の1。アルミの半分」

 「強度は鋼鉄の20倍も強いからまともに軍艦を建造すると構造上、体積と浮力が不自然になる」

 「伊勢は転覆しないよう浮力計算で苦労したようなものだからね」

 「飛行艇なら機体の大半が水面上に出るから誤魔化せる」

 「カーボンの生産量も増えたし、やれんこともないが高くつくよ」

 「インフレで誤魔化せる」

 「割損感が大きくて評判悪いよ。インフレ」

 「ふっ お札が増えるんだから幾ら稼いでも達成感はないけどね」

 「金の亡者とか、支配欲がなければ問題なかろう」

 「戦争できねぇ」

 「戦争なんていうのは、攻撃された時、戦争すればいい」

 「今は、未開地が多過ぎるし。同胞同士で足を引っ張り合うより。国力増進だよ」

 「また、新参の新興企業に予算を取られることになりそうだな」

 「しょうがないよ。軍は命が大事だし」

 「利権で儲けたいなら命と関わらない事業で伸ばせばいい」

 「ていうか、推力2500kg100基で推力250000kgだと宇宙に飛びたさないか」

 「重量1500tを推力250tで持ち上げるの?」

 「サターンVは、重量が3000tを超えるが3段合わせると推力4000t超えるんだが」

 「揚力を利用して飛ぶのと、推力だけで打ち上げるのでは違うからね」

 「フル装備での機動力は、蒼雷の5分の2で。通常運用だと5分の3くらい」

 「ん? じゃ エンジンを増やせば宇宙に出るということか」

 「451型荷電粒子ターボファンエンジンは、UFOモドキで使ってるエンジンの発展型だから」

 「燃焼剤がなくても推力で200kgあるよ」

 「しかし、真空の宇宙に出ると機体が真空の外に引っ張られるからバラバラになるな」

 「「「「・・・・・」」」」

 「じゃ 機体を強くしたら」

 「重くなるだろうが」

 「小型にしたら」

 「エンジンを置く場所が減るし、推力が足りなくなる」

 「装備も減る。ちったぁ分かれ」

 「ウォータージェット・エアージェット案の方は?」

 「んん・・・飛行性能は零戦レベルに落ちるけど、航続距離60年は、まぁまぁだと思うよ」

 「速度が遅いのが難点か」

 「もうあれだな。無理して大型飛行船を維持するより」

 「中型攻撃機で、平時は中距離飛ばして」

 「戦争が始まったら大洋の制空権を支配するほうが手っ取り早い気がする」

 「失敗する可能性も少ないし」

 「「「「・・・・・」」」」

 

 

 資本主義と共産主義。左翼と右翼。

 両端を押さえる勢力が自作自演を繰り返し、選択肢を狭め世論を誘導する。

 戦後の日本は、資本主義と共産主義を恐れず、

 民権派の民主主義と、国権派の資本主義の両者の折衷案に落ち着いた。

 日本が中庸な政治経済政策を指針に据え、

 国際外交戦略を展開すると、三極の一角として安定する。

 というより、総人口2億に達する国民国家で、支配構造を強化する手法は困難を極めた。

 宇都宮遷都で、国会議事堂は余裕のある作りとなっていたが、

 国権と結びつき易い貴族員は、総人口の20万分の1、

 民権と結びつき易い衆議員は、総人口の10万人の1が定数だったものの、

 選挙権を持つ年齢層が2億人を超え

 貴族員1000人。衆議員2000の大台に乗ることは目に見えていた。

 選挙戦が資金力と人員動員力になって、民衆の声が届きにくくなると言われながらも

 衆議院の候補者選出が抽選制であることから民衆の声は届くだろうと、

 貴族員は30万分の1

 衆議員は15万分の1へと引き上げられ、

 単純計算をするなら 貴族院666人。衆議院1332人以上になった。

 政治制度は、国権代表の貴族院の政党が国家政治、外交戦略方針を決め、

 民権代表の衆議員がそれらの党に入るか。

 衆議院で党を作って持続させるかだった。

 貴族院は国権を代表する憲政会4、民権を代表する憲民会4、独立会派2に別れ、

 衆議院は、衆民党2と無所属8になることが多く、

 無所属がどこに流れるかで政局が決まっていく。

 “原爆を落とされた人々の世界平和を望む会” の神火人たち

 フロアには、10人も満たなかったが、聞き耳を立ててる神火人は多かった。

 「30万と15万に減らしたが、なんとも人が多くて、統制がとれんな」

 「もう、議員数が多過ぎて、買収不可能な数字だよ」

 「世襲できない衆議員に買収を試みるのはリスクが大きすぎるし」

 「国民基礎所得で買収する意義すら低下している」

 “衆議院で新党結成の動きがあるけど”

 「ああ、たまたま、有力タレントが抽選されてね。そのまま勢いで衆民党に入ったらしい」

 「まぁ 素人だがカリスマ性が高くてね」

 「衆議員の半分を押さえる程度だが、それでも貴族院と同等で全議会の3分の1」

 「残りの衆議員がどこにつくかで政局が荒れる」

 “総理大臣にでもなりたいのかね”

 「政治といっても適当な問題点の処理で政治を動かすだけで。特にすることないけど」

 「なりたいのならならせてもいいけど。神火人とか、機密に触れるからな」

 「口が硬いならいいけど、そうじゃなかったら・・・」

 “荒事は、よくないと思うよ。気が進まないし”

 「まぁ そうだけどね」

 「最悪、憲政会と憲民会の連合も」

 “いや、それはさすがに駄目だろう”

 “それはそうと、ベネズエラ戦の落としどころをどうにかしないと”

 「死神が怒り始めてるで、全面制圧は防いでるけど、頑迷な勢力がいるからな」

 「やっぱし、死神を派遣して先行軍を叩くべきだったか」

 「いや、昔とちがって軍は偵察力があるし、暗視スコープを持ってる」

 「神火人は回復力があるけど、対戦車ロケットの直撃なんて受けたら流石に死ぬからね」

 「それに第二の人生が増えたといっても、神火人も家族持ち、財産持ちだから」

 「焼け野原にされない限り、昔のようなハングリーはないよ」

 “悪かったね。ハングリーをなくして”

 「お互い様だけどな」

 「「「「「「・・・・・・」」」」」」 苦笑い

 「使えそうな手駒なら心当たりはあるよ」

 “あいつらは、ヤダ”

 「「「「「「・・・・・・」」」」」」 苦笑い

 

 

 

 

 アメリカ合衆国

 泥沼となっているベネズエラの戦況報告が終わる。

 「数万の黒人兵士がベネズエラ側についたというのは?」

 「この写真が原因でしょう」

 「KKK団の黒人に対する殺戮の写真が戦場にばらまかれてましたからね」

 一人が写真を取ると、黒人を鉄棒で串刺しにした姿焼きだった。

 “我々は、支配され搾取されてる黒人将兵に家と土地を与える用意がある”

 もう一枚を取ると、庭付きの家に住む元黒人兵士の写真が写っていた。

 “ベネズエラで公平に共に生きよう”

 「こんな姑息な・・・」

 「兵士の主力が食い詰め白人と、人権の欲しい黒人ですからね」

 「意外と効きますよ」

 「これ・・ 日本で撮った特撮写真じゃないのか?」

 「ええ、たぶん」

 「くそったれが、日本をなんとかしろ」

 「とは言われても、ワシントンは、日本の核ミサイルの標的ですし」

 「我々の核ミサイルも宇都宮を狙ってる」

 「日本の地下施設建設力は尋常じゃないですからね」

 「抗湛性は日本が強いですよ」

 「無分別に国民に金をばらまきやがって、利権を守る気がないのか」

 「守る気はないようですね」

 「大同小異の同胞同士で骨肉の争いでもすればいいものを・・・」

 「アメリカ国民はフードクーポンに怒ってますよ」

 「だから三極冷戦対立。キューバ事件。宇宙開発。ベネズエラ戦争で誤魔化してるんだろうが」

 「日本をなんとかできないのか」

 「城塞都市間の離反工作は」

 「利害対立はあるが、歴史教育が一貫している」

 「海外州の独立は」

 「国民が建設国債に比例した配当をもらってるということはね」

 「海外州の建設国債を保有してるのと同じだよ」

 「海外州にまたがった家土地を持ってる者も多いですし」

 「膨れ上がる建設国債で経済破綻するというのは?」

 「ふっ 自分の国で紙幣を印刷して好きに分配できる国がなんで破綻するのかわからんね」

 「中央銀行の帳簿上は、負債になるだろうが」

 「ふっ 建設国債の公共事業で使う金は、ゼネコンを経由するがね」

 「国民基礎所得は、国民の権利だから負債として計上されない」

 「利息分をはるかに超える紙幣が社会資本として流通してる」

 「紙幣で金融支配をするつもりが無かったら、便利な中間交換物に過ぎないってことだよ」

 「その上、市場に乗る価値のない物品・サービスのチケットポイント市場もある」

 「日本の学生は、ここで力をつけて、独立することもあるらしいし」

 「その気になれば、金を使わなくても生活できるそうだ」

 「国と城塞都市をケンカさせるとか」

 「城塞都市は数千人の予備役がいて、手順を踏めば武装できる」

 「何より国から直接、国民基礎所得が振り込まれてるから、政府と戦争する国民なんて・・・」

 「日本の経済成長を何とかしないと、アメリカの資本主義経済が問われるし」

 「我々に矛先が向く前に日本を叩かないと、まずかろう」

 「まずいかもしれないが、アメリカは貧富の格差が広がりすぎて勤労意欲が低下している」

 「組織に愛着がなければ、組織のためには働かないか」

 「つまり、いい製品は日本で作られるというわけね」

 「工業製品は日本が勝ち始めてるし。生産力も日本が強い」

 「我々も、もう一度、金をばら蒔いて、工業力を育てるべきか」

 「だが利権がひっくり返されかねない」

 「FRBが押さえてるなら自作自演で、利益誘導できるよ」

 「だといいが、ばれたときのリスクも大きいからな」

 

 

 

 核実験と核戦争の研究が進むにつれ、

 核戦争が起これば150メガトン程度の核爆発でも

 放射性物質を帯びた数百万トン規模のエアロゾル(浮遊粉塵)が地球全体を覆い。

 致命的な生態系破壊を起こし、半年から数十年の核の冬の到来が国際常識となった。

 日本が地下施設を断続的に拡大し、

 荷電粒子発電を地下に埋設して電力を加算させているのも

 核戦争後の生き残りをかけてのことだった。

 日本の地下施設は世界一と言われるほど広大で、

 上海から釜山、樺太南端まで地下鉄で縦貫させるほどの勢いがあった。

 

 

 反日ギルド朝鮮チーム コード名 ムン キン リン は、味方のように振る舞いながら近づく

 「これはこれは、社長。今日もいらっしゃいましたニダ」

 「おお、君らも好きだな」

 「ノーパン喫茶は、大好きニダ」

 「ははははは」

 「最近の景気はどうニダ」

 「まぁ 親方日の丸の建設国債で安定財源だからのらりくらりとやってる」

 「たくさん、掘ってるニダ」

 「あははは、キロメートル当たりの金額は決まってるのにインフレするが、まぁまぁ利益にはなるよ」

 「国民基礎所得のせいでインフレが早いニダ」

 「しかし、国民基礎所得は建設国債と比例してるし。反対勢力も少なくなるから、しょうがないよ」

 「国民基礎所得をなんとか減らさないと、ゼネコンは儲けが少ないニダ」

 「まぁ そうだなぁ ちょっと頑張ってみようかな」

 「がんばるニダ。応援するニダ」

 「リベートと地位があれば、もっと頑張れるニダ」

 「「「「あはははははは」」」」

 「「「ウェーハハハハ!!!」」」

 「日本の鉄道運賃は地下鉄が多いのに安いのが不思議ニダ」

 「国内線の航空機を減らしてもあってるからだよ」

 「海外州への航空便は多いが、内地の移動なら鉄道を使ったほうが快適だからね」

 「海外州だって、海を越えないなら、鉄道利用が一般的だよ」

 「それにトンネルを掘ってるが採算が取れるまで運行を伸ばしてるトンネルも多いからな」

 「それにしては安いニダ」

 「まぁ 軽量化とか努力してるからね」

 「次はどこを掘るニダ」

 「ああ、確か・・黒龍江の北側だったかな」

 「寒いニダ」

 「地下だから寒くはないよ」

 「温まるよう、大吟醸を奢るニダ」

 「おお〜 すまんな」

 「ゼネコンとは、仲良しニダ」

 「「「「あはははははは」」」」

 「「「ウェーハハハハ!!!」」」

  

 

 反日ギルド朝鮮チーム コード名 ムン キン リン は、ゼネコンにパイプを作ることに成功し、

 日本の国民基礎所得にダメージ2を与え、レベル12になった。

 3人は、喜びのあまり、トンスルパーティでHP4を回復する。

 「大成功ニダ。黒龍江の北に地下トンネルがあることを調べたニダ」

 「ご褒美にサムゲタンとダッカルビを送ってくれるニダ」

 「核ミサイルを直撃させればトンネル網ごと、放射能で満たすことができるニダ」

 「日本人は、死ね死ねニダ」

 「「「ウェーハハハハ!!!」」」

 反日ギルドから次のクエストが送られてくる。

  1、日本食品に毒を入れる。    2、日本の銀行を襲撃する。

  3、日本人から金を騙し取る。   4、日本人を自殺させる。

  5、日本女性を強姦する。     6、日本人を拉致誘拐する。

  7、日本の文化財を盗む、放火する。

 「「「・・・・・・・」」」

 

 

 

 

  

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 月夜裏 野々香です。

 今回は、少しばかり核の冬について、

 むかしは、核の冬の脅威とか、訴えていたのに、最近、意識されてない。

 なんでだろう・・・

 正直、核戦争は勘弁なので、

 核の冬の映画と番組は、定期的にやったほうがいいような。

 

 

 総人口1億9590万人。

  日本・輝夜 (72万ku) 日本・半島  内地人口9413万。

 

  海外州人口1億0176万人

   和洋州 (25万ku) 京杭大運河東部域  3813万

   日満州 (100万ku) 外満州  3813万

   扶桑(カムチャッカ・チュクチ)州 (121万ku) 1016万

   大和(アラスカ)州 (171万7854ku) 1270万

   南洋 (ハワイ、ビスマルク、ソロモン諸島) (10万6461ku) 254万

    フィリピン バターン・コレヒドール島 日本自治 “桃太郎” 区 (1000ku)

    マレーシア ブルネイ 日本自治 “金太郎” 区 (1000ku)

    インドシナ ダナン 日本自治 “舌切雀” 区 (1000ku)

    インドネシア パレンバン 日本自治 “浦島太郎” 区 (1000ku)

    ビルマ ヤンゴン 日本自治 “因幡の白兎” 区 (1000ku)

    シンガポール 日本人自治 “鶴の恩返し” 区 (1000ku)

 

 

 

 日本海軍

 第01機動部隊

  36000t級伊勢型航空巡洋艦 伊勢

  空母 白鳳(ランドルフ)、海鳳(ハンコック)、雷鳳(タイコンデロガ)

  戦艦 薩摩(ミズーリ)、駿河(ウィスコンシン)、

  重巡 穂高(セントポール)、

  軽巡 八瀬(ダルース)、黒部(サンタフェ)、白萩(モービル)、河津(ビロクシー)  駆逐艦18、

 

 第02機動部隊

  空母 蒼鳳(アンティータム)、幻鳳(シャングリラ)、慶鳳(ボノム・リシャール)、

  戦艦 因幡(アイオワ)、播磨(ニュージャージー)、

  重巡 蔵王(ボストン)、

  軽巡 天白(オクラホマシティ)、三原(アムステルダム)、日高(マイアミ)、天神(パサデナ)  駆逐艦18

 

 2410t級ガトー型潜水艦46隻

 2424t級バラオ型潜水艦26隻

 2424t級テンチ型潜水艦8隻

 

 1360t級エヴァーツ型護衛駆逐艦(21)  1740t級バックレイ型護衛駆逐艦(44)

 1240t級キャノン型護衛駆逐艦(23)    1250t級エドサル級護衛駆逐艦(24)

 1450t級ラッデロウ型護衛駆逐艦(4)   1350t級ジョン・C・バトラー型護衛駆逐艦(24)

 

 ジェットエンジン

 直径40cm級流星エンジン  直径60cm級彗星エンジン

 直径80cm級蒼星エンジン  直径100cm級紅星エンジン  直径120cm級天星エンジン

 

 “原爆を落とされた人々の世界平和を望む会” 

 広島  賀茂忠行  天光正教  ウリエル  死神ウラン

 長崎  安倍晴明  聖炎主教  サリエル  死神プルト

 

  

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第26話 1970年 『必殺、トロイの木馬作戦ニダ』

第27話 1971年 『双頭戦略と、新自由(奴隷)主義』
第28話 1972年 『総人口2億を超えて・・・・』