月夜裏 野々香 小説の部屋

    

天ぼた系 火葬戦記 『神火風』

 

 第30話 1974年 『不換紙幣に財源はいらない』

 

 日本人の総人口は、アメリカ人の総人口と並び、追い抜く趨勢を見せていた。

 第4次中東戦争で石油が高騰したものの、

 日本の国内総生産GDPは、アメリカの1.8倍を超えて勢いを保っていたのに対し、

 アメリカ合衆国は、賃金高騰を抑制するため産業の空洞化を進め、国際競争力を低下させていた。

 そして、内政の不満を逸らすはずのベネズエラ戦争は、反戦運動が激化し、

 ニクソン大統領は、ウィーターゲート事件で辞任が囁かれており、

 アメリカは、経済的にも政治的にも追い詰められていた。

 

 アメリカのテレビ局

 キャスターと日本某自動車会社の社長

 “今回は、戦後急成長を遂げている日本を代表する自動車企業×××の○○社長を紹介します”

 “よろしくお願いします”

 “早速ですが、質問させてください”

 “どうぞ”

 “なぜ、日本国は高度成長を続け。日本企業も利益を上げ成長してるのでしょうか?”

 “政府が企業と国民に金をばら撒いてるので消費力があるからだと思います”

 “ただ、企業は薄利多売なので、純利益は、ビック3より少ないはずです”

 “社長。アメリカの成長が日本の成長に負けてるのはなぜだと思いますか”

 “企業が競争で利益を得るより、利権で利益を得るようになると”

 “管理部門が膨れ上がり高給なのに仕事量が減り、生産効率と、採算効率が低下していくのです”

 “国民に金をばらまくと、低賃金で仕事量の大きな新興勢力が台頭し、既得権益を奪われかねません”

 “なので競争相手に金を回らせたくない衝動にかられますから、兵糧責めですね”

 “そして、国民が一定以上の収入があったら戦争なんてしたくなくなりますからね”

 “金融的に飢餓状態にすることで兵士を募りやすく、戦争させ易いよう誘導したいわけです”

 “お金持ちは従軍してないでしょ”

 “・・・・”

 “むかしの日本も似たようなことをやってましたよ”

 “・・・・” 苦笑

 “日本企業は、薄利多売で苦労しても日本にいるのでしょう?”

 “建設国債と国民基礎所得で金の廻りが良く、国内に安定した消費力があるからだと思います”

 “お金持ちにお金を渡すと投資が増えて、金が回り易いと言いますが?”

 “一時的にはそうです”

 “しかし、投資が増えて生産を増やしたところで、社会資本がなければ、消費が落ち込みます”

 “つまり、貧困層が増えるので売り上げが先細り、ジリ貧になるのです”

 “そして、投資したお金より多くの社会資本を吸い上げるので、既得権益者ばかりが得しますし”

 “紙幣の循環が阻害されてしまいます”

 “利権から排斥された者は失望させられますし。貧乏人も増えるわけです”

 “それより、国民にばらまくほうが公平ですし。国民から需要を得るは、企業が実力勝負になるわけです”

 “日本経済では、財政からの再配分から稼ぐ方法と。金融の国民基礎所得の消費力から稼ぐ二方向があるわけです”

 “人口が増えてるので、需要さえ掴めば売り上げが見込めますから”

 “日本政府は、なぜ、国民でなく、より企業に財政投資で利権を呼び込まないのですか”

 “天下り先が増えるはずですが”

 “何度か試みてますが”

 “衆議院が一任期制で連続選出ができないこと、あと、抽選議席の議員が邪魔するせいで成功していません”

 “あと、余計な天下りは財政的な恩恵が受けられますが、企業は、自由を失います”

 “一般国民を相手にするなら自由を得やすく、天下りは、生産効率性より、採算性を悪化させる要因になりますし”

 “新興企業の追い上げが激しいので、死活問題になるのです”

 “何より賄賂を貰わないと働かない公務員が日本全体で増大する恐れもあります”

 “日本企業は、賃金の安い海外に工場を移転しないのはどうしてでしょうか?”

 “人口増加と国民基礎所得で国民の需要が見込めること。円安傾向が続いてるからでしょうか”

 “アメリカは国民基礎所得の現金でなく、フードクーポンを配ってるのですが、どう考えますか?”

 “アメリカのお金持ちは、貧乏人のポケットに幾ら入ってるのか気になるようです”

 “そして、貧乏人のポケットに入ってる最後の5セントまで、フードクーポンと交換したがる”

 “なぜ、アメリカのお金持ちは、貧乏人のポケットを調べたがり”

 “自らの金庫の中身は、隠すのでしょうか”

 “フードクーポンは、貧困救済のためのモノではなく”

 “敵対企業を衰退させ。貧富の格差を広げるための手段なんですよ”

 “フードクーポンを支持してる教授や経済学者は、ライバルになる成り金を減らし、貧困層を増やそうとしているだけ”

 “知って言ってる犬も、知らずに言ってる馬鹿も、同じアメリカ国民にとって敵ですから”

 “見つけたら簀巻きにしてハドソン川にでも投げ込むといいでしょう”

 “に、日本もチケットポイント制を敷いてるのでは?”

 “チケットポイントは、一般市場に流せない傷物や中古品の売買ができる市場です”

 “それと、日本は急速に人口を増やす必要性に迫られてるので、未開地を開発して国民に土地を渡してます”

 “つまり、チケットポイント制は、日本国民の国民の食費分の紙幣量を減らす制度ではなく”

 “国民に貯蓄させ、州を超えて家、車、家具を国民に買ってもらうため”

 “チケットポイント市場を利用してもらう制度なのです”

 “日本の成長と、アメリカの成長の遅れの正体はなんだと思いますか”

 “アメリカ国民がお金を持っていないことだと思います”

 “アメリカ国民の消費力はとても大きいですよね”

 “ええ、広告業界が浪費を煽ってるのでしょう”

 “日本資本も、アメリカの富裕層と借金消費者のおかげて大変な利益を上げていますよ”

 “アメリカの広告会社は、貧乏人に浪費させ、散財させようとしてるのに”

 “最大の貯蓄源のお金持ちは散財しないでしょう”

 “いずれ、貧困層が増えて消費力が低迷していくでしょう”

 “日本は信用創造でなく。建設国債、学制国債、国民基礎所得で紙幣を創造してますがどうしてですか”

 “換金紙幣は財源の金が必要ですが”

 “不換紙幣は材料費以外の財源がいらないと考えてるからです”

 “もちろん、無分別に発行してるわけではありません”

 “建設国債は公共性が高く。また、学制国債も日本の未来への投資だからです”

 “国家と国民にとって必要不可欠なものまで、資本主義の貸し借りで考えるべきではありません”

 “紙幣は、通信、エネルギー、商品、交通、労働対価の仲介物でしかありません”

 “紙幣価値を低下させることでモラルが強くなり、地域と家族の絆が強くなり易いですし”

 “国家を退廃させてしまう拝金主義と利己主義を淘汰させ易いわけです”

 “お金のための犯罪とモラル低下は、減らすべきでしょう”

 “日本は、輸出商品を不当にダンピングしてるということですが”

 “輸出品は、一度、石油と資源と加工にかかる経費をドルに換算し”

 “且つ、ビック3の自動車のキロ換算を合わせて、価格を決めています”

 “戦争が今より拡大しなければ、日本製品は低価格を続けられるでしょう”

 “アメリカが戦争をやめると日本製品は、もっと安くなるのでしょうか?”

 “第4次中東戦争は影響なかったのでしょうか?”

 “第4次中東戦争の石油高騰で、我が国の公共事業の下半分が影響を受けてますし”

 “消費物価にも影響が出ています”

 “しかし、ベネズエラの油田が再開すると、その分エネルギー安で、価格を安くできるでしょう”

 “ベネズエラ戦争が始まっても日本製品は、ほとんど高くなってないようですが”

 “・・・企業努力です”

 “日本は特別なエネルギー源があるという噂があるのですが”

 “そ、そ、それは、ど、どんなものでしょう。よくわかりませんが”

 “・・・買った燃料の半分も使ってないので、備蓄に余裕があるといった噂も”

 “ま、まさか。そんな。き、きっと石油コンビナートでプラスチックを作ってるからでしょう”

 “それは変ですね・・・こちらの試算で10億トン以上生産してることに”

 “えっ ・・・き、きっと、トンネルを丈夫に作ってるのでしょう。たくさん作ってるので・・・”

 “そうですか。わかりました”

 “・・・・・” ほっ

 “ベネズエラ戦争になにか、意見はありますか?”

 “そうですね。一日も早い和平を願っています”

 “それだけですか?”

 “あ、アメリカ合衆国は、家族をもっと大事にすべきでしょう”

 “ベネズエラに潜入した麻薬業者が見つからないというだけですし”

 “アメリカ人が家族を犠牲にして、ベネズエラ人と殺し合う戦いではありません”

 “ありがとうございました”

 

 

 

 衛星ステーション “あけぼの”

 ハニカム構造直径6m×全長120mの宇宙船は、追加の宇宙船6隻と連結する。

 直径は18mになって居住性が高まった。

 日本は、短期間とはいえ、有人宇宙ロケット7基と、貨物宇宙ロケット21基の打ち上げを成功させていた。

 とはいえ、パイロットは、1ヶ月で入れ替わる。

 山口昇一は、2度目の宇宙滞在になっていた。

 巨大な宇宙船でありながら、3人しかいないのは、実験だけでなく、

 自給率を優先していたからにほかならない、

 あけぼのよりも低高度をサリュートとスカイラブが通過していく、

 互いに双眼鏡を見ながら手を振る。

 「来年、あけぼの・アポロ・ソユーズのドッキングがあるようだ」

 「ぶつけないで欲しいけどな」

 「一応、あけぼののドッキング方式に合わせてくれるそうだ」

 「いたずらされなければいいがな」

 「まぁ 船内カメラで監視してるし、大丈夫だろう」

 「核弾頭を装備していないか、見に来るだけらしいから」

 「荷電粒子発電がばれると、ことだけど」

 「バッテリーということにしてるから大丈夫だろう」

 「しかし、いつになったら月に行けるやら」

 「月に行くより火星軌道の衛星ダイモスに行くつもりらしいが」

 「やっぱりそっちか」

 「一応、月開発プロジェクトはあるが、月からの脱出がネックになってるらしい」

 「どちらにしろ “あけぼの” “はつはる” “あさかぜ” を打ち上げてからだからな・・・」

 「それとは別に火星の北極か南極に着陸船を降ろして、水と酸素を作るらしいが」

 「テラフォーミングか。何時になるやら・・・」

 「向こうに拠点があるなら、必要な物資は投げれば届くよ」

 「問題は、居住用の重力なんだよな」

 「神火人は、無重力障害からの回復が早いよ」

 「それは救いだけど、地上に降りると、しばらく歩くのが辛いからな」

 「ダイモスに陸橋作ってリニアモーターを回して人工重力を作ろうかって、あるけどね」

 「陸橋に何トン必要になるんやら」

 「破産するかもな」

 「まさか。紙幣が消えるわけがあるまいし」

 

 

 

 日本の広域電波放送局は60局だった。

 しかし、ケーブルテレビ局は各都市に1局以上あって、

 総数800局のほとんどがネットワークでつながれていた。

 地場テレビ局は身近な内容で一定の視聴率を集め、

 残りを広域電波放送局60局と

 有力な番組を持つ都市局が熾烈な視聴率競争をしていた。

 当然、視聴率は広告費に跳ね返るが、放送局が多すぎて低予算となっていた。

 何しろ、テレビは、リモコンで数字を入れると変わるようになっており。

 ほかのチャンネルを確認できるよう子モニターがついて、

 30秒で局を切り替えられるようになっていた。

 和洋州

 金融関係者たちがほぼ80度の角度で空を見上げていた。

 「東京タワーより高い電波塔か・・・」

 「ラジオ放送は自動車で聴くし、人口増加率で考えると悪くないよ」

 「だけど、視聴率が確実なのはケーブルテレビだからな・・・」

 「結局、広域電波塔もケーブルテレビで流してるし」

 「だけど、ケーブルネットワークが増えるとCM効果が気薄になると反発している」

 「ケーブルテレビは、有料総額視聴率分配方式だからネットワークが広いほうが視聴者が増える」

 「だけど視聴率は激戦になって局の格差が増える」

 「やっぱり地場視聴が強い?」

 「俺は、各州に家や親戚がいるから一通り見てるけどね」

 「でも相乗りもあるしね・・・」

 「粗末なクリエイティブより、相乗り作って、配当を分ける方がいいってことじゃない」

 「見る方もそのほうが助かるし・・・」

 書店に本が並んでいた。

 “日本経済は破綻するニダ アメリカ外国記者 共著 ムン キン リン”

 「なんじゃこりゃ」

 「おもろ・・」

 「買う?」

 「ふっ・・・ なんかな・・・」

 「日本の金融システムは紙幣の循環が重要なんであって。労働生産と切り離してるし」

 「だいたい、金が動くのは労働した時じゃなくて」

 「給料袋をもらった時、振り込まれた時、レジで消費した時だからな」

 「それに、油田みたいに国民基礎所得を湧かしてるんだが・・・」

 パラパラ・・・

 「膨れ上がる建設国債と学制国債と、国民基礎所得の勤労意欲低下率の危機・・・」

 「なになに・・・建設国債は10年償還で、今の総額が80兆5500億で」

 「今年の建設国債は13兆1000億弱で。償還分は10年前の5兆円弱だが」

 「2000年の建設国債は156兆2400億で。償還は60兆2400億で。建設国債総額960兆億になるという」

 「こんなでたらめな建設国債を続けていたら、日本経済は、遠からず破綻するであろう・・・」

 「よくもまぁ こんだけ書けるもんだ」

 「ていうか累計しかしない国民基礎所得を書いてないな」

 「74年の国民基礎所得は1兆億。国民所得累計は26兆億になるし」

 「2000年の国民基礎所得は12兆円。国民基礎所得累計は軽く130兆億になってる」

 「それに2020年には国民基礎所得の累計が建設国債の発行額を上回る」

 「年月をかけるほど有利になってしまうよ」

 「国民基礎所得の累計で考えると。2050年には、税金で建設国債を全部、償還できる規模になるかもな」

 「償還する必要ないと思うけど」

 「それに企業の設備投資も大きいし」

 「国民の紙幣保有量もでか過ぎて、破産しないだろう」

 「問題はデノミの方なんだけどな」

 「建設国債が累計1000兆円を超える2001年でやるか。キリがいいし」

 「んん・・・100兆宗か・・・そうだな・・・ゼロが多すぎて・・・もっと前でもいいような気がするがな」

 「新札はカーボンナノチューブにしようかって話しもあるよ」

 「燃えにくい、破りにくい。が高くつくだろう」

 「逆に希少性が増して、国際的な紙幣価値を上げてしまうかもね」

 「ふっ 金貨並みの価値になりそうだな」

 「馬鹿成金が落としたコンタクトを探すのに1万円札に火をつけたとか聞いたことあるし、それくらいのことはしないと」

 「だけど、輪転機が壊れないか?」

 「カーボンナノチューブは編み物だから」

 「ふっ 欧米のお金持ちには束でもってたら防弾の足しになるって言えば円を買うかもな」

 「「「「あはははは」」」」

  

 

 

 第4次中東戦争とベネズエラ戦最大の戦訓は、戦車のコストパフォーマンスが確実に低下してることを教えた。

 世界中の戦車開発者にとって、

 対APFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)と、対HEAT(対戦車榴弾)の装甲開発が急務となり。

 なぜなら歩兵の携帯ロケットにより撃破されるようでは、戦車のコストパフォーマンスな価値が低下し、

 アメリカのように稚拙なヘリ部隊で犠牲を増やすといった悪循環を繰り返してしまう。

 日本の次世代戦車のコンセプトは、滑空砲、複合装甲、砲塔戦車あることと、機動力向上にあった。

 天幕の下、軍関係者たちが完成したばかりの74式戦車を見ていた。

 マスメディア関係者たちが集まってくる。

 「戦車は、荷電粒子発電を使うのが一番なんですけどね」

 「まぁ そうだが、ゼネコンが装甲列車と地下建設が好きだからな・・・」

 「1両試作しましたが、1125kw(1500馬力)と推力200kgはたいしたものですよ」

 「推力といっても重量200kgを押し上げるだけなので、戦車の46tをわずかに軽くするだけなのですが」

 「地面効果が得られて思ったより加速しやすく、ノズル次第で、土煙を巻き上がるので煙幕になります」

 「あと、地雷の爆圧にも一定の効果が得られそうです」

 「んん・・・特殊部隊だけでも荷電粒子エンジン装備の戦車を配備できたらいいのにな・・・」

 「ゼネコンは地下鉄が好きですから」

 「というより、地下施設はシェルターを兼ねてるから国民の合意は自動的に作られてるし」

 「何より、正面の中国軍の装備がアメリカ軍製とソビエト軍製の借り物で、製造能力がほとんどない」

 「中国軍のお友達が、日本に装備を横流ししたがってますし・・・」 苦笑

 「人頭紙幣発行制度で、中国人はモラルが向上してると思ったが意外だな」

 「中国は権力闘争に勝つために搾取してるから余裕なんてないよ」

 「南米の中国人は、そうでもないようですが」

 「南米は客家が多いらしいし。チケットポイント制が根付いたのだろう」

 「従兄弟に聞いたが、中国と南米の中国人は、かなり違うそうだ」

 「そういえばベネズエラ戦に行きたがってる傭兵も多いとか」

 「中国人が中国人から逃げ出したくなるなんて・・・」

 “それでは、紹介します”

 “新型74式戦車です”

 

 61式戦車

  50t 全長9.80m(車体長7.55m)×全幅3.40m×全高2.30m  

  無砲塔61口径128mmFlaK40砲  掃討砲塔 7.92mm×57  乗員3人。

  400hpディーゼルエンジン + インホイールモーター1基20kw/16基320kw (435馬力)

  835馬力  速度56km/h  航続距離360km

 

 74式戦車

  46t 全長9.80m(車体長7.55m)×全幅3.40m×全高2.80m  

  55口径115mm滑空砲  掃討砲塔 7.92mm×57  乗員4人。

  400hpディーゼルエンジン + インホイールモーター1基30kw/16基480kw (652馬力)

  1052馬力  速度76km/h  航続距離460km

 

 内外の報道陣が公開された新型戦車を映していた。

 “質問です。61式と車体と形が少し違うのに、大きさが似てるのはなぜでしょうか”

 “鉄道に乗せて、早く移動させたいからです”

 “なぜ、ソビエト製滑空砲をライセンス生産してるのでしょうか”

 “ソビエトが先行して滑空砲を開発したからです”

 “そういえば、ソビエト製ヘリもライセンス生産してますね”

 “良いものは良いですから、学ぶことを恐るのは愚の骨頂でしょう”

 “なるほど・・・”

 “日満州ではソビエトとにらみ合っていますが、良くソビエト製をライセンス契約できましたね”

 “ソビエトととは冷戦中ですが、必要な取引はしていますから”

 “なぜ国産の戦車砲じゃないのでしょうか”

 “オリジナルの戦車砲より、ライセンス戦車砲の方が性能がいいと思いますよ”

 拍手喝采

 “74式戦車は、T62に勝てるということでしょうか”

 “日本軍にとって、戦車は、地上戦の主力でないので1対1で勝てることの意味が低いと思います”

 “では、なぜ新型戦車を開発したのでしょう”

 “戦線の穴埋めですよ。強引に突破されそうになった時、強力な戦力で柔軟に対応できるからです”

 “砲塔戦車にした。理由は?”

 “旧戦車が無砲塔戦車だったからです”

 “では次の新型戦車は無砲塔戦車に戻るのでしょうか”

 “どちらも検討中です”

 “軽くなった理由は?”

 “対戦車ロケットに対し。監視力と機動力による回避力を重視しました”

 “4t軽量化された分だけ、74式の装甲は、61式より劣ってるのですね”

 “戦車砲は滑空砲で小型化してますし”

 “技術が向上してるので、必ずしも劣っているわけではありません”

 “何両くらい製造するのでしょうか”

 “予定では、日満・和洋・輝夜州に2400両。大和・扶桑州に700両。南洋州に300両”

 “内地に600両ですので。4000両くらいになるかと・・・”

 外国人記者たち

 「なぜ、重量が減ってるニダ?」

 「なんでもいいニダ」

 「装甲が薄いとか。いろいろ、誹謗中傷で悪口を書きまくって、酷評するニダ」

 「良いものを悪い。悪いものを良いと言い切って、日本を悪くするのが情報工作員の鉄則ニダ」

 「そうすれば日本人は心が折れるし」

 「向上心を失って努力しなくなったら堕落するニダ」

 「上は詐欺、泥棒、搾取で圧政が増え。下は、自殺、犯罪で反体制が増えるニダ」

 「日本民族の性質が悪くなって日本が滅ぶニダ」

 「悪貨良貨を駆逐する作戦ニダ」

 「「「ウェーハハハハ!!!・・・」」」

 ごほん! ごほん!

 「「「「・・・・・・」」」」 じーーー

 「し、静かにするニダ・・・」

 

 

 ライセンス Mi24ハインド

 日本はソビエトからMi24ハインドとカモフKa25設計図をもらうと

 特殊作戦用製造企業はほとんど顧みず、

 一般作戦用製造企業は、参考程度に作り始めた。

 Ka25の同軸反転式ローターが使われ、

 外見上からも異種のヘリに見えた。

  一般 Mi24ハインド

   全長20m×翼長6.66m×主回転翼同軸反転式ローター直径16m

   自重6675kg 運用10500kg 最大離陸重量11000kg

   発動機クリーモフ製TV3-117ターボシャフトエンジン(出力2200馬力)2基

   最大速度340km/h  巡航速度280km/h

   航続距離1100km

   乗員3名 +  8名 or 積載1700〜2600kg

 

  特殊 Mi24ハインド

   全長20m×翼長6.66m×主回転翼同軸反転式ローター直径16m

   自重6675kg 運用10500kg 最大離陸重量11000kg

   荷電粒子発電1500馬力(1125kw)4基 6000馬力(4500kw)

   最大速度540km/h  巡航速度360km/h

   航続距離60年

   乗員3名 +  12名 or 積載4000〜5000kg

 

 関係者たち

 「やれやれ、やっと、一般製造側との調整が終わった・・・」

 「オリジナルと、ずいぶん違うな」

 「特殊作戦用は、前傾傾斜させて飛ぶと主翼の傾きも変わるし」

 「ノズル推力800kgと6000馬力だから大きいよ」

 「機体下部ノズルと後部ノズルの排気調整も実地で調整しないと・・・」

 「だけど、発電機2120kgは流石に重い」

 「機体重量を差し引くと、4555kgか。えらく減量させたな」

 「複合素材を大量に使ったから高い」

 「むしろ、一般製造で、1トンも軽量化させたのが驚き」

 「アメリカのUH60ブラックホークより上だろう」

 「チタン加工技術、プラスチック樹脂技術が思ったより進んでたから驚いたよ」

 「ぶっちゃけ、もう少しで神火核技術を教えてもいいレベル」

 「これ以上、競争相手を増やしたくない。海外か民間で儲けろっていうか、潰れてくれんかな」

 「あははは・・・そう簡単に、潰れんだろう」

 「上層部の一部は、荷電粒子発電はクレーンヘリにこそ。使うべきだと」

 「まぁ 何機か製造してるよ。25tくらいなら山頂に持っていける」

 「しかし、山頂は監視でいいけど。今のミサイルなら確実に山頂を狙えるから昔とちがってうまみが小さいから」

 

 

 

 和洋州

 アメリカ人たちが中華風と日本風の混じった街路を歩き、

 町工場へと入っていく、

 通行人の日本人が珍しい白人に振り返る。

 「たしか・・・ このへんで、小型ロータリーエンジンを作ったと聞いたんだが」

 「マツダ以外でもロータリーエンジンが作れるのか。ドイツ系の工場じゃないのか?」

 「わからんが、バイク用小型ロータリーエンジンらしい」

 「なんで、こんな下町の工場群で、そんなモノをポンポン作るかな」

 「行員が地上げで潰してやろうと、そそのかしたら、上手くいったんだと」

 「藪蛇かよ。アホが」

 「ドイツ人が日本に工作機械を売るからだ」

 「いや、日本のマザーマシンは、アメリカのマザーマシンより優れてるらしいが」

 「なんにしても今のうちに優良企業と提携して起死回生しないと」

 「少なくともアメリカ市場を餌に株の5パーセント枠を押さえて。高利貸ししないと」

 「日本の公定歩合は恐ろしく低いから、高利貸しは難しいのでは?」

 「その上、インフレなので、5パーセント枠の配当では・・・」

 「確実だが投資しがいのない国だな」

 「黒人・ヒスパニック系の将兵がベネズエラ軍に寝返ってますからね」

 「そして、ベネズエラ戦が拗れると。我々資本家がアメリカ国民に殺されかねない」

 「投資というより、退避資金と考えるべきでしょう」

 「まさか、資本家最大の敵。日本に資産を退避させないといけないとはな」

 「逆に格差の少ない日本は、資本家が恨まれてないので、安全ではある」

 「あそこか・・・」

 そこは、こじんまりとした町工場だった。

 「行こう」

 

 

 

 アメリカ

 白い家

 手紙の山がテーブルの上に載っていた。

 宇宙ロケット再開、経済再建、戦争反対など抗議の手紙で、職員が内容ごとに振り分けていく、

 「「「「「・・・・・・」」」」」 ため息

 「1基200t級の直径6m全長40mの宇宙ロケットを7束3列で繋げて21基。4200t。直径18m全長120mか」

 「あけぼの号は、ちょっとした駆逐艦の大きさです」

 「なぜ、日本の宇宙ロケットの打ち上げ積載能力は、アメリカの倍もあるのだ?」

 「赤道近辺からリニアカタパルトで打ち上げてるからでしょう」

 「我が国がアポロ計画をやめて。いきなり始めやがって、嫌がらせか」

 「アメリカのアポロ計画で、日本は電子機器や資材輸出で儲けましたからね」

 「日本は、溜め込んだ資本と技術を使って、宇宙船を打ち上げたわけです」

 「ムカつく」

 「我が国はGDPの0.5パーセントも投資したのだぞ」

 「日本も同程度は打ち上げるようです」

 「よくそんなに金があるな」

 「宇宙基地と射出カタパルトは建設国債ですからね」

 「成長率10パーセントで償還することができますよ」

 「それに既得権が下克上に晒されて構わず、国民に紙幣をばらまくし」

 「我々とちがって、日本は総マジョリティだからね」

 「貧富の間で資本家と労働者を憎み合わせられないのか」

 「やってはいますがね。上手くいってない」

 「それより、アメリカ国内だ」

 「格差が広がるほど、死神教に集まって政治基盤も大きくなるばかりだ」

 「それに、夜だと確実に、あけぼの号が見えますので、アメリカ国民も怒ってますね」

 「日本は、月に行く気だろうか」

 「あの規模の宇宙船なら確実に月に行けるでしょう」

 「まずい・・・」

 「日本の工作員は何をやってる。日本の宇宙ロケット打ち上げをやめさせろ」

 「工作員の数が少ないので、一人で100人分の声を張り上げても足りませんよ」

 「「「「「・・・・」」」」」

 「それに比べ、アメリカは国民の経済政策への抗議が激しいですね」

 「アメリカは自由資本主義国家であって、民主主義国家ではない」

 「ですが暴動が起きてますよ」

 「戦争してるというのに反体制を煽るとは非国民が・・・」

 「戦争反対も大きいようで・・・」

 「くそぉ 軍産複合体が崩れると、いろいろまずい」

 「日本が軍艦の建造を遅らせてると思ったら、宇宙とはな・・・」

 「そういえば軍艦の建造も始めてるそうで」

 「2番艦の扶桑か」

 「扶桑以降は、三胴艦になるようです」

 「また、ハードルの高い軍艦を・・・ 日本人はコストパフォーマンスの概念が抜け落ちてるな」

 「そういえば、伊勢型は、トン数の割りに体積が大きいのですよ」

 「装甲が薄っぺらなのだろう」

 「かもしれませんが、飛行甲板の最低限の橋梁があるので」

 「逆算すると。鋼材より軽いのではないかと」

 「まさか、アルミ?」

 「多用してるかもしれませんがチタンの可能性も」

 「チタンか・・・希少金属だが」

 「中国でとれますし。日本はソビエトと仲がいいようです」

 「日本は共産主義を恐れてないのか?」

 「貧富格差の大きい国は、共産主義を恐るでしょうが」

 「貧富格差の小さな国は、共産主義を恐ることはないでしょう」

 「それとも例のカーボン膜を使ってる可能性も」

 「まさか。我が国は、まだ製造に成功してないぞ」

 「しかし、広島・長崎の周辺で見つけた膜だ」

 「日本が我が国より先にカーボン膜を研究していたとしてもおかしくないな」

 「情報によると、地下工場に大規模なラインがあるとか」

 「宇宙ロケットの大規模打ち上げから逆算すれば、相当な大きさかもしれないが」

 「そこまでの製造力が得られるものなのか?」

 「中国人労働者2億人が消えても、日本の経済力は増大してますし」

 「低賃金を埋める生産力を想定しないと・・・」

 「日本は通常の金融システムじゃなく。ポイントチケット制でも生産してるそうじゃないか」

 「日本の規格外品市場は、総生産の20パーセントを占めてるようです」

 「闇市場というやつか」

 「というよりリスクの少なさと利益率で。闇市場を影市場にしてるフシもありますね」

 「しかし、一番恩恵を受けてるのは、南米の華僑資本で50パーセントに達してますよ」

 「「「「「・・・・・」」」」」

 「やれやれだな」

 「まったく・・・」

 日本は石油高騰にも関わらず、宇宙ステーション打ち上げた。

 アメリカ政府をしてベネズエラと戦争している暇はない、という空気が占めていく、

 

 

  

 インド

 日米ソ非公式核戦略軍縮予備会議

 ソビエト4、アメリカ4、日本2の核ミサイル比率だった。

 互いに核兵器を首都に向け合ってるため、

 紳士的な対応が求められた。

 「核の冬を考えるなら核兵器は削減すべきだろう」

 「しかし、一定数がないと国防上不安だし、他国に国民がが隷属させられてしまう」

 「核ミサイルの数を30万人以上の主要都市分に制限するというのは?」

 「三カ国が別々に狙ってるし。アナザー核戦略もあるし」

 「ふっ 核戦争後も核で睨み合いか。本当に人類は愚かだな」

 「それはそうと、一定の妥協点を見出さないと国に帰った後に何か言われるかもしれないな」

 「別に非公式なのだから 無理 でいいんじゃないの?」

 「まぁ いいけど」

 「ところで、日本の宇宙ステーションは、核ミサイルを配備してるのか」

 「配備してないよ。スパイ衛星な機能もあるけど。大部分は実験が強い」

 「日本は、火星に行くの? それとも月?」

 「んん・・・とりあえず火星軌道を予定してるかな」

 「往復に時間がかかるだろう」

 「時間はかかるけど、月から月軌道に打ち上げるのが大変」

 「火星から火星軌道にあげる方が大変だろうが」

 「火星は衛星に行くつもりだから」

 「そっちか」

 「しかし、日本はよく金が続くな。大型宇宙ロケット21基なんて・・・」

 「戦争せず。空母と核ミサイルで手抜きした金ですよ」

 「「・・・・」」

 「手抜きできたのは神火風のおかげでは?」

 「神火風は、奇妙な現象でしたね・・・」

 「「・・・・」」 じーーーーー

 「しかし、焼け野原からの再建もありましたから」

 「新領地の開発もな」

 「・・・・」

 「アメリカはベネズエラをどうするの?」

 「ベネズエラが麻薬業者と結託してるのが悪い」

 「対ベネズエラ国境を封鎖して。自国民の麻薬患者を刑務所に入れちまえよ」

 「それが普通の国だろうが」

 「ベネズエラ人がゴキブリのように麻薬をアメリカ国内に入れるんだ」

 「嘘つけ、アメリカ国民が手引きしてコロンビア産の麻薬を国内に入れてるんだろう」

 「というよりアメリカの権力中枢の連中が、国民の大多数を麻薬漬けさせたいとか」

 「・・・・」

 「麻薬は言いがかりで、麻薬と関係ないベネズエラに攻め込んだんだろう」

 「そんなことはない。コロンビア産の麻薬がベネズエラで発見されてる」

 「麻薬の密売までやるとは、マフィア国家だな」

 「・・・・・」

 「まぁ 好きなだけ戦えばいいさ」

 「別方向に伸びていくことができるし」

 「「・・・・」」

 「日本人は、中国人2億を虐待しただろう」

 「アメリカ人はネイティブアメリカン3000万人をジェノサイドしたよね」

 「そんな証拠はない」

 「殺戮したからいないのでしょう」

 「中国人はほとんど残っているどころか、2億より増えて移民している」

 「それに移民した中国人は、フードスタンプのアメリカ人より衣食住が足りてるし」

 「中国に戻っても、南米に行っても、平均的な現地人より高所得者が多い」

 「日本人が自国製品を売るための販売員にしてるからだ」

 「対価のポイントスタンプ分の製品を送ってるだけだし」

 「アメリカ人だって、中華ネットワークに商品を売ってるじゃないか」

 「華僑が扱う商品は、日本製が多い」

 「賄賂払って、目立つ棚に置いてもらえば」

 「華僑が強くなるだけだろうが! 賄賂も馬鹿にならないんだよ!」

 「いなくなったら棚の品を売れる品に入れ替えるし!」

 「「・・・・」」 ため息

 

 

 

 

 南洋州

 南洋(ニューブリテン)島

 日本の宇宙開発産業、南極開発の半分が南洋州に集中し、

 宇宙開発産業と南極開発が落とす資本が南洋州経済のカンフル剤になっていた。

 そして、意外にも南半球で最も近代的な工業産業を有する地域になっていた。

 関係者たち

 「軍が大型水上艦艇を建造するらしくて、来期の予算折衝は、仁義なき戦いになるらしい」

 「戦後27年で軍が巻き返し始めたわけか」

 「軍は、建設国債や学制国債と同じ、軍制国債にしたがってる」

 「それやると、ゼネコンが足引っ張るだろう」

 「日本陸軍の主力が装甲列車なのも」

 「宇宙ロケットがカタパルト発進になったのもゼネコンのせいだけどね」

 「結果、オーライならいいじゃないか」

 「大地下網で核シェルターの心配は少なくなってるし」

 「建設費は10倍でも、宇宙ロケット打ち上げ効率は半分以下」

 「建設費の大半はゼネコン持ちで、10年償還だし」

 「サターンロケットと同じ規模なのに積載量が倍もある」

 「積載量の大きさは、宇宙ロケットの軽量化と燃焼剤も大きいのだが」

 「苦心惨憺計算して実験しただけはあったわけか」

 「自動車と同じで本気で作れば、アメリカの宇宙ロケットにだって勝てるよ」

 「自動車か・・・ 自動車も電気自動車が強くなってるからな」

 「アメリカは日本経済を弱体化させるため石油高騰を狙ってるらしいからだろう」

 「第4次中東戦争か。石油高騰するとまずいか?」

 「まずいだろう。幾ら荷電粒子発電で底上げしていても発電力の主流は火力発電だし」

 「だから電気自動車を増やしてるんじゃないか」

 「既得権の強いガソリン車メーカーはブスくれるが。中東油田依存は、外交戦略上のウィークポイントになる」

 「そういや農林水産省が、熱水噴出孔を狙って進出してるらしいけど」

 「よくよく考えると海って、巨大利権になるよな」

 「例のクラーケンか」

 「基地と熱水噴出孔を自動往復して希少金属を集めるらしい」

 「しかし、神火人を誤魔化すために、そこまでするかって規模だな」

 「神火人は存在が知られるだけで、日本の国防どころか、権力構造さえ痛手を受ける」

 「数万単位の超人でも不死じゃないし。統制できないほど身の丈の国で、人口比も開きすぎたからね」

 

 

 神仁教

 “天之御中主神は、神軍を遣わしアメリカ軍とソビエト軍を撃退したのです”

 “日本民族は、仁の魂を持っていることから天之御中主神に愛されているのです"

 “だから、原爆投下後、窮地にあった日本民族を救うため、天の軍をアメリカとソビエトに送ったのです・・・”

 神火人たち

 『『『『・・・・・』』』』 しら〜〜

 『意外と、流行ってるのが不思議』

 『オナニーみたいなものか』

 『神火人を知らないからでしょう』

 『神火風の原因がわからないからね』

 『人生さえも迷わせるとは、無知は怖い』

 『というより、海外からの声の大きな工作員が入り込んでるらしい』

 『一人で百人分か・・・激音・濃音で喋ってりゃ語気は強くなるわ』

 『聴いてる方も、嘘も百回言われると思い込まされちゃうからね』

 『とりあえず、闘士がいれば続く者も出てくるし』

 『しかし、民族宗教になんで海外の工作員が入り込むのやら』

 『常套手段だよ』

 『上に行けば、神仁教の動向を探ることができるし。教義を捻じ曲げることもできる』

 『信者は言われるまま、羊のようにそっちに行く』

 『だけど、海外でも信者も増えてるみたいだけど』

 『日満洲・和洋州から移民してきた中国と南米諸国の和華僑は、総じて現地人より裕福だからね』

 『お溢れに与ろうって、人間はいるよ』

 『白人で中国人の真似して、南米に行った者もいて』

 『ポイントチケットで食べてるから説得力あるらしい』

 『凄いスパイぶりだな』

 『真面目に約束を守り続けてる日本人もどうかと思うがね』

 『人生を賭けたスパイには、参るよ』

 『あと。民間だから、死神教より元気ある』

 『官営宗教じゃ盛り上がらんよ。とうより形骸化しすぎてる』

 『お祭りと宗教は、民間に仕切らせるのが鉄則だよ』

 『もう一つの日蓮系も伸びてるな。あっちも工作員が入り込んでるようだけどね』

 『なんにしてもだ。大型宗教は監視対象だし、人員が割かれる上に、信じてるふりも辛い』

 『そう言うな。俺たちの場合、病気治療とか得意だから上に上がり易いし』

 『地下工場で荷電粒子発電機を作るのとどっちがいいかだけどね』

 『どっちも・・・』

 “我々は太陽同盟諸国に教会を作り”

 “天之御中主神の選民であるところの日本に連なる恩恵を世界に広げるのです”

 『『まじかよ・・・』』 ため息

 

 

 

 重量を翼面積で割ると、1u当たりのkgを計算でき、

 この数字が小さいほど揚力が強く、旋回力が強かった。

 コロンビア空軍のノースロップF5と

 ベネズエラ空軍のサーブ35ドラケンが空中戦を繰り広げていた。

 旋回すると巨大な翼面積を持つドラケンがF5の内側に回り込んでいく、

 F5戦闘機はレーダーで負け、旋回するたびに機体が沈んでいくため、

 数を揃えての乱戦で波状攻撃するよりなかった。

 アメリカにとって、コロンビア軍とベネズエラ軍の勝敗はどうでもよかった。

 コロンビア人とベネズエラ人を無理やり戦わせ、

 より凄惨な損害を出させ、憎しみを煽るよう調整していく、

 無論ラテン系のコロンビアとベネズエラの将兵は、アメリカの画策に引っかかるほど真面目ではなく、

 多くが流れ弾となり大地を抉る戦いとなった。

 そして、壮大な浪費のためアメリカは国家予算の一部をコロンビアに投資続けなければならず、

 憎しみを煽る最も効果的な戦力が外人部隊で朝鮮人部隊だった。

 村を全滅させた朝鮮人部隊が移動しようとした時、砲弾の雨が降り注ぎ、

 ベネズエラ軍ゲリラ部隊が朝鮮人部隊を包囲し、銃撃戦となった。

 ゲリラ部隊は、戦闘が終わると村の中を見て回る。

 「こいつら、女子供まで・・・」

 女たちは服を破かれ悲惨に殺され、

 子供たちも無慈悲に未来を奪われていた。

 「おい、生き残りがいるぞ」

 がちゃ!

 「ち、違うニダ。巻き込まれたニダ。日本人ニダ。日本人ニダ。助けてニダ・・・」

 ダーン!

 どさっ!

 「日本人と違うのか?」

 「日本人に朝鮮人を見破る質問状をもらってるからね」

 「全部回答するのは、よっぽどのプロだよ」

 「それに、質問しなくても、一番上に、強姦魔、残忍、卑怯な性質と書いてあった」

 「まぁ そうだろうが、一応、聞かないとな。間違って日本人を殺したら目覚めが悪い」

 「100パーセント朝鮮人だ。俺が保証する」 きっぱり

 

 

 

 トラック環礁

 全通式のウォータージェット・エアージェット推進は、水であれ、空気であれ、

 いかなるものでも高速で、後方へと押しやり、船体を加速させる。

 500t級三胴船 “神風” は、これから建造する三胴艦隊の実験船だった。

 神風は、高速になるほど空気を船底側に掻き込み、海上を滑るように滑走した。

 日本海軍将校たちは、飛行機に乗ってるような感覚に捕らわれる。

 「・・・まるで水澄ましだな」

 「急回頭で船体がバラバラになったりしないだろうな」

 「圧力の計算で言うと問題の無いレベルだ」

 観測機械を見る士官が応えた。

 「大きくなると圧力も大きくなると思うが」

 「計算に入ってる」

 「キールの下も空気を掻き込んでるのか」

 「凹みがあるし、荷電粒子発電機を使って空気圧を足して・・・」

 ふわっ〜〜

 ばしゃん〜〜!!

 飛沫が船体の周囲に広がる。

 「もう飛びそうだな」

 「飛ぶ手前が一番速いな」

 「いっそのこと緊急用に荷電粒子ファンエンジンを装備したいくらいだ」

 「トビウオくらいには飛ぶかもな」

 「いいねぇ」

 

 

 某重工業の地下工場

 色付きのカーボンナノチューブを編んでいくと、紙幣のようなモノが作られていく、

 マッチの炎くらいでは萌えず、特殊なハサミでなければ切ることもできない、

 印刷ではないことから劣化することもなく、永遠といえるくらいの寿命があった。

 「どうよ」

 専門家がルーペで隅々まで見ていた。

 四隅には、小さく 100宗 = 10000円 と描かれていた。

 「んん・・・・一部、跳んでるし、ぼやけてる。今ひとつかな」

 「まぁ 2001年までに軌道に乗せればいいさ」

 「原価の高い紙幣になりそうだな」

 「カーボンナノチューブの原価は年々安くなってるよ」

 「その代わり、偽札の心配が少なくなるだろう。割が合わなくなるからね」

 「それは救いだが、円をやめるのは寂しくなるな」

 「人口は増えるだろうから、なんとかなるだろう」

 「利権潰しで無理してるから・・・」

 「広長閥が、お金を使うよう優しく、老害に、お願いしただけだよ」

 「「「「あはははは」」」」

 「まぁ 実体は、自分の企業と同程度の企業が2つから3つに増えるだけだろう」

 「カルテルを潰せば、価格競争で安くなるだろうし」

 「市場が減らされたら海外に輸出するしかなくなる」

 「華僑に商品が流れてしまうな」

 「彼らは、ネットワークが強いから日本人より、上手く処分してくれるよ」

 「だといいが、商品の取り扱いが増えると、弱肉強食の華僑が芋吊る式に海外へ出ていくからな」

 「日本国内に入って来ないならいいよ」

 

 

 

 アメリカ合衆国

 アメリカキリスト教組織でエクソシスト部隊が組織されていく、

 死神姫を地域から追い出す死神祓いが始まろうとしていた。

 テレビスタジオ マスコミと天光正教幹部

 「キリスト教がエクソシスト部隊を編成したようですが」

 「死神姫ウランは人を殺す力がありますが、人を殺す意思はもうないのです」

 「しかし、ウリエルの力を受け継いだ影ですし、存在は消すことができません」

 「なので、鎮伏という形で、もっとおとなしい状態にしてもらってるのです」

 「戦う必要はないですし。排斥する必要もありません」

 「では、キリスト教はしなくてもいいことをしてると」

 「ええ、死神姫ウランは、基本的に無害ですから追い出した場所に行くだけなので・・・」

 「死神姫プルトもですか?」

 「ええ、呪詛返しの基本は、賀茂も安倍も同じですから、呪詛をやめれば存在しているだけです」

 「いつまで存在してるのでしょう」

 「普通の呪詛返しであれば、呪詛をやめれば消えるでしょう」

 「しかし、死神姫ウランはキリスト教で言うところの天使ウリエルの影ですから消えません」

 「それは死神姫プルトも同じはずです」

 「キリスト教の死神祓いは、やめさせたほうがいいということですね」

 「ええ」

 「わかりました」

 

 

 

 反日ギルド朝鮮チーム コード名 ムン キン リン は、味方のように振る舞いながら有力者に近づく

 「これはこれは、プロデューサー。今日もいらっしゃいましたニダ」

 「おお、君らも好きだな」

 「ノーパン喫茶は、大好きニダ」

 「ははははは」

 「最近の景気はどうニダ」

 「若者が買ってくれるから売れてるよ」

 「しかし、国民の意識が多様化して需要がどこを向いているのか・・・」

 「最近は、ポイントチケット市場の同人誌の売れ行きで志向を参考にしてるくらいだし」

 「都市メディアも強くなってる」

 「ストレスが大変ニダ。癌の元ニダ」

 「そうなのか。怖いな」

 「癌は、とっても怖いニダ」

 「まぁ 娯楽作品が売れてる間は、日本経済も余裕あるということだろう」

 「そうニダ。これが売れるという宣伝をするニダ」

 「宣伝か・・・しかし・・・」

 「メディア各社でマニュアルを作ってそれに沿って書かせるニダ」

 「それなら抜けがけがない代わりに、損が少ないニダ」

 「しかし、日本人の多様化も進んでるし、マニュアル化で売れるのかな」

 「大丈夫ニダ。大手がこぞって大宣伝すれば中小企業も日本人も横並びニダ」

 「まぁ そうだなぁ ちょっと頑張ってみようかな」

 「がんばるニダ。応援するニダ」

 「リベートと地位があれば、もっと頑張れるニダ」

 「「「「あはははははは」」」」

 「「「ウェーハハハハ!!!」」」

  

 

 反日ギルド朝鮮チーム コード名 ムン キン リン は、マスメディアに浸透することに成功し、

 日本の多様化にダメージ2を与え、レベル14になった。

 3人は、喜びのあまり、キムチパーティでHP3を回復する。

 「大成功ニダ。娯楽商品に日本愚民化マニュアルを刷り込むニダ」

 「日本人の思考を支配して、他の見方、考え方をできなくさせてやるニダ」

 「ほかの作品は徹底的に攻撃して売れなくさせてやるニダ」

 「大手さえこっちの味方につければ鬼に金棒ニダ」

 「日本人を洗脳して動脈硬化に陥ったら、一気に下僕にしてやるニダ」

 「日本人は、馬鹿馬鹿ニダ」

 「「「ウェーハハハハ!!!」」」

 反日ギルドから次のクエストが送られてくる。

  1、日本食品に毒を入れる。    2、日本の銀行を襲撃する。

  3、日本人から金を騙し取る。   4、日本人を自殺させる。

  5、日本女性を強姦する。     6、日本人を拉致誘拐する。

  7、日本の文化財を盗む、放火する。

 「「「・・・・・・・」」」

 

 

  

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 月夜裏 野々香です。

 建設国債の総額は史実の9倍くらいでしょうかw

 国土が13倍以上なので少なめですが。

 まぁ インフレで困るといってもせいぜい既得権侵害くらいでしょうから (笑

 

 総人口2億1718万人。

  日本・輝夜 (72万ku) 日本・半島  内地人口1億0436万。

 

  海外州人口1億1281万人

   和洋州 (25万ku) 京杭大運河東部域  4226万

   日満州 (100万ku) 外満州  4226万

   扶桑(カムチャッカ・チュクチ)州 (121万ku) 1125万

   大和(アラスカ)州 (171万7854ku) 1407万

   南洋 (ハワイ、ビスマルク、ソロモン諸島) (10万6461ku) 281万

    フィリピン バターン・コレヒドール島 日本自治 “桃太郎” 区 (1000ku)

    マレーシア ブルネイ 日本自治 “金太郎” 区 (1000ku)

    インドシナ ダナン 日本自治 “舌切雀” 区 (1000ku)

    インドネシア パレンバン 日本自治 “浦島太郎” 区 (1000ku)

    ビルマ ヤンゴン 日本自治 “因幡の白兎” 区 (1000ku)

    シンガポール 日本人自治 “鶴の恩返し” 区 (1000ku)

 

 

 

 日本海軍

 第01機動部隊

  36000t級伊勢型航空巡洋艦 伊勢

  空母 海鳳(ハンコック)、雷鳳(タイコンデロガ)

  戦艦 薩摩(ミズーリ)、駿河(ウィスコンシン)、

  重巡 穂高(セントポール)、

  軽巡 八瀬(ダルース)、黒部(サンタフェ)、白萩(モービル)、河津(ビロクシー)  駆逐艦18、

 

 第02機動部隊

  空母 幻鳳(シャングリラ)、慶鳳(ボノム・リシャール)、

  戦艦 因幡(アイオワ)、播磨(ニュージャージー)、

  重巡 蔵王(ボストン)、

  軽巡 天白(オクラホマシティ)、三原(アムステルダム)、日高(マイアミ)、天神(パサデナ)  駆逐艦18

 

 

 白龍型潜水艦 50隻

   排水量 水上3000t/海中4300t

   全長90m×全幅9m×吃水8.5m

   荷電粒子発電1000馬力〜1500馬力 20基

   水上/海中20000馬力〜30000馬力 30kt〜36kt  航続距離60年

   533mm8管 40本

   乗員65人

  “白龍” “雷龍” “慶龍” “神龍” “剛龍”  “海龍” “陣龍” “蒼龍” “銀龍” “鋼龍”

  “雲龍” “妖龍” “弓龍” “迅龍” “凰龍”  “黒龍” “鎧龍” “零龍” “呑龍” “戦龍”

  “朝潮” “夕潮” “巻潮” “波潮” “赤潮”  “黒潮” “冬潮” “早潮” “夏潮” “磯潮”

  “長波” “巻波” “高波” “藤波” “清波”  “涼波” “早波” “浜波” “朝波” “高波”

  “幽鬼” “鋼鬼” “慶鬼” “蒼鬼” “海鬼”  “凰鬼” “弓鬼” “陣鬼” “彗鬼” “黒鬼”

 

 

 

 1360t級エヴァーツ型護衛駆逐艦(21)  1740t級バックレイ型護衛駆逐艦(44)

 1240t級キャノン型護衛駆逐艦(23)    1250t級エドサル級護衛駆逐艦(24)

 1450t級ラッデロウ型護衛駆逐艦(4)   1350t級ジョン・C・バトラー型護衛駆逐艦(24)

 

 ジェットエンジン

 直径40cm級流星エンジン  直径60cm級彗星エンジン

 直径80cm級蒼星エンジン  直径100cm級紅星エンジン  直径120cm級天星エンジン

 

 “原爆を落とされた人々の世界平和を望む会” 

 広島  賀茂忠行  天光正教  ウリエル  死神ウラン

 長崎  安倍晴明  聖炎主教  サリエル  死神プルト

 

  

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第29話 1973年 『枯葉剤は化学兵器だから』

第30話 1974年 『不換紙幣に財源はいらない』
第31話 1975年 『黒い馬 多国籍企業群』