月夜裏 野々香 小説の部屋

    

天ぼた系 火葬戦記 『神火風』

※食後に読みましょう。 

 第31話 1975年 『黒い馬 多国籍企業群』

 

 日本連邦

 漢民族追い出しによる人件費高騰。第4次中東戦争による石油高騰、

 二つの経済危機を迎えたが

 チケットポイントは、華僑資本の呼び水となって、日本製品の流通を世界市場へ流し、

 石油高騰も公害対策産業と省エネ産業により対処がされていたのか、

 日本の経済成長は、変わることなく伸びていた。

 宇宙(マヌス)島

 無人の大型貨物宇宙ロケットが射出と同時に点火し、音速を超えた衝撃波を残したまま、

 45度の角度で加速していく、

 日本の宇宙ロケット打ち上げは、第4次中東戦争による石油高騰でもキャンセルされなかった。

 見学を許された白人の宇宙開発関係者たちは、空高く昇っていく白煙を見上げていた。

 「4200t級で2隻目の “はつはる” だと」

 「やれやれだな」

 「だが、これでベネズエラ戦は終わるよ」

 「アメリカ国内でも評判の悪い戦争だったからな。もう、続けられないだろう」

 「ベネズエラ戦の映像が国民に映されたからな」

 「アメリカ兵のモラルも低下したし」

 「そりゃ 黒人兵士の脱走と寝返りが起きるようじゃ駄目だろう」

 「まぁ そうだが・・・」

 「しかし、カタパルト射出というのは本当だったんだな」

 「アメリカも宇宙開発を再開するんだろうか」

 「んん・・・ 石油高騰で厳しいそうだ」

 「というより、国民が豊かになるほど、FRB金融支配が弱くなるからな。国民に金を渡したくないかもしれないな」

 「しかし、日本に宇宙開発で追い抜かれたりとか。ウォーターゲート事件とか、ろくな事がない」

 「軍事的に勝ってるなら日本をやっちまいたいが・・・」

 「もう、神火風は、嫌だ」

 「それに、日本の地下街は世界一だからな」

 「たぶん、日本の地下施設は、世界中の地下施設を合わせたより広いはずだ」

 「なんで日本ばかり」

 「アメリカも公共投資するか」

 「公共投資すると、金がアメリカ国民に渡ってしまう。そうなると、非ユダヤ資本の巻き返しが怖い」

 「そうだな。死神教が反ユダヤ勢力の温床になってるし」

 「死神系議員は、フードクーポンは、既得権益を守る国賊代弁者が賛成しているだけで」

 「マイノリティー支配を強める勢力の言い分以外ありえないと公言している」

 「このままだとユダヤ資本は窮地に追い込まれる」

 「やれやれだな」

 「なんにせよ。避難地を求めて海外の利権を漁ってるが有望な利権は少ない」

 「日本企業は?」

 「日本企業株は有望だよ」

 「資源を株を買い占めてるが外資5パーセント枠の壁がある」

 「それを逃れようとするなら100パーセント出資しかないが、昔とちがって日本の国産率は強い」

 「医療は?」

 「医療か・・・ 癌以外なら買うようなことを言ってるが、アメリカの薬は信用しないそうだ」

 「昔とちがって、日本に入り込めなくなったからな」

 「というより、死神姫に殺されないから、戦々恐々だよ」

 

 

 宇宙管制塔

 「はつはる号中央列3番カプセルドッキング成功です」

 歓声が上がる。

 「ですが、せっかく打ち上げても火星行きは、次の大接近の88年になるとか」

 「71年に打ち上げていたら無理をしてでも火星に行かせたんだがな」

 「88年の次は、2001年の中接近。そして、2003年の超大接近に行くよりない」

 「神火人なら2005年と2018年も行けるのでは?」

 「まぁ 人体で言うと最盛期の20歳の期間が以上に長いから、行けるだろうな」

 「でもまぁ 無人宇宙ロケットなら、接近時にこだわる事はない」

 「機械だけなら帰還を考えず済みますからね」

 「アメリカも88年を狙って、宇宙ロケット打ち上げを再開するかもしれないな」

 「じゃ それまでに掘削ロケットを開発して上げないと」

 「まぁ 試行錯誤があるから気長に実験を繰り返すよりないし」

 「結局、経験とデーターの蓄積量がモノを言うからね。火星の前に12年くらいないとな」

 「火星の前に月に行きたいですがね」

 「まぁな」

 

 

 

 月面人工重力研究局

 重力が6分の1でも遠心力を利用すれば1Gにすることが可能だった。

 1G居住区と月面は、中心までエレベーターで昇り、巨大ベアリングで出入りする。

 この研究が軌道に乗り、コストパフォーマンスがプラスになれば小惑星・火星開発だけでなく、

 月開発予算が増える可能性もあった。

 むろん、月開発が増えれば、小惑星・火星開発予算が減るため、

 熾烈な追い落とし戦が展開される。

 月南極圏エイトケン盆地 (直径約2500キロ、深さ約13キロ)の模型があった。

 蓋を上げると傾斜した床を持つ円盤が回転している。

 遠心力で作る人口重力と、月の6分の1Gのバランスをとっていた。

 「人口重力施設の直径を100kmで床面1kmにしていいものかどうか・・・」

 「蓋の厚みは?」

 「真空の空から、地殻の質量で空気を押さえ込むわけだから6km厚くらい欲しい」

 「いくら物が軽いからって、地下6000mは、流石に厳しくないか」

 「そうだな。荷電粒子発電機で60年くらい掘り続ければいけるだろう」

 「ふっ 便利な発電機だな」

 「水の総量が問題かも」

 「海が作れるくらいあればいいけどな」

 「結局、投資の消費量より得るモノが大きければそれでいいのだが」

 「月の脱出速度からエネルギーを逆算すると。投資が大きくなることは歪めない」

 「月は、火星と違って、裸眼で見える安心感が大きいから」

 

 

 

 

 

 日本国防省

 日本企業は製造と改良で高品質製品の大量生産を続けつつ、

 アメリカの想像性豊かな発明とOSに注目し、

 日本規格の統一マザーボードや統一OSを研究していた。

 LSI開発局

 新型LSIの放射線試験が始まっていた。

 「日本は、米ソに比べて放射線制御が得意だから」

 「電子機器が放射線に弱いのは、都合がいいというべきか、困ったというべきか」

 「粒子・電磁波を還流させた箱の中は、かなり安全だが、それだって、フレア爆発の規模次第」

 「扇風機で台風の風圧を防げるかってことになる」

 「なんにしても電子機器の防衛はしやすいはず」

 「だが宇宙では8ビットICを使うか。もっと上の高性能LSIを使うかで命運が分かれる」

 「神火人の場合、放射線障害を受けても回復しやすいからな」

 「安全重視なら8ビットだが、補助で高性能LSIを使うべきだろう」

 「あけぼのでは、そうしている」

 「だが高性能LSIであるほど、電磁波対して弱くなるし。どこまで高性能LSIを使うか・・・」

 「バンアレン帯の通過試験は?」

 「今のところは問題無い・・・」

 「局長。壊れました。12秒です」

 「「「「・・・・・」」」」 ため息

 

 

 ベネズエラ

 ゲリラ軍が巻き返していた。

 一時は、占領したベネズエラにアメリカ型民主主義を押し付け、傀儡政権を打ち立てたものの、

 一般市民は武器を持って抵抗を続けた。

 こうなると、アメリカ軍は、侵略軍でしかなくなる。

 もはや、反麻薬戦争の名誉を守る術すらなく、撤退が始まっていた。

 カラカス上空は、ヘリ部隊が行き交い、

 そのさらに高空では、F4戦闘機とMiG21、ドラケンが空中戦を繰り広げていた。

 突如、F14トムキャット数十機が空中戦に割り込んでミサイルを発射し、MiG21とドラケンを撃墜していく、

 乱戦に持ち込んだ空中戦でF14は、捻り込で逃げようとするドラケンをターゲットの射線に入れ、引き金を引く、

 銃撃の度に機体がかすかに抵抗を受け、

 ドラケンが火達磨になって落ちていく、

 性能で勝るトムキャットは、遠距離、中距離、短距離でもベネズエラ軍戦闘機を圧倒した。

 「楽勝だぜ」

 「敗色が濃いが、最後の戦果を咲かせ・・」

 「レーダー反応だ! 4時上方! 散開しろ!」

 サーブ37ビゲンが割り込んで、F14トムキャットを撃墜した。

 「3発戦闘機だ」

 トムキャット戦闘機部隊の交信で驚きが隠せない。

 スウェーデンが戦訓欲しさで新型機を輸出したのだ。

 3発以上の多発戦闘機は、燃料効率が悪く、アフターバーナーがなかった。

 その代わり、使用できるエンジンを増やすことで増速していく、

 

  サーブ37ビゲン

   自重11800kg / 最大離陸重量20450kg

   全長16.4m×翼幅10.6m×全高5.6m  翼面積46u

   直径60cm級彗星631型エンジン ライセンス 3200kg×3基 アフターバーナー3800kg×3基

   最大速度2460km/h  航続距離2200km

   25mm機関砲1門200発   搭載6000kg

 航空戦が混戦になると地上は、情報不足から遭遇戦が急増し、

 出会い頭の撃ち合いが増えていた。

 アメリカ本土に近いベネズエラからの撤収に危機感を覚えたが、

 アメリカ国民の戦意は急速に萎み、反戦運動は激化していた。

 士気が低下したアメリカ軍と、親米派ベネズエラ人が首都カラカスから撤収すると

 ベネズエラ市民軍が首都カラカスを回復していく、

 ベネズエラ市民軍の5分の1が漢民族だったことで、ベネズエラの将来は、ある程度予測できた。

 

 

 

 日本でアメリカ・コロンビア・ベネズエラ・ブラジルの講和会議が始まる。

 日本人たちが会議の様子を見ていた。

 「とりあえず、補償問題は片付きそうだな」

 「これまで日本とソビエトがアメリカの主要仮想敵国だったし、アメリカ軍の正面がベネズエラになるのは助かるね」

 「それはどうだか。アメリカの主敵は、日本だし。ソビエトだって、油断はできないよ」

 「何にしても、アメリカ軍を追い払えた。それが良いことだと思うよ」

 「日本の武器輸出で、中南米以北の死神教が浸透を低下させている。アメリカの作戦勝ちかもね」

 「武器支援と中国人移民で、ベネズエラ国民の意識も変わってきてるから付き合い易い国になるかも」

 「だといいけど。教育が変わらない限り、人種差別はなくならないと思うよ」

 「だけど、南米が中国人の国になっていきそうな気もするけど、大丈夫かね」

 「ぶっちゃけ、中国軍閥下で生活するより、南米諸国で生活するほうが楽かも」

 「日本のポイントチケットが残ってる間はな」

 「中国人の一部は、南米に足場を作ってると思うよ。資源と交換で日本商品も売れてるし」

 「たぶん、中国軍閥の富裕層が国外に避難地を作ってるのだろう」

 「ユダヤ資本と同じようなことしてるな」

 「そういえば、日本企業の外資株枠5パーセントを買い占めてるのもユダヤ資本と華僑資本だ」

 「外資株枠を広げるともっと実入りがいいかも」

 「やめとこう。投資なら現金か資源を貸出しすればいい。株を買う必要はない」

 「ウォール街の株の乱高下は、不労所得を増やして企業資質を損なわさせるだけだ・・・」

 総理大臣がブスくれながら講和会場から出てきた。

 「総理。何か不手際でも?」

 「アメリカ代表が100兆円のキックバックで、日本の国民基礎所得の廃止と」

 「市場開放。関税・非関税障壁撤廃を囁いてきたんでな」

 「今回は大きく出ましたね」

 「アメリカが全面協力するから一族で、王朝作って日本を永続支配すればいい、だと・・・」

 「ふっ 国民の説得は、困難でしょうね」

 「黙ってやればいいだと」

 「デフレなら富裕層は、資産価値を数倍で保てて、アメリカの成長を取り込めるとか・・・」

 「禁治産者や怠け者じゃあるまいし、働いて稼げるし、他力本願なんかいらん」

 「アメリカの工作員は、ほかの議員。知事、市長クラスにまで買収工作をかけてますからね」

 「だいたい、金額が多すぎて使い切れんだろうが」

 「ユダヤ資本は、金融世界支配が目的で。日本人と違う価値観で生きてますから」

 「もう、話しにならん」

 インフレ、国民基礎所得、人口増大は、拝金主義と利己主義を減退させ、

 アメリカの対日買収工作を困難にさせていた。

 

 

 

 

 大和州

 CIAがアメリカ人観光客の振りをしながら大和京を観察していた。

 アメリカ人たちが公民映画を見てた。

 「ずいぶん、発展してるな」

 「関東京より面積が広いからね」

 「核戦争になれば事実上、日本の首都になると言われてます」

 「なんとか、州で独立運動を起こせないだろうか」

 「日本の中央は天皇のために戦い。州は自由のために戦う。そういう独立戦争を演出できればいい」

 「独立戦争は、差別や格差など、不公平がなければな」

 「日本の差別や格差は?」

 「建設国債は、国家とゼネコンがとる。不公平な投資がされるが」

 「国民基礎所得は、建設国債の2割で10年後、国民に支給され」

 「それとは別に学制国債が学校に割り振られる」

 「税金は、累進課税の所得税が税収の6割を占めてるから独立戦争は期待できないな」

 「国民基礎所得を廃止させ」

 「地租税から消費税に変えさせて、日本の格差を大きくできないだろうか」

 「格差を広げれば、貧乏人は、自殺するし、犯罪に走る。自殺も増えるだろう」

 「何より若者が結婚できなくなれば子供が生まれにくくなり日本の人口増加を抑制できる」

 「人口を減退できるなら、日本の国力を低下させることもできるだろう」

 「州が離脱すれば独立戦争になるだろう」

 「富裕層はその方が得でしょうけど、得体の知れない勢力の圧力で難しいそうだ」

 「得体の知れないって。広長閥だろう」

 「ああ、そうだ。人口増加で、広長閥の中核は減少している」

 「それとは別の、何か別の勢力があるようだ」

 「というと?」

 「特高で二重戸籍を持ってる連中に主導権が移動してるフシがある」

 「では、日本は秘密警察国家なのか?」

 「そうとばかりも言えない」

 「まさか我々の知らない朝鮮人が日本を支配してるということはないだろうな」

 「古朝鮮人、旧朝鮮人はいるでしょうが、彼らは、自分たちを日本人を思っていますよ」

 「それに国民基礎所得は国民を一枚岩にしてますし」

 「利権を叩いたところで、自分たちの利権と比例してるのですから冷めたものでしょう」

 「だが、利権があるのなら、分離は不可能ではないはず」

 「その利権が掴めない」

 「貧困層ではないが、どこにでもいる中堅層のおっさんやおばさんが、財閥が大儲けできるゴリ押しを止めさせたのを見たぞ」

 「「「「・・・・・」」」」

 「あと、新人公務員の出自は、人口比ですから独立すると、郷土から追い出されてしまうのですよ」

 「「「「・・・・・」」」」

 「なんとか。既得権益のために日本の紙幣量を減らせればいいのだが」

 「社会資本を吸い上げれば、格差が広がり、不正や腐敗や犯罪が増えるだろう」

 「そして、公務員の給与のために増税させれば、公私の対立が始まり、日本は自滅するだろう・・・」

 “なぜ?”

 “もう、仕事の時間だから・・・”

 “大学まで出て、才能もあるのに。船の警備員の仕事がそんなに面白い?”

 “好きだよ”

 “・・・・”

 「・・・しかし、クリエイターも大変だな。いろんな職業の主人公を設定している」

 「まぁ 映像を撮るグループが乱立しているから、差別化だろう」

 「職業モノなら就業人口分の可能性があるからね」

 「産業新興アニメなら広域スポンサーを集め易いし、人口が多いならそれだけで採算が得られる」

 「出来が良ければいい人材も集まり易いからウマウマらしい」

 「ふっ どちらにしろ、苦労してるな」

 

 

 相対速度、相対軸の回転速度、相対角が同じであれば止まってるように見えた。

 レーザー計測しつつ、コンピューターを調整し、あけぼの号(4200t)のロボットアームを伸ばしていく、

 「機密は、全部隠したんだろうな」

 「ああ、連中がわかるようなものはないだろう」

 「しかし、自動補正がスムーズになってきてるようだ」

 「将来的に小惑星に穴を開ける気らしいから。もっと強力なものにするらしいけど」

 「小惑星ならクルースンだな。地球の軌道と交差して、火星側に行ったり金星側に行ったりするから面白い」

 「直径5kmくらいだから面白みに欠けるけど?」

 「だけど金星や火星に近付けて、基地になるから面白そうなんだけどね」

 「それは言える」

 

 ソユーズ宇宙船19号(6790kg)と、アポロ宇宙船18号(14768kg)をドッキングさせる。

 アメリカ人とロシア人は、小型の爆撃機程度の宇宙カプセルから

 巡洋艦に匹敵するような巨大な宇宙船に乗り込むと、広い空間に驚嘆する。

 「これは素晴らしい」

 「あと2、3隻打ち上げたらほかの天体開発に向かう予定ですよ」

 「「・・・・」」

 「日本人は、なぜ、宇宙進出に熱心なのです」

 「地表で領土的野心を熱心に発揮したら侵略国家になってしまいますからね」

 「宇宙なら侵略国になりませんし」

 「そういえば、日本は世界史上最後で最大の侵略国家でしたな」

 「いやいや、無から有を侵略したイスラエルには及びませんよ」

 「「あはははは・・・」」

 窓から外を見ると “はつはる” の一部が飛んでいた。

 追加の宇宙船がドッキングすれば最終的に “あけぼの” の2番艦になった。

 「これだけの規模の宇宙船を何隻も打ち上げられるとは、大変な資金力ですな」

 「資金力もなにも、紙幣って、自分の国で印刷できるますから」

 「「・・・・」」

 「そりゃ 資本主義のルールは貸し借りでしょうけど」

 「民主主義のルールでも紙幣を国民に分配してるので、吸い上げられるなら投資できますよ」

 「アメリカは、資本家がケチで。税金なんてまともに払いませんがね」

 「ソビエトは、労働の対価が平等で、働く意欲すら湧きませんよ」

 「平等の上で資本主義のプラスアルファが欲しいですよね」

 「「・・・・」」

 

 

 

 

 和洋州

 霧が籠もると視界が30cmほどに狭まる、

 霧と蒸し暑さは、中国大陸の近代化を遅らせた一つで、

 赤外線・レーダーと連動した機銃ボックスが受け入れられた理由でもある。

 戦後、地下鉄網が広がり、

 自動車に赤外線探知機が装備されると移動が容易になった。

 労働集約と消費集約が増え、国民総生産が増大していた。

 京杭大運河に面した微山国際港は、日米中の物流、交通、通信の一大拠点となっていた。

 高層ビルが建ち並び、微山国際港は証券取引所があって、

 日中米の船荷が売り買いされる度に株価も上下していた。

 むろん、時間規制・数量規制があるため短期でダイナミックな売買はなかったものの、

 開発待ちの中長期投資に最大の聞き耳を立てていた。

 いつもは、5km先の京杭大運河の西対岸を見下ろすことができたが

 今日の視界は真っ白だった。

 「霧か。まるで今日の気分だ」

 「ビデオテープは売り上げが伸びると思いますが買い情報は、もう少し先では?」

 「どちらのビデオテープが勝つのかも不透明ですからね」

 「政府が規格をすり合わせればいいのに」

 「家庭用ビデオ。それほどの価値になると思っていないのかも」

 「まぁ いいか」

 「しかし、霧が深くなると、中国軍の恐怖感が増すな」

 「中国兵が青龍刀を振り下ろす夢で飛び起きる時がありますよ」

 「戦前戦中生まれはそうだろうが、戦後生まれは、ヌルイところがあるな」

 「問題は、中国軍と正面で接してる和洋州軍が命懸けなのに中央と他州は他人ごとになりやすいことか」

 「頭越しに馬鹿な外交取引をされてはかなわんよ」

 「日本人と中国人が同じ感性を持ってると、錯覚してる連中も増えてきてますし」

 「基本的に漢民族の精神は変わらない。通州事件は、前面に出すべきだろう」

 「ですが、子供に歴史記念館を見せる時期は、PTAと揉めますからね」

 「国防と直接関わってないから、いいたこと言いやがる」

 「精神衛生上、30歳以下に見せていいものじゃないですからね」

 「だが史実だ」

 「国防は軍隊だけのものじゃない」

 「武器を持たない第5列の浸透戦術が恐ろしいのだ」

 「国民に警戒心がないと、日本の政治経済外交がズタズタにされかねない」

 「局長。例のものを詰め込みました」

 「そうか。粉ミルクが中国に必要なのが不思議だが」

 「噂では、偽物が横行して死人が出てるようですよ」

 「資源と交換なら中国側がどうであろうと、知ったことはないが」

 「そういえば、内地のマスメディアが中国国内記事を書きたいと騒いでるようですが」

 「ふっ 鼻薬と接待で、嘘の記事を書かされるのがオチだろう」

 「中国は専制軍閥の集まりで、まともなメディアなどない、まして、民間交流等論外だし」

 「日本に嘘の記事を流せるために、民間交流など、無意味だ」

 

 

  

 

 アメリカ合衆国 国防省

 J85GE21ターボジェットエンジン  230kg 推力2270kg  直径44.9cm×全長1.3m

 アメリカで最も小さいジェットエンジンで、ノースロップF5戦闘機にも使われている。

 日本は、更に小型で効率のよい、直径40cm級流星ターボファンエンジンを装備した蒼雷を配備していた。

 ベネズエラ戦から帰還した将軍が新型戦闘機開発の様子を見ていた。

 「我が国もJ85GE21で4発機ないし、6発機を開発しようというのかね?」

 「アフターバーナを使用するより、エンジンを増やすほうが効率的な気がしてな」

 「逆にエンジン2基の戦闘機を落とされるのと」

 「エンジン4基。あるいは6基の戦闘機を落とされるの。どっちがいいかなんだが」

 「実験してみるくらいいいだろう」

 「しかし、日本は、ターボファンエンジンで。こちらは、ターボジェットエンジンだ」

 「当然、こちらの燃費が悪くて不利だ」

 「小型ターボファンエンジンに関して言うと、アメリカは、日本より10年ほど遅れてる」

 「予算は、大丈夫なのかね」

 「宇宙開発予算を再開とすると聞いたが」

 「とりあえず、F16ファイティング・ファルコンの機体を流用して試作してみるつもりだ」

 

   F16ファイティング・ファルコン

    全長15.03m×全幅9.45m×全高5.09m  翼面積27.87u

    自重8270kg  最大離陸重量19190kg

    プラット・アンド・ホイットニー F100PW220   7910kg/10809 kg  1基

    最大速度マッハ2.02  航続距離4200km

    M61A1 バルカン砲  最大搭載量7070kg

 

   F16ファイティングJ85ファルコン

    全長15.03m×全幅9.45m×全高5.09m  翼面積27.87u

    自重8045kg  最大離陸重量19190kg

    J85GE21ターボジェットエンジン   1300kg6基 7800kg/12000kg

    最大速度マッハ2.2  航続距離3000km

    M61A1 バルカン砲  最大搭載量8070kg

 

 小型ジェットエンジンは日本の独壇場だった。

 アメリカは小型エンジンで対抗しようと、不得意な分野で競わなければならず苦戦してしまう。

  

 

 Ka27ヘリが洋上を低空で進む

 水平線上に飛行甲板を持った軍艦が浮かんでいた。

 Ka27は、そのまま空母の飛行甲板に着艦する。

 北大西洋

  30000t級オデッサ型空母 (蒼鳳・アンティータム) ヤルタ(白鳳・ランドルフ)

   全長275m×全幅39m×吃水9.2m

   ウェスティングハウス製蒸気タービン4機 4軸推進150000 shp

   33kt 20000海里/15kt  26000 

   搭載機 震電改 12機  Ka25 40機

 オデッサ型空母は、ソビエト海軍で、一番優れた空母というだけでなく、

 ソビエト海軍艦艇で、もっとも運用しやすい軍艦だった。

 ソビエト海軍士官たちが艦内を見回る。

 「上は、新型機の運用に支障ないかの方が気になるらしいが」

 「Yak38は運用できるかより、Yak38の性能次第と思うが」

 「旧式の震電改も悪くない」

 「日本の二線級企業がブラジルや中東向けの機動部隊用に改良し続けた機体だけはある」

  震電改

   4000kg/6000kg/7000kg

   全長12m×全幅11.12m×全高3m  翼面積21m

   直径40cm級流星406型エンジン 推力2000kg×2基

   速度1300km/h  航続距離2000km

   20mm1丁 初速820m/s  連射450発/分

   ハードポイント5基  爆弾/ロケット弾/増槽 1000kg

 「震電改は、ノースロップF5を艦載機型で開発したような機体だな」

 「原型は大戦末期の迎撃機だったそうだが。無人巡航ミサイルに改造された機体もあるらしい」

 「しかし、日本機は、エンジンを換装するだけで化けるというのは本当のようだ」

 「406型は、模倣できそうかね」

 「J85と同じクラスのターボジェットエンジンですが性能は、406型がいいようです」

 「しかし、構造が細か過ぎです。模倣すると歩留まりが大きく、産業で破綻するかもしれない」

 「おいおい、408型以降は、ターボファンエンジンで、模倣がもっと難しいのだが」

 「日本の技術力は異常だよ」

 「震電改の肝心の性能は?」

 「ベネズエラの航空戦で戦訓を得たパイロットに言わせると、離着艦可能機で悪くない」

 「しかし、それ以上ではないから、F14トムキャットに勝てんよ」

 「まぁ そうだが30000t級空母を対潜哨戒用だけに使うのは流石に惜しい」

 「日本は対空・対潜哨戒空母として使ってたようだが」

 「戦後建造した伊勢型は、空母型だが核巡航ミサイル搭載艦だ」

 「つまり、昔の空母というより、直接、敵本土を狙う洋上プラットフォームという位置づけだろう」

 士官たちは下へと降りていく、

 「我々が建造してるキエフもそれに近い考えで建造してる」

 「しかし、よく手入れされてるな」

 「元アメリカ製。日本人の整備力の高さかもしれないな。良い買い物をしたかもしれない」

 「というより・・・」

 「ん?」

 「・・・変だな。機関部の摩耗が少な過ぎる」

 「補修はしてるようだが、ほとんど使ってない。アメリカ製はそれほど長寿なのか」

 「まさか」

 「だけど、何か。別の機関を使って走ってたみたいじゃないか」

 「それらしい痕跡はあるようだが。いったい、どんな機関を使ってたっていうんだ」

 「わからんが、日本艦艇のスクリュー音は静かだそうだ」

 「とにかく、使えるものは使うべきだろう」

 「まぁ Ka27を主力に。震電改の補助で、Yak38の完成待ちで行けるだろう」

 

 

 中国

 貴州軍閥西北コーラオ族区

 冒険家たち 「質問するニダ。山に赤、青、黄の石碑があると聞いたニダ」

 村人NPC  「そういや、青い石碑は、聞いたことある」

 冒険家たち 「本当ニカ!」

 村人NPC  「確か・・・・」

 「」

 「」

 男たちが古書の暗号を解きつつ、

 コンパスと地図を確認しながら密林の中を分け行っていく、

 「あ、石碑ニダ」

 「石碑を見つけたニダ」

 「やったニダ」

 「あとは、三つの石碑を交差させて・・・」

 コンパスと定規で3つの石碑を交差せていく、

 「あそこに洞窟があるニダ」

 男たちの暗中模索と大冒険の後、

 「見つけたニダ。洞窟ニダ」

 「こ、ここニダ。この洞窟に、裏八仙第3の呂洞賓。剣が隠されてるニダ」

 「「「「・・・・」」」」 ごっくん

 そーーーーーー

 バタン!

 「「「「「ニダ?」」」」」

 どぉーーーーーーーーーー!

 ゴロゴロ ゴロゴロ ゴロゴロ ゴロゴロ

 「「「「岩が転げてきたニダ!!!!」」」」

 

 

 

 

 

 大和州

 マッキンリー山脈は、実質的な総司令部と言えるものになっていた。

 山体の中を地下鉄が走って、頂まで登ることができた。

  特殊部隊用 Mi24ハインド

   全長20m×翼長6.66m×主回転翼同軸反転式ローター直径16m

   自重6675kg 運用10500kg 最大離陸重量11000kg

   荷電粒子発電1500馬力(1125kw)4基 6000馬力(4500kw)

   最大速度540km/h  巡航速度360km/h

   航続距離60年

   乗員3名 +  12名 or 積載4000〜5000kg

 日本軍将校たち

 「なんとも無骨なヘリだな」

 「元が元ですので」

 「まぁ 用に足りるのなら良しとすべきだろうが」

 「300km内の20の対人レーザーレーダー目標を同時観測し、友軍に知らせることができるので救助ヘリで十分かと」

 「ふっ・・・」

 「救出が予算増しに繋がるなら、まぁ やりがいもあるだろう」

 「「「「・・・・」」」」 苦笑い

 回避能力の低いヘリで高々度を飛ぶのは的になるようなもので、

 機動力を活かし稜線に沿って低空を飛ぶ任務が多かった。

 しかし、特務用ヘリは、荷電粒子発電で飛行するため

 長時間飛行、高速飛行が可能なことから強力なレーダーと、

 ECM・ECCM機能を持つ早期警戒ヘリに改造されることが多かった。

 戦争になれば、特務用Mi24ハインドが後方で指揮と電子戦を展開し、

 一般用Mi24ハインドが対ヘリ・対地攻撃の分担になっていた。

 そして、今日も予算獲得をかけて、冬山の尾根を飛ぶ、

 

  

 

 

 ベネズエラ

 国土と主権を回復するとオリノコ以南の漢民族自治区の力が増していく、

 チーノ! チーノ! と馬鹿にしていたフレーズは、禁句となり、

 ブラジルから漢民族が流入してくる。

 そして、祖国防衛で役に立つ地下施設を建設した日本資本の進出も増大していた。

 首都カラカス

 日本資本系ビル

 「華僑資本とベネズエラ人が強くなりすぎてる」

 「我々の販路が牽制されてるようだ」

 「祖国防衛では、日本より華僑資本が目立ちましたからね」

 「それでも、死神教の足場が一番強いのが皮肉な話しだな」

 「アメリカ資本にコロンビアを取られたのが痛いですね」

 「かわりにベネズエラ開発を手がけられるなら悪くない」

 「アメリカ資本もコロンビアに入ってきてるので、戦争になる可能性はあるかもしれませんね」

 「アメリカ多国籍企業はイナゴだよ」

 「利権を増やして、奴隷を作って、全てを荒廃させてしまったら別の場所にいく」

 「日本資本は、利権があれば実力相応に増やさせればいいと思いってるだけだ」

 「潰す必要はない」

 「しかし、財政投資が大きくなると、資本が庶民に流れやすくなり、下克上になりますよ」

 「国を守るなら、既得権潰しの下剋上でも構わないだろう」

 「我々の狙いは、アメリカ合衆国の喉元にナイフを突き詰めるためにやってるようなものだ」

 「ベネズエラが強国になる方が都合が良い」

 「ベネズエラ大学のゼネコン教授犬を前面に出して日本の真似をさせよう」

 「日本の公共投資誘導政策の真似をさせると、国民基礎所得も真似しますよ」

 「いくら外資が既得権と結託して利権を得たところで、民族資本が育てば奪い返されます」

 「んん・・・ 日本の利権は安定しないが・・ 反米の橋頭堡だし」

 「親米に取り込まれる可能性は、最悪でもなくさないとな」

 「DNA審査機は、日本独占ですから、日本が管理することに」

 「うまみはあるだろうから、ベネズエラが技術的に独立するまで利益になればいいか」

 

 

 

 

  金600万t   銀4億5000万t    銅45億t   アルミニウム150億t

  マグネシウム2000兆t   水銀4500万t   臭素100兆t   ヨウ素750億t

  トリウム10億t   ウラン45億t

 海洋に含まれる資源は莫大だった。

 金の総量が16万トン(オリンピックプール3個分)と言われる昨今

 農林水産省では、海洋資源を採集する目的でクラーケン型ロボットを研究していた。

 「なかなか、いい調子だ」

 「荷電粒子発電を本当に活かせるのは海かもしれませんね」

 「問題は、無国籍で無人にすると攻撃された時の対応で困る」

 「むしろ、通常の潜水艦でやる方法もあるかもしれない」

 「潜水艦は、既に試しているよ」

 「海底熱水鉱床や熱水噴出孔を採掘させているけど、海底の起伏と、魚が邪魔らしい」

 「往復は問題無い?」

 「海底地図とソナーである程度わかるよ。出入りする基地は無人島がいいけど」

 「しかし、軍人っていうのは、どうも、面倒くさいと言うか。経済音痴というか。思慮が狭いというか」

 「畑違いのことを協力させられて、それが予算削減に繋がるかもしれないとなったら海軍でなくても剥くれるよ」

 「だけど、金、銀、銅、アルミニウムは大きいし。金になれば予算分配できるだろう」

 「まぁ 埋蔵金みたいなものだな」

 「だいたい、戦略物資の採掘もあるのに、消極的って、太平洋戦争を忘れてる世代だろうか」

 「終戦が1947年だから、戦後28年だからな。軍将兵の大半が戦争を知らない世代になるな」

 「軍は、近視眼教育になりやすいからな」

 

 

 

 

 日本は、荷電粒子発電を利用した効率のよい大型貨客船を開発していたため、

 欧米より民間機開発が出遅れていた。

 というより荷電粒子発電機は、大戦レベルの馬力荷重しかなく、

 航空機用エンジンの主力になり得なかった。

 また、ゼネコンの圧力で、鉄道優先が強かったことも民間航空産業を低迷させていた。

 しかし、国民の中で富裕層が増えると、高速で、州・離島の間を結ぶ必要性が増大し、

 首都宇都宮を中心とした国内線が優先された。

 乗客300人以下の中型機、100人前後の準中型機が開発されたのは、そういった背景が強かったからだ。

 直径120cm級天星と100cm級紅星ターボファンエンジンは、

 蒼雷で使用する40cm級エンジンと比べると巨大なエンジンに思われた。

 しかし、ボーイング747のエンジン径が2247mmであることから旅客機の世界で、それほど大きわけでなく、

 軍用機の世界でも、F15戦闘機のエンジンよりわずかに大きい程度でしかなかった。

 そして、低バイパスターボファンエンジンより、

 高バイパスターボファンエンジンが25パーセントほど低燃費で優れていた。

 120cm級天星と100cm級紅星を高バイパスターボファンエンジン型で改造し、

 大型ファンが取り付け、直径2000cmの天星2009型。直径150cm級紅星1505型を開発し、

 国際標準で言うところの中型機と準中型機が開発された。

 

  瑞鶴

   全長60m×翼幅60m×全高16m  翼面積300u

   自量100000kg/最大離陸重量200000kg

   直径2000mm級天星2009型ターボファンエンジン×2基 20000kg×2基

   最大速度960km/h   航続距離10000km

   乗員10人 + 240〜300人

 

  祥鷹

   全長35m×翼幅30m×全高10m  翼面積80u

   自量25000kg/最大離陸重量40000kg

   直径1500mm級紅星1505型ターボファンエンジン×2基 8000kg×2基

   最大速度960km/h   航続距離4000km

   乗員8人 + 90〜110人

 

 

 離島は、産業基盤がなければ国民基礎所得が主要な所得になるため、

 一定以上の産業がなければ必要最小限の定期便しかなかった。

 しかし、産業が少しずつ育ち始めると、臨時便が増えた。  

 祥鷹は、ランディングコースに入ると滑走路に着陸した。

 関係者たち

 「747並みの大型旅客機なら乗客に対しパイロットを減らせて、利益を大きくできるんだけどな」

 「離島と州の定期便が多過ぎるし。都市同士の飛行場の取り合いで、大型機が扱いにくいってなったんだろう」

 「あと、自分で操縦免許取りたがる人間も多い」

 「プライベート機を自分で操縦できるなら離島でのんびり生活するのも悪くはないが・・・」

 直径40cm級流星エンジン2基を装備した小型プライベート機も着陸した。

 「第4次中東戦争で、石油が高騰したっていうのが嘘みたいだな」

 「例の学制国債で、文部省が金勘定から解放された人間が増えたんじゃないか」

 「学校施設。教師数。生徒数。教材の基礎配分はともかく」

 「査定分の最適基準が曖昧だから、争奪戦は逆に激しさを増してる気がするね」

 「マクロで大きいのは、流通してる金の7割がゼネコン経由」

 「2割が官民の銀行借り入れ。1割弱が国民基礎所得分だったのが」

 「学制国債と学生国債の国民基礎所得分が追加することだろう」

 「教育予算が切り離されたのはともかく。インフレが加速しそうだな」

 「老舗は借金しても市場を取らないと、新興企業に市場を奪われてしまうから辛い」

 「富裕層が利益誘導でお金持ち有利にしようとしてるみたいだけど」

 「ああ、一般平均年収以下の負担を増やして、累進課税のフラット化だろう」

 「あれやると余剰資本を余計に蓄財できる富裕層が倍々で一気に各差が広がる」

 「あとは生皮で首を絞めていけば、格差も広がって聖域も安泰なんだがな」

 「貴族院は特権階層が多くて前向きだけど」

 「一般代表で任期過ぎたらただの人の衆議院が反対してただろう」

 「アメリカさんの口車に乗ると守銭奴扱いされて困るよ」

 「まぁ 彼らは守銭奴だからね。金の価値を保つのが巧妙だよ」

 「というより、庶民が紙幣を持ち過ぎて。競争して稼ぐより、新興企業の追い落としに躍起らしい」

 「権力を持つと他派閥を攻撃するのと似てるな」

 「格差の拡大を至上の是としてるから権力闘争も金権闘争も弱肉強食ということでしょう」

 「だけど、アメリカの格差拡大は、注目だよ。下手をすれば本当に共産化する」

 「知り合いのユダヤ人は、共産党もユダヤ人が押さえてるから、どっちでもいいみたいなこと言ってたぞ」

 「金力で民衆を押さえるか。権力で民衆を押さえるで、どっちも同じか。よくやるよ」

 「少数民族の危機感がそういった生業を覚えてしまったんじゃないかね」

 「多数民族支配で麻薬を使うのも常套手段だし」

 「日本人もそれくらいやれていたら世界を支配していたかもな」

 「「「「あはははは」」」」

 「そういや、日本は規制を外して、アメリカの株をもっと買うように言ってたぞ」

 「相互主義だからね。というより日本資本を守らないと騙されるだけだし」

 「確かに・・・」

 有力者のパーティに呼ばれた人々は、島に似つかわしくない御殿を見上げた。

 日独混血も少なくなく、日本の外資株枠を買い占めてるユダヤ人も少なからずいた。

 ベネズエラ戦で敵対関係にあっても資本の流動性だけは別なのか。

 ユダヤ人が図太く、日本人が生真面目なのか、呉越同舟が続いていた。

 

 

 

 反日ギルド朝鮮チーム コード名 ムン キン リン は、味方のように振る舞いながら有力者に近づく

 「これはこれは、平和団体の幹事さん。今日もいらっしゃいましたニダ」

 「おお、君らも好きだな」

 「ノーパン喫茶は、大好きニダ」

 「ははははは」

 「最近の景気はどうニダ」

 「国民基礎所得のせいで組合は解体されたし、革命の意欲も低下してる」

 「平和平和言っても日本は、平和だからしらけてる」

 「このままだと存在価値が低下してしまうな」

 「ストレスが大変ニダ。癌の元ニダ」

 「そうなのか。怖いな」

 「癌は、とっても怖いニダ」

 「「「「・・・・・」」」」 ため息

 「大丈夫ニダ。任せるニダ」

 「何かいい方法があるのか」

 「右翼と仲良しニダ。右翼と左翼でお祭りするニダ」

 「お祭り?」

 「そうニダ」

 「極右と極左を作るニダ」

 「極端な意見で。一般人に恐怖感を持たせてバランスを取らせて左翼と右翼に引き込むニダ」

 「それで、お祭りするニダ」

 「お祭りか・・・」

 「そうニダ。右翼と左翼の強硬派の存在が相乗効果で価値を高め合うニダ」

 「大学で左翼の学生運動をやってみるニダ」

 「まぁ そうだなぁ ちょっと頑張ってみようかな」

 「がんばるニダ。応援するニダ」

 「リベートと地位があれば、もっと頑張れるニダ」

 「「「「あはははははは」」」」

 「「「ウェーハハハハ!!!」」」

  

 

 反日ギルド朝鮮チーム コード名 ムン キン リン は、平和団体に浸透することに成功し、

 日本の多様化にダメージ5を与え、レベル15になった。

 3人は、喜びのあまり、病身舞を踊って

 “うんこ アイゴ うんこ アイゴ うんこが好きニダ〜♪”

 “便器に突っ込んで飲むニダ うんこ風呂ニダ〜♪”

 “戦友と一緒に食べたうんこが忘れられないニダ〜♪”

 “頭の中は うんこでいっぱいニダ〜♪ お腹の中も うんこでいっぱいニダ〜♪”

 “奥まで届かなくても切なくないニダ!”

 “うんこ アイゴ うんこ アイゴ うんこに恋してるニダ〜♪”

 “便器に突っ込んで食べるニダ うんこと一緒に寝るニダ〜♪”

 “戦友と一緒に食べたうんこが忘れられないニダ〜♪”

 “頭の中は うんこでいっぱいニダ〜♪ お腹の中も うんこでいっぱいニダ〜♪”

 “奥まで届かなくても前向きニダ!”

 “うんこ アイゴ うんこ アイゴ うんこを愛してるニダ〜♪”

 と歌って、HP3を回復する。

 「大成功ニダ。日本に極左、極右を作れそうニダ」

 「学生運動で人殺しでもさせて、証拠を握れば言いなりにできるニダ」

 「我々はいつでもどこでも反日で共闘して結束できるニダ」

 「日本人は戦後の平和と同胞との競争で利己主義が強まって、国家観が薄れてるニダ」

 「勝てるニダ」

 「日本は、左に行けば退廃主義で自滅。右に行けば戦争ニダ」

 「日本人には、自滅と戦争の二者選択しか与えないニダ」

 「「「ウェーハハハハ!!!」」」

 反日ギルドから次のクエストが送られてくる。

  1、日本食品に毒を入れる。    2、日本の銀行を襲撃する。

  3、日本人から金を騙し取る。   4、日本人を自殺させる。

  5、日本女性を強姦する。     6、日本人を拉致誘拐する。

  7、日本の文化財を盗む、放火する。

 「「「・・・・・・・」」」

 

 

  

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 月夜裏 野々香です。

 反日ソング聴いたら、ちょっとムカついてしまいました (笑

 

 黒い馬

  第三の封印を解いた時、第三の生き物が「きたれ」と言うのを、わたしは聞いた。

  そこで見ていると、見よ、黒い馬が出てきた。

  そして、それに乗っている者は、はかりを手に持っていた。

  すると、わたしは四つの生き物の間から出てくると思われる声が、こう言うのを聞いた。

  「小麦一ますは一デナリ、大麦三ますも一デナリ。オリブ油とぶどう酒とを、そこなうな」

 物とお金に関わる生き物、企業とか産業でしょうか。

 オリーブは平和を暗示させ。ぶどう酒は快楽を暗示してるようです。

 平和攻勢というやつです。

 そして、小麦一ますと一デナリ、大麦三ますも一デナリは物価です。

 多国籍企業は、国家益や国民益に囚われず利権と利益を強欲に求める獣中の獣、

 蛇の中の蛇と言えるでしょう。

 利益誘導で、反国家、反国民な行動をとるので、警戒すべきでしょうか。

 政治と国民が私利私欲に支配されちゃいけません。

 

 

 総人口2億2478万人。

  日本・輝夜 (72万ku) 日本・半島  内地人口1億0801万。

 

  海外州人口1億1676万人

   和洋州 (25万ku) 京杭大運河東部域  4373万

   日満州 (100万ku) 外満州  4373万

   扶桑(カムチャッカ・チュクチ)州 (121万ku) 1165万

   大和(アラスカ)州 (171万7854ku) 1456万

   南洋 (ハワイ、ビスマルク、ソロモン諸島) (10万6461ku) 291万

    フィリピン バターン・コレヒドール島 日本自治 “桃太郎” 区 (1000ku)

    マレーシア ブルネイ 日本自治 “金太郎” 区 (1000ku)

    インドシナ ダナン 日本自治 “舌切雀” 区 (1000ku)

    インドネシア パレンバン 日本自治 “浦島太郎” 区 (1000ku)

    ビルマ ヤンゴン 日本自治 “因幡の白兎” 区 (1000ku)

    シンガポール 日本人自治 “鶴の恩返し” 区 (1000ku)

 

 

 

 日本海軍

 第01機動部隊

  36000t級伊勢型航空巡洋艦 伊勢

  空母 海鳳(ハンコック)、雷鳳(タイコンデロガ)

  戦艦 薩摩(ミズーリ)、駿河(ウィスコンシン)、

  重巡 穂高(セントポール)、

  軽巡 八瀬(ダルース)、黒部(サンタフェ)、白萩(モービル)、河津(ビロクシー)  駆逐艦18、

 

 第02機動部隊

  空母 幻鳳(シャングリラ)、慶鳳(ボノム・リシャール)、

  戦艦 因幡(アイオワ)、播磨(ニュージャージー)、

  重巡 蔵王(ボストン)、

  軽巡 天白(オクラホマシティ)、三原(アムステルダム)、日高(マイアミ)、天神(パサデナ)  駆逐艦18

 

 

 白龍型潜水艦 50隻

   排水量 水上3000t/海中4300t

   全長90m×全幅9m×吃水8.5m

   荷電粒子発電1000馬力〜1500馬力 20基

   水上/海中20000馬力〜30000馬力 30kt〜36kt  航続距離60年

   533mm8管 40本

   乗員65人

  “白龍” “雷龍” “慶龍” “神龍” “剛龍”  “海龍” “陣龍” “蒼龍” “銀龍” “鋼龍”

  “雲龍” “妖龍” “弓龍” “迅龍” “凰龍”  “黒龍” “鎧龍” “零龍” “呑龍” “戦龍”

  “朝潮” “夕潮” “巻潮” “波潮” “赤潮”  “黒潮” “冬潮” “早潮” “夏潮” “磯潮”

  “長波” “巻波” “高波” “藤波” “清波”  “涼波” “早波” “浜波” “朝波” “高波”

  “幽鬼” “鋼鬼” “慶鬼” “蒼鬼” “海鬼”  “凰鬼” “弓鬼” “陣鬼” “彗鬼” “黒鬼”

 

 

 

 1360t級エヴァーツ型護衛駆逐艦(21)  1740t級バックレイ型護衛駆逐艦(44)

 1240t級キャノン型護衛駆逐艦(23)    1250t級エドサル級護衛駆逐艦(24)

 1450t級ラッデロウ型護衛駆逐艦(4)   1350t級ジョン・C・バトラー型護衛駆逐艦(24)

 

 ジェットエンジン

 直径40cm級流星エンジン  直径60cm級彗星エンジン

 直径80cm級蒼星エンジン  直径100cm級紅星エンジン  直径120cm級天星エンジン

 

 “原爆を落とされた人々の世界平和を望む会” 

 広島  賀茂忠行  天光正教  ウリエル  死神ウラン

 長崎  安倍晴明  聖炎主教  サリエル  死神プルト

 

  

誤字脱字・感想があれば掲示板へ

第30話 1974年 『不換紙幣に財源はいらない』

第31話 1975年 『黒い馬 多国籍企業群』
第32話 1976年 『特別高等警察の原則 VS 反日魂』