月夜裏 野々香 小説の部屋

    

天ぼた系 火葬戦記 『神火風』

 

 第35話 1979年 『メタンハイドレート海底発電』

 

 世界は4つ経済システムに分かれていた。

  金貸し業から発達した銀行が借金で紙幣を創造する、

    アメリカ、イギリス、フランス・・・

  時間労働から紙幣を産み出す

    ソビエト連邦、東側諸国・・・

  国債発行の財政投資と、

  格差是正で財政投資に2割を無借金配分する国民基礎所得の二重方式をとる。

    日本、チリ

  新紙幣発行が国民の人頭で政府8割、国民2割で固定給付する人頭紙幣発行。

    中国、ベネズエラ

 

 4つの世界は、メリットとデメリットを抱え込んでいた。

 もっとも、アメリカ国民は、日本国民を羨み、

 日本の官僚、資本家は、アメリカの官僚、大資本家を羨む、といった立ち位置の評価で、

 利権制度の戦いも繰り広げられていた。

 自由都市リューベック

 日系ドイツ人が銀行DNA研究所に到着する。

 「よお、久しぶり」

 「やっと来たか」

 「日本から中国。アメリカ。チリ。ベネズエラと一通りまわってきたよ」

 「様子は?」

 「インフレが進んでる」

 「だろうな」

 「そっちは、進んでそう?」

 「渋々だからな」

 「そりゃ 面白くないだろう」

 「庶民に金を渡してしまうと、庶民が金を借りなくなり、利息が入らなくなる」

 「庶民は銀行から借りられないよ」

 「だから高利貸しに借りさせるんだろう。そっちの利息も大きい」

 「それに、財政投資が大きいほうが官僚のリベートと横領も大きくなる」

 「早い話し、国民から税金を取って予算から企業に回すだけで、自動的に給料も大きくなる」

 「当然、税金が大きいほうが身入りも大きくなるからね」

 「ほんの一部でも行政が国民に金を渡して、企業から税金で回収して、国民に戻してたらうまみがなくなる」

 「利権構造そのものが崩れる」

 「特にリベートと、横領の多い国ほどな」

 「しかし、元々 リベートと横領の少ない日本で国民基礎所得をやるとはね」

 「日本なら道路建設で10km分の予算で8kmはいける。ドイツなら7km」

 「欧米なら6kmから5km。後進国なら4km以下もいかない」

 「横領が少ないから国民が我慢できるってことはないのか」

 「国民じゃなく、広長閥の圧力らしいけど」

 「広長閥は、中核がいなくなって縮小してるだろう。不審死が多くて殺されてるって噂もあるし」

 「噂だけだろう・・・」

 「いいですか?」

 「ああ・・・」

 日系ドイツ人は、看護婦から採血され、採血された血が遠心分離機にかけられていく。

 そして、銀行カードを担当に渡すと、電子読み取り機で記号と数字が確認されていく、

 「真似できそうなのか?」

 「DNAの縦列反復配列の違いで個人を特定できるよ」

 「と言っても人間とチンパンジーのDNAの差は、2パーセントしかない」

 「民族や個人の差になると、もっと細かい」

 「ま、どこを使ったものか、なのだが・・・ それは大体分かる」

 「が、何桁目かに違うダミーを噛ませてるようだ」

 「まぁ あと何人か、採血したら特定できるだろう」

 「あと使う配列範囲が大きいほど個人特定は万全になる」

 「日本は電子機器も進んでるし、お金持ちだから全部使ってるのかね」

 「たぶん」

 「確率的には4兆7000億人分の1だから、二重取りの可能性は、あまり気にしなくてもいいと思うが」

 「偶然の一致のシステムダウンをどうするかじゃないの?」

 「日本はどうしてるんだろう」

 「生年月日も使ってるんじゃないかな」

 「そうなると、更に桁が増える」

 「日本は、よくもまぁ 個人認証を急がせたものだ」

 「朝鮮人や中国人の潜入を警戒していたからだろう」

 「リューベックでも、日本のDNA検知システムを使おうって勢力も増えてるけど」

 「流石に個人認証を他国に任せるのは嫌だ」

 「アメリカ、イギリス、フランス、ソビエトも独自で開発してる」

 「どっちでもいいけどね」

 「日本人はそんなにいいか」

 「曖昧で忙しいが気に入ってるよ。新興企業が次々に湧いて気が抜けないがね」

 「下克上が激しそうだな」

 「インフレは?」

 「国民基礎所得がインフレ分を吸収している」

 「リューベックは、日本式と中国式のどっちにするの?」

 「日本と同じ格差是正で国債と国民基礎所得を連動させるべきが強い」

 「しかし、人頭紙幣制度も民主的だからね。少なからず居るよ。どちらにしろDNA検査器待ちだ」

 「中国経済は、酷い有様だったけど」

 「搾取率の問題だよ」

 「人頭紙幣制度を受け入れたベネズエラは、ベネズエラ人の幸福度が高い」

 「労働移民の中国人は、幾ら働いても国籍を取得できる世代までベーシックインカムを貰えないけどね」

 「ところで、アメリカは、西ドイツに移民を募らさせるよう圧力を掛けてるみたいだけど」

 「ドイツ民族国家の弱体化か。マジむかつくわ」

 「日本で反攻組織を作ってる。非合法で、巻き返せるよ」

 「助かるよ。リューベックと西ドイツで練習するとバレちゃうからね」

 「ただ、日本人になりすました朝鮮人には気をつけろってさ」

 「上には伝えとこう」

 「アメリカは、経済学者総動員でニューベックの金融システム変更に反対してるよ」

 「アメリカの経済学は、お金持ちをもっとお金持ちにするための学問だからな」

 「インフレでもデフレでも屁理屈を捏ねて、お金持ちのポケットに金を入れ、貧富のカーストを維持できる人間」

 「貧困層を貧困層のままにできる人間だけが権力層と資本家に飼われて教授になる」

 「まぁ それでも民衆の突き上げが厳しそうだけどな」

 「噂じゃ 反政府暴動の矛先を変えるために、自作自演のテロでもしようかって話しだ」

 「格差を誤魔化すための戦争か・・・」

 「だが戦争の前に暴動が起きてる」

 「アメリカで増えていたヒッピーは、反政府勢力を貶めるため、と聞いたけど」

 「そういや、暴動を放送しないで、ヒッピーばかり放送していたな」

 「印象では、社会資本に紙幣を回すと需要を掴んだ資本家に、下克上で倒されかねない」

 「フードクーポンで紙幣量を減らして、新興企業の勢いを削り、既得権を守りたいのだろう」

 「そんなことしたら恨まれるだろう」

 「だから格差を広げるためにアメリカ産業を空洞化させ、国民を弱体化させてる」

 「それが難しくなると、別の方法を考え始めた」

 「アメリカは、国境線をなくして、多国籍企業連合で貧富の格差を守ろうとしてるらしい」

 「政府と資本家が組んで。国民が暴動起こしたら、後進国に工場を移動して荒稼ぎできるからね」

 「それだって、反対が強くなったら・・・」

 「国内法なら多数決で変えられるかもしれないが、国際法なら反対勢力が選挙で勝っても変えにくくなる」

 「まるで、イナゴ商法だな」

 「机上の計算にすぎんよ」

 「詐欺よりもひどいだろう」

 「アメリカ資本は、カモが金を持ってると思ったら詐欺はする」

 「裁判で訴える。テロはする。軍事力で恫喝する」

 「しかし、グローバリズムとかで、民族を裏切った企業は大丈夫なのか?」

 「アメリカは、利己主義と拝金主義を蔓延させて。民族資本を潰そうと躍起になってる」

 「だが、民族を裏切った企業は外資から訴えられても、国と国民は守ろうと思わないだろう」

 「自ら防波堤を破壊した企業は、国と共に火葬にされるよ。外資に会社ごと奪われるんじゃないかな」

 「目先の利益を追うと、そうなるだろう」

 「そして、それをしてるのが究極のナショナリズムのユダヤ民族なのが笑えるがね」

 「利己主義と拝金主義で、自分たち以外の民族主義をすべて破壊できたら、各個撃破だ」

 「そうなったら、楽勝だろうな」

 「まぁ 生粋のドイツ人としては、その手に乗るつもりはないがね」

 

 

 

 

 

 イラン

 皇帝は、農地改革、森林国有化、国営企業の民営化、婦人参政権、識字率の向上など、

 親米近代化を目指していた。

 しかし、イスラム教と保守層の反発を招き、宗教色の強いイラン革命を起こしてしまう。

 イランは親日から反米となり、もう一度、親日国となっていく、

 日本人たち

 「一気に対日発注が増えたのは助かるけど。アメリカは、イラクで画策し始めたらしい」

 「画策って?」

 「イラク対イラン戦争」

 「マジで?」

 「日本の歴代政府もアメリカとイギリスに鼻薬欠かされ」

 「日清戦争、日露戦争、日中戦争、太平洋戦争やっただろう」

 「「「「・・・・」」」」 ため息

 「イランとイラクも戦争なんてせず。国力をあげりゃいいのに」

 「アメリカにとっちゃ 中東産油国に近代化されるのが一番困るだろうからね」

 「日本もだろう」

 「秘密だけど、石油が高騰した方が欧米企業が潰れて、日本企業が残るから儲かる」

 「そんなに差がついてるのかよ」

 「生産は、放射線に抵抗力のある3万人弱の神火人頼ってのことだから、人口増加と産業増大で相対的に落ちてるけど」

 「荷電粒子発電は60年持つし、次の2000馬力級から補充式で燃料の放射性物質を足せば次の半減期まで使える」

 「というより、一番短い半減期が60年で、電力を下げながら何千年って持つらしいけど」

 「本当は、地下に埋めて電力源として使うのが一番いいやり方だけどね」

 「2000馬力級になったら状況は変わるだろう」

 「いや、普通にターボプロップエンジンを使うほうが馬力荷重が優れてる。まぁ 燃料分を引けば、得な気もするけど」

 「軍用航空機は、高価な素材で機体を作ってるからだと思うね」

 「最近は民間でも高価な素材を使ってるんじゃないか」

 「まぁ 余剰電力で歩留まりの悪さを補ってるからだろう」

 「チタン製造の歩留まりがよくなってるらしいから、儲かってきてるんじゃないの」

 「そうなのか」

 「たぶん、世界一」

 

 

 

 大和州

 極寒の地に城塞都市が建設され、地下鉄網が延びていく、

 路線に併設された商店街の奥にシェルターが作られ、穀倉地帯になっていた。

 核戦争に備えつつ自給自足を高めるためではあるが、自給自足率は50パーセントに達し、

 ベーリング海峡トンネルが完成すると販路が拡大されると思われたのか、

 シェルター建設が加速していた。

 関係者たち

 地下の天井から集光塔で集めた光が湖面に向かって降り注いでいた。

 地上は極寒でブリザードが吹雪いてるのに、地下は年中適温に保たれていた。

 エネルギーは油田による火力発電が最大で、

 火力発電、水力発電、風力発電、地熱発電、荷電粒子発電が複合していた。

 何人かが地下養殖場で釣竿を立てている。

 「宇宙で養殖やるって、本気なのか」

 「地下養殖場なんて作って実験してるなら本気なんじゃないか」

 「太陽光いっぱいで。無重力なら意外と大魚に育つかも」

 「まぁ 育ちやすいのかもしれないが・・・」

 「大量の水を軌道上に放り上げるのは大変だけどな」

 「木星軌道くらいまでいけば大量の氷水小惑星があるみたいよ」

 「遠いな。ケレスかバラスに氷があればいいのだが」

 「大きさが大きさだから、脱出速度は音速以上が必要だけど」

 「そうだった・・・」

 「まぁ 月から脱出するよりマシだろうが、距離を考えるとどっちもどっちな気がする」

 「しかし、宇宙開発には、ずいぶんお金を持って行かれるな」

 「外国に円札を配るわけじゃあるまいし」

 「国内で紙幣流通させて困るのは競争力を失った大手利権企業くらいだろう」

 「むしろ過当競争から、大企業を守るために国外に資本を流出させたがってるフシもある」

 「ふっ・・・ 紙幣を国民に配るのは無駄だとか利権御用聞き教授が言ってるらしいが」

 「おいおい、組合潰しての国民基礎所得だろうが」

 「ふっ アメリカを羨ましがってる金の亡者が、小資本企業、一般家庭を啄むから、俺らに金をよこせってか」

 「格差を広げると、自殺者を増やすだけだし。反動で左翼と反体制勢力が増える」

 「物価最大の牽引車は、資源高騰と、王手企業の賃金昇給だからね」

 「個人の口座にばら蒔くほうが物価が安定する・・・」

 ヒラメが釣れる。

 

 

 

 小惑星 浅間 (クルースン)

 4200t級宇宙船 あさかぜ が はつはる と交替して任務についた。

 太陽光を反射板はさらに大きくなって、掘削を加速させていた。

 北極点のトンネルの穴の周りに建設した大型ロボットアームが何本も伸びていた。

 集光板から集めた光熱をアームの中を通しながら偏光させ、岩盤を溶かし、

 溶けて固まったレンガは小惑星の赤道上にも配置されるようになり、

 遠心力の重心を赤道に集めることで、自転軸を安定させていた。 

 直径40mのトンネルは深度500mに達し、ロボットアームの本体がトンネルの中へ移動していく、

 「自転軸を貫通させたあとの横穴が大変になりそう」

 「偏光ロボットアームで岩盤を溶かしながら掘削していくしかないね」

 「しかし、よくもまぁ あんなものを作ったもんだ」

 「アーム内の内縁は、荷電粒子発電を応用してるらしいよ」

 「しかし、人が住むにしては、少し小さいような気もする」

 「将来的には、熱伝導を抑えたカーボン膜で氷を覆って。小惑星全体を氷で覆って話しもある」

 「へぇ」

 「あとは溶かしながら必要な量を使える」

 「覆うなら空気じゃないの?」

 「空気はカーボン膜が破れたあと、抜ける時が怖いからな」

 「氷なら溶けるまで間があるだろうし。透明な氷にできたら宇宙を観測しやすいだろう」

 「まぁ ちょっとは見る風景がないと辛いか」

 「なんにしても水は必要になるよ」

 

 

 

  38000t級播磨型航空巡洋艦

    全長320m×全幅80m×吃水7m

    荷電粒子発電1500馬力(1125kw)200基 300000馬力(220800kw)

    速度50kt  航続距離60年

     対空ミサイル60基  対艦ミサイル60基

     迎撃ミサイル60基  対潜ミサイル60基  

     大型巡航ミサイル60基

     64口径128mm砲×2基  71口径40mmガトリング6連砲×6基

     戦闘機80機  哨戒ヘリ34機

 

  12000t級鞍馬型ヘリ巡洋艦

    全長200m×全幅50m×吃水6m

    荷電粒子発電1500馬力(1125kw)100基 150000馬力(110400kw)

    速度50kt  航続距離60年

     対空ミサイル20基  対艦ミサイル20基

     迎撃ミサイル20基  対潜ミサイル20基  

     大型巡航ミサイル20基

     64口径128mm砲×1基  71口径40mmガトリング6連砲×4基

     哨戒ヘリ12機

 

  6000t級綾波型巡洋艦 40隻

  全長160m×全幅40m×吃水6m

  荷電粒子発電1500馬力(1125kw)100基 150000馬力(110400kw)

  速度50kt  航続距離60年

   対空ミサイル20基  対艦ミサイル20基

   迎撃ミサイル20基  対潜ミサイル20基  

   大型巡航ミサイル20基

   64口径128mm砲×1基  71口径40mmガトリング6連砲×2基

   哨戒ヘリ4機

 

 38000t級航空巡洋艦“播磨” 12000t級ヘリ巡洋艦“鞍馬” 6000t級巡洋艦“綾波”

 三胴艦という特徴的な軍艦が大中小3隻が海に浮いていた。

 鋭く尖った艦首と、後方の飛行甲板は特徴的で、軍艦というより戦闘機のような作り方だった。

 これまでの軍艦より明らかに軽量な船殻で建造され、推進器だけが水面下にあるようにも見えた。

 播磨 艦橋

 「実験船と同じで。速度を上げると艦が浮き上がる。面白い感覚だ」

 「右舷艦橋の空気抵抗は?」

 「推測値の範囲内です」

 「ローリングよりピッチングが大きいのも同じだ」

 「面舵」

 「面舵」

 艦内灯で面舵を現す緑灯が強くなり、ウォータージェットが働き始めた。

 右舷船が後進し、左舷船が加速すると大型艦と思えないような速度で回頭する。

 水平値は、伊勢型の半分も傾いてないのに、Gがかかって左に体をもっていかれる。

 「回頭モーメント50パーセント」

 「破損しないだろうな」

 「まだ余裕がありますよ」

 「取舵」

 「取舵」

 艦内灯で取り舵を表す赤灯が強くなり、体が右へもっていかれる。

 点灯色で転舵を艦内に知らせるのは事前に乗員に心の準備をさせるためで、

 実験船で都合が良いからとされた手法だった。

 「横滑りは?」

 「イメージですがモーターボートの半分くらいですね」

 「その割には傾きが少ない」

 「三胴もありますが。フィンスタビライザーやジャイロスタビライザーのおかげでしょう」

 「ヘリと蒼雷の離着艦は、かなりいい。全長全幅比が4対1だけはある」

 「プラットフォームの安定度なら精確な攻撃と防衛がしやすい」

 「アメリカ太平洋艦隊と戦えそうだ」

 「トン当たりの建造費がアメリカの3倍なのが問題では?」

 「長い目で見ればこっちが有利になるよ」

 「宇宙局がブツブツ言ってましたよ」

 「80000t級ニミッツ型空母が建造されて。ブツブツ言いたいのはこっちだ・・・」

 海軍用対空哨戒Mi24ハインドが着艦する。

 「トン数がニミッツ型空母の半分なのに大きさがあまり変わらないのが面白いね」

 「吃水が浅いからそう見えるだけだし、プラットフォームを大きくできるのは三胴船の特徴だよ・・・」

 政務官たちが甲板で必死に捕まっている。

 彼らは客観性で適当と思われたのか、衆議員選挙で負けた者たちが選ばれることが増えていた。

 「いい加減に艦内に入ればいいのに・・・」

 「艦内に指揮系統から外れた政務官がいるのは問題ですね」

 「外れてると言えば、海軍特別警察隊もですよ」

 「まぁ ごちゃごちゃ言ってこなければ我慢はするがね」

 「戦前戦中戦後の戦訓というやつですかね」

 「絨毯爆撃されて原爆を落とされた民間人側のな」

 

 

 

 

 小惑星 常磐(アムン)

 直径2.48kmの歪な小惑星の北極点周辺に巨大なロボットアーム6本が接地され

 太陽光集光板の熱で北極点に穴が開けられていた。

 小惑星を全周させた数百本のカーボナノチューブワイヤーが機械類を固定させていた。

 溶けて固められたブロックは、鉄、ニッケル、コバルト、プラチナが均一に混ざったものだっが、

 赤道に配置され、常磐の地軸と自転が安定させていた。

 赤道上にも十数機の小型のロボットアームが配置され、小惑星の形は少しずつ変化していく、

 「来年からは南極点側からも掘削するそうだ」

 「完成を急ぎたいわけか」

 「居住できるくらいの大型1Gシリンダーを作って人員を常駐させたがってる」

 「人が動くと重心ぶれるんじゃないか」

 「タングステンの重りを人の移動に合わせて反対側に移動させるからブレが少ないらしい」

 

 

 

 

 ソビエト

 教会が金をだして、コルホーズとソフホーズで勤労な人々をアルバイトで雇い、

 川に橋が建設されていく、

 ソビエトのKGBたちが監視していた。

 「なぜ、橋を建設してるんだろうな」

 「村と村を結ぶためだろう」

 「それが、なぜ、日本の国益に繋がる」

 「日本の国益に繋げる必要はないのではないか」

 「二つの村のあいだに橋が欲しいのは、二つの村だし、軍も助かる」

 「わからんな。目的はなんだ」

 「少なくとも、死神教がなければ橋が作れなかったのは確かだな」

 「「「「・・・・・」」」」

 労働を価値基準として紙幣が発行する国は、資本主義的な大規模な利益が得られない。

 また賃金格差が小さく、積極的な労働力も得られない。

 この国で死神教が居着いたのは、核ミサイルで、アメリカ、日本と睨み合ってるためで、

 死神教の式盤、式神、護符が売られ、軍隊でさえ、護符を身につけていた。

 当然、恐怖心から逃れるため市民レベルも死神教が増えていた。

 死神教は献金で集めた金を投資し、

 コルホーズとソフホーズで労働生産性が高い人をアルバイトで雇用したことから、

 死神教の大きい地域では公共施設が作られ、生産性が少しずつ上がっていくことになった。

 

 

 

 中国13軍閥

 北京、南京、福州、広東、広西、昆明、

 貴州、重慶、西安、甘粛、青海、ウィグル、チベット、

 和洋州・台湾で発電した電気が送電線網を通って中国大陸の奥地まで伸びていく、

 電気代は、地下資源として和洋州へ流れ込み、

 日本商品も京杭大運河を超えて大陸奥地へ流れ込んだ。

 アメリカとイギリス資本がその電力を利用し、中国に工場を建設し、

 生産した商品をアメリカ、イギリスだけでなく世界中に輸出し、金融支配を守り通そうとしていた。

 貴州軍閥

 日本人たち

 「送電線を通したと思ったら、欧米企業の工場も進出か」

 「アメリカ資本は、自国民に金を渡すのがそんなに嫌なのかね」

 「ユダヤ資本の国民は、同胞のユダヤ人だけだよ」

 「同胞以外は、敵と、敵の敵というわけか」

 「日本にも中国商品を輸出してくるのかな」

 「日本製品が上等だし、建設国債と学生国債で国民基礎所得の底上げがある」

 「というより、輸入させる気はないけどね。特に食材は」

 「しかし、日本が南米諸国を近代化させようと投資し。アメリカは中国を近代化させようとしてる」

 「作為的だがわかり易いな」

 「日本だって、送電線で電気を送ってるだろう」

 「だが発電所は和洋州だし、日満州、台湾だし、日本、扶桑、大和州の送電線網も繋がってる」

 「設備投資は日本国内で、雇用も日本人だ」

 「そして、対価は日本に必要な資源だし。供給するのは電気だけだからね」

 「戦争になったら、いつでも送電をとめることができるわけか」

 「そうなんだが、アメリカとイギリスも発電所を建設している」

 「何を考えてるんだか」

 「失業者が多いほうが、宇宙産業で良質の人材を雇用しやすいのかもしれない」

 「じゃ いよいよ。アメリカも本腰か」

 「利権をどうするかでゴタゴタしてるようだけどね」

 

 

 

 

 農林水産省所有の無人島の洞窟に巨大クラーケンが入ってくる。

 職員がクラーケンのハッチを開け、

 熱水噴出孔、海底熱水鉱床で採集したボックスを取り出すと、

 黒い粉末がベルトコンベアに載せられていく、

 精製機で、マグネシウム、臭素、ヨウ素、アルミニウム、銅、ウラン、トリウム、銀、水銀、金が分離されていく、

 職員たち

 「熱水噴出孔と海底熱水鉱床とはいえ。マグネシウムと臭素が多いな」

 「問題は採算性じゃないか」

 「荷電粒子発電機を使ってるならプラスだよ」

 「中央海嶺の方が採算性が良くないか」

 「深度1000mを超えると制御が難しいし、タンクが小さくなる」

 「メタンハイドレートとか、どうだろう」

 「取り出すのがむつかしくない?」

 「メタンハイドレートは、海底に発電所を建設したほうがいいような気もする」

 「海底で発電ねぇ」

 「だって1気圧常温で、体積が164倍になるということは、熱を加えればピストンを動かせるってことだろう」

 「メタンハイドレートをピストンで挟んで交互に加熱冷却を繰り返せば、ピストン運動で発電できる」

 「「「「おおーーー」」」」

 「当然、農林水産省の管轄だよな」

 「まぁ そうなるんじゃないの」

 「「「「「あは、あははは、あははははは」」」」」

 日本の人口増大とインフレ、

 そして、送電線網の海外への展開は、国内の既得権を脅かす心配が少なく、

 自由な発電構想を実行に移せる土壌になっていた。

 

 

 

 イラク

 バクダット

 日本大使館職員が路地で少数民族の店主と接触する。

 そして、幾つかの情報を仕入れると、戻ってくる。

 「状況は?」

 「やっぱり、アメリカ大使とフセインの接触が増えてる」

 「フセインがイランと戦争したがってる節があるけど、本当なのか」

 「戦争したら都合がいい人たちがいる。産油国が戦争すると石油が高騰する」

 「あと、軍需株を持っていると、濡れ手に粟だな」

 「石油が高騰すると日本の公共事業リストの下半分が影響を受ける。やめさせられないのか」

 「軍需株と石油の高騰が目的の戦争なんだろう」

 「世界の三大石油メジャーはアメリカ、日本、イギリスの順だ」

 「石油高騰で得をするをするのは、石油メジャーだが。戦争目的だと、軍需以外の製造業が弱体化する」

 「日本は、製造業収益の大きいし競争力も高い、原油安が得だ」

 「原油高を倍にしても、アメリカとイギリスの民需が潰れるだけで。日本企業はほとんど潰れないって知らないんだな」

 「だからといって、建設量が減ると国土開発が遅れる」

 「物価が高騰して、国土開発が遅れると、人口増加を足踏みさせてしまう」

 「本当に海底開発や宇宙開発は間に合うんだろうな」

 「石油価格を抑えられるなら、海底開発と宇宙開発はかなり余裕だけど」

 「本当に余裕があるのかね」

 「今は足場を築いてる段階だからなんとも言えないが」

 「おいおい・・・」

 「とにかく、宇宙開発の出鼻が挫かれると困るから、イラクに戦争をやめるよう交渉してみよう」

 「だいたい、イスラム教徒同士で戦争することもなかろうに」

 

 

 

 カリフォルニア州

 暴動と犯罪が毎日のように起こり、路地裏では銃声の音が聞こえる。

 しかし、アメリカの真の富裕層は家の大きさでなく、家が建ってる場所による。

 ロサンゼルス郡ビバリーヒルズ

 ビバリーヒルズ警察は、富豪専用の警察官たちで、士気が高かった。

 木立の中、大理石の建物が一定の間隔で建っていた。

 日本人は、閑静な世界有数のお金持ちに車を届ける。

 自動車は一見、高級自動車の部類に入るが量産ものでなく、

 日本の軍関連会社で作られた特注装甲自動車だった。

 貧富各差と暴動が激しい国で売れることから隠れた輸出品になっていた。

 買い主は、自動車を確認していた。

 この種の特注車で命拾いした富豪は多く、

 日本の業者は信頼が信頼を産んだのか業績を伸ばしていた。

 買い主は、日本で小銃や拳銃が防弾ガラスを撃ち抜けなかったこと何度も確認しており、

 何度か試乗していたことから、自動車をそれと同様の装甲自動車と信じた。

 エンジンは、強化されており、

 車体のNS80鋼は、潜水艦の外壁や隔壁に使われたものと同じで、

 所々 チタンとケブラーが使われていた。

 「素晴らしい」

 「お金持ちも大変ですね」

 「いっぱい稼いでるからな」

 「別の車種も御用立てられますよ」

 「車もいいが、自由に街中を歩いてみたいものだな」

 「ビバリーヒルズは、安全で、いいところですよ」

 「いや、ビバリーヒルズ以外だよ」

 「・・・・」

 「金と一緒に恨みまで溜め込んだようなものでな」

 「あはははは・・・」

 「また、日本の別荘に行くかな」

 「・・・・・」

 利権を守るために紙幣量を制限し、その中で稼ぐと、社会資本が著しく減少していく、

 弱い者から利益が得られず排斥されていく、

 死神教教徒になるか、フードクーポンがなければ生きていけない者が増えていた。

 さらに利益を上げる者が現れると社会資本が減らされ、リストラが増えると犯罪が急増していく、

 貧困層の生かさず殺さずの恨みは、社会の上層部へと向けられていた。

 富裕層は、貧困層の敵意から身を守るため、装甲自動車が買われ、ビバリーヒルズのような高級住宅街に輸出されていく、

 そして、その種の自動車も日本車とドイツ車が強かった。

 

 

 大企業が利権支配推し進めると、紙幣量を減らしたがる。

 既に必要とする利権を手にしており、

 紙幣を増やしてライバルが育つことを恐れ始める。

 たった一つの新規商品で、市場の大半を奪われかねない、

 インフレとデフレが繰り返されたり、

 過度なインフレを嫌がる傾向が高いのは、老害とと言える。

 そして、それがアメリカとイギリスで起きて。日本では起きていなかった。

 対中国に対抗できるだけの膨大な人口を欲したのと、

 広大な未開地を開発する必要があったからだ。

 

 

 宇都宮

 電化インフラが進み、電気自動車が7割を占めていた。

 電化は脱石油の最右翼で、産業増大と人口増大に比例するように進められ、

 電気自動車とガソリン自動車の比率を入れ替え、中東依存を可能な限り減らしていた。

 しかし、石油の重要度は高く、

 中東情勢は最大の関心事でもあった。

 証券取引所

 関係者が電光掲示板をおいつつも、経済新聞欄の企業収益のランキングを気にする。

 買いは宇宙関連企業だったが、ゼネコンも安定した水準を保っている。

 電力会社と電子・家電業界の動きは小刻みで、それ以外の株価も上がり基調。

 アメリカの株価とちがってダイナミックな値動きはなく、安定していた。

 重要なのは、競争力を失い老害化した企業から投資を引き上げることだった。

 旧三大財閥は、総合すれば上位を保っていたものの各分野別で、格落ちして昔の威光は薄れていた。

 各社とも売上で資本回収を前年増しにしなければ、どこかの企業が業績を上げて資本を集めた。

 自動車・電化製品は、最初の型から5巡6巡しており、

 学生から就職、結婚に至る過程での収入から購買力が逆算され、

 巧妙な宣伝を繰り返して市場を支配しようとしていた。

 

 しかし、時代は電気自動車へと移行し、町工場でも自動車を製造することができるようになっていた。

 また、新規参入企業が超ド級戦艦並みの新規製品を開発して市場独占を狙うことから

 大手とはいえ、既存の前ド級に頼り切るわけにもいかず、同時に、新規商品開発に余念がなかった。

 新興企業は、新規開発で、大手上場入りどころか、一発逆転で、古参、大手のノックアウトも可能にしていた。

 これが財政投資だけ、資本の流れだけなら百花繚乱な乱立や下克上は、なり得なかった。

 財政の再配分でなく、国民基礎所得から流れてくる膨大な資金の流れがあり、

 自社商品で需要さえ勝ち取れば、大企業の意向を跳ね除け、独立する下請けが続出した。

 企業の利害で離合集散が行われ、

 学制国債発行後は、国民基礎所得も倍近く加算されることから下克上も加速すると考えられた。

 そして、宇宙開発国債、海底開発国債、国防国債も議会の議題に登っていた。

 無論そうなると、インフレはさらに加速する恐れがあったものの、

 国際的な需要の高まりと、日本自体の需要も安定した伸びを見せていたのだった。

 証券取引所の企業関係者たち

 「ふっ 今月は勝ったな」

 「ちっ」

 「うち、来月から巻き返せるよ」

 「なんだ? どこかの公共事業でも請け負ったのか?」

 「いやいや」

 「どこかと連携するの?」

 「いやいや」

 「まさか、新製品じゃないだろうな」

 「いやいや」

 「教えろよ」

 「あははははは」

 「くそっ」

 

 

 76式戦闘機 綾風(あやかぜ)

   自重8000kg/最大重量18000kg

   全長17m×全幅12m×全高4m 翼面積48u

     平時  直径40cm級流星408型(2100kg)×6基  推力12600kg

           巡航速度2基800km/h  航続距離1600km

           中速度4基2450km/h  航続距離800km

           最大速度6基3000km/h  航続距離300km

     戦時  直径40cm級流星451型荷電粒子ターボファンエンジン 推力 2500kg×6基 推力15000kg

           最大速度3200km/h   航続距離2000km

   25mm機関砲 1丁   ハードポイント12基  増/ミ/爆8000kg

   

 綾風のスペック寿命は20年と計算され、月産5機で、1200機(単座800機、複座400機)が検討されていた。

 補修と、5年単位の更新と改修で性能を向上させていくため、関連企業は30社に及ぶ、

 新型戦闘機が上昇していく、

 数十社のケーブルテレビ局がカメラで新型機を追いかけていく、

 ケーブルネットワーク局各社は、映像を交換することが多く、

 地域色を保ちながらも日本中の映像を映すこともできた。

 幾つかのケーブルテレビは、軍専属のようになり、国防省にとって頼りになる味方になっていた。

 綾風は、国民的な支持を取り付けようと低空で曲芸飛行を繰り返した。

 6発機はアイドリング状態から低速2発、準速4発と加速し、高速6発で最速になった。

 アフターバーナー方式より低燃費と言われてはいたが、エンジン数が多いと単価が増してしまう。

 普通の国は、パイロットと同時にエンジン6基を失う痛みに耐えられない、

 日本が多発機に移行できたのは、列強の神火風の解明の遅れが最大で、

 日本にイニシアチブがあり、戦争の可能性が低いと思われたからだった。

 「いいねぇ 新型戦闘機の注目度が低いのが面白くないが」

 「宇宙開発ばかりですからね」

 「このままだと予算が増えず、冷や飯ぐらいになりそうだな」

 「アメリカ軍とソビエト軍に、もっと緊張を煽ってもらわないと」

 「広長閥は、民需寄りですからね」

 「軍も軍制国債でやるか、宇宙開発と合同したいな」

 「国防と宇宙開発は、価値観が違いすぎるからって、組織を分けたがってますけどね」

 「アメリカとソビエトが宇宙艦を打ち上げれば慌てて変わるだろう」

 「是非、アメリカとソビエトの宇宙艦隊に期待したいですね」

 

 

 アメリカ

 スペースシャトルの建造が進んでいた。

 空虚重量78000kg/離陸時総重量111000kg/最大着陸重量100000kg

 全長37.237m×全幅23.79m×全高17.86m

 ブロックIISSMEエンジン海面推力178t×3基。

 最大搭載量25060kg 貨物室寸法4.6m×18m

 運用高度190〜960km 最大速度 秒速7.743km(時速27870km) 軌道範囲2009km

 アメリカ人たち

 「なんか。あけぼの型宇宙船に、負けてるんじゃないか」

 「あけぼの型宇宙船は、静止軌道36000kmを超えて、他天体に行けるのに」

 「スペースシャトルの低周回軌道の高度190〜960kmで、そんな気がするんだが」

 「上は、取り敢えず、往復できるからスペースシャトルの方が凄いとか」

 「おいおい」

 「まぁ スペースシャトルは、77年から実験してたから、いま使えるのがこれ」

 「日本と同じ方式でもいいから宇宙船をあげないとダメだろう」

 「日本は赤道直下」

 「カタパルトでマッハ1で射出させてからの点火」

 「日本の打ち上げの費用対効果は3分の1から4分の1に近いからな」

 「その上、打ち上げた物質の大半を地上に着陸させず、そのまま使うから効率で負けてる」

 「とにかく急がないとまずい」

 「しかし、予算がな・・・」

 「まだ渋ってるのか」

 「FRBは、アメリカ国民に、お金をばら撒きたくない理由があるらしい」

 「くそぉ〜 まじで、ぶっ潰したくなってきた」

 

 

 

 日本でインフレが続くと新興企業が生まれやすくなり、

 国内生産量は、国内消費をはるかに上回る。

 大企業に天下った官僚が用心棒替わり新興企業を間引いてしまうことがあるのだが、

 広長閥が規制を設けたため不完全なものになっていた。

 各社とも競争の激しい国内から国外の市場を求めるようになり、

 戦後手に入れた利権地に足場にして、市場拡大に努めていた。

 シンガポール 日本人自治 “鶴の恩返し” 区 (1000ku)

 日本で中規模以上の企業になると支店を置いて、販路を得ようと足場にしたため近代的な街並みが作られ、

 インド洋沿岸国の艦船を補修する造船所を中心に発展していた。

 新興企業支店

 「どうでした?」

 「駄目かな。大きな資源帯は、マレーシアの奥地まで大手がルートを作ってたよ」

 「じゃ 価格競争を仕掛けるしかないか」

 「インドネシアは?」

 「そっちの方が資源を担保できるから期待できそう」

 「インドネシアでも販路が華僑頼りなのがな・・・」

 「だけど華僑はたくましい。我々で販路を広げようとすると荒事になりやすい」

 「過当競争してるのに、事無かれで引いてたら舐められるだろう」

 「華僑と張り合って販路を伸ばしてる企業もあるよ。しかし、そういう人材がいる場合だよ」

 「うちは海外進出したばかりだから手探りか・・・」

 ばたん!

 「スズの鉱脈を見つけぞ」

 「「「・・・・」」」 にゃ〜

 

 

 

 

 繁華街

 反日ギルド朝鮮チーム コード名 ムン キン リン は、味方のように振る舞いながら有力者に近づく

 「これはこれは、将軍さま。今日もいらっしゃいましたニダ」

 「おお、君らも好きだな」

 「ノーパン喫茶は、大好きニダ」

 「ははははは」

 「最近の景気はどうニダ」

 「宇宙産業に予算をもっていかれそうで、戦々恐々としてるよ」

 「それはいけないニダ。ストレスになるニダ。癌の元ニダ」

 「そうなのか」

 「ストレスは癌の元ニダ。癌は、とっても怖いニダ」

 「そうか。怖いな・・・」

 「もっと安心して戦車を作ったほうがいいニダ」

 「戦車か・・・」 うっとり〜

 「戦闘機もニダ」

 「戦闘機か〜」 うっとり〜

 「新型三胴艦は興味あるニダ」

 「あれか、大綱作れるかな、無理だろうなぁ」

 「酷いニダ。海軍は日本国の誇りニダ」

 「まぁ 水上艦は、見せるための軍艦みたいなものだから」

 「そして、見せるのなら、どうしても装甲列車が強い」

 「なぜニダ?」

 「昔みたいに軍主導で済し崩す的に中国大陸に押しいられたくないらしい」

 「ひどい誤解ニダ。帝国陸軍は、昔とは違うニダ」

 「そうそう、外国人でさえ、わかってるというのに・・・」 ため息

 「戦車をたくさん作って、国民を安心させるニダ」

 「まぁ そうだなぁ ちょっと頑張ってみようかな」

 「がんばるニダ」

 「リベートと地位があれば、もっと頑張れるニダ」

 「「「「あはははははは」」」」

 「「「ウェーハハハハ!!!」」」

  

 

 反日ギルド朝鮮チーム コード名 ムン キン リン は、軍幹部に接触することに成功し、

 軍を宇宙から地上へ意識を向けることで日本の宇宙開発にダメージ3を与え、レベル20になった。

 反日ギルドから 朝鮮冷麺セット が送られてきた。

 「大成功ニダ。 戦車の量産を増やせるニダ。中国と緊張が高まったら、もっと国防費が大きくなるニダ」

 「日中戦争になったら日本の宇宙開発は、おしまいニダ!!!」

 「「「ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!!」」」

 「「「ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!!」」」

 「「「ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!!」」」

 反日ギルドから次のクエストが送られてくる。

  1、日本食品に毒を入れる。    2、日本の銀行を襲撃する。

  3、日本人から金を騙し取る。   4、日本人を自殺させる。

  5、日本女性を強姦する。     6、日本人を拉致誘拐する。

  7、日本の文化財を盗む、放火する。

 「「「・・・・・・・」」」

 

 

 

  

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 月夜裏 野々香です。

 自己主張する主人公視点、組織視点で社会を振り回していくフィクションはあるけど、

 現実の世界で、正義の味方は、無限エネルギーでもなければありえない。

 金権力、利権構造、労働集約、市場専有が必要になり、

 政治家が政策のプロでなく。選挙のプロとなったとき、

 国益や民益より、利権益を守り、国がバラバラにされてしまう。

 利己(成長)主義、利権(仲間)主義が強くなるほど搾取率が高くなり、周囲との格差が広がる、

 そして、格差が広がるほど、利権からはぐれた民衆の反発が強まり、正義の味方と逆の存在になっていく、

 競争するより楽な天下りと紙幣量を減らすことで、新興勢力を削ぎ、

 自民党の利権政治が国賊レベルにまで格差が広がりきったとき、

 利権を守るために育てたマスメディア、売国勢力、反日勢力、アウトローが自民党が裏切ることで、

 民主党政権の誕生となった。

 しかし、元々反日活動家の内患ばかりで、外患誘致しかしない、

 日本民族の利権を売り渡すために、国債を発行して外国に金を渡し、

 日本国内の利権が買われていく、

 既得権は聖域で保身に走り、不労収入を増やすため紙幣の総量を減らすデフレ期となり、

 我田引水で排他的独占的な利権が強まるほど、

 庶民は貧困に追い込まれ犯罪を増やし惨め殺されていく、

 左翼が犯罪者に甘い態度を取るのも利権から排除された惨めな立場を知ってるのだろう。

 そして、犯罪者を助けるほど見方が増え、犯罪を増長させ、味方を増やし社会全体が劣化していく、

 特権的な右翼と、利権から溢れた左翼の関係だけなら格差を是正するだけで足りるのだが、

 どちらにも強硬派の反日がいて、敵対心を煽る

 日本を、そんな世の中にしたくないものだ。

 

 

 総人口2億4920万人。

  日本・輝夜 (72万ku) 日本・半島  内地人口1億1974万。

 

  海外州人口1億2944万人

   和洋州 (25万ku) 京杭大運河東部域  4848万

   日満州 (100万ku) 外満州  4848万

   扶桑(カムチャッカ・チュクチ)州 (121万ku) 1290万

   大和(アラスカ)州 (171万7854ku) 1613万

   南洋 (ハワイ、ビスマルク、ソロモン諸島) (10万6461ku) 321万

    フィリピン バターン・コレヒドール島 日本自治 “桃太郎” 区 (1000ku)

    マレーシア ブルネイ 日本自治 “金太郎” 区 (1000ku)

    インドシナ ダナン 日本自治 “舌切雀” 区 (1000ku)

    インドネシア パレンバン 日本自治 “浦島太郎” 区 (1000ku)

    ビルマ ヤンゴン 日本自治 “因幡の白兎” 区 (1000ku)

    シンガポール 日本人自治 “鶴の恩返し” 区 (1000ku)

 

 4200t級宇宙船

  “あけぼの” “はつはる” “あさかぜ” “あかつき” “あさつゆ”

  建造中 “ゆきどけ” “はるかぜ” “わかば” 

 

 

 日本海軍

 第01機動部隊

  38000t級航空巡洋艦 播磨

  36000t級伊勢型航空巡洋艦 伊勢

  12000t級鞍馬型ヘリ巡洋艦 鞍馬

  6000t級綾波型巡洋艦 綾波

  軽巡 八瀬(ダルース)、黒部(サンタフェ)、白萩(モービル)、河津(ビロクシー)  駆逐艦18、

 

 第02機動部隊

  36000t級伊勢型航空巡洋艦 扶桑

  空母 幻鳳(シャングリラ)、慶鳳(ボノム・リシャール)、

  重巡 蔵王(ボストン)、

  軽巡 天白(オクラホマシティ)、三原(アムステルダム)、日高(マイアミ)、天神(パサデナ)  駆逐艦18

 

 

  38000t級播磨型航空巡洋艦4隻

          “播磨” “薩摩” “長門” “駿河”

  12000t級鞍馬型ヘリ巡洋艦12隻

          “鞍馬” “出雲” “吾妻” “浅間”

          “八雲” “伊吹” “生駒” “春日”

          “愛宕” “羽黒” “青葉” “白馬”

  6000t級綾波型巡洋艦 40隻

          “綾波” “敷波” “荒波” “浦波” “藤波” “高波” “磯波” “白波”

          “雪風” “峯風” “秋風” “朝風” “灘風” “舞風” “雷風” “旗風”  

          “吹雪” “白雪” “淡雪” “水雪” “灰雪” “玉雪” “春雪” “初雪”

          “秋月” “冬月” “夏月” “春月” “葉月” “涼月” “照月” “若月”

          “夕雲” “朝雲” “天雲” “峯雲” “巻雲” “山雲” “秋雲” “白雲”

 

 白龍型潜水艦 50隻

   排水量 水上3000t/海中4300t

   全長90m×全幅9m×吃水8.5m

   荷電粒子発電1000馬力〜1500馬力 20基

   水上/海中20000馬力〜30000馬力 30kt〜36kt  航続距離60年

   533mm8管 40本

   乗員65人

  “白龍” “雷龍” “慶龍” “神龍” “剛龍”  “海龍” “陣龍” “蒼龍” “銀龍” “鋼龍”

  “雲龍” “妖龍” “弓龍” “迅龍” “凰龍”  “黒龍” “鎧龍” “零龍” “呑龍” “戦龍”

  “朝潮” “夕潮” “巻潮” “波潮” “赤潮”  “黒潮” “冬潮” “早潮” “夏潮” “磯潮”

  “長波” “巻波” “高波” “藤波” “清波”  “涼波” “早波” “浜波” “朝波” “高波”

  “幽鬼” “鋼鬼” “慶鬼” “蒼鬼” “海鬼”  “凰鬼” “弓鬼” “陣鬼” “彗鬼” “黒鬼”

 

 

 ジェットエンジン

 直径40cm級流星エンジン  直径60cm級彗星エンジン

 直径80cm級蒼星エンジン  直径100cm級紅星エンジン  直径120cm級天星エンジン

 

 “原爆を落とされた人々の世界平和を望む会” 

 広島  賀茂忠行  天光正教  ウリエル  死神ウラン

 長崎  安倍晴明  聖炎主教  サリエル  死神プルト

 

 宇宙開発

   エロス (433 Eros) 34.4km×11.2km×11.2 km S型  公転周期642.4日 発見1898年

   ガニュメート (1036 Ganymed) 31.66km S型  公転周期1587.75日 発見1924年

   浅間 クルースン(Asteroid 3753 Cruithne) Q型 直径5km  公転周期363.99日 発見1986年

   常磐 アムン (Asteroid 3554 Amun) M型 直径2.48km 公転周期350.96日 発見1986年

   八雲 (6178) 1986 DA  M型 直径2.3km 公転周期1719.466日 発見1986年

 

 

 

 

  

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第34話 1978年 『小惑星アムン』

第35話 1979年 『メタンハイドレート海底発電』
第36話 1980年 『海軍か。宇宙か。』