第38話 1982年 『金融支配の呪縛と限界』
宇宙ステーション “高天原” に物資が運び込まれていた。
器は、打ち上げ2段ロケット部を流用したもので、
そのまま、密閉して空気を入れると
1気圧の内圧と、真空の宇宙の格差に耐えられず隔壁が破裂する。
そのため、隔壁の弱さをカーボンナノチューブ膜と氷の層を外壁の外に重ねることで補強していた。
巨大リングの質量の均等が確認されると、制動ロケット噴射が始まり、
必要最小限の人工重力が作られていく、
補強が万全になれば回転速度は早くなり、
パイロットの宇宙定住が確実なものになっていた。
区画の一角では、土が伸ばされて穀倉地帯が作られ、貯水タンクに養殖場が作られていた。
日本人たち
「水耕栽培にしたほうが良くない?」
「土が好きなんだよ。土が。土に触れたいんだ」
「なんにしても宇宙ステーションは、浅間。常磐。エロス。ダイモスに1個ずつ置きたいね」
「姿勢制御ロケットを付けて射出させれば、ロボットアームで掴めるから、一々往復しなくて済むからな」
「全周4000mで。直径1274mのドーナツ型宇宙ステーションか」
「小惑星ほどじゃないとしても小惑星並みの大きさだな」
「小惑星に影響を与えて、軌道を変えなければいいが」
「軌道は調整できるよ。同じ方法でね」
「なんにせよ。民間船並みに建造して、打ち上げなければならないが特定産業以外は利益がない」
「戦争と同じだな」
「だが建設的ではあるよ。未来もある」
ベネズエラ
中国人労働移民の参政権取得が5世代以降と
南米諸国でもっとも条件が良くなると、漢民族の移民が増え、公共投資も増加していた。
急激な近代化は、欧米でも注目され、欧米の資本投資も増加していた。
日本人たち
「欧米資本も、わざわざベネズエラに投資しなくても自国に投資すればいいのに」
「国内投資は、他人投資になるからね」
「国内の他人を金持ちにさせるくらいなら、金の生る海外既得利権を得たいと思うのが人情だ」
「そして、一端の国なら、そういう連中のために無税制度を準備する」
「日本もやってたな」
「「「「あはははは・・・」」」」
「しかし、ベネズエラの近代化は日本と少し違う気がするな」
「民主主義で、有限な不動産に依存するカーストと世襲を減退させるこができたし」
「資本主義は、紙幣を中心とする有価証券の蓄財で富裕層を増やすことができた」
「しかし、利己主義と拝金主義が消えるわけじゃない」
「資本主義が強くなると、新しいカーストと世襲が強くなるからな」
「土地を支配するように紙幣量を有限化させ」
「利権でポケットに入れていくと格差が自動的に広がって王様のようになれる」
「金融支配は強まるが、紙幣の奪い合いで、しわ寄せで弱者から殺される」
「日本も大衆デモクラシーにしてやられたかな」
「民主主義が悪いわけじゃない。最善じゃないがね」
「このまま外資投資が増えると資本主義が強まり、ベネズエラでアメリカ型の貧富格差が強まるかもしれない」
「動産の固定資産化で、世襲とカーストが作られる」
「累進課税が強い間は大丈夫だが、アメリカでは逆進課税が強くなっている」
「フードクーポンで紙幣量を減らし、貧困層を増やしている」
「アメリカ資本の圧力で、人頭紙幣発行制度が廃止されて、同じことがベネズエラでも行われるかもしれない」
「あの大統領は、反米だ」
「みすみす欧米資本の言いなりになって、国民を奴隷化するような政策はしないと思うが・・・」
「資本主義は、格差を広げられる魅力があるからね」
「アメリカの大金持ちのように金庫で生活する羽目になるかも」
「日本でも同じ病気にかかってる人間が増えてるよ」
「公務員が資本病にかかると、どこの国でも地獄になるな」
中央銀行が公定歩合の利息をつけて銀行に貸し出す。
紙幣は、借金によって初めて印刷され、利息が付いて、借主に渡される。
銀行は利息分を稼いで中央銀行に支払わなければならず、
利息分は、紙幣、家、土地、利権などで、利息を回収できなければ、銀行が潰れる。
銀行は中央銀行の手足となって、企業に金を貸しだし、
家と土地、利権を抵当に庶民には紙幣を貸し利子を取った。
銀行が紙幣、家、土地、利権を企業や庶民から回収できなくなれば銀行が潰れ、
企業や庶民から紙幣、家、土地、利権を回収できれば利息分は弱者に皺寄せされ、
淘汰されていくゼロサムゲームになっていく、
当たり前のようだが、新たな紙幣供給が滞れば、紙幣は利権を握る富裕層に集まり、
弱者は家、土地、利権を失い、銀行から中央銀行に集まってしまう。
この金融支配は、需要と供給の採算性が利権の版図であり、
狭義においては、個人が名前を覚えられる上限200人の繋がりの連続で、
末端に至る200人の連続性が不協和音で、疎遠になり、敵となって途絶えた時、紙幣供給が滞りだす、
広義的な範囲は、総人口の1パーセントに過ぎず、
最大でも信用のおけない配下の20パーセントだった。
仮にユダヤ金融独裁が確立すれば、ライバル勢力に紙幣を流すような真似はしたくなく、
雇用と紙幣供給が断たれた者たちを救済するフードクーポンを使うなら、
食料飯店は、無金配給者に残飯を食べさせるだけで、
フードクーポンを紙幣に換金でき、ポケットに紙幣が転がり込んだ。
フードクーポンは、実体経済より紙幣流通を減らし、ライバルとなる新興企業を作らせないためで、
権力基盤を揺るがす成り金の出現を許さず、金融支配を延命させる戦略だった。
そして、銀行が紙幣、家、土地、利権の回収に失敗して潰れそうになると、
預けられた国民の預金を人質に、国家予算から税金を巻き上げる一方的なものだった。
そして、ある教理を中心とする人々にとって、自らは、選民で、同じ民族であっても異邦人て敵であり、
このシステムを悪用すれば、インフレを起こして、賭け金を釣り上げさせ、
バブルを崩壊させ、デフレにすると弱者から淘汰されていく、
デフレを続けると犯罪と自殺が増加し、権力基盤が脅かされる。
富裕層は戦争が起こる前に必要な利権を手に入れ、
国家は、貧富の格差から暴徒と化す民衆の目を逸らし、権力基盤を守るため、戦争という手段をとるのだった。
なぜ、ユダヤ教とイスラム教の身内間での利息が禁止とされ、
戦後、日本が財政投資の2割を国民に分配し、
中国13軍閥が人頭紙幣発行制度で新札発行の2割を人民に配る政策を執ったかの答えであり、
宇宙開発を推し進める単一民族の日本に対し、
対抗して宇宙開発で容易に紙幣をばら蒔けない少数民族のユダヤ資本の理由で、
信用(借金)創造で紙幣を発行しているアメリカとイギリスが紙幣不足で暴動が起きている理由だった。
アルゼンチン軍4000人がフォークランドを占領する、
宇都宮 総理官邸
「なんで、戦争になったんだ」
「アルゼンチン大統領フアン・ペロンは、左翼民族主義者で」
「畜産物と穀物輸出から得た外貨を国民に分配し、国民の多くは先進国並みの生活をしてました」
「しかし、富裕層と結託した軍のクーデターでペロンは追放され」
「20年以上に及ぶ軍政で、牛肉・食料品の天文学的なインフレは失業を招き」
「国民生活は、深刻な状況に陥れていました」
「ペロン派と都市ゲリラは巻き返そうとしましたが、軍が民衆を弾圧8000人から30000人が行方不明」
「アルゼンチン軍は、内政の失敗を誤魔化そうと、領土紛争を解決したいと思ったのでは」
「ふっ まるでどこかで聞いたことがあるようなシナリオだな」
「そういやクーデター以前は、先進国並みの生活を送れていたんだったな」
「近代化の下地が作られる前に潰したかったわけか」
「しかも民主主義者を根こそぎ・・・」
「そういや、戦前の日本も似たようなことをやられたような」
「戦争したくなったら格差作って構造不況に誘導するのが常套手段だったからね」
「本当に不況に喘ぐイギリスが戦争に誘ったんじゃないだろうな」
「サッチャーの新自由主義は、弱者切り捨てですからね。貧困層に評判が悪かったですからね」
「アルゼンチンのフォークランド占領は、挙国一致で渡りに船だったと思うね」
「権力層の不正腐敗と、格差社会を誤魔化すための戦争か」
「相変わらず、国力増大よりも、権力強化が目的だな」
「アルゼンチンは、なぜ、戦争の誘いに乗ったのかね」
「アルゼンチンも軍事政権でインフレ不況で暴動寸前だった」
「どっちも内政を誤魔化すための戦争かもしれないな」
「ていうか。情報はもっと早く欲しいものだが」
「石油の高騰を狙っていなかったので、お目溢ししたのかもしれません」
「まぁ 戦争は、商品も高騰するから反対しないけどさ。えげつないねぇ」
「本当は、アルゼンチンとブラジルの戦争を画策したが、思い直してイギリスに仕掛けたんじゃないのか」
「それなら鉄鉱石の高騰は避けられないし、かなり困るな」
「じゃ アルゼンチンは、ブラジルと戦争するくらいならイギリスってなったわけか」
「ふっ 画策して矛先が向かれたら困るだろう」
「それほどでもなかろう。新自由主義政策の貧富の格差を戦争で誤魔化せる」
「イギリスは、日本になんと?」
「イギリスは、日本は介入するなと・・・」
「介入する気はないが、イギリスは勝てると思ってるのだろうか」
「シミュレーションくらいやってるはずだよ」
「たぶん、被害は戦力比の10分の1以下でしょう」
「そういや、アルゼンチンに潜水艦を売ってたよな」
「たしか。ゆうしお2隻」
「楽しみだな」
「「「・・・・」」」 にゃ〜
戦略と戦術な側面をボカしていたものの
戦場が映像となり茶の間で展開されていた。
ミサイルが駆逐艦に命中すると爆発して炎を吹き上げていく、
繁華街 酒場のおっちゃんたち
『『『『すげぇ〜・・・・・・』』』』
「核兵器持ってる国によく攻めていけるよね」
「アルゼンチンも怖いことするな」
「まぁ 使いたくても使いにくいのが核兵器だからな」
「イギリスの核管理はアメリカだろう」
「そうなのか」
「だったような気がする」
「核ミサイルは、相手が核ミサイルを撃ってきたら、撃ち返すって代物だからな」
「1kt級戦術核は使いやすいけどね」
「噂じゃ 戦車砲弾も核にできるらしいよ」
「怖すぎる」
「もう、戦争にならんな」
「予備役も無用の長物か」
「あれは、人海戦術に対抗するためだろう」
「いや、武器持ってるやつが多ければ主要戦力がやられても負けないって発想だから」
「そうなんか」
「ベネズエラ戦がそれ」
6000tの艦体が高波を越えて空中に飛び出し、海面に着水する。
艦の速度、海抜と、高波、風向、風速のデーターがコンピューターで解析され、
水中翼が自動的に傾きを調整する。
砲口から炎と128mm砲弾が撃ち出されると、同じように波に漂う標的を破壊した。
6000t級綾波型巡洋艦 綾波
全長160m×全幅40m×吃水6m
荷電粒子発電1500馬力(1125kw)100基 150000馬力(110400kw)
速度50kt 航続距離60年
対空ミサイル20基 対艦ミサイル20基
迎撃ミサイル20基 対潜ミサイル20基
大型巡航ミサイル20基
64口径128mm砲×1基 71口径40mmガトリング6連砲×2基
哨戒ヘリ4機
艦橋
「命中しました」
「この荒海で自動レーダー追尾で、しかも弾道補正で撃てるのか・・・」
「元々弾道計算は、そういったものだとしてもだ。大した精度だ・・・」
不意に艦首が海面に沈み込み、一際大きな波濤を突き破った。
「実験船で慣れたと思ったが、いい気分だ」
「というより、いつ、艦が軋んでへし折れるかと思ったがね」
「計算上、強度はあるのだろう」
「おれは、直感的な人間でね。計算上、大丈夫とか、疑う主義だ」
「ふっ」
「しかし、吃水が少ないせいか、風の押され方が大きい」
「その上、速度を上げるほど浮き上がる」
「軽い方が沈みにくいと思えば心強いが転覆しないかとヒヤヒヤだな」
「空中に浮かぶのは、今までにない感覚ですね」
「格納庫のヘリは、ひっくり返ってないだろうな」
「今のところは・・・ですが、艦本に拘束具の再計算を要請してみましょう」
「揺れで自爆自沈じゃ 笑えませんからね」
「艦長。飛行時間のレッドラインに近づいてるのですが。上空待機のヘリへの給油はどうします?」
「荷電粒子発電で飛んでる。給油はいらんだろう」
「きっと、偵察衛星に監視されてますよ」
「給油の真似だけでもしないと」
「ヘリに給油しろ。真似だけな」
ヘリは暴風にもかかわらず、海抜に対して一定の高度を保ち滞空していた。
一方、艦は、文字通り木の葉のよう海面を上下左右に揉まれている、
ヘリから給油ホースが艦に降ろされると、揺れる飛行甲板の給油口と接続される、
給油ホースは緩みがあって収縮し、
海面を上下する艦から燃料を空中給油してるように見せることができた。
宇宙(マヌス)島
毎週のように宇宙ロケットが打ち上げられ、
低周回軌道で4200t級宇宙船 “わかば” が組み上げられた。
物資と燃料の積み込まれると静止軌道へ上昇し、
そして、静止軌道上の宇宙ステーション “高天原” にドッキングすると、
“わかば” から、ステーションへ物資が運び込まれていく、
高天原の直径8m×全周4000m×2列器は、カーボンナノチューブ膜と氷の層によって覆われていた。
カーボンナノチューブの容器の中で凍った塊が連ねられ、更にカーボンナノチューブの膜で覆われていく、
直径1274mのドーナツ型宇宙ステーションは、地球静止軌道で圧倒的な巨大さを誇り、
機材や物資が積み込まれていくにつれ、自給自足可能な宇宙コロニーへと変貌していた。
窓から見ると、低周回軌道で邪魔にされた2段ロケット部の直径8m×50mの筒が移動し、
第2宇宙ステーションが作られつつあった。
「器が余るようになったな」
「宇宙船ユニットの物資を全て2弾ロケット部に入れても半分もいっぱいにならないし」
「2段ロケット部は補強しないと使い物にならないが、使い物にするまで相当な機材や物資を打ち上げないといけない」
「だから、打ち上げるほど空の器がたまってしまう」
「浅間と常磐の工場が完成すれば、器の中も埋まるだろう」
「そういや、第2ステーションを太陽光マイクロ波送電にって話しはどうなってるんだろう」
「うまみがないから予算減らせとかいう勢力がいるらしい。それで、マイクロ波送電ってなってる」
「どうせ、やっかみ省庁が関連企業に言わせてるに決まってる」
「いや、完全にそうとばかりは言えない」
「そうなの?」
「エロスまで行くと太陽光が弱くなるだろう」
「だからマイクロ波をエロスまで送らないとまずいかもしれなくてな」
「なるほど・・・」
「どちらにしても、宇宙開発は、あと15年、足引っ張って欲しくないな」
「まぁ 宇宙太陽光発電を宣伝と思えば必要経費だがね」
大手自動車会社三社の売れ行きが落ちていた。
西海岸から日本車が上陸し、アメリカ全土を席巻していたのだった。
仮に関税をかけると、メキシコやカナダに輸出され、アメリカ国内に流れ込んだ。
アメリカ公聴公会
「アメリカはアメリカ企業を助けるべきだ」
「散々儲けておいて、困ったら国家に泣きついて。私営企業を助けるために国家予算を使えと?」
「G3は、アメリカ産業を支えてきたのですぞ」
「ほかの企業は? ほかの企業も日本の電化製品に負けてるぞ。それを全部、助けろというのかね」
「「「・・・・」」」
「日本車がダンピングでアメリカ市場を支配しようとし。アメリカ車の売れ行きを妨害している」
「アメリカ車の価格を安くすれば売れるのではないのか」
「日本は、意図的に自動車価格をダンピングしている」
「だったらアメリカ車もダンピングすればいい」
「我々は社員に賃金を払わなければならないんだ」
「日本企業だって、社員に賃金を支払ってるだろうが」
「だいたい、ダンピングなんて赤字を売るようなことができるか」
「日本人に高く売って。アメリカ人に安く売ってるんだ」
「それならアメリカ人の得になるじゃないか」
「バカを言わんでくれ、G3が潰れてもいいのか!」
「大げさな」
「アメリカのドル高基調は日本車の輸出で有利であり」
「日本の国民基礎所得は企業の賃金上昇の抑制に繋がり、非関税障壁になってる」
「ドル高基調をやめるべきであり、日本の非関税障壁をやめるべきだ」
「しかし、日本自動車は電気自動車が主流だし」
「日本の主力産業は、宇宙産業に移行してるというじゃないか」
「アメリカ自動車は、巻き返せるのではないのか」
「日本企業は海外輸出が減れば、宇宙産業にシフトする動きを見せるだろう」
「しかし、利益があるうちは外資と資源の会得が目的で、自動車製造をやめることはない」
「つまり日本自動車会社は片手間にやってるにもかかわらず自動車が売れ」
「アメリカ社は全力で自動車作っても自動車が売れないというわけだな」
「そ、そういうわけじゃない、原油高もあるし。戦争もあった」
「原油高は、それほど酷くないようだが」
「日本石油メジャーが足並みを揃えようとしないからだ」
「石油高を望んでるのか。石油安を望んでるのかわからんな」
「日本車はダンピングしてるんだ! あんな値段で売れるのは絶対におかしい!」
「まず、どうおかしいのか説明してくれないとな」 死神系議員
「「「・・・・・」」」 ぶっすうぅ〜
徴用船70000t級クイーン・エリザベスU世に魚雷が命中し傾き
周辺海域を対潜哨戒ウェストランド リンクスヘリが飛び回り、対潜魚雷を投下していく、
徴用船45000t級キャンベラが魚雷を回避しようと回頭し、
駆逐艦アントリムがキャンベラと魚雷の間に割って入った。
水柱3本が続けて立ち上り、
艦内で弾頭が炸裂した駆逐艦は、海中へと引きずり込まれていく、
23000t級空母ハーミーズ
艦橋
「ちっ やられたか」
「何としても潜水艦を撃沈しろ」
「艦長。クイーン・エリザベスU世は浸水を止めたそうです」
「そうか」
「ですがクイーン・エリザベスは後退させて修復しないと」
「輸送が滞るな」
「キャンベラを守れ、絶対に魚雷を当てさせるな」
「くそっ 209型か。うずしおか。ゆうしおか。どれだ・・・」
イギリス艦隊は苦戦しながらも優位性を保ち続け、7月17日にはフォークランドを再占領し、
領土を回復した。
戦後、アルゼンチンは、ソビエトと接近しようとしていた。
ブエノスアイレス
日本料理店
日本人たち
「敗北後だから、チャンスといえばチャンスなんだがな」
「アルゼンチンと仲良くするとブラジルと不協和音が大きくなるし」
「チリとも足並みが合わなくなる」
「そこは政治外交力じゃないのか」
「仲が悪いものは悪いんだよ」
「とはいえ、アルゼンチンがソビエトに接近するとはね」
「ブラジルとチリが日本・太陽同盟だからどうしてもソビエトってことになったんじゃないの」
「アルゼンチンとブラジルか。どこまで仲が悪いんだか」
「どっちも反米なんですけどね」
「「「「あはははは」」」」
「でも、これで、南米諸国の結束が強まらないかな」
「ブラジルは、中国人労働移民が増えて、前と空気が違ってるし」
「チリは、日本資本が投資しやすくなってる」
「アルゼンチンは、どうしても独自の方向を模索しそうだからな」
「なんとか政治圧力をかけられないかな」
「んん・・・ ユダヤ金融方式だと、通貨発行量で支配権を確立するけどね」
「有り体に言うなら、言うこと聞く団体にだけ金を貸すみたいな方法だ」
「無理強いしようとすると利権が強くなって貧富の格差増大で犯罪と自殺者急増だしな」
「中央銀行を押さえろってことね」
「いやぁ さすがにそれはやっちゃ駄目だろう」
「ユダヤはやってるだろう」
「だけどなぁ」
「アルゼンチンで言うなら軍政で軍人のいいなりになる人間にだけ金を貸すってことは軍属経由で金が回るってことだ」
「言うなれば、国軍に貸して、武力で国民から吸い上げる的な」
「「「「「あははははは」」」」
「まぁ むかしは、日本も経験したけど、酷い時代だった」
「今はゼネコンと学制経由が一番大きいが、国民基礎所得経由もあるし、紛らわしてるがね」
「アルゼンチンも戦争で負けて軍政が終わるはず」
「どういう形であれ、日本型か、中国型を採用するんじゃないかな」
「ふっ そうなったら個人識別で日本のDNA検知器が売れるな」
「じゃ その過程で漁夫の利はあるかも」
「「「・・・・」」」 にやにや
宇都宮 総理官邸
「取り敢えず、戦争が終わってよかったよ」
「資源が高騰すると、物価に跳ね返り易いし、売れ行きが落ちますからね」
「金融と資源を押さえようとする欧米の戦略と、製造業に力を入れる日本の戦略だと」
「欧米に資源を押さえられた時が日本の終りと言えなくもない」
「日本は中東石油とブラジル鉄鉱石の資源メジャーでもありますよ」
「だから、中東と南米で圧力をかけてるんでしょうが」
「まぁ 二つを失ってもしばらくは持つよ」
「二つを失うとインフレが起きるよ」
「そりゃ GDPを大きくしたいけど、インフレを大きくしたいわけじゃないからね」
「そのへんは、調整できるよ」
「アメリカとイギリスの状態は?」
「ロナルド・レーガンとマーガレット・サッチャーのおかげで貧富の格差が広まってる」
「米英同時で新自由主義で右翼化ね。作為的だな」
「日本もそういう動きがあったから何か企んでるのかも」
「マスコミの一部でも、そっちを向くと買収されてるんじゃないかと思いたくなるね」
「貧富の格差が広がると。お金を使える人間は減少する傾向にあるから、労働の対価は小さくなるだろう」
「そうなのか」
「例えば、極寒のベーリング海で命懸けでカニを獲ったとしてもだ」
「カニを買える人間が減ったら価格を安くするしかない」
「労働に見合う利益がなければ産業は縮小する」
「それはちょっと雇用的に困るんじゃないか」
「だから賃金の安い海外で作らせて転売してる」
「そして、アメリカは金融詐欺工学を発達させて、貧困層を増やし、奴隷労働者にしようとしてるようだ」
「そんなことしてたら、後進国みたいに、男は兵士で、女は売春宿行きじゃないか」
「じゃ ちょっと視察に行くか」
「「「「「あははははは」」」」」
「死神教の議員を中心に巻き返してるがね。要衝をユダヤ資本が押さえてる」
「まぁ 本気になってユダヤをどうにかする気はないよ」
「それは、向こうが敵対的でなければ、だろう」
「タルムードの浸透具合じゃないの」
「下々は知らんが。上層部が信じてたら怖いだろうが」
「こちらの調べによると、タルムードの浸透率は高くはない」
「だといいが」
「それより、日本の回避策は、どうなの?」
「連中の思惑に乗ってたら第二次日中戦争になるよ」
「日本は、少なくとも資源は押さえてるし。貧富の格差も小さい」
「資本家は面白くないだろうがね」
「国内競争が激しくても、海外市場があるうちは大丈夫だろう」
「まあ、荷電粒子発電で底上げしてるし」
「荷電粒子発電を使った兵器は、優秀だから、多少手抜きできて余裕がある」
「よはいえ、ようやく、2000馬力級の開発とはね。年月がかかったな」
※2000馬力(1492kw)
「放射性物質の制御精度の問題だから開発と設備投資次第だ」
「粉飾決算で作ってるんだから、そうそう、大規模にはやれんよ」
「軍は1000馬力と1500馬力を渡すから、優先的に2000馬力級を回して欲しいと」
「民間は?」
「荷電粒子発電は、発電用。艦船ウォーター・エアジェット推進用。ジェット噴射補助用で分けて開発しています」
「生産比率を変えられると困りまるのと。減価償却分を割り引いて、発電量が同じなら構わないと」
「民間は、発電用が主流で。軍は、艦船用、噴射補助用が好きだからな」
「じゃ 比率は変えない形で、減価償却分を割り引いて、同発電量ということで」
「「「・・・・」」」 ぶっすぅうう〜
「なんにしても、第二次世界大戦末期のエンジンなら悪くない」
「ええ、艦船用なら常態で推力350kg。40cm級流星型なら常態で推力250kgは、いけそうです」
「じゃ 綾風は常態で推力1500kg。蒼雷は常態で推力1000kgになるのか」
「機体重量の5分の1弱。最大離陸重量12分の1か。常態だけでも、なんとか飛びそうだな」
「宇宙でもイオンや粒子以下の噴射で使えるから都合が良い」
「宇宙は追跡されてるので、気をつけて使わないとバレる」
「これだけ差がついてたらバレても構わないのでは?」
「まぁ いけなくもないでしょうが、アメリカとソビエトに過剰反応されると困るよ」
「大戦時の記憶は消えないか」
「世代が変わってるから記憶は薄れてるよ。記録から計算してるだけさ」
「薄れた記憶と、面子の記録から美化劣化してる気もするが」
「国民が危機感を持ったら怖いよ」
「荷電粒子発電は、せめて5000馬力級にまで引き上げてからじゃないと」
「それより神火核の複製は?」
「加速器で粒子を作ってすぐ加工して。カーボンナノチューブに入れる方法が」
「もっと予算を増やしてくれたら・・・」
「予算取り過ぎだろう」
「各州で同規模の加速器が欲しいなんて我が侭言うからだ」
「各大学とも各州で研究したいんだと」
「一基でまとめて大きいの作ったほうが進捗が早い」
「そういう一極集中の権威主義な手法で間違ったら取り返しがつかないだろうが」
「ちったぁ 信用しろよ!」
「できるか!!」
「「「「・・・・・」」」」 ぶっすぅう〜〜
「「「「・・・・」」」」 ため息
アメリカ合衆国 白い家
「スペースシャトルは静止軌道にいけないのか?」
「スペースシャトルの運用高度は190〜960kmです」
「しかし、低周回軌道で燃料の補給を受けた後、静止軌道に行くことは可能かもしれませんが」
「放射線の強いバンアレン帯を抜けなければなりません」
「バンアレン帯は赤道域が最も厚く、二層構造になっています」
「内帯は赤道上高度2000〜5000km」
「外帯は10000〜20000km」
「スペースシャトルはバンアレン帯を抜ける設計になっておりませんし」
「放射線を防ぐためには、数回の補給で船体を補強しなければなりません」
「そして、静止軌道はその外側の35786kmの円軌道になります」
「放射線を防ぐ方法はむつかしいのかね」
「日本がやったように氷で覆う方法もあるでしょう」
「しかし、太陽風で氷が溶けないようにするには研究が必要です」
「日本はどうやってるのだ」
「まだわかりませんが、透明度が高いので、研究が必要です」
「長崎と広島で見つけたカーボン膜とシリコン膜の可能性はあります」
「あれを使っているのか」
「かもしれません」
「情報収集は何をやってる」
「日本に工作員を送り込んでますが、軍事機密には至ってないようです」
「なんとかしろ。目と耳を塞いで戦えるか!」
「はっ」
繁華街
反日ギルド朝鮮チーム コード名 ムン キン リン は、味方のように振る舞いながら有力者に近づく
「これはこれは、王大人。今日もいらっしゃいましたニダ」
「おお、君らも好きあるな」
「ノーパン喫茶は、大好きニダ」
「ははははは」
「最近の景気はどうニダ」
「いま、中国で稼いで。日本で利権を作ってるある」
「に、日本は中国に侵攻するかもしれないニダ」
「そうあるか?」
「そういう噂ニダ」
「んん・・ せっかく日本に利権を作ろうとしてたのに戦争は困るある」
「日本人は、とっても危険ニダ」
「しかし、日本は装甲列車が主力ある」
「戦車は少ないし、大陸への侵攻は考えてないと思うある」
「甘いニダ。日本は、核ミサイルを中国大陸に向けてるニダ」
「中国人を殲滅させたあと中国大陸全てを奪おうと考えてるニダ。決まってるニダ」
「そ、それは、困るある・・・」
「それはいけないニダ。ストレスになるニダ。癌の元ニダ」
「そうあるか」
「ストレスは癌の元ニダ。癌は、とっても怖いニダ」
「そうか。怖いある・・・」
「日本を信用してはいけないニダ。日本は中国の宿敵ニダ」
「どうしたらいいある〜」
「もっと中国人を日本に移民させて、犯罪を増やすニダ」
「そして、日本を内部からやっつけるニダ。乗るか反るかニダ」
「そ、そうある。そうある。乗るか反るかある」
「リベートと地位があれば、もっと頑張れるニダ」
「「「「あはははははは」」」」
「「「ウェーハハハハ!!!」」」
反日ギルド朝鮮チーム コード名 ムン キン リン は、中国大官僚に接触することに成功し、
中国官僚に反日意識を押し付け、日中関係にダメージ5を与え、レベル23になった。
反日ギルドから ビビンバ が送られてきた。
「大成功ニダ。中国腐敗官僚を反日にさせたニダ」
「中国軍閥に戻ったら反日教育するニダ」
「そして、日本に中国人を沢山送り込んで、日本を犯罪者の国にするニダ」
「家が心配で外で働けないようにさせるニダ」
「夜、道を歩けないようにしてやるニダ」
「日本人はストレスに弱いからキレるニダ」
「そして、日中核戦争で共倒れニダ」
「日中が滅んだら朝鮮人が漁夫の利で日中を支配するニダ」
「「「ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!!」」」
「「「ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!!」」」
「「「ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!!」」」
反日ギルドから次のクエストが送られてくる。
1、日本食品に毒を入れる。 2、日本の銀行を襲撃する。
3、日本人から金を騙し取る。 4、日本人を自殺させる。
5、日本女性を強姦する。 6、日本人を拉致誘拐する。
7、日本の文化財を盗む、放火する。
「「「・・・・・・・」」」
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月夜裏 野々香です。
総人口2億7628万人。
日本・輝夜 (72万ku) 日本・半島 内地人口1億3275万。
海外州人口1億4351万人
和洋州 (25万ku) 京杭大運河東部域 5373万
日満州 (100万ku) 外満州 5373万
扶桑(カムチャッカ・チュクチ)州 (121万ku) 1429万
大和(アラスカ)州 (171万7854ku) 1787万
南洋 (ハワイ、ビスマルク、ソロモン諸島) (10万6461ku) 355万
フィリピン バターン・コレヒドール島 日本自治 “桃太郎” 区 (1000ku)
マレーシア ブルネイ 日本自治 “金太郎” 区 (1000ku)
インドシナ ダナン 日本自治 “舌切雀” 区 (1000ku)
インドネシア パレンバン 日本自治 “浦島太郎” 区 (1000ku)
ビルマ ヤンゴン 日本自治 “因幡の白兎” 区 (1000ku)
シンガポール 日本人自治 “鶴の恩返し” 区 (1000ku)
4200t級宇宙船
“あけぼの” “はつはる” “あさかぜ” “あかつき”
“あさつゆ” “ゆきどけ” “はるかぜ” “わかば”
日本海軍
第01機動部隊
38000t級航空巡洋艦 播磨
36000t級伊勢型航空巡洋艦 伊勢
12000t級鞍馬型ヘリ巡洋艦 出雲
6000t級綾波型巡洋艦 綾波 敷波 荒波 藤波
第02機動部隊
36000t級伊勢型航空巡洋艦 扶桑
空母 幻鳳(シャングリラ)、慶鳳(ボノム・リシャール)、
12000t級鞍馬型ヘリ巡洋艦 鞍馬
6000t級綾波型巡洋艦 高波 磯波 白波
軽巡 天白(オクラホマシティ)、三原(アムステルダム)、日高(マイアミ)、天神(パサデナ) 駆逐艦18
38000t級播磨型航空巡洋艦4隻
“播磨” “薩摩” “長門” “駿河”
12000t級鞍馬型ヘリ巡洋艦12隻
“鞍馬” “出雲” “吾妻” “浅間”
“八雲” “伊吹” “生駒” “春日”
“愛宕” “羽黒” “青葉” “白馬”
6000t級綾波型巡洋艦 40隻
“綾波” “敷波” “荒波” “浦波” “藤波” “高波” “磯波” “白波”
“雪風” “峯風” “秋風” “朝風” “灘風” “舞風” “雷風” “旗風”
“吹雪” “白雪” “淡雪” “水雪” “灰雪” “玉雪” “春雪” “初雪”
“秋月” “冬月” “夏月” “春月” “葉月” “涼月” “照月” “若月”
“夕雲” “朝雲” “天雲” “峯雲” “巻雲” “山雲” “秋雲” “白雲”
白龍型潜水艦 50隻
排水量 水上3000t/海中4300t
全長90m×全幅9m×吃水8.5m
荷電粒子発電1000馬力〜1500馬力 20基
水上/海中20000馬力〜30000馬力 30kt〜36kt 航続距離60年
533mm8管 40本
乗員65人
“白龍” “雷龍” “慶龍” “神龍” “剛龍” “海龍” “陣龍” “蒼龍” “銀龍” “鋼龍”
“雲龍” “妖龍” “弓龍” “迅龍” “凰龍” “黒龍” “鎧龍” “零龍” “呑龍” “戦龍”
“朝潮” “夕潮” “巻潮” “波潮” “赤潮” “黒潮” “冬潮” “早潮” “夏潮” “磯潮”
“長波” “巻波” “高波” “藤波” “清波” “涼波” “早波” “浜波” “朝波” “高波”
“幽鬼” “鋼鬼” “慶鬼” “蒼鬼” “海鬼” “凰鬼” “弓鬼” “陣鬼” “彗鬼” “黒鬼”
ジェットエンジン
直径40cm級流星エンジン 直径60cm級彗星エンジン
直径80cm級蒼星エンジン 直径100cm級紅星エンジン 直径120cm級天星エンジン
“原爆を落とされた人々の世界平和を望む会”
広島 賀茂忠行 天光正教 ウリエル 死神ウラン
長崎 安倍晴明 聖炎主教 サリエル 死神プルト
宇宙開発
常磐 アムン (Asteroid 3554 Amun) M型 直径2.48km 公転周期350.96日 発見1986年
浅間 クルースン(Asteroid 3753 Cruithne) Q型 直径5km 公転周期363.99日 発見1986年
エロス (433 Eros) 34.4km×11.2km×11.2 km S型 公転周期642.4日 発見1898年
ガニュメート (1036 Ganymed) 31.66km S型 公転周期1587.75日 発見1924年
八雲 (6178) 1986 DA M型 直径2.3km 公転周期1719.466日 発見1986年
第38話 1982年 『金融支配の呪縛と限界』 |
第39話 1983年 『反人類共同戦線』 |