第42話 1986年 『人型戦闘重機カラクリ』
アメリカのリビア経済制裁
スペースシャトル チャレンジャー号爆発事故
アメリカ合衆国
生活で重要な生殺与奪産業が私営化され、貧富の格差が広がっていく、
元々国営の発想が薄い国なのだけど、国家産業の多くが私物化されていた。
貧困層はストを起こし、デモを起こし、暴動まで発展していく、
富裕層はますます富が増し、貧困層はますます貧困になった。
アメリカの権力は、民主主義の手を離れ、
利益誘導と広告によって権力が作られた。
暴動の一角で、ユダヤ人が自作自演で名誉毀損の訴訟を繰り返し、
朝鮮人はユダヤ人の真似をしながら、反日運動を繰り返した。
そして、移民が急増しつつある中国系も日増しに対日圧力を強めマフィア化しつつあった。
日本が対抗策で仮に沖縄戦のアメリカ軍の虐殺を流したとしてもアメリカとアメリカ人の仕業で、
利益誘導と広告だけのユダヤ人に届かない、
マンハッタンの日本人たち
「やれやれ、わざわざアメリカで反日して何かいいことあるのかね」
「アメリカ人が親日になり始めていたから、朝鮮人と中国人を移民させて反日させてると思う」
「南米の中国人は反日じゃなかったぞ」
「反日が儲かるなら反日。反日が儲からないなら親日」
「南米は日本商品の売人で利益を上げてるから親日だよ」
「アメリカは?」
「地位と金が入るなら取り敢えず反日」
「朝鮮人は、地位と金関係なく、反日だけどね」
「しかし、移民で犯罪が増えてるだろうに」
「犯罪が増えたら家を空けて安心して働けないだろうに」
「スペースシャトルの事故も関係あるのかね」
「チップくれなきゃビスを打ち間違えるとか」
「あはははは、まさかね」
「宇宙開発で製造業を復活させないとは、何を考えてるんだか」
「マイノリティのユダヤ人は、金融支配さえ維持できるなら、アメリカ合衆国が衰退しようと、どうでもいいんだよ」
「どちらにしろ、子供に恐怖や憎しみを教え込んでもいいことないよ」
「韓国人であれ、中国人であれ、ユダヤ人であれ、選民化するほど、精神病患者。パラノイア。鬼子になる」
「周りは全て我々を憎んでる敵。それが結束の力で、権利維持の法則だろうね」
「しかし、どうしたものか」
「ありのまま、放送すればいい」
「そうすれば、日本の宇宙開発も加速がつくよ」
「重力に囚われちゃいけないってか」
「まぁね」
アメリカ合衆国 白い家
「まずい・・・」
「せっかく、静止軌道に行こうって、資材を組み立ていたというのに」
「スペースシャトルは、宇宙を往復できるから凄いって、触れ込みだったのですがね」
「構造上の欠陥があるのか」
「あると言えばある」
「最近は作業ミスも増えてたし、製造上の品質劣化もあった」
「何とかしなければ・・・」
「テロの仕業にするとか」
「いや、それはNASAとして困るし。今後の発展の障害になる」
「それより、アメリカの国威が低下してるぞ。ドルの低下が甚だしい」
「大丈夫だ。ほかの国の国威を貶めればなんとかなる。工作人にやらせよう」
「何するの?」
「いろいろだよ」
「あと、世界の警察としての示威を示すことができたら」
「犯罪に加担したり、警察的なことをすると、日本の出方が気になるが」
「日本は、宇宙開発で忙しいから、俗世の些事は気にしないよ」
「だといいが日本と事を構えるとまずい」
人は自信を喪失すると信念が失われ、
フロンティアスピリットを失うと希望が失われる、
そして、非合法な引きずり落としや搾取に走りやすくなった。
アメリカ合衆国議会
死神系議員は15人に達し、増加傾向に合った。
彼は、下院の2年目で、
死神教教会の10人長、100人長、1000人長、1万人長、10万人長の1人で1年間だけ選出されていた。
そして、長の任期は1年だけなので、今は死神教協会の長でなく。
10人組の班員に過ぎなかった。
死神教教会系議員が増え、
長を合衆国下院の任期に合わせて2年にする案も出ていたが検討中だった。
何しろ場を提供してる死神教幹部が会員の自主性に任せっきりで、
班に入り込んだCIAだか、FBIだかの工作で、進みが遅いのだ。
そう、死神教幹部は、場を提供し。建前は言うが押しがなかった。
それは、日本の意思と考えても良く、
自存自衛のためで、アメリカの成功を望んでいるわけではない、
そう、成否はアメリカ人任せだった。
下院議会
「アメリカもベーシックインカムを取り入れるべきだ」
「ベーシックインカムは貯蓄に回り易いから乗数効果が低い」
「貯蓄が犯罪なら口座に1000万ドル以上入ってる名義人を銃殺にすればよかろう」
「無茶を言うな」
「それは、貯蓄が美徳であって悪ではないからだ」
「なぜ、庶民の貯蓄を許さず、自分たちの口座を守ろうとするのだ」
「「「・・・・」」」 むっすぅ〜
「そんなことをすれば勤労意欲が失われ国家的な損失を迎える」
「そんな財政的余裕はないよ」
「無理をしてもベーシックインカムをやるべきだ」
「フードクーポンをしてるじゃないか」
「お前らの回転ドアのためにか。いいよな食品会社に回転ドアを持つ人間は・・・」
「「「・・・・」」」 むっすぅ〜
「左翼の言うような賃金を上げたって競争力は上がらない」
「資本主義を否定してるわけじゃない。左翼扱いするな」
「アメリカ合衆国は、日本とドイツとの貿易戦争に負けている。賃金を引き下げ、競争力を上げるべきだ」
「その賃金とは、お前の賃金のことか?」
「「「・・・・」」」 むっすぅ〜
「他人の賃金を奪うのが新自由主義なのか」
「「「・・・・」」」 むっすぅ〜
「お前らの投機の失敗を税金の略奪で尻拭いさせるための新自由主義か」
「ば、バカを言うな。そ、そんなことするわけなかろう・・・」
「賃金は上がらないのに労働意欲が上がるわけがない」
「げ、現物支給なら労働意欲は失われないだろう」
「お前らの新しい回転ドアのためにか?」
「いいよな。家具メーカー、電機メーカーにも回転ドアを作れるんだからな」
「「「・・・・」」」 むっすぅ〜
「そんな、財政的な余裕はない!」
「日本、ベネズエラ、チリは成功してるじゃないか。無理をしてもやるべきだ」
「中国は失敗してるぞ。国情も考えず他国を参考にする等、老害としか思えん」
「はぁ? バカでもわかりやすい成功例を教えただけだが」
「失礼なことを言うな」
「ベーシックインカムをやれば、アングラマネーは崩壊する」
「犯罪に加担してまで稼ぎたい欲求が減るからだ」
「GDPの30パーセントを占めるアングラマネーが社会資本に流れ込む」
「そして、富裕層も資本を持つ価値を見いだせなくなり、紙幣を使い始めるだろう」
「これは、日本、ベネズエラ、チリで確認されていることだ」
「それでアメリカ経済は立ち直る」
「理想論だ。ありえん」
「苦痛のある仕事はどうなる、誰もやらなくなるぞ」
「お前たちは移民を煽ってるよな。中国人に朝鮮人にイラン人に・・・」
「どういうつもりかしらんが・・・ たぶん、警察の予算を増やしたいのか」
「「「・・・・」」」 むっすぅ〜
「国籍を取るまで間があるな」
「その上、エスパニックの不法入国も増えてるよな」
「やりたくない仕事は彼らに押し付けられるのではないか」
「と、とにかく、そんな財政的余裕はない」
「財政が、お前たちの利権だからか」
「い、いや、国家の必要経費だ」
「お金持ちは、お金持ちと結婚する」
「金は、利権団体の間を行ったり来たりで庶民に行き届かない」
「つまり、お前ら以外の人間は、生かさず殺さず、死ねってことか」
「バ、バカを言うな。アメリカは自由の国だ」
「ではアメリカ国民を賃金奴隷から自由にするためベーシックインカムに移行すべきだ」
「反対だ!」
「そうだ。じゃ 死神協会で補助紙幣を印刷して、毎月500ドル相当を全国民に配ろうか」
「偽札だ」
「いや、補助紙幣で全然違う紙幣だから補助紙幣アメロとか」
「駄目だ! 絶対に駄目だ!!!」
「くたばれ 信用創造!」
「信用創造は金融の基本だ」
「国家金融の基本じゃなく。私営金貸しの基本だな」
「違う! 違う! 違う! 違う!!!!!」
「なに、ヒステリックになってんだ」
「民間にそんなことさせられるか。絶対に駄目だ!」
「だって、FRBも民間銀行の集まりだし、ドルはクズだろう。アメリカ国民はちっとも幸せじゃないし」
「我々なら全アメリカ国民に毎月1000ドル相当を配れるぞ」
「国民が納得して一斉にアメロを使い始めたら、ドル札はお払い箱だな」
バン!!!
「絶対反対!!!!」
「ユダヤ人ばっかり紙幣印刷してずるい。アメリカ人にも紙幣印刷させろ」
「絶対らめぇ〜!!!! 反ユダヤ主義!!!! 絶対に、らめぇ〜!!!!」
「「「「・・・・・」」」」 ため息
小惑星エロス(高天原)
巨大な太陽光集光板が熱を北極点と南極点に当てていた。
男たちが巨大な鏡を見上げる。
頭の中は90歳を超えた老人だったが見た目40代前半の男たちがいた。
反射神経は多少鈍っているものの、精悍な体つきと、老練さで反射神経を補っていた。
「これだけ反射鏡が大きくても掘削は、進まんな」
「太陽から遠いからじゃろ」
「しかし、縁側で囲碁を囲む老人を扱き使うとは、日本帝国もかわらんな」
「昔よりは生活しやすいだろう」
「それに宇宙の果てに出られるなんて、これまで、生きてきた甲斐がある」
「浅間や常磐とちがって、20代の若い連中が多い。気が若くなっていいの」
「若い娘もいるからの」
「しかし、この距離でも常人には辛かろう」
「常人が宇宙服を着て宇宙で活動するならアステロイドベルトの向こう側だな」
「だが見所のあるのもいるの」
「そういや、20代のガキに囲碁で負けてたな」
「おまえ、幾つになっても囲碁が弱いの」
「「「「あはははは」」」」
チェルノブイリ原子力発電所が核爆発を起こした。
日本 某高校
写経の本が検査器の中を通って機械によって評価されていく、
国語の授業は写経が多く、教科書の文章をそのまま書き取る。
字が上手ければ、そのまま買い取られ、後輩の教科書になった。
それは、歴史、数学、科学等、全教科に及び、
工作の時間は、低学校教育で使う教材を作ることも含まれ、
子供が増えてるにもかかわらず、
学校産業は、一度教科書を作ると、ノート本ばかりが売れ、それほど儲かっていない。
授業料がタダのため、写経本や教材はそのまま、その生徒の小遣いになった。
もらえる額は、コピー機で印刷する値段より安いため偽造はないものの、収入を得る学生は何百万人といた。
アメリカ型の教育は商売で儲ける事を教えるが、
日本型の教育は、労働に対する対価という形をとることが多く、
想像性や発想の自由度で劣るものの、勤労意識などの一定の効果が得られた。
パンパカパーン〜♪
「よっしゃぁ! ACBだ〜♪」
「すげぇ〜 教科書じゃん」
ジャラジャラ〜
検知器から、お金が出てくる。
「久しぶりの教科書だな」
「純日本人の俺がクォーターに負けた」
「おれ頑張ったよぉ」
「おまえ、授業中の目つき、真剣だったもんな」
「あははは」
「次は、科学か・・・」
「2組が浅間と常磐の石が理科室に来たってよ」
「校長室にあったあれか」
「らしい」
「「「「おおおお」」」」
「触れるの?」
「手袋で触れるらしいよ」
「直に触りてぇ」
「なんの、俺は宇宙に行くぞ。いくらでも石に触れる」
「「「おぉおお〜」」」 パチパチ パチパチ パチパチ パチパチ
統合ドイツ
核武装した統合ドイツの選択枝はいくつかあった。
西ドイツが属するEU加盟、
東ドイツが属するワルシャワ加盟、
自由都市が属するリューベックが属する太陽同盟加盟、
統合ドイツは、太陽同盟加盟を選択し、活路を宇宙に求めた。
むろん、EUから脱退したため、南米ギアナの宇宙発射基地を使うことができず。
新たに建設しなければならなくなった。
ドイツ騎士参謀本部
元リューベック軍将校が参謀本部の過半数を占めていた。
「原子力潜水艦のローテーションを考えるなら、あと4隻いるな」
「潜水艦の建造は?」
「上手くいってない」
「なんでだ」
「原子炉が日本製だからだ」
「真似できないのか」
「炉が安定しない」
「作り方がおかしいんじゃないのか」
「日本の炉はとても上手く作ってる。初めて作ったとは思えんくらいに」
「ドイツにも原子力ぐらいあるだろう」
「なんで原子力技術で日本に負けるんだ」
「知らんよ」
「調べてこいよ」
「純粋な日本人しか入れない場所がある」
「朝鮮人は?」
「DNA検査で無理だそうだ」
「まぁ 原子炉は、追加予算で、ということでいいだろう」
「次は戦闘機だな」
「スウェーデンと共同開発にするのか」
「たぶん」
「サーブ35ドラケンは、直径60cm級彗星631型エンジンの双発」
「サーブ37ビゲンは、直径60cm級彗星634型エンジンの3発」
「サーブ35ドラケンは、634型エンジンに換装可能で向上型の性能も悪くない」
「スウェーデンは、どうすると?」
「4発型で新型戦闘機を開発する気のようだ」
「エンジンは向上させられないのか?」
「新型の634型は製造ハードルが高いが推力4000kg。なかなかいいエンジンだ」
「双発で推力8000kg。3発で推力12000kg。4発で推力16000kgか」
「いっそ、6発にしてもいいような気がするな」
「日本は、直径40cm級流星型で8発機を試作してるらしい」
「どうでもいいがドイツでエンジンを自主開発する気はないのか」
「自主開発してもいいが互換性だけは維持して欲しい」
「直径が互換性か。足を引っ張る制約になる」
「なんで初飛行55年のドラケンが今でも使えると思ってるんだ」
「それはいいとして、製造部品の企業の割り振りは大丈夫なんだろうな」
「ドイツとスウェーデンだけで9割くらい作ればいいだろう」
「自主開発は、どのくらい行けそうなんだ」
「推力4400kgを目標にする」
「「「「おおお〜」」」」
「あ、スペインがEUに寝返りそうな予感がするけど」
「そういうのは、やめて欲しいねぇ」
「逆にイタリアが・・・」
「「「「「「イタリアはいらない」」」」」」
中東 クェート
産油国で自動車生産工場が作られ、自動車の生産が始まる。
シリコン系車体の中空に水を循環させていた。
砂漠の自動車特有の熱伝導率の低さが守られていた。
元々は、日本の某新興自動車会社が開発して中東輸出で財をなしたが、
クェート資本が金の力に任せて、ライセンス生産を開始し、
その後、技術を消化しながらようやく完成した国産自動車だった。
王族たちが渋々と仕方なしに買い、
一般人にも少しずつ売れだしていた。
日本人たち
「お・・・動く動く」
「出来は、どうよ」
「んん・・・色々言いたいことはあるけど熱伝導は低いし」
「クーラーだけは最上級か、まぁまぁ いいんじゃないか」
「ハードルの低い電気自動車を作ると思ったがな」
「結局、ガソリン自動車の量産が工業力の証明だからね」
「電気自動車が主力でもガソリン自動車も量産できるというのが大きいんじゃないか」
「なんにしてもクェートが近代化の仲間入りか」
「イラク、イラン、サウジも張り合うんじゃないか」
「そういえば留学生を増やしてたな」
「あ、リビアも自動車会社作りたがってたよ」
「自動車を製造して、後進国からの脱却って訳ね」
「某新興自動車は、ライセンス料だけで一財産じゃないの」
「それは、国内雇用が減るってことだからな」
「しかし、元々中東向けの車で生産したものだろう」
「だけど、劣化してるんじゃな」
「いいんじゃないの、庶民が買えば」
「そのうち、クェート自動車が中東を席巻するかも」
「この自動車じゃ無理だな」
「俺なら無理しても日本の中古自動車を買う」
「昔の日本自動車も、そう言われていた時期がありました」
「あはははは、確かに・・・」
チェルノブイリ周辺
大量の医療物資が関所をこじ開ける。
援助を申し入れた日本人医師団がソビエト軍将校に止められた。
ガイガーカウンターが震えていた。
「このくらいなら、まだ、行けるだろう」
「駄目だ。ここから立ち入り禁止だ」
「杓子定規だな」
「こっちは距離で決めてる」
「一般人じゃないんだから、風向と線量で決めろ」
「とにかく駄目だ」
「「「「・・・・・」」」」 ため息
日本製のおもちゃが手渡される。
「さ、3時間だけだ。3時間だけだからな・・・」
ジープは、鉄条網の向こう側に移動し、
ソビエト兵に監視されながら必要なモノを採取していく、
このソビエト兵たちは知らない振りをしているが、日本語の分かるKGBで本当の階級はもっと上だった。
「ゴルバチョフも運がないというか、なんともひどい状況じゃないか」
「ソビエトの死神教信者が1億の大台に乗りそうだと」
「そうなの、日本じゃ250万人くらいだけど」
「核爆発に効かなかった割りに増えてるのが面白いがね」
「事故に呪詛返しは効かないだろう」
「でも、アメリカ人の例の人たちが何人か死んだらしい」
「「「あはははは・・・」」」
「やってなかったらどうなの?」
「呪詛返しの心当たりがあり過ぎて、わからないと思うよ」
「アメリカは、資本家が核兵器持ってるからな・・・」
「資本家が核テロ起こしちゃダメだろう」
「しかし、持ってたら使いたくなるって」
「じゃ 核持ち資本家と、主義者、少数民族が組んだら最狂だな」
「しかし、可能性があっても実際のところは不明だろう」
「ソビエトは、連邦解体前夜って感じだけど」
「少なくとも最新の原子力発電所がコケたら体制的に刷新だと思う」
「刷新はいいけど、拝金主義や利己主義強くなると劣化するからな」
「次の大統領がロシア系に転ぶか。ユダヤ系に転ぶかだと思うね」
「どっちに転ぶんだろう」
「日本政府はどっちでもよさそうだったからな」
「ロシアが強くなっても、ユダヤ戦略が強くなっても、どっちも日本にとって辛いからな」
「ところで最新の戦闘機が性能いいって聞いたけど」
「Su27ジュラーヴリクとMiG29ラーストチュカだろう。あれ、いいよねぇ 気に入ったよ」
「F15イーグルやF16ファルコンよりかっこいい」
「ドイツは統合がもう少し遅れてたら、Su27ジュラーヴリクとMiG29ラーストチュカも配備できたのに」
「ドイツ統合はドイツ人の悲願だから統合できるときに統合するでしょ」
ベネズエラは日本・太陽同盟とソビエトワルシャワ条約機構の双方から支援され独立を保っていた。
石油利権を利用した資金力で工場を建設し、
国民基礎所得により人口が徐々に増え、生活水準も先進国に近づく、
製造業は徐々に強くなり、軍産複合体を除くなら、工業品精度はアメリカ製造業のそれと変わらない。
日本人たちがベネズエラのデーターを集め、国政情報として集計していた。
「アメリカとベネズエラの国力比は30対1まで近づいてる」
「意外と近代化が早かったな」
「中国人移民で人口が増えたからでしょう」
「中国人は利害に敏感で頭がいいですよ」
「国政は5世代後だが人口は増えてるし、金権政治は強くなりつつある」
「まぁ 国民基礎所得はベネズエラ国民を金権支配させない防波堤になるし、外資にも強いだろう」
「問題は、親米コロンビアじゃないか。近代化は遅れてるのに軍事力が増強してる」
「その上、親米で麻薬大国だからな・・・」
「戦闘機はクフィルだし」
「「「「あはははは・・・」」」」
「ベネズエラは、サーブ37ビゲンとMiG21で、たぶん、MiG29を買うかもしれないそうだ」
「見たいな。クフィルと、サーブ37ビゲン、MiG21の空中戦」
「「「「あはははは・・・」」」」
「大西洋は太陽同盟とソビエトが強いか」
「チリは、蒼雷が売れてるし、やっぱり、太平洋に面してる国は、日本製って思うんじゃないかな」
「だけど、政府も国民も宇宙を向いてるからな」
「農林水産省は、海を見てるけど」
「将来的に資源は、海だろうから、農林水産省は、強くなると思うな」
「だって、あれ、荷電粒子発電のおかげだよ」
「あれが無かったら海底資源の採取なんて不可能だし」
「でもメタンハイドレードが増えて火力発電は全部賄えるかもって」
「マジで?」
「うん」
「せっかく、苦労してベネズエラに足場を築いたのにな」
「まぁ 対米橋頭堡ってだけで良しとしよう」
「国力比が10対1くらいになれば、アメリカもベネズエラが気になって対日戦なんて考えなくなるだろうし」
「いい傾向だ」
日本海海底
500m〜1000mの海底棚に巨大な筒状の物体が半分海底に埋まって並んでいた。
メタンハイドレートは常温1気圧になると164倍の体積になる。
メタンは、常温1気圧になると膨張してシリンダーを押し上げ、
冷却していくにつれ、シリンダーが落ちていく、
いろんなタイプのシリンダーが作られたが、
ピストンがメタンハイドレートの収縮でゆっくりと往復する運動エネルギーを電力に変え、
水深100m付近の海底工場と地表に送電する。
クラーケンロボは、自律コンピューターとリモコンにより働き、
黙々と海底工場を建設し大きくしていた。
エネルギーそのものは、それほど、大きくなかったものの、
消費するモノは建設資材以外なく、作れば作るほど電力が増えた。
耐久年数も水圧に耐えるだけなら複合素材を使えば1000年を優に超えることから
火力発電に変わる電力エネルギー源になる公算は十分にあった。
総理官邸
閣僚たちがワイングラスを照明に当て、香りを嗅ぐ、
農林水産省の大臣は、目の前にある海底産の美味な食材と、
広大な未開地と膨大な海底資源に笑いが止まらい、
唯一ライバルになりそうなのは、もうすぐ省に昇格しそうな宇宙開発局で、
数十年先はわからないものの、
投資に対する見返りの大きさは農林水産省が最強で、進捗の早さも農林水産省が上だった。
「良さそうなワインだ」
「初物の海底産です」
「飲みごろになるのは3年後になると思います」
「君はどう思うね」
ややワインに詳しい閣僚は太陽光にかざしたあと、匂いを嗅ぎ、口に含む。
「・・・・・豊穣で面白い味になると思います」
「過去10年にわたってフランス葡萄園の土壌と天候と風のデーターを取りました」
「人工的にではありますが最良の年の天候を模倣しました」
「今後もデーターを取り続けますので、よりいいものができると思われます」
「今度、フランス大使に飲ませてやろう」
「「「「「・・・・・」」」」」 にや〜
「自動化を進めれば、高気圧下で人間が住む必要がないと開き直るなら海底農地も海底農場も悪くない」
「地表は、耕作地が居住可能になるなら、人口問題を気にしなくてもいいでしょう」
「農民は怒りますよ」
「あと景観とか」
「んん、農民人口は1500万人で5パーセントだからな・・・」
「国民代表の衆議院の農民出も5パーセント台を前後してる」
「むしろ、扶桑・大和州の建設費が高いのがな」
「凍土だもの」
「それでも海底より、地下農地の方が建設費が割安だ」
「海底産物の方が高値で取引できますよ」
「だからって、扶桑と大和の日本人が平均よりお金持ちなのが不自然かな」
「扶桑と大和は資源も十分で海底トンネルで連結している」
「基幹になる路線さえ作れば、あとは人口と経済が自然増で内輪でも回せるだろう」
「資源の売れ行きが落ちて、商品輸出が円高で低下して外資が得られず」
「建設学制国債と国民基礎所得が止められない限りはね」
「まさか、いくらなんでも、そんなことにはならないでしょう」
「利権争いに誑かされて一個一個切り崩されるかも」
「まさか・・・」
「同期で特高に行った友人から聞いたが、そういう動きが政官財とマスメディアの一部にあるそうだ」
「一人一人が役割分担してな」
「アメリカ利権を守るガーディアンと、日本利権を破壊するアタッカーに分かれてる」
「アタッカーは右翼と左翼に分かれてるが共通してるのは反日だ」
「ガーディアンは、アメリカ利権を守るのが役割で反日じゃないから最後までわからないらしい」
「それは、怖い話しだ」
「手口が巧妙だからわかってても、対処がむつかしいそうだ」
「死神が怖くないのかね」
「潰しの効く工作員がいるようですから」
「なるほど・・・」
「なにぶん、外国人記者なので下手に扱うと外交問題に発展します」
「こうなったら、もっと、嫌がらせ外交をすべきでは?」
「例の絨毯爆撃と、沖縄戦のフィルムは8億本も作ってばら撒いてる」
「世界の半分は内容を知ってるし。アメリカ人の3分の1も内容を知ってる」
「国民に自国軍を嫌悪させることができるなら有利だ」
「自業自得というか。お互い様というか・・・」
「利権が増長して選民化すると、碌な事がないですからな」
「「「「・・・・・」」」」
減税免税と入札特権を基盤に私腹を肥やせる利権貴族員と、
9割が平民出の衆議員は対立関係にあった。
火星より内側の軌道を回る地球は、26ヶ月(779.94日)ごと火星を追い抜いていく、
その時、約8000万kmまで接近する。
今年は接近年で、
宇宙ステーションアマテラスと、あけぼの型宇宙船4隻が、
ホーマン遷移軌道を8.5ヶ月(259日)の行程で移動し火星に向かっていく、
開発船団が衛星ダイモスに辿りつく頃、
“機械にできることは機械にやらせる” 発想で、
既に数十基の太陽光熱パネルと無人土木機械がダイモスで掘削をしており、
多くの情報が地球に伝えられていた。
宇宙ステーション “アマテラス” は、ダイモス衛生配備のまま残されている。
人工重力がなければ辛い旅になった。
初の有人火星開発は行きより、帰還を優先しており、
帰還は、2年後、88年で5881万kmまで地球と火星が近付く、
火星軌道 衛星ダイモス(15.0km×12.0km×11.0km)
日本人が衛星ダイモスの大地に日章旗を立て、
火星を眼下にダイモスを歩く姿が世界中のTVに流れた。
既に小惑星 浅間 常磐 エロスで撮影された映像が流れていたが、
無味乾燥とした灰色の岩盤と暗黒の宇宙に過ぎず、
赤い火星は、視聴率を押し上げていた。
アメリカ合衆国 白い家
「日本人は火星の衛星ダイモスに日章旗を立てた」
「なぜ、指を咥えてみていないといけないのだ」
「なぜ、科学力で勝るアメリカが宇宙開発で遅れを撮るのだ」
「日本の小惑星掘削技術は、浅間、常磐、エロスで習得した技術の蓄積を持っています」
「宇宙ロケットは我々の方が先に飛ばしていた」
「なぜ、アメリカが、日本の後塵を拝さなければならんのだ」
「「「「「・・・・」」」」」
「札束を注ぎ込んでも日本宇宙開発を追い抜け」
「「「「・・・・・」」」」
「だ、大統領。札束では宇宙にいけません」
「新自由主義はどうした」
「新自由主義は、金融封建ヒエラルキー階層です」
「日本は、製造技術ヒエラルキー階層でして、どうしても遅れるかと」
「科学力は我々の方が進んでる」
「科学力では足りません。工業から産業にまで転化させなければ」
「どうすればいいというのだ」
「最長者を利権者でなく、技術者にするよりなく」
「高額取得者も金融関係者でなく、技能者にするよりないかと」
「・・・・」
「そうなれば、我々は、いないことになります」
「なんだと!!!!」
「じゃ 誰がいるというのだ」
「製造関係者が多いのは死神教が多いかと」
「ふざけるな!」
「なぜ我々の仲間に製造関係者はいない」
「科学者や物理学者は、多いのですがね」
「せっかく、アメリカ国民から私有財産の家と土地と利権を奪おうとしていたのに金を与えてどうする」
「しかし、日本の製造業と争うには、ピラミッドの質と大きさが違い過ぎる」
「ど、どのくらい違うのだ?」
「10倍・・」
「はぁあああ〜!!!!!!!」
「10倍以上」
「ふざけんな! GDPが3倍違うだけだろうが!」
「金融取引でGDPを水増ししてるだけで、モノを生産してるわけじゃないので」
「ふ、ふざけんな! なんとかしろ!」
「「「「「・・・・・」」」」」 ため息
「」
「」
「」
日本 大和州 マッキンリー 統合本部
核戦略を除くなら新型戦闘機の研究開発は、国防の要であり、最優先だった。
しかし、日本は、宇宙開発時代に突入しており、
“なに時代遅れなこと言ってんの” と
一般人にさえ、言われかねない時勢になっていた。
何より荷電粒子砲の要衝配備が進み、
戦闘機による防空は、ありがたみが薄れていた。
日本軍将校たち
テーブルの上に、新型戦闘機と、新型戦車。
開発中の宇宙船、宇宙戦闘機。海底用2足歩行ロボットのモックアップモデル各種が並んでいる。
「限られた予算だというのにゴチャゴチャと」
「成熟期の戦艦と、黎明期の航空機の混在期を彷彿とさせるね」
「問題は宇宙開発で神火人を宇宙に送ってるので、荷電粒子発電の製造が遅れてることか」
「だから宇宙開発なんて嫌だって、言ったんだ」
「人口増加率を考えると、そうも言えないでしょう」
「それに無重力真空の宇宙なら5000馬力(3700kw)台の加減粒子発電が生産可能らしいですから」
「まぁ そうだが・・・」
「フォボスは落とすって?」
「どうせ落ちるなら落としたほうが」
「落とさないなら軌道を押し上げて、ダイモスと同じ軌道に乗せるしかない」
「どっちが火星開発で有利か、ですかね」
「テラフォーミングの速さなら落とす方で」
「開発資材調達の速さならダイモスの軌道に乗せる方だな」
「宇宙局はどうするって?」
「まだわからないとか」
「まぁ どちらにせよ。問題は宇宙兵器をどうするかだ・・・」
「宇宙空間は空気抵抗がないので変形戦闘機でも行けそうですよ」
「あはははは」
「ロボットでもな」
「荷電粒子発電なら地上でもロボットを動かせますよ」
「大きさは?」
「4本脚になるので5966kw(8000馬力)」
「全長5mから6mくらいになると思います」
「馬力が戦車以上だな」
「むしろ、荷電粒子発電は、戦車に載せたい」
「しかし、機密を移動兵器に載せるのは、特殊部隊だけだし」
「ロボットが戦車に勝る特典は?」
「山岳地帯で有効でしょう」
「あと、縦長ですので、路地に入れますし、面積が狭くてもいいこと」
「疲労がないこと」
「寝かせて走らせれば自動車になるのでは?」
「んん・・・」
「大きさは、ランドクル×ザーとか、パ×ェロとか?」
「そんなところか」
「あと、両手があるので重機の代わりになること」
「重機は大きいから安定感がある。こいつは重いモノを持つと倒れそうだから泣きたくなるぞ」
「最近は、上手にバランスをとりますよ・・・」
将校がロボットを鉛筆でつつくと20cm台のロボットがバランスをとって静止する。
「ずいぶんと改良されたようで」
「ロボットアニメの影響ですかね」
「市場を押さえられるなら先行開発したいと思うんじゃないですか」
「やっぱり開発の根底は、荷電粒子発電ですかね」
「当然だよ。そうでなければ、採算割れ確実だ」
「しかしなぁ ビルを傷つけたら誰が弁償するんだ。カメラの前で雁首揃えて頭を下げるなんて、嫌だぞ」
「「「「あはははは」」」」
「問題は、全重量に対し、足の裏の接地面積が小さいことでしょうか」
「重量圧が戦車以上だと、移動するたびに道路を掘ってしまうかも」
「荷電粒子発電は1本530kgだから片足で1060kg。両足で2120kgになる」
「片足の推力700kgなら差し引いて360kgの重さか」
「これに上半身と脚動力の重量が加算される」
「問題は、両足なら1400kgになるから荷電粒子のノズルが、足の裏」
「あるいは間接部。腰下から出すことになる」
「5966kw(8000馬力)の配分をどうするにせよだ」
「周辺を気流で巻き込むな」
「装甲は、どの程度と考えます?」
「装甲車程度だろう」
「複合装甲を10mm程度ですか」
「個人用重機装甲服みたいなものか」
「どちらかというと、戦車や装甲車より、戦闘機の設計に近い」
「2足歩行の戦闘機って感じか」
「25mm機関砲くらいは撃てるとしても、費用対効果で面白みがありませんね」
「山岳地は車は移動しにくいし、寒冷地は寒い。1体くらい試作してみたい気がするな」
「それでいて、荷電粒子発電機は、燃料を積まなくてもいいときてる」
「真空無重力の宇宙なら合理的でしょうが」
「いや、電源ケーブルつけて、実証機でいいんじゃないか」
「アメリカとソビエトの将校に見せびらかしたいし」
「「「あはははは」」」
「国民に無駄な税金とか言われませんかね」
「アメリカとソビエトに作らせればこっちの勝ちだし」
「どうせ、宇宙で使うだろう」
「別に人型に拘らないのですが」
「いや、ここは国防軍が頭が柔軟だという証明と子供と孫たちを喜ばせてだな」
「次の予算獲得に繋げるべきだろう」
「「「「・・・・・」」」」
「時に・・ ロボットの名前はどうします?」
「名前?」
「名前は重要ですよ。予算と絡んできますから」
「んん・・・人型戦闘重機カラクリは?」
「「「「・・・・」」」」 ため息
「ちょっと、平和的でいいだろう」
「「「「・・・・」」」」 ため息
日本の汎用人型重機開発は、戦術的な考察でなく、予算獲得とポストが動機だった。
真珠(ハワイ)島 日米通商予備交渉
「朝鮮人と中国人がアメリカで反日運動していて、日本人の評判が国際的に悪化している」
「アメリカという一地方で評判が悪くても気になりませんが」
「「「「・・・・・」」」」」 ぶっすぅ〜〜
「キャデラック買ってくれよ。トーラス、ボイジャーでもいいから」
「自動車販売場に置いてるだろう。一応」
「日本人が買ってくんないじゃん!」
「そんなの知るか!」
「公用車で買え」
「燃料費がかさむし、修理が多いから嫌だ」
「日本人は、ベンツ、フェアリー、ボルボは、買ってるだろうが贔屓しやがって」
「アメ車は、それ以下じゃん! 売れてないじゃん!!」
「欧州車ファンがいるんだろう。しらん」
「じゃ 外資株枠5パーセントじゃ足りない。外資株枠を上げてくれないか」
「嫌だ」
「わが国だって、日本のために外資枠をあげてるじゃないか」
「投資会社には5パーセントを超えないよう。命じてる」
「護送船団方式かよ! もうやめろよ。そういうの!!」
「きっと襲撃してくる外圧がいるんじゃないか」
「金融緩和政策でチャンスなんだぞ。絶対に儲かるから。金融ビックバン」
「アメリカで稼いでもアメリカ商品で買うものなんてないしな」
「そんなこと言わないで株を買えよ。配当がいいだろう」
「配当が良くても買うものがアメリカの日本商品じゃ・・・」
「日本の外貨株枠を上げてくれないかな」
「配当上げたら開発予算を削らないといけないじゃないか」
「そんなこと言ってたら、投資家が海外に逃げてしまうぞ」
「どうぞ。日本の株式市場から引き上げてください」
「い、いや、アメリカ国内で危ないんだからそれは困るよ」
「アメリカ国民をいじめすぎだろう。そのうち、家と土地を失う家族が続出だな」
「も、もっと外資株を増やしてくれたら、アメリカの圧力から日本企業を守ってあげるから」
「どうやって?」
「アメリカの超優秀弁護士を付ける。なぜなら俺たちが日本企業の株を持ってるから」
「都合のいい話しだな」
「アメリカ製造企業が衰退して、イスラエル製造企業が伸びてるのは、その手法かい?」
「「「「・・・・」」」」 むっすぅ〜〜
「で、金融ビックバンは?」
「何が金融ビックバンだ! 金融ブラックホールだろうが! 誰が買うか! いらん!」
「じゃ 技術提携しよう。日本企業のグローバル化」
「既に世界中に日本製品が溢れてるんだが」
「「「「・・・・」」」」 むっすぅ〜〜
「F15イーグルとM1エイブラムスを売ってやろうか」
「侵攻能力が高いぞ」
「いらん」
「じゃ 日米で世界支配」
「他国の面倒を見るつもりはない」
「いや、だから、搾取して」
「金持ち喧嘩せずだから。搾取しなくても作れば売れて儲かってるし」
「日本製品の不買運動するぞ」
「そんときは国債と国民基礎所得を増やして、日本の子供に車でも買ってもらうから」
「金をばら撒いたら過当競争のインフレになるだろうが!」
「新興企業が新製品を開発したら大手企業が傾くんだぞ!!」
「過労死だぞ。過労死!」
「大手が老害化するよりましだし。既にインフレ中だから気にしない」
「日米の富裕層で組んで国際条約で、平民を奴隷化しよう」
「そしたら、企業は安泰。我々は手を取り合って永遠のパラダイス」
「断る」
「おまえは、なんで、そう意地悪なんだよ!」
「意地悪なのはそっちだろうが、国民に金をばらまけよ。民間活力が回復する」
「そんなことしたら、下克上で利権が危うくなるだろうが!」
「そんなの知るか!」
「ち、地球温暖化が心配なのだが、二酸化炭素排出を規制・・・」
「そんなに心配なら、衛星軌道に遮光リング作って赤道に影を作ってやるから金よこせ」
「「「「・・・・」」」」 むっすぅ〜〜
「」
「」
「」
日本の2線級企業が建造した14000t級ヘリ巡洋艦と、3000t級フリゲート艦が輸出され、
ブラジル海軍で編成されていた。
14000t級ヘリ巡洋艦
全長200m×全幅32m吃水7m
ガスタービン4基 30kt
CIWS40mm機関砲4基、対空ミサイル10基。対潜ミサイル10基。
ヘリ12機
乗員360人
3000t級フリゲート艦
全長130m×全幅13.6m×吃水4.2m
ガスタービン45000馬力 速度30kt
CIWS40mm砲4基、対艦ミサイル4連2基、対潜ミサイル8連1基、
ヘリ 1機
乗員195人
日本製とドイツ製の艦艇は注目されていた。
サンパウロ港は、ヘリ巡洋艦2隻、フリゲート艦6隻、潜水艦8隻が並び、
旧式化しつつある艦隊を解体し、中規模海軍としての陣容を整えつつあった。
死神教幹部の住む邸宅は、海の見える丘にあった。
日本人客たちが港湾を見ていた。
「ヘリ巡洋艦1隻、フリゲート艦3隻が2群か。まぁまぁだな」
「戦闘力はそれほど変わらないけど、人員を半分以下に削減できるから稼働率は上がるな」
「スペック通りの対潜水艦能力を出せるなら対米戦でも強いと思うけど」
「アルゼンチンとはどうなの?」
「いいと思うよ」
「アルゼンチンは民主化すると思う」
「それより、アフリカ諸国が日本のDNA検知器と国民基礎所得に興味を持ち始めてるらしい」
「アフリカ諸国は多民族国家だろう」
「当然、多数民族有利の国民基礎所得を取り入れるだろうか?」
「もちろん、多数民族が政権を握ってる国だよ」
「利権さえ押さえていれば自動的に少数民族から金を回収できるからね」
「そして、表面上、公平なベーシックインカムに少数民族が満足すれば占めたものだ」
「なるほど」
「でもアメリカとイギリスが反発するだろう」
「反発はするが、興味は止められんよ」
「そして、死神教が急速に増えてる」
「アフリカは、ほとんど、幹部なんて送ってないだろう」
「それでも核抑止の足しになるなら藁をも掴もうとするよ」
「死神教は藁か」 (笑
「まぁ 核のを持たない国には、そんなとこでしょう」
「ブラジルでも死神教信者が増えてるのか」
「協会を建てればブラジル人は集まりますよ」
「富裕層の金は目減りして、貧乏人に回りますがね」
「ブラジルは、ベーシッインカムは?」
「一部で実験するらしいけど、アメリカとイギリスが金融を押さえてる」
「たぶん、なし崩し的に成果がなかったことにされるだろう」
「しかし、ずいぶん辺鄙な場所に邸宅を構えたな」
「静かでいいですよ」
「ラテン系疲れか」
「信用できる人間を探すのが大変で、日本の数十倍は苦労しますよ」
「ひょうきんなとこは買ってますが。もう、誠実さの欠片もなくてね」
「それでも、鉱物資源が巨大だからな」
「日本人として、日本と同胞のため、どう貢献したかが生き甲斐なのであって」
「利権はそのための道具に過ぎない」
「私にとっては、利権なんて、どうでもいいものだ」
「ブラジル人に日本人の誠実さを少しでも伝えられるのも悪くない」
「しかし、自分が信じてもない、詐欺っぽい仕事が嫌なだけだ」
「「「「・・・・」」」」
和洋州
どこかの新興城塞都市
真空無重力の宇宙空間で製造した合成宝石が売られていた。
宇宙で加工した合成宝石は、内地と海外州の13市で卸売される、
宇宙産業収益の半分が国民基礎所得として国民に分配されることが決まり、
宇宙開発局の省格が決まる。
本来、宇宙開発国債の2割が国民基礎所得として振込まれるため、
宇宙産業収益は特定産業利権になるのだが、
あまりにも少ない公務員人数の省で、あまりにも莫大な国債と収益であると、
各産業がごねまくったためだ。
宇宙産業省
宇宙開発大臣が月開発基地のモデルを見ていた。
南極エイトケン盆地。直径約2500kmの底部。深さ約13kmから8方に主線が延び、
地下に直径50kmルーレット状のモノが回転して1G空間を作り出していた。
最初に一基作れば月開発は、勢いが増すはずだった。
「月開発の次は火星開発か・・・」
「しかし、ったくぅ〜 なぁああにが、ずるいだ」
「文句ばっかり言いやがって」
「収益の半分なんて、ボッタクリだよな」
「月開発が遅れるだろうが」
「公務員一人で計算するとゼネコンや学校関係の100000倍以上になりますから」
「ほとんどが打ち上げ費用、設備投資、資材費だとしても、さすがに怒るでしょう」
「あはははは」
「衆議院は利権に敏感ですし。天下り先作るなら国民基礎所得で分配しろですよ」
「そんなんこと言ってたら、国民所得が増えて3K仕事の賃金が高騰するだろうが」
「というより、3K仕事をやりたがらなくなりますね」
「政府は、アフリカ赴任を望んでるのに、集まるのは高卒ばかりですよ」
「まぁ 高卒でも金持ち用馬鹿大学よりましだし、優秀な人間はいるだろう」
「たしかにいますがね」
「大学だけでも340校なんだから、少しくらい手を挙げて欲しいらしいですよ」
「しかし、いつのまに・・・ そんなに大学が増えたのか」
「子供が多いだけです」
「それだって大卒は10人に1人の難関ですから優秀といえば優秀ですよ」
「馬鹿大学は、何校ある」
「ええ、と・・・入省枠で20校ですかね」
「窓際に外しとけよ」
「わかってます」
「しかし、いずれは成長率を5パーセントに落とすって腹なんだろう」
「出産率が減ったら、学校余りになるぞ」
「国が買い上げて、老人ホームに改装する予定らしいですがね」
「宇宙開発が軌道に乗ったら、老人は、月で生活すればいいという意見も」
「あはははは・・・ 本当に」
「いや、そういう意見を持つ人間が増えてるってだけで」
「まぁ 体の自由が効かなくなったら低重力で余生を送るのも悪くないだろうが・・・」
「単純に60kgが10kgになるなら多少筋力が萎えていても腰が伸びますしね」
「じゃ 本格的に月開発に着手できるってわけか」
「88年もダイモスに大規模な追加物資を送るそうですよ」
「まぁ じゃ そのあとか・・・」
ルーレットを手回しすると、寝かしていた人形が遠心力で立っていく、
引力6分の1と遠心力の釣り合いで、1G空間を作り上げる構想だった。
繁華街
反日ギルド朝鮮チーム コード名 ムン キン リン は、味方のように振る舞いながら有力者に近づく、
「これはこれは、議員。今日もいらっしゃいましたニダ」
「おお、君らも好きだな」
「ノーパン喫茶は、大好きニダ」
「ははははは」
「最近は、どうニダ」
「人口が多いと昔の華族も小さくなるな」
「それはいけないニダ。華族は日本の歴史ニダ。歴史を重んじない日本人は悪ニダ」
「そうだよな。元公爵なのに、なおざりにされてると思ったよ」
「それは、いけないニダ。ストレスになるニダ。癌の元ニダ」
「そうか」
「ストレスは癌の元ニダ。癌は、とっても怖いニダ」
「そうか。怖いな」
「日本人に、身分の差を思い知らさなければいけないニダ」
「そうだよな・・・ そうだよな・・・ そしたら楽だよな・・・」
「まず、日本人に自信をつけてる国民基礎所得がいけないニダ」
「しかし、国民基礎所得は、国債発行で起きる格差を是正するものだからな」
「労働組合の解体と絡んでたし。外資から国民の家と土地と利権を守るためでもあるし」
「インフレ中だから日本人の家と土地と利権は守れるニダ」
「もっと資本家が自由になるお金を持たせないと欧米資本に対して劣勢ニダ」
「労働組合を再興させて、国民基礎所得をやめるニダ」
「働いてる者が正当な評価を得るニダ」
「そうだな・・・そうだよな・・・」
「応援するニダ」
「そ、そうか」
「リベートと地位があれば、もっとたくさん協力するニダ」
「「「「あはははははは」」」」
「「「ウェーハハハハ!!!」」」
反日ギルド朝鮮チーム コード名 ムン キン リン は、州知事との接触に成功し、
国民基礎所得にダメージ3を与え、レベル27になった。
反日ギルドから ポシンタン が送られてきた。
「日本の国民基礎所得に打撃を与えたニダ」
「日本人を特権貴族公務員に強制労働させるニダ」
「貴族院と国民は、決定的に関係が悪化するニダ」
「あとは、日本人から国民基礎所得を奪ってデフレにして、日本人から家と土地と利権を奪うニダ」
「日本人死ね死ねニダ〜♪」
「「「ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!!」」」
「「「ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!!」」」
「「「ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!!」」」
反日ギルドから次のクエストが送られてくる。
1、日本食品に毒を入れる。 2、日本の銀行を襲撃する。
3、日本人から金を騙し取る。 4、日本人を自殺させる。
5、日本女性を強姦する。 6、日本人を拉致誘拐する。
7、日本の文化財を盗む、放火する。
「「「・・・・・・・」」」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
月夜裏 野々香です。
90式人型戦闘重機 (笑
総人口3億1664万人。
日本・輝夜 (72万ku) 日本・半島 内地人口1億5231万。
海外州人口1億6466万人
和洋州 (25万ku) 京杭大運河東部域 6164万
日満州 (100万ku) 外満州 6164万
扶桑(カムチャッカ・チュクチ)州 (121万ku) 1583万
大和(アラスカ)州 (171万7854ku) 2049万
南洋 (ハワイ、ビスマルク、ソロモン諸島) (10万6461ku) 405万
フィリピン バターン・コレヒドール島 日本自治 “桃太郎” 区 (1000ku)
マレーシア ブルネイ 日本自治 “金太郎” 区 (1000ku)
インドシナ ダナン 日本自治 “舌切雀” 区 (1000ku)
インドネシア パレンバン 日本自治 “浦島太郎” 区 (1000ku)
ビルマ ヤンゴン 日本自治 “因幡の白兎” 区 (1000ku)
シンガポール 日本人自治 “鶴の恩返し” 区 (1000ku)
4200t級宇宙船
“あけぼの” “はつはる” “あさかぜ” “あかつき”
“あさつゆ” “ゆきどけ” “はるかぜ” “わかば”
日本海軍
第01機動部隊
38000t級航空巡洋艦 播磨 長門
36000t級伊勢型航空巡洋艦 伊勢
12000t級鞍馬型ヘリ巡洋艦 出雲 吾妻
6000t級綾波型巡洋艦 綾波 敷波 荒波 浦波 雪風 秋風 舞風 雷風
第02機動部隊
38000t級航空巡洋艦 薩摩
36000t級伊勢型航空巡洋艦 扶桑
12000t級鞍馬型ヘリ巡洋艦 鞍馬 浅間 八雲
6000t級綾波型巡洋艦 藤波 高波 磯波 白波 峯風 朝風 灘風 旗風
38000t級播磨型航空巡洋艦4隻
“播磨” “薩摩” “長門” “駿河”
12000t級鞍馬型ヘリ巡洋艦12隻
“鞍馬” “出雲” “吾妻” “浅間”
“八雲” “伊吹” “生駒” “春日”
“愛宕” “羽黒” “青葉” “白馬”
6000t級綾波型巡洋艦 40隻
“綾波” “敷波” “荒波” “浦波” “藤波” “高波” “磯波” “白波”
“雪風” “峯風” “秋風” “朝風” “灘風” “舞風” “雷風” “旗風”
“吹雪” “白雪” “淡雪” “水雪” “灰雪” “玉雪” “春雪” “初雪”
“秋月” “冬月” “夏月” “春月” “葉月” “涼月” “照月” “若月”
“夕雲” “朝雲” “天雲” “峯雲” “巻雲” “山雲” “秋雲” “白雲”
白龍型潜水艦 50隻
排水量 水上3000t/海中4300t
全長90m×全幅9m×吃水8.5m
荷電粒子発電1000馬力〜1500馬力 20基
水上/海中20000馬力〜30000馬力 30kt〜36kt 航続距離60年
533mm8管 40本
乗員65人
“白龍” “雷龍” “慶龍” “神龍” “剛龍” “海龍” “陣龍” “蒼龍” “銀龍” “鋼龍”
“雲龍” “妖龍” “弓龍” “迅龍” “凰龍” “黒龍” “鎧龍” “零龍” “呑龍” “戦龍”
“朝潮” “夕潮” “巻潮” “波潮” “赤潮” “黒潮” “冬潮” “早潮” “夏潮” “磯潮”
“長波” “巻波” “高波” “藤波” “清波” “涼波” “早波” “浜波” “朝波” “高波”
“幽鬼” “鋼鬼” “慶鬼” “蒼鬼” “海鬼” “凰鬼” “弓鬼” “陣鬼” “彗鬼” “黒鬼”
ジェットエンジン
直径40cm級流星エンジン 直径60cm級彗星エンジン
直径80cm級蒼星エンジン 直径100cm級紅星エンジン 直径120cm級天星エンジン
“原爆を落とされた人々の世界平和を望む会”
広島 賀茂忠行 天光正教 ウリエル 死神ウラン
長崎 安倍晴明 聖炎主教 サリエル 死神プルト
宇宙開発
常磐 アムン (Asteroid 3554 Amun) M型 直径2.48km 公転周期350.96日 発見1986年
浅間 クルースン(Asteroid 3753 Cruithne) Q型 直径5km 公転周期363.99日 発見1986年
エロス (433 Eros) 34.4km×11.2km×11.2 km S型 公転周期642.4日 発見1898年
ガニュメート (1036 Ganymed) 31.66km S型 公転周期1587.75日 発見1924年
八雲 (6178) 1986 DA M型 直径2.3km 公転周期1719.466日 発見1986年
第42話 1986年 『人型戦闘重機カラクリ』 |
第43話 1987年 『火星の衛星ダイモスで・・・』 |