月夜裏 野々香 小説の部屋

    

天ぼた系 火葬戦記 『神火風』

 

 第48話 1992年 『ボトムアップ型民主主義10人長選挙』

 

 日本は、戦後47年以降、45年間に渡り、GDP成長率10パーセントの成長率を維持していた。

 潤沢な社会資本は、低賃金で野心的な新興企業を雨後の筍の如く増やし、

 古参大手等の財閥企業を突き上げ、採算性を悪化させていく、

 当初、大手は、海外利権を押さえる事で競争力を保っていたが、

 新興企業が海外に進出し、独自の販路を広げていくと行き詰まる。

 日本は、宇宙開発と海底開発の投資をすることで開発力のある古参大手を助け、

 古参大手は財政投資に助けられながら宇宙や海底開発へ逃れた。

 

 一方、海外輸出を続ける日本企業の競争力に押され、欧米大企業は傾いていく、

 これは、アメリカとイギリスが金融支配を強めるため、製造を国外に移転させたことで起きた悲劇だった。

 そういった中、日本で火星・金星テラフォーミング会社が創設された。

 開発会社は、資金でなく、現物の資源を原資として換金したことから、資源国ほど有利になった。

 アメリカとソビエトは難色を示したが、死神教を中心に根回しが進んでいた。

 アメリカは金融支配を保つため、大衆に紙幣を散蒔くことを躊躇し、

 ソビエトは共産主義体制そのものが崩壊し、連邦が解体し、

 両国とも宇宙開発ができない状況になっていた。

 

 

 火星と金星の所領配当は、初期投資が大きいほど、分配率が大きく、

 日本圏だけでも火星と金星をテラフォーミングできそうな勢いがあることから、

 太陽同盟、アラブ資本、華僑資本が出資し、世界中の資本家が資源を拠出すると、

 ユダヤ資本も火星・金星テラフォーミング会社に資源を拠出し、

 アメリカとソビエトも投資するよりなかった。

 拠出した資源量によって、火星と金星の領有面積が決まるため、米露とも国家独自の宇宙開発予算が削がれ、

 日本の円為替は有利になっていた。

 

 

 アメリカ東海岸 ジキル島

 「死神教が新聞・雑誌を発行し、ラジオ放送、ケーブルテレビを広げている」

 「我々の情報操作が阻害されつつある」

 「うぬぬぬぬ・・・」

 「反ユダヤ主義が形成されたらまずい」

 「日本のせいだ」

 「金を取られたのに経営権すらない。配当請求権すらない。地領指定権もない」

 「まるで詐欺にあってる気分だ」

 「配当は現物支給だから、気の長い話しだ」

 「テラフォーミングが進むまでに我々の資本が残ってるかどうかも怪しい」

 「だが投資しなければ、日本が火星も金星も手に入れてしまうだろう」

 「それだけは避けなければならない」

 「おのれぇ 日本人め」

 「我々の宇宙ロケットは?」

 「2番艦メインを建造中だ」

 「我々の製造工場は、何をやってる」

 「生憎、ユダヤ人は製造が苦手でね」

 「イスラエルは?」

 「人材が育ってない、軍事的自立は、まだ、ほど遠いよ」

 「だが宇宙ロケット産業に投資しなければ、日本の宇宙船で火星に行くことになるぞ」

 「だいたい、日本に資源を取られてるから、アメリカ宇宙開発費の捻出が難しいのだ」

 「それに下手にアメリカ人に金を渡すと独自のネットワークを構築する」

 「我々は利権を死神信者に奪われ。ユダヤ排斥が始まるかもしれないんだぞ!!」

 「「「「・・・・・」」」」

 「日本の核兵器は何発ほど?」

 「公開を確認してるだけで500発ほど。軍事予算で逆算しても真実だと思う」

 「日本は核ミサイル5000万発分のウランを持ってるはずだが?」

 「どこに行ったのやら」

 「探せないのか?」

 「工作員は小型のガイガーカウンターを持たせてますよ」

 「じゃ 地下か」

 「たぶん」

 「核兵器か?」

 「いえ、たぶん、電池型原子力の可能性が高いと思います」

 「非効率的だな」

 「特別な技術で発電力を高めてるのかも」

 「本当に?」

 「そういう情報を持ってきた奴らがいたよ」

 「あいつらの話しは、話し半分でいいよ」

 「だいたい、癌にならずに放射性物質を加工するなんてありえない」

 「機械的に製造を成功してるのでは」

 「どうやって?」

 「「「「・・・・・」」」」

 「だいたい、加工する段階で白内障になったり、癌になる」

 「「「「・・・・・」」」」

 「取り敢えず、日本の宇宙ロケット打ち上げは二酸化炭素を増やして地球温暖化を進めてるからと牽制しよう」

 「日本は地球温暖化はないと、公言してますが」

 「「「「・・・・・」」」」

 

 

 

 

 宇宙ステーション “ツクヨミ”

 地球静止軌道から離れ、小惑星ケレスへと移動していく、

 月と火星を利用したスイングバイで、ケレスに向かう計算は緻密に計算されていた。

 巨大宇宙ステーションを静止軌道から移動させた力はイオンロケットだが、

 その主電源は荷電粒子発電だった。

 火星よりはるかに遠い小惑星ケレスは、小惑星帯でも最大級の小惑星で、準惑星と呼んで差し支えない大きさで、

 宇宙開発で必要な水の供給源になるはずだった。

 

 そして、地球静止軌道上に “スサノオ” が建設されようとしていた。

 スサノオは、高天原、アマテラス、ツキヨミと違う目的で建造されていた。

 金星の大気をドライアイスに加工し、火星に投げる巨大な無人宇宙水車だった。

 これが完成し、金星軌道で稼働すれば、火星は自動的にドライアイスの補給を受けることができた。

 当然、海外投資は増え、ライバルのアメリカとソビエトの宇宙開発を削ぐ結果になった。

 

 

 

 

 宇宙開発省

 木星軌道開発局

  イオ (直径3643.2km)  エウロパ (直径3138km)

  ガニメデ (直径5262.4km)  カリスト (直径4820.6km)

 4つの衛星で基地を建設できそうなのは最外縁衛星カリストだった。

 関係者たち

 「火星と金星の所領分配を利用して他国の宇宙開発資金を奪い。残りの天体をとってしまう作戦か」

 「悪くない」

 「しかし、木星の電磁波は、ちょっと、ハード過ぎるだろう」

 「イオとエウロパには近づきたくないな」

 「だが木星の衛星は押さえておきたい」

 「光と熱がもっと欲しいな」

 「木星の電磁波を利用して発電し、光源を作る方法はあると思うよ」

 「太陽風で吹き流される電磁波は土星近くまで届く」

 「じゃ エネルギー足りるかもしれないってことか」

 「地球軌道の太陽光熱発電の37倍は行ける」

 「開発ステーションの氷の厚みは大きくしないとな」

 「次のステーション “カグツチ” を木星に送るのは悪くない」

 「まずケレスの軌道に乗せて、氷の厚みを増やしたほうがいいと思う」

 「しかし、公転周期11.8年は流石に遠い」

 「遠いが木星軌道到達まで2年もかかる。早いうちに取り掛かったほうがいい」

 「火星開発チームは、フォボスを火星に落としたがってるよ」

 「それと、金星の足場で小惑星を金星軌道に移動させたがってる」

 「金星のドライアイスは?」

 「まぁ 足しにはなりそうだけどね。気長にやらないと」

 「金星の遮光ベルトの建設も急がせたがってたからね」

 「どちらにせよ。木製の衛星も電磁波を遮らないと居住しにくいから、地下生活か、海底生活になるな」

 「木星軌道は材料になりそうな衛星がたくさんあるから大丈夫だろう」

 「それよりアメリカの宇宙開発が気になる」

 「戦艦テキサスを建造したあと、戦艦メインを建造している」

 「ユニットはあけぼの型より小さいから隔壁は強い。その分、狭そうだ」

 「宇宙開発の方は?」

 「今のところは戦艦2隻を作ってるだけのようだけど」

 「どちらにせよ。製造業を復活させると、金融支配は不可能になるし」

 「非ユダヤ系が力を増したら死神系と合同して、一気に補助紙幣発行で、ユダヤ排斥の可能性もある」

 「ユダヤ資本にしたら、金融支配体制の崩壊は、権力喪失と繋がるからな」

 「必死というか、時間稼ぎをしている」

 「製造大国アメリカは怖いから、なんとなく、ユダヤを応援したい」

 「ていうか、海兵隊の一部がFRBを襲撃する計画があって、死神教系と連携できるかって接触があったらしいけど」

 「マジで?」

 「軍人は軍事力を行使できても、民間の支持が無ければ長続きしない」

 「アメリカを弱体化させてる勢力は、逆に言うと、日本の味方なんだがな」

 「おれ、海兵隊はユダヤの私兵とばかり思ってたがな」

 「そのへんの経緯はわからんがね」

 「日本とドイツの製造で伸びて、アメリカの製造が落ちてるのを見たら、普通の軍人なら焦燥感だろう」

 

 

 

 大西洋 赤道上

 統合ドイツは、宇宙ロケット発射プラットフォーム船を建造していた。

 火星・金星の宇宙開発株式会社の規格は公開されており、

 品質さえ良くて受注さえすれば国内産業で投資資本を取り込むことができた。

 アメリカが宇宙戦艦を建造することで日本の宇宙開発を牽制したのに対し、

 ドイツは、日本の宇宙開発を支援する側に鞍替えし、

 ソビエトも自力で宇宙戦艦を打ち上げることを諦め、

 宇宙開発用の支援物資を打ち上げることで、外資取り込みと、

 火星と金星の所領確保を確実なものにしようとした。

 ・・10・・9・・8・・7・・6・・5・・4・・3・・2・・1・・0・・

 轟音と共に真っ白な水蒸気を周辺海域に撒き散らしながらドイツ製宇宙ロケットが上昇していく、

 手順通り進み、衛星が軌道に乗ると歓声が上がった。

 「やれやれ、これで、日本の宇宙開発の下請けか」

 「俺たちは規格に応じて設計しているから、まだいいよ。ロシアは、宅配便でしかない」

 「アメリカは、まぁ アメリカは日本の対抗馬としての地位を保とうとするだろうね」

 「火星と金星の取り分はどうなるの?」

 「(入植年−投資年)×投資額)の累計で火星・金星総面積を分配だから投資は早い者勝ちではある」

 「どう考えても日本が一人勝ちだな」

 「小惑星は早い者勝ちだよ。地力で人を送り込めてっことらしいが」

 「宇宙ロケットを何基打ち上げたら小惑星に人を送り込めるんだ」

 「1000基くらいか」

 「破産するな」

 「カタパルト射出ロケットなら3分の1に減らせる」

 

 

 

 

 四川省 朝鮮自治区

 黒人教官が朝鮮人工作員に迫る

 「「「やめるニダ。違うニダ。男ニダ。女じゃないニダ」」」

 力付くで押さえつけられると、ズオンとパンツを降ろされ、

 「「「痛いニダ!!!」」」

 黒人の腰が勢いよく動き出した。

 はぁ はぁ はぁ はぁ はぁ

 「や、やめるニダ。男ニダ。女じゃないニダ」

 「だ、ダメにだ。女じゃないニダ」

 「そこは、違うニダ。や、やめ・・・」

 “コード名シラ、アス、タケ”

 “日本の宇宙開発を許してはならない”

 “日本人は滅びるまで地球上に這い蹲らさておくのだ”

 “日本の治安を悪化させろ”

 「どうするニダ?」

 “弁護士に加害者を救済させ。被害者を貶めれば、適者生存で加害者が増える”

 “日本で犯罪者が増えるのだ”

 “絶対に宇宙開発を妨害するのだ。反日テロするのだ”

 “日中戦争を画策し、中国軍と日本軍を増強させて緊張関係を増大させるのだ”

 “そして、日本の利己主義と拝金主義を強めて、日本を既得権国家にするのだ”

 “新自由主義と取り入れ、引き篭らせろ”

 “そして、日本の宇宙開発を失敗させろ”

 「「「わかったニダ・・・・イった・・・ニダ・・・」」」

 

 

 

 和洋州

 少しでも涼みを取り、電力消費を減らそうとビルと家々の屋根と壁が苔類で覆われていく、

 その成果で国内電力消費が減り、電力輸出が伸びていた。

 また、シベリア域の冷気がビルから溢れ出し、街に溜まっていく、

 エアコンは使われなくなり、

 冷気で押し上げられた暖気が上昇気流となって、黄砂を中国大陸側に押し返していく、

 特に大気汚染の強くなりそうな時期は遠慮なく高気圧が作られ、大気汚染を中国側に押し返した。

 

 幾つもの新興企業が生まれ、消えていく、

 そして、健全経営な企業と、一定の技術力のある企業が連携し、城塞都市が後ろ盾になって協力することもあった。

 店内各所にカメラが備え付けられ店内と商品を映していた。

 一般家庭のテレビで近所の店内を見ることができ、

 リモコン操作で商品を選択すると、無人小型ヘリが商品を運んで家まで届けた。

 “ケーブルテレビ網を利用した無人集配システムは、いたずら防止にもつながりますし”

 “出前店だけでなく、コンビニなどでも使えるそうです”

 “まだ試作段階ですがこのシステムを使えば近隣の数千人が商品を見てるかもしれず”

 “盗難防止につながりそうです”

 実験が成功するとケーブルテレビの視聴率と手数料につながると思ったのか、アチラコチラの番組で取り上げられた。

 

 

 中国四大名園の内の拙政園と留園の二つが蘇州古典園林にあった。

 中国風の神社で祭りが行われ、和服姿が増えていた。

 そして、気候のせいか、チャイナ服、あるいは、アオザイも増えており、

 内地から移民してきたばかりの日本人たちは、キョロキョロと辺りを見回す、

 境内でそれらしい催し物が行われ、人々が見守る。

 伝統は、ほとんどないが、生まれ育った地の郷愁からか人並みは少なくなく、

 花火の打ち上げが始まると、歓声が上がる。

 「少し寒くないか」

 「近くの排口塔から零度以下のシベリア寒気団が」

 「温度差有りすぎだよ」

 「足元冷やして、頭の方が熱いのは、健康上、アレなんじゃないか」

 「こういうのは逆がいいんだけどな・・・」

 “そこの青少年たち、パチンコやらないニカ”

 「パチンコ?」

 “とっても面白いニダ”

 「どうするの?」

 「玉を打って、釘の間を玉が転がって、商品番号の景品がもらえるニダ」

 「ほぉ」

 「100円ニダ」

 「じゃ 5回」

 バン! コロコロ コロコロ コロコロ コロコロ ストン!

 「21番で当りニダ」

 「「「「おおーーー!」」」」

 「もっとやるニダ」

 「よし、おれも」

 『小さなことからコツコツとニダ。それだけは日本人の優れた資質ニダ。真似してやるニダ』

 『成功したら駅前の一頭地でパチンコ店を大々的にやるニダ』

 『そして、日本人から金を奪って、自殺させて、復讐してやるニダ・・・』

 試作人形戦闘重機カラクリが現れ、バズーカーを上に向けると特大の花火を打ち上げた。

 一際大きな大輪が夜空に輝き、

 観客は、喜び、拍手喝采する。

 国防省は、カラクリを人型予算獲得決戦兵器として運用していた。

 

 

 

 火星 衛星ダイモス (15km×12km×11km)

 太陽光熱による溶解と凝固剤とカーボナノチューブの網で衛星の岩盤が強化されていた。

 マニピュレーターが溶岩ブロックを動かしていく、

 三軸径の衛星は、将来的に高さ14km×赤道18kmの楕円体となり、

 外周域に1G居住区が作られていく、

 宇宙港の建設が進むにつれて無人輸送コンテナの往復が増え、居住区画が増大していく、

 司令室

 フォボス落下のシミュレーションが繰り返されていた。

 落下後は地殻が破壊され、火山が吹き上がり、火山弾が火星全域に降り注ぐ、

 その後、煤煙噴煙に火星全域が包まれていく、

 小惑星帯から氷小惑星が落とされ、金星からのドライアイスも火星に送り込まれていく、

 「司令。宇宙開発省からです」

 「今度は何だって?」

 「金星のドライアイスはカーボン膜とシリコン膜で層を作って、軌道遮熱ベルトにするかもしれないと」

 「ふっ 紆余曲折だな」

 「まぁ フォボスを落とすだけでも温暖化にはなるし、テラフォーミングの足しになる」

 「それに金星のドライアイスより、ケレスの氷が役に立ちそうな気もする」

 「ケレスもカーボン・シリコン膜と氷で空洞惑星を作りたがってるらしいけど」

 「あの大きさの小惑星になったら、惑星に蓋を作ってでも1G大気の下で生活したい」

 「木星の衛星カリスト開発もそんな感じなことを言ってたような」

 「なるべく、自前の資源で開発してくれってか」

 

 

 

 宇都宮

 関東全域に高層ビルが建ち並び、地下と地上の交通通信のネットワーク網で結ばれていた。

 建設国債は制御されたものだったが、

 国民基礎所得の累計により、投資の回収は得られるとばかり民間借入は増え、インフレが加速する、

 政府は、無理な借金投資が破綻を招くと警戒感を示したが、

 日本の紙幣の多くは日本国内にとどまっており、外資も日本に流入していた。

 欧米諸国は安定成長が目覚しい日本企業の株を買おうと、外資枠5パーセントを買いまくった。

 日本企業は強靭なほど強く、

 日本企業の株を買った外国資本家は、配当が少ないと不満を持つものの、

 日本で悠々自適の生活を送れるほどになっていた。

 そして、味を占めたのか、成長しそうな株式会社を見つけると投資したのだった。

 そのため、青い目をした白人が大都市を歩くことも珍しくなかった。

 

 外国人たちの社交クラブビル

 空調口から扶桑州の冷気が流れてくる。

 白人は寒冷地が好きで空調口は大きかった。

 白人がビルの外を見るとコケに覆われたビル群が立ち並ぶ、

 「なんともまぁ 1年も来なかったら関東の景色は変わってしまうんだな」

 「設備投資が大きいからね」

 「関東だけの光景じゃないよ。日本圏のほとんどが様変わりしている」

 「それも複合素材が増えてる」

 「確実に利益になってるし、宇宙開発の情報も入る。日本人みたいな投資も悪くないよ」

 「日本の宇宙開発だが・・・」

 「進めて欲しいね。ポケットマネーが増える」

 「アメリカの資産の利益が目減りするのだが?」

 「正直言って、日本に住むほうが安全だよ」

 「俺なんか、アメリカの資産を引き抜いて、日本の企業株を買い漁ってる」

 「アメリカに住んだら、アメリカ人に殺されかねないからな」

 「「「「・・・・・」」」」

 「確かに日本にいるほうが安全だが、金融で主導権がないのが辛い」

 「まぁ いいじゃないか。排斥の脅威から逃れるために頑張ってきたけど、日本なら。安全だし、安泰だし」

 「街を歩くと楽しいし」

 「「「「・・・・」」」」 ため息

 「たった5パーセントじゃな・・・」

 「外資枠6割まで広げて欲しいものだ」

 「そんなの、日本人の有力者を10万人くらい殺して、核兵器で脅さないと無理かな」

 「じゃ 無理だろう。こっちが特高に殺される」

 「そうそう、日本がその気なったらアメリカとイギリスに小惑星を落とせるよ」

 「「「「・・・・・」」」」

 「だから日本で、のんべんだらりと生活するのが平和ってやつさ」

 「「「「・・・・・」」」」

 

 

 

 アメリカ 死神教会

 100万人長たちが集まっていた。

 彼らは、10人、100人、1000人、10000人、100000人、1000000人の6段階選挙で選任されていた。

 いわゆるボトムアップ10人選挙で、死神教圏では当たり前のように行われ、

 信者には、この手法で信任された者が政権を握るのがアメリカ合衆国であると本気で信じる者さえいる。

 この方法ならマスコミの偏った偏向報道に左右されず、

 自分の目で見て判断できるため、

 いま、議会にいる馬鹿どもは一人として、議員になれないはずだった。

 逆に言うなら6人×6回に金をばら蒔けば100万人長になれると言えなくもなかった。

 過半数の6人×6回が金を受け取るかは、わからないが・・・

 議場

 「我々は、現状の金融経済支配下のアメリカ合衆国を容認しない」

 「我々が政権を執り、アメリカを昔のような製造国家による国家債権を目指すべきだ」

 「そうだ。今のアメリカのトップダウン型民主主義は、間違ってる」

 「あれは民主主義とは言えない」

 「資本家が広告とショーで作り上げた自作自演による選挙に過ぎない」

 「我々が補助紙幣を発行し、ユダヤ資本をアメリカ合衆国から駆逐すべきだ」

 彼らは時々 フロアの隅にいる日本人幹部を見る。

 日本人幹部は、場を提供し、オブザーバーとしているだけで、票がなかった。

 そして、開場と閉場の挨拶、発言権も5分スピーチが認められてるだけで、

 そのスピーチもほとんどない状況が続いていた。

 それもそのはず、会場の雰囲気はアメリカ合衆国の権力奪取計画といってもいい内容になっており、

 外国人が口出ししていい範疇を遠の昔に超えていた。

 日本人たち

 『なんか、もう、危険な状況では?』

 『まったく、FBIに襲撃されたらどうするって、内容になってる』

 『抑えなくていいので?』

 『外国人が押さえたら国際問題になるし。加勢しても国際問題になるし』

 『凡庸に過ごすのがいいね。ぶっちゃけ、どっちでもいいし・・・』

 『ていうか、我々が扇動してるとか言いがかりを掛けられそう』

 『そう言ってるの、あの連中だろう』

 『まったくぅ 物凄い言いがかりだ』

 『まぁ 議事録は残してるし、我々の関与はないよ』

 『ユダヤ人の手法ですな』

 『ふっ 連中より消極的だよ』

 

 

 

 ソビエト連邦崩壊により、

 世界の超大国は日本とアメリカになっていたものの、

 日米の直接対立は、避けられていた。

 国防省

 戦闘機は国防の要。

 そう言われた時期は、陰りを見せていた。

 むろん、核ボタンで戦争は決まってしまい、戦闘機が出る余地は少ない、

 また、通常戦争においても、巡航ミサイルの応酬で決着が付きそうな時勢だったのだ。

 そして、最大の敵は宇宙開発と海底開発で、

 8発戦闘機開発予算は捻出されていたが、

 国民の目は宇宙や海底を見てることが多く、

 4発の蒼雷、6発の綾風も果断ない改良が行われており、

 蒼雷でさえ、一線で使用できるスペックを保ち、

 軍事知識が多いほど 「戦闘機がいるの?」 という表情すら見せかねなかった。

 新型8発戦闘機は、ステルス構造で、アメリカが開発してるというF23に面影が似ていた。

 基本構造は上層が機体で、中層域がエンジン、下部域が武装という三層構造が取られ、

 エイのように平べったくも見えた。

 

 

 

 76式戦闘機 綾風(あやかぜ)

   自重8000kg/最大重量18000kg

   全長17m×全幅12m×全高4m 翼面積48u

     平時  直径40cm級流星408型(2100kg)×6基  推力12600kg

           巡航速度2基800km/h  航続距離1600km

           中速度4基2450km/h  航続距離800km

           最大速度6基3000km/h  航続距離300km

     戦時  直径40cm級流星451型荷電粒子ターボファンエンジン 推力 2500kg×6基 推力15000kg

           最大速度3200km/h   航続距離2000km

   25mm機関砲 1丁   ハードポイント12基  増/ミ/爆8000kg

   離陸滑走距離600m

 

 仮94式戦闘機 疾風

   自重10000kg/最大重量24000kg

   全長18m×全幅12m×全高4m 翼面積68u

     平時  直径40cm級流星412型(2400kg)×8基  推力19200kg

           巡航速度2基800km/h  航続距離1800km

           中速度4基2450km/h   航続距離1000km

           最大速度6基3000km/h  航続距離600km

           最大速度8基3200km/h  航続距離300km

     戦時  直径40cm級流星455型荷電粒子ターボファンエンジン 推力 2800kg×8基 推力22400kg

           巡航速度300kg×8基 2400kg  900km/h 60年間

           最大速度3600km/h   航続距離2000km

   25mm機関砲 1丁   ハードポイント16基  増/ミ/爆10000kg

   離陸滑走距離600m

 

 空軍関係者たち

 「いよいよ。新型戦闘機か。待ち遠しかったよ」

 「機体とエンジンの改良でつないでたからな」

 「だいたい、国民が軍に冷たすぎる」

 「どうせ作るなら宇宙戦艦と宇宙空母と宇宙戦闘機を作れだからね」

 「「「「あはははは・・・」」」」

 「イオンエンジン装備型も検討してるのか?」

 「低周回軌道ならともかく、放射線が強すぎて、この機体じゃ無理かな」

 「放射線防御は、大丈夫なのか」

 「外板にプラズマ、磁場、アルファ線、デルタ線を発生させて防御壁を作れるし」

 「荷電粒子エンジンそのものが対放射線に強い構造だからね」

 「高度30000mは飛べるよ」

 「SR71が高度25000mだから勝ってるじゃないか」

 「いざとなったら、高々度に逃げろってことね」

 「神火人様々だな」

 「だけど、神火人の大半が宇宙に行ってると、気持ち的に楽だな」

 「「「あははははは」」」

 「それより、例の空中発射中継機の開発製造は?」

 「5000馬力60基で30000馬力の母機で高度10000m」

 「荷電粒子ライフルファン100基の中母機で高度30000m」

 「高度30000mからロケット発射の子機で静止軌道の360000kmの3段方式を検討している」

 「旅客機程度の宇宙船を打ち上げると考えて、逆算すると母機はかなり大きくなる」

 「そして、そうなるとアメリカとソビエトも日本の異常に気づくだろう」

 「逆に中型旅客機程度なら異常に気付かれにくいし」

 「高度10000mから30000mから割安で打ち上げられるのなら」

 「なにも胴体が747に近い宇宙ロケットを飛ばすことはないのでは?」

 「んん・・・ むしろ、特高のUFOモドキの方が強そうだな」

 「あいつら戦争とか、関係ないから。量産機作ってないから。カスタムで作ってるから」

 

 

 特別高等警察 秘密基地

   直径40m×高さ5m

   自重20000kg/全備重40000kg

   速度 マッハ2   航続距離60年

   ミ 16000kg

 外板は荷電粒子機関そのもので、機体上部の気体をプラズマに変換しながら機体下部へ押しやる。

 そして、機体中央にも荷電粒子機関が垂直に設置し、気流を下へと噴出させていた。

 無国籍のUFOモドキは、対外工作に使われ、

 時々 目撃させ、人々の視線を別のものに向けさせる。

 「いいねぇ 流石5000馬力なだけはある」

 「なんに使うのって気もするがね」

 「ほら、ユダヤ資本が大挙して日本に来てるじゃないか。破壊工作があったら鎮圧目的だよ」

 「外資枠5パーセント制限があるから、金があっても力はない」

 「日本人の代理人に金を貸して、間接支配しようとしてるが、その日本人が全部従うとは限らないし」

 「彼らはアメリカ本土が住みにくくなってるから日本に来てると思うよ」

 「アメリカの治安悪化は、彼らの望む過程で育てた拝金主義と利己主義のせいだろう」

 「そして、朝鮮人と漢民族を引き入れて格差社会の拡大と、対日工作で利用した」

 「彼らがマフィア化して、アメリカ国民だけでなく、資本家に害をなすとか考えないのかね」

 「彼ら資本家は新興産業の乱立を恐れ、社会資本を吸い上げ、故意にアメリカ産業を衰退させた」

 「またアメリカ人を団結させないため有色化を推し進めさせ、治安を悪化させた」

 「日本経済や太陽同盟の経済成長がそれを証明してるし」

 「アメリカに残って町を歩いていたら、本当に撃ち殺されかねないだろう」

 「しかし、本当にUFOみたいに飛ぶの?」

 「空海両用で垂直離着陸も行けるし。マッハ2は行けるよ」

 「「「「・・・・」」」」

 「宇宙は?」

 「引っ張り上げてもらわないと、流石に無理」

 「だけど、宇宙は飛行できるよ」

 

 

 

 繁華街

 反日ギルド朝鮮チーム コード名 ムン キン リン は、味方のように振る舞いながら有力者に近づく、

 「これはこれは、軍官僚様。今日もいらっしゃいましたニダ」

 「おお、君らも好きだな」

 「ノーパン喫茶は、大好きニダ」

 「ははははは」

 「最近は、どうニダ」

 「艦隊の建造が見送りになったよ」

 「それはいけないニダ」

 「国防は、国家の根幹ニダ。すぐに軍拡するニダ」

 「しかし、宇宙開発と海底開発に金を持っていかれてな」

 「国防をないがしろにするとは国家として終わってるニダ」

 「そんな政府は許してはいけないニダ」

 「困ったものだ。頭が痛いよ」

 「それは、いけないニダ。ストレスになるニダ。癌の元ニダ」

 「そうか」

 「ストレスは癌の元ニダ。癌は、とっても怖いニダ」

 「そうか。怖いな」

 「中国と緊張関係を作るといいニダ」

 「しかしなぁ 政府は中国の軍拡に、日満州と和洋州の防備。あと尖閣諸島基地に少しばかり追加予算を出しただけだしな」

 「消極的すぎるニダ」

 「んん、外務省は中国と不戦で話しがついてるというが・・・」

 「外務省は中国に騙されてるニダ」

 「宇宙開発費を取り上げて軍拡するニダ」

 「息が出来ない宇宙なんて気持ちが悪いニダ」

 「そうだよな。そうだよな・・・」

 「応援するニダ。利権の味方をすれば天下りできるニダ」

 「そ、そうか」

 「某長銀行は、担当者にお金を渡すだけで、10倍の金を借りることができるニダ」

 「お〜」

 「出世したいなら使うニダ」 ひそひそ

 「リベートと地位があれば、もっとたくさん協力するニダ」

 「「「「あはははははは」」」」

 「「「ウェーハハハハ!!!」」」

  

 

 

 反日ギルド朝鮮チーム コード名 ムン キン リン は、軍官僚との接触に成功し、

 行政間協調と宇宙開発にダメージ4を与え、レベル33になった。

 反日ギルドから 焼肉 が送られてきた。

 「日本の軍部と宇宙開発省を対立させたニダ」

 「主導権争いで日本は滅ぶニダ」

 「日本人同士で憎みあわせて、漁夫の利ニダ」

 「人間不信を煽れば、もっと不正腐敗が増えるニダ」

 「日本人同士が憎み合うニダ」

 「日本人同士殺し合うニダ〜♪」

 「「「ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!!」」」

 「「「ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!!」」」

 「「「ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!!」」」

 反日ギルドから次のクエストが送られてくる。

  1、日本食品に毒を入れる。    2、日本の銀行を襲撃する。

  3、日本人から金を騙し取る。   4、日本人を自殺させる。

  5、日本女性を強姦する。     6、日本人を拉致誘拐する。

  7、日本の文化財を盗む、放火する。

 「「「・・・・・・・」」」

 

 

 

  

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 月夜裏 野々香です。

 そろそろ総人口4億の壁が (笑

 宇宙開発と海底開発を急がねば・・・

 

 

 

 総人口3億8921万人。

  日本・輝夜 (72万ku) 日本・半島  内地人口1億7086万。

 

  海外州人口2億1873万人

   和洋州 (25万ku) 京杭大運河東部域  8392万

   日満州 (100万ku) 外満州  8392万

   扶桑(カムチャッカ・チュクチ)州 (121万ku) 1943万

   大和(アラスカ)州 (171万7854ku) 2516万

   南洋 (ハワイ、ビスマルク、ソロモン諸島) (10万6461ku) 463万

    フィリピン バターン・コレヒドール島 日本自治 “桃太郎” 区 (1000ku)

    マレーシア ブルネイ 日本自治 “金太郎” 区 (1000ku)

    インドシナ ダナン 日本自治 “舌切雀” 区 (1000ku)

    インドネシア パレンバン 日本自治 “浦島太郎” 区 (1000ku)

    ビルマ ヤンゴン 日本自治 “因幡の白兎” 区 (1000ku)

    シンガポール 日本人自治 “鶴の恩返し” 区 (1000ku)

 

 4200t級宇宙船

  “あけぼの” “はつはる” “あさかぜ” “あかつき”

  “あさつゆ” “ゆきどけ” “はるかぜ” “わかば” 

 

 

 日本海軍

 第01機動部隊

  38000t級航空巡洋艦 播磨 長門

  36000t級伊勢型航空巡洋艦 伊勢

  12000t級鞍馬型ヘリ巡洋艦 出雲 吾妻 伊吹 生駒

  6000t級綾波型巡洋艦

       綾波 敷波 荒波 浦波 淡雪 灰雪 秋月

       雪風 秋風 舞風 雷風 吹雪 初雪 冬月

  38000t級強襲揚陸艦 相模

 

 

 第02機動部隊

  38000t級航空巡洋艦 薩摩 駿河

  36000t級伊勢型航空巡洋艦 扶桑

  12000t級鞍馬型ヘリ巡洋艦 鞍馬 浅間 八雲 春日

  6000t級綾波型巡洋艦

      藤波 高波 磯波 白波 水雪 玉雪 夏月

      峯風 朝風 灘風 旗風 白雪 春雪 春月

  38000t級強襲揚陸艦 津軽

 

 

 

  38000t級播磨型航空巡洋艦4隻

          “播磨” “薩摩” “長門” “駿河”

  12000t級鞍馬型ヘリ巡洋艦12隻

          “鞍馬” “出雲” “吾妻” “浅間”

          “八雲” “伊吹” “生駒” “春日”

          “愛宕” “羽黒” “青葉” “白馬”

  6000t級綾波型巡洋艦 40隻

          “綾波” “敷波” “荒波” “浦波” “藤波” “高波” “磯波” “白波”

          “雪風” “峯風” “秋風” “朝風” “灘風” “舞風” “雷風” “旗風”  

          “吹雪” “白雪” “淡雪” “水雪” “灰雪” “玉雪” “春雪” “初雪”

          “秋月” “冬月” “夏月” “春月” “葉月” “涼月” “照月” “若月”

          “夕雲” “朝雲” “天雲” “峯雲” “巻雲” “山雲” “秋雲” “白雲”

 

 白龍型潜水艦 50隻

   排水量 水上3000t/海中4300t

   全長90m×全幅9m×吃水8.5m

   荷電粒子発電1000馬力〜1500馬力 20基

   水上/海中20000馬力〜30000馬力 30kt〜36kt  航続距離60年

   533mm8管 40本

   乗員65人

  “白龍” “雷龍” “慶龍” “神龍” “剛龍”  “海龍” “陣龍” “蒼龍” “銀龍” “鋼龍”

  “雲龍” “妖龍” “弓龍” “迅龍” “凰龍”  “黒龍” “鎧龍” “零龍” “呑龍” “戦龍”

  “朝潮” “夕潮” “巻潮” “波潮” “赤潮”  “黒潮” “冬潮” “早潮” “夏潮” “磯潮”

  “長波” “巻波” “高波” “藤波” “清波”  “涼波” “早波” “浜波” “朝波” “高波”

  “幽鬼” “鋼鬼” “慶鬼” “蒼鬼” “海鬼”  “凰鬼” “弓鬼” “陣鬼” “彗鬼” “黒鬼”

 

 

 ジェットエンジン

 直径40cm級流星エンジン  直径60cm級彗星エンジン

 直径80cm級蒼星エンジン  直径100cm級紅星エンジン  直径120cm級天星エンジン

 

 “原爆を落とされた人々の世界平和を望む会” 

 広島  賀茂忠行  天光正教  ウリエル  死神ウラン

 長崎  安倍晴明  聖炎主教  サリエル  死神プルト

 

 宇宙開発

   常磐 アムン (Asteroid 3554 Amun) M型 直径2.48km 公転周期350.96日 発見1986年

   浅間 クルースン(Asteroid 3753 Cruithne) Q型 直径5km  公転周期363.99日 発見1986年

   エロス (433 Eros) 34.4km×11.2km×11.2 km S型  公転周期642.4日 発見1898年

   ガニュメート (1036 Ganymed) 31.66km S型  公転周期1587.75日 発見1924年

   八雲 (6178) 1986 DA  M型 直径2.3km 公転周期1719.466日 発見1986年

 

 

 

 

  

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第47話 1991年 『USS宇宙戦艦テキサス就航』

第48話 1992年 『ボトムアップ型民主主義10人長選挙』
第49話 1993年 『総人口4億人を超えて・・・』