月夜裏 野々香 小説の部屋

    

天ぼた系 火葬戦記 『神火風』

 

 第53話 1997年 『木星軌道 第4衛星カリスト』

 

 “トラ×も〜ん!!”

 “悔しいよ。日本海軍がミッドウェー海戦で負けたのが悔しいよ”

 “ぼくの考えた。最強兵器〜!”

 “なに、なに、どんなの?”

 “仮想現実で、自分で考えた兵器が、アメリカ太平洋艦隊をやっつけてくれる”

 “す、すごい。すごいよ。トラ×もん”

 “”

 “”

 特高 情報創作課

 「日本は世界最強で。戦後、50年も経ってるのに、こういうアニメが出ちゃうんだな」

 「太平洋戦争は、99.9パーセント負けてたからな」

 「なんか、もう、ジャパンコンプレックスの裏返しってやつじゃないか」

 「でも、当時は、新兵器で、どうにかなるような状況じゃなかったと思うけど」

 「それはそうと、最近、出番がない」

 「もう宇宙時代だし、国力が圧倒的過ぎて、情報創作する必要が低下してるんじゃないか」

 「国家として必要なくても、神火人は魔女狩りが嫌だから必要だよ」

 「だけど、ネタが尽きたな」

 「それでも神火人は戦略的なアドバンテージだし。各国から秘匿する意義はあるよ」

 「それはそうだけどね」

 「また、神火風を発生させられるような秘密結社と設定を作るか」

 「いいのある?」

 「人魚姫世界とかいうのは?」

 「人魚姫・・・」

 「ほら、アメリカ艦隊の艦底から不審死が発生したじゃないか」

 「それなら竜宮城があったな」

 「竜宮城か・・・ 与那国の海底遺跡と絡めようか」

 「それやっただろう。かぶると・・・」

 「かぶってもやらないと、神火人に行っちゃまずいし」

 「そうだった・・・」

 

 

 

 

 内戦前夜のアメリカ合衆国

 ハーバード拝金大学

 「経済は、儲けなければならないのです」

 「しかし、重要なのは、儲けることより、利権と格差です」

 「基本はヒエラルキー型のピラミッド利権を構築することです」

 「例えば、政商資本家は、国が国民から集めた税金を得て事業を行えます」

 「もし、最下層労働者の収入の10000倍を得てるとしましょう」

 「ここで、累進課税型の所得税をとった場合、富裕層は余計に税金を取られ、ピラミッドの構築が遅れます」

 「しかし、最下層労働者がギリギリ支払えるフラット型所得税や間接税であれば」

 「収入を累計していくと莫大な資産格差になり、巨大なピラミッドが完成するのです」

 「「「「おおおお・・・・」」」」

 「さらに新紙幣の発行を絞り、関連企業内で必要経費を賄うことができるなら」

 「総紙幣の99パーセントを保有し、新興企業に市場を荒らされず済むのです」

 「「「「おおおお・・・・」」」」

 「さらに庶民に高利貸しから紙幣を貸し付ければ、永続的な労働資源を活用できるのです」

 「「「「おおおお・・・・」」」」

 「庶民は、家や土地や利権を手放して、金を得ようとするでしょう」

 「しかし、どんなに金を得ても、利権に金が流れ、ジリ貧となっていくのであります」

 「「「「おおおお・・・・」」」」

 「ここで有利な投機を仕掛け、計画倒産させれば、膨大な借財を押し付けることができるのです」

 「「「「おおおお・・・・」」」」

 「そして、国境を打破し、他国の金融機関と結べば」

 「全世界をまたぐ磐石で無敵な巨大金融支配世界を確立できるのです」

 「「「「おおおお・・・・」」」」

 「スペクター先生」

 「はい」

 「日本は宇宙に進出しています。アメリカは、なぜ、宇宙進出しないのですか?」

 「あの邪教信者は、悪魔の手先なのです」

 「神火風などという現象が証拠です」

 「しかも、死神教などと恐ろしい宗教でアメリカ国民を縛り付けようとしているのです」

 「献金されたお金の半分を信者に配って、アメリカ国民の労働意欲をそいでいるのです」

 「死神教は、もっと、素晴らしい投資先に投資すべきなのです」

 「それを均等一律に信者払い戻すなど、ありえません」

 「高額献金者に全額。投資すべきなのです」

 「富める者はますます富み。貧しき者はますます貧しくなっていく」

 「それが資本主義のルールなのです」

 「死神教は愚かな邪教です。みなさんは信じてはいけません」

 「「「「はい」」」」

 「では、拝金十戒を覚えておくように」

 「1つ  市場経済が唯一の神であること」

 「2つ  利権を作ること」

 「3つ  儲け話しに乗らず、儲け話しに乗せること」

 「4つ  契約を守ること」

 「5つ  投資家と株主を敬うこと」

 「6つ  バラマキをしてはいけないこと」

 「7つ  合理的に考え、無駄使いしないこと」

 「8つ  盗まれないこと」

 「9つ  真実を知られないこと」

 「10つ  グローバルに隣人から稼ぐこと。いいですね」

 「「「「はい」」」」

 「スペクター先生」

 「なにかね」

 「経済学で、もっとも重要な掟はなんでしょうか?」

 「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの利権を愛しなさい」

 「これがもっとも重要な第一の掟です」

 「もう一つ、第2の掟も同じように重要です」

 「資本を自分のように愛しなさい」

 「金以外のモノを拝んでは、いけないのです」

 「「「「はい」」」」

 「スペクター先生」

 「なにかね」

 「なぜ、アメリカ合衆国は、経済で日本に負けてるんですか」

 「あいつらは、国家主義、民族主義という邪教を信じてるのです」

 「国家が奴隷国民を国民基礎所得で囲い込んで騙して搾取してるのです」

 「国家が借金して公共投資するなどもってのほか」

 「しかも、信用創造を無視し、日本国民に均等に金をばら撒くなど、なんという恐ろしいこと」

 「日本人は、国民基礎所得というアヘンに酔って独り立ちできないのです」

 「グローバル化できないのです」

 「日本の関税障壁と非関税障壁を破壊し」

 「資本主義で日本国民を洗礼しないと日本と日本民族は救われないのです」

 「これは資本主義国家アメリカ合衆国の聖戦なのです」

 「いずれ、我々の使徒たちによって、日本の金融関係者に天罰が下るでしょう」

 「そして、日本と日本人を信用創造の神に平伏せさせ、悔い改めさせるのです」

 「それが市場経済の教えなのです」

 「全能なる信用創造の神FRB」

 「そして、三大天使のロスチャイルド、ロックフェラー、モルガンよ」

 「我ら迷える子羊たちをお救いください」

 「そして、邪教国家日本と死神教に鉄槌を与えたまえ・・・」

 「アーメン」

 「「「「アーメン」」」」

 

 

 

 アメリカ合衆国 死神教本部教会

 死神教は、献金の半分を信者に一律分配していた。

 そして、残りの半分の使い道も信者に委ね始めた。

 死神教本部会計WEBに予算振り分け口座が開設された。

 二十歳以上の信者は、残りの半分の献金を分配されるが、

 この振り分けられたお金は、個人で下ろして使うことができない。

 本部の代表信者が作った事業別口座に振り込んでいく、

 この口座開設により、死神教は、反権力系互助会の性格をさらに強めてしまう。

 しかし、アメリカ国防費関連口座、警察関連口座、

 教育費関連口座、社会保障関連口座が作られると状況が変わる。

 死神教の軍資金が大きく、

 アメリカ軍将校、警察関係者、教育関係者、社会保障関係者が協会に訪れ、

 礼拝が終わると、5分間スピーチが与えられ、

 信者相手に国防、警察、教育の重要性や価値を力説するようになった。

 アメリカの各行政機関は、スポークスマンを死神教に派遣し、事業口座の開設を陳情するようになった。

 死神教とアメリカ政府機関の人脈は強まり、死神教の拡大にも繋がった。

 

 

 

 

 宇宙人は、小惑星の分厚い岩盤の内壁に住むことから自嘲気味に “蟻塚生活者” と自称する。

 宇宙ステーションは、開発までの1G居住区画を準備するだけに過ぎなかった。

 遠方の土星、天王星、海王星は、加速と減速にかかる推進剤が大きすぎるためか、

 先に質量の重い宇宙ステーションを無人で送り、

 あとから、軽量の高速宇宙船で人を送り込む計画になっていた。

 日本は、高天原級宇宙ステーション6基を静止軌道上に建設し、

 必要な機材と資材が埋まれば、土星、天王星、海王星へと移動させていく、

 また、今年は、宇宙生活者が10000人を超える予定だった。

 前年の宇宙生活者が4000人だったことを思えば、大きな飛躍といえた。

 キャパシティで逆算するなら50000人は生活可能なのだが、安全性の基準がそれをさせなかった。

 

 

 宇宙ステーション “カグツチ” は、月、火星でスイングバイを行ったあと、

 木星軌道に侵入し、相対速度を落としていく、

 地球の感覚で木星を目測すると大変なことになるのが木星軌道で、

 モニターには、地球大の影が一緒に映っていた。

 正面のカリストが月より大きな球体で、

 地球よりはるかに巨大な木星に圧倒され、

 木星を回る4大衛星もスペクタクルのような感覚を覚えた。

 この規模の宇宙ステーションを減速させるには、荷電粒子発電を利用したイオン推進が必要で、

 アメリカ、ドイツ、ソビエト、イギリスは太陽光パネルを使うか、原子炉を使うしかなく、真似できなかった。

 数回に分けて相対距離、相対速度を調整するための姿勢制御噴射が行われており、

 最後の調整が行われようとしていた。

 ・・10・9・8・7・6・5・4・3・2・1・

 「カリストの軌道に乗りました」

 「姿勢制御ロケット点火」

 「点火します」

 ・・10・9・8・7・6・5・4・3・2・1・

 「制御ロケット停止。カリストの軌道座標に固定しました」

 外壁モニターを介して外の様子が映し出されていた。

 「衛星がいっぱいだな。しかも木星の大きなこと」

 「カリストも、なかなか開発しがいのある衛星だな」

 「開発資材が順調に来れば、ですけどね」

 「当分は、地球資源を使うが、そのうち、ケレスや月の資源も来るだろう」

 「こちらも氷を内惑星に、とられそうですが」

 「まぁ 氷ならカリスト以外の衛星にも腐る程ある」

 「しかし、できるなら、もう少し光が欲しい」

 「木星は巨大な発電機のようなものだ。磁場を利用して発電できるし、光も作れるよ」

 「問題は、イオ、エウロパ、ガニメデの開発か」

 「軌道共鳴1対2対4を壊さないようにしないと」

 「当面は外周の小さな衛星を材料にすればいいさ・・・」

 “あさつゆ” “ゆきどけ” “はるかぜ” “わかば” がカグツチとカリストを何度も往復し、衛星開発が進めていく、

 

 木星軌道 第4衛星カリスト

 既に無人開発機が第2ロケットの器を利用した居住区画を建設し設置していた。

 連絡船とカラクリが降り、建設作業が始まる。

 カリスト全周を覆うカーボンナノチューブの網が掛けられていく、

 網が完成したら、カリストの氷を溶かし、外周壁にしていく、

 氷の外周壁が完成すればさらにカーボンナノチューブの網を被せ、

 さらに溶かした氷で外周壁を厚くしていく、

 これを繰り返していけば、カリスト全体を覆う空洞が完成し、

 空洞内に空気を入れ、人が住む空間を作ることができた。

 後は、外壁を1Gが得られるほど回転させるだけで、人が住む世界の出来上がり蟻塚生活者から解放される。

 とはいえ、カリストは月よりも大きいことから、いつ完成するのか、見当もつかない先の話しでもある。

 将来的な構造は、ケレスと変わらない。

 なんにせよ。外壁内区画に住むようになれば、頭上100kmほどを衛星カリストの氷表を見上げ、

 床下100kmは、透明な複合素材と氷の層になっていくはずだった。

 

 

 

 

 インド洋

 水先案内のインド駆逐艦が先行していた。

 戦後、日本とインドは友好関係を構築しており、

 日印相互支援が進んだせいか。

 インドのGDPは、ロシアを抜き、アメリカに迫っていた。

 とはいえ、インドは科学技術と工業と産業などで遅れた部分が多く、

 欧米諸国に突け込まれていた。

 アメリカはバイオ作物をインドに輸出しようとしていた。

 バイオ作物は農業環境が整備されてない土地で育ちにくく、

 毎回、バイオ種子とバイオ農薬を買わなければならない、

 これでは、インドの生殺与奪権をアメリカに握られたようなもので

 インドの対日政策まで悪化するはずだった。

 日本は、インド農業がアメリカに支配されることを恐れ、

 アメリカもインドを押さえて、陣営に引き込もうとしていたことから、

 インドを巡って日米の対立が深まり、互いに軍艦を派遣し、砲艦外交を繰り返していた。

 12000t級鞍馬型ヘリ巡洋艦 出雲

 三胴艦 5000t級村雨型無人護衛艦

   排水量5000t  全長151m×全幅18m×吃水5.5m

     荷電粒子発電6000馬力(4475kw)10基 60000馬力(298400kw) + 推力60t

     速度60kt  航続距離60年

       対空ミサイル20基  対艦ミサイル20基

       迎撃ミサイル20基  対潜ミサイル20基  

       大型巡航ミサイル20基

       64口径128mm砲×2基  71口径40mmガトリング6連砲×6基

 索敵範囲と相互支援火器が発達するほど、僚艦との相対距離が離れ、

 核ミサイル1発で艦隊が大打撃を受けないよう。

 艦隊は広範囲に広がっていく、

 日本国防省で自動相互支援システムが完成すると、

 有人の艦艇に無人護衛艦が随行するようになった。

 艦橋 将校たち

 「いよいよ。無人艦の就航か」

 「将来的に有人と無人の艦艇比率を1対1にするらしい」

 「核兵器が怖いからとか。コンピューターがあるからとか」

 「軍人いらずの思想はやめて欲しいね」

 「目測や直勘より、火器管制システムの性能がいいからしょうがないよ」

 「それに宇宙から丸見えで、潜水艦を主力にしたほうが有利」

 「砲艦外交の価値も低下している」

 「あと、宇宙人になりたがる日本人が増えて、海の男は暴落中かな」

 「悲しすぎる・・・」

 「提督。インド領海に入ります」 

 「そうか。インドに来るのも久しぶりだな」

 「新聞も宇宙ばかりで国際外交は紙面の片隅ですからね」

 「宇宙は独走中だからな」

 「そういえば、インドも宇宙開発に関心を持ってたな」

 「アメリカもインドの宇宙ロケット技術に危機感を抱いて、バイオ作物でインドを統制しようとしてる節がある」

 「それはなんか嫌だな」

 「目先の利益が欲しいインド人は、引っかかって損してるから、日本が後始末することになってるらしい」

 「最近、そういう役が多いですね」

 「まぁ 資本主義が進むと拝金主義と利己主義が強くなるし」

 「利権を独り占めする奴が増えて、お金が回らなくなる」

 「金は経済の血液だから、金が溜まりすぎると腐敗していくし」

 「金の巡りが悪くなると、心臓に遠い細胞から壊死していく」

 「だから直接細胞に血液を送れば、死ぬことはないし。逆に腐敗も減る」

 「最悪なのは、信用創造で、借金を弱者に押し付け」

 「紙幣を独占して。フードスタンプで生殺与奪権を握ろうって連中が現れる」

 「インドは、どうするんでしょうね」

 「格差を維持したがってる連中と。格差を縮めたい連中が争ってる」

 「たぶん、21世紀までずれ込むんじゃないかな」

 「日本政府は干渉しないので?」

 「インドの国力が向上すると、宇宙の独占が危うくなるし。当分、高みの見物じゃないかな」

 

 

 館内食堂

 将兵は交代でランチタイムを取る。

 ランチは決まっていて、棚にあるセットを取って、好きなテーブルで食べるだけ、

 モニターで、歌手が、ダイモスの地表に立ち、火星をバックに歌っていた。

 日本の宇宙開発は異常な加熱を見せ、

 テレビ番組も宇宙へと飛び出していた。

 特に好まれたのは、透明な氷の球体の中にステージを作って、

 全天球宇宙をバックにエンターテーメントを繰り広げることだった。

 今のところ大きな事故はなく、

 日本国民の多くも、いつかは宇宙の気分になっていた。

 「カラクリの調整は?」

 「ああ、ちゃんと見せびらかせるよ」

 「インド人もびっくりかもね」

 「アメリカとの力関係を見せつけて、外交を有利にしたいらしい」

 「戦力とは全く関係ないけどな」

 「それでも、例のフォボスをどうするかでインドの賛成票を引き込みたいらしい」

 「火星に落とすんだっけ」

 「中心に核を仕込んで核爆発させながら落とせば、噴煙の量を調整できるし」

 「あと、地表面の影響も拡散できるらしい」

 「しかし、いいなぁ 宇宙か・・・」

 「行っても蟻塚生活で、芸能人の行ってみた感想が。狭かった。だからね・・・」

 番組が変わる

 「お、スタ×ウォーズか」

 「ハリウッドは、宇宙にスタジオ作ってもらってやってるらしい」

 「スパイなんじゃないの」

 「まぁ それでも断ると角が立つし、日本人は心が狭いとか言われかねないからな」

 「だけど、実写と雰囲気で違和感があったな」

 「Xファイターが、あの大きさじゃ無理だろうから」

 「適当にCG合成してしまうんじゃないか」

 「そういや、日本の特撮も宇宙でやってたな」

 「あと、無重力や通信の時間差を使った推理ドラマも増えた」

 「なんか、宇宙開発が進むと未来があるというか」

 「明るいって気がするね」

 「だけど、無人艦艇が増えたら、俺たちのポストは、悲惨」

 「まぁまぁ 国民基礎所得はあるし、そんな慌てなくてもいいだろう」

 「俺は、軍隊が好きだし、社会と関わっていたいんだ」

 「この歳で世捨て仙人は嫌だ」

 「あはははは・・・」

 

 

 

 

 

 

 農林水産省

 相場パネルがあって、鉱物採集が進むたびに数値が変動していく、

 マグネシウム 臭素  ヨウ素  アルミニウム   銅   ウラン

 トリウム  銀   水銀   金   メタンハイドレート   海底産物

 この時期、宇宙産業と並んで成長企業なのが海中海底産業だった。

 関係者たち

 「希少金属の価格が落ちてるな」

 「木星のカリストに有人ステーションが行ったのも大きいようだ」

 「外惑星は重金属が少ないはずだけどな」

 「それでも影響は受けるだろう」

 「まぁ 金の総量は16万トン」

 「しかし、海には600万トンが眠ってるし、宇宙は見当もつかない」

 「というより、海底と宇宙で相当な金とプラチナを見つけてる」

 「相場が暴落したら困るから小出しにしてるらしいが」

 「実は、アメリカの保有量を超えてるよね」

 「政府保有は公称10000tだけどね。宇宙開発と海底開発を始めて、倍に増えてるんじゃないかな」

 「だけど、国家より資本家の持分が9割を超えてるけどな」

 「そのへんは、しょうがないだろう」

 「そういえば、新札は?」

 「宗紙幣の生産は進んでるよ。予定通り100分の1デノミから始めるから円幣もしばらくは使える」

 「紙幣って言っても紙じゃないけどな」

 「持っていたら防弾になるって本当か?」

 「防弾にもナイフにも強いんじゃないかな」

 「よくそんなの印刷するな。引っかかったら印刷機が壊れるだろう」

 「いや、色付きを紡いでいくから最後に裁断するだけ」

 「トンデモ技術だな」

 「2001年からだから、国家予算とか、100桁繰り下がって計算が楽になりそうだ」

 

 

 

 反日ギルド朝鮮人本部

 

 アメリカにある国立公文書館に現存する計画書

 朝鮮人たちがシャーマンを呼び寄せ、毎日のように祈祷を捧げていた。

 “信用創造の神FRBよ。日本国民の間に格差を作って憎み合わせ、日本を分割統治させるニダ”

 “成功すれば京都の支配を約束してくれたニダ”

 “日本を占領して、支配するニダ”

 “日本人から全ての利権と紙幣取り上げ、殺し合わせるニダ”

 “日本は滅亡するニダ。日本民族は死ね死ねニダ”

 “日本は滅亡するニダ。日本民族は死ね死ねニダ”

 “日本は滅亡するニダ。日本民族は死ね死ねニダ”

 “日本は滅亡するニダ。日本民族は死ね死ねニダ”

 

 

 資本主義的な利息の付く貸し借りの信用創造制だけでなく、

 民主主義的な権利で国民基礎所得や人頭紙幣発行制度など、

 人本位創造を執る国家に共通するのが持続的な好景気だった。

 一律の分配額が公定歩合を超えた当たりから景気が好転し、自殺者が減少していく、

 規範と人柄が個人の指標となって、拝金主義、利己主義が減退し、犯罪が減少していく、

 分配金が食費を超えた当たりから新興企業が急増し、企業の屋台骨が揺らぎ、

 分配金が生活費を超えるようになると一部で勤労意欲が低下し、

 結婚が増え、出産が右上がりとなり、消費が加速し、離職者と就職独立者の新陳代謝が加速し、

 投資が増大して、成り金が急増し、大企業から課ごと独立する者たちが現れた。

 分配金が生活費を超えると娯楽消費が加速し、

 積極財政から来る統制経済だけでなく、

 国民が消費する紙幣を回収しようとサービス産業が増大し、

 中小企業からも離職者が独立していく、

 次の分水量に至ると、国民全体が投機熱を高め、下克上経済へと突入していく、

 財閥が唯一アドバンテージを発揮し、格差を維持できる産業は、

 大規模資本と巨大産業を必要とする宇宙開発と海底開発のみで、

 夢と希望で離職を思いとどまらせ、歯車の中で就業を維持させることができた。

 

 反日ギルド朝鮮チーム コード名 ムン キン リン は、味方のように振る舞いながら有力者に近づく、

 「これはこれは、大蔵官僚様。今日もいらっしゃいましたニダ」

 「おお、君らも好きだな」

 「ノーパン喫茶は、大好きニダ」

 「ははははは」

 「しかし、最近は、ノーパン喫茶が少なくなったな」

 「こんなのやるの、中国人期間労働者しかいないニダ」

 「そうか・・・寂しくなるな・・・」

 「国民基礎所得をやめたら、日本人娘をノーパン喫茶で働かせることができるニダ」

 「中国人娘より、日本人娘の方がいいニダ」

 「んん・・・逆にマスコミが喧伝して、ノーパン喫茶が廃業に追い込まれそうだからな・・・」

 「それは困るニダ」

 「そう困る困る・・・」

 「イラッシャイマセアル。ドンペリ。オツギシマスアル」

 「おおーー」

 チラチラ チラチラ チラチラ

 「最近は、どうニダ」

 「大きなプロジェクトが進んでるけど紙幣を発行する度に、不人気職の人件費が高騰してる」

 「不人気職で衣食住を確保すると離職する者も多いが、新入社員はもっと多い」

 「彼らが仕事を覚えて、熟練になる頃には衣食住を確保して半分ほど辞めていく」

 「離職者の大半は独立して、既存の企業を脅かす新興企業になってる」

 「まぁ そのせいで天下りがむつかしい」

 「国民基礎所得で日本人は傲慢ニダ」

 「国民基礎所得をやめて、もっと働かせるニダ」

 「まぁ 新陳代謝が減って老害が増えるからな」

 「天下りは産業の潤滑油ニダ。絶対に必要ニダ」

 「衆議院は無知の集まりニダ」

 「まぁ そうだが、あいつらのせいで聖域がうまく作れない」

 「お仕置きしてやるニダ」

 「そうなんだが、なかなか、むつかしいな・・・」

 「それより、国民基礎所得はいけないニダ」

 「勤労意欲がなくなるニダ」

 「あれをなくして、個別にやると細々と天下り先を増やせておいしいニダ」

 「そうなんだよな。割り振りを増やす方が、監査がいい加減になって誤魔化しやすい」

 「そうニダ。そうニダ」

 「しかし、上は・・・・シンプル・イズ・ベストが強いからな」

 「ど、どんな上ニダ」

 「んん・・・それは、ちょっと言えない」

 「そうニカ。国家機密ニダ。お偉いさんニダ」

 「まぁ いろいろ気を遣うからな」

 「それは、いけないニダ。ストレスになるニダ。癌の元ニダ」

 「そうか」

 「ストレスは癌の元ニダ。癌は、とっても怖いニダ」

 「そうか。怖いな」

 「自分なら外国から薬を安く輸入できるよう交渉できるニダ」

 「ほぉ」

 「交渉上手な人と伝手があるニダ。10パーセント引きにする自信があるニダ」

 「それは凄い」

 「先生に5パーセント分をキックバックできるニダ」

 「あはははは」

 「応援するニダ。利権の味方をすれば天下りできるニダ」

 「そ、そうか」

 「それに、某長銀行は、担当者にお金を渡すだけで、10倍の金を借りることができるニダ」

 「お〜」

 「出世したいなら使うニダ」 ひそひそ

 「しかし、それだと、発覚したとき問題なりそうだな」

 「いい方法があるニダ」

 「先生が副業するニダ」

 「副業」

 「商品紹介業ニダ」

 「おお」

 「先生の紹介で必ず買うと某長銀行で買うから手数料が入るニダ」

 「商品は動かないのに。先生の口座に莫大な手数料が入るニダ」

 「莫大な手数料・・・」

 「でも半分は返してもらうニダ」

 「なんだ」

 「そこからニダ」

 「おおー」

 「日本人は、お金持ちの先生のいうことをみんな聞くようになるニダ」

 「おおー」

 「そこで金持ちになる10コツ教材を売るニダ」

 「お金持ちのいうことはみんな信じて買うから、先生は、お金持ちになるニダ」

 「その教材で、本当にお金持ちになるのか」

 「なるわけないニダ。ただの広告でイルミネーションニダ」

 「しかし、5、6人のお金持ちがいて、サクラが10人くらいいたら信じるニダ」

 「おおーー」

 「リベートと地位があれば、もっとたくさん協力できるニダ」

 「「「「あはははははは」」」」

 「「「ウェーハハハハ!!!」」」

  

 

 反日ギルド朝鮮チーム コード名 ムン キン リン は、大蔵官僚との接触に成功し、

 国民基礎所得にダメージ2を与え、在日の地位をレベル3を上げ、レベル36になった。

 反日ギルドから サムゲタンセット が送られてきた。

 「大蔵利権に食い込めたニダ」

 「いまに国民基礎所得をなくしてやるニダ」

 「そのうち、大蔵大臣の弱みを握って、アメリカ国債を買わせてやるニダ」

 「人間不信を煽れば、もっと不正腐敗が増えるニダ」

 「日本人同士が憎み合うニダ」

 「日本人同士殺し合うニダ〜♪」

 「「「ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!!」」」

 「「「ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!!」」」

 「「「ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!!」」」

 反日ギルドから次のクエストが送られてくる。

  1、日本食品に毒を入れる。    2、日本の銀行を襲撃する。

  3、日本人から金を騙し取る。   4、日本人を自殺させる。

  5、日本女性を強姦する。     6、日本人を拉致誘拐する。

  7、日本の文化財を盗む、放火する。

 「「「・・・・・・・」」」

 

 

 

 

  

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 月夜裏 野々香です。

 拝金十戒の元ネタ モーセの十戒

   01 主が唯一の神であること

   02 偶像を作ってはならないこと(偶像崇拝の禁止)

   03 神の名を徒らに取り上げてはならないこと

   04 安息日を守ること

   05 父母を敬うこと

   06 殺人をしてはいけないこと(汝、殺す無かれ)

   07 姦淫をしてはいけないこと

   08 盗んではいけないこと

   09 偽証してはいけないこと(嘘を言ってはならない)

   10 隣人の家をむさぼってはいけないこと

 

 

 

 

 総人口4億4662万人。

  日本・輝夜 (72万ku) 日本・半島  内地人口1億7891万。

 

  海外州人口2億6812万人

   和洋州 (25万ku) 京杭大運河東部域  1億0485万

   日満州 (100万ku) 外満州  1億0485万

   扶桑(カムチャッカ・チュクチ)州 (121万ku) 2228万

   大和(アラスカ)州 (171万7854ku) 2886万

   南洋 (ハワイ、ビスマルク、ソロモン諸島) (10万6461ku) 529万

    フィリピン バターン・コレヒドール島 日本自治 “桃太郎” 区 (1000ku)

    マレーシア ブルネイ 日本自治 “金太郎” 区 (1000ku)

    インドシナ ダナン 日本自治 “舌切雀” 区 (1000ku)

    インドネシア パレンバン 日本自治 “浦島太郎” 区 (1000ku)

    ビルマ ヤンゴン 日本自治 “因幡の白兎” 区 (1000ku)

    シンガポール 日本人自治 “鶴の恩返し” 区 (1000ku)

 

  4200t級宇宙船

   “あけぼの” “はつはる” “あさかぜ” “あかつき”

   “あさつゆ” “ゆきどけ” “はるかぜ” “わかば” 

   “やまかぜ” “しらゆき” “はつゆき” “しらくも”

   “しらつゆ” “むらさめ” “はるさめ” “さみだれ”

 

 

 日本海軍

 第01機動部隊

  38000t級航空巡洋艦 播磨 長門

  36000t級伊勢型航空巡洋艦 伊勢

  12000t級鞍馬型ヘリ巡洋艦 出雲 吾妻 伊吹 生駒 愛宕 青葉

  6000t級綾波型巡洋艦

       綾波 敷波 荒波 浦波 淡雪 灰雪 秋月 葉月 夕雲 巻雲

       雪風 秋風 舞風 雷風 吹雪 初雪 冬月 涼月 朝雲 山雲

  38000t級強襲揚陸艦 相模

 

 

 第02機動部隊

  38000t級航空巡洋艦 薩摩 駿河

  36000t級伊勢型航空巡洋艦 扶桑

  12000t級鞍馬型ヘリ巡洋艦 鞍馬 浅間 八雲 春日 羽黒 白馬

  6000t級綾波型巡洋艦

      藤波 高波 磯波 白波 水雪 玉雪 夏月 照月 天雲 秋雲

      峯風 朝風 灘風 旗風 白雪 春雪 春月 若月 峯雲 白雲

  38000t級強襲揚陸艦 津軽

 

 

 白龍型潜水艦 50隻

   排水量 水上3000t/海中4300t

   全長90m×全幅9m×吃水8.5m

   荷電粒子発電1000馬力〜1500馬力 20基

   水上/海中20000馬力〜30000馬力 30kt〜36kt  航続距離60年

   533mm8管 40本

   乗員65人

  “白龍” “雷龍” “慶龍” “神龍” “剛龍”  “海龍” “陣龍” “蒼龍” “銀龍” “鋼龍”

  “雲龍” “妖龍” “弓龍” “迅龍” “凰龍”  “黒龍” “鎧龍” “零龍” “呑龍” “戦龍”

  “朝潮” “夕潮” “巻潮” “波潮” “赤潮”  “黒潮” “冬潮” “早潮” “夏潮” “磯潮”

  “長波” “巻波” “高波” “藤波” “清波”  “涼波” “早波” “浜波” “朝波” “高波”

  “幽鬼” “鋼鬼” “慶鬼” “蒼鬼” “海鬼”  “凰鬼” “弓鬼” “陣鬼” “彗鬼” “黒鬼”

 

 

 白龍型潜水艦 50隻

   排水量 水上3000t/海中4300t

   全長90m×全幅9m×吃水8.5m

   荷電粒子発電1000馬力〜1500馬力 20基

   水上/海中20000馬力〜30000馬力 30kt〜36kt  航続距離60年

   533mm8管 40本

   乗員65人

  “白龍” “雷龍” “慶龍” “神龍” “剛龍”  “海龍” “陣龍” “蒼龍” “銀龍” “鋼龍”

  “雲龍” “妖龍” “弓龍” “迅龍” “凰龍”  “黒龍” “鎧龍” “零龍” “呑龍” “戦龍”

  “朝潮” “夕潮” “巻潮” “波潮” “赤潮”  “黒潮” “冬潮” “早潮” “夏潮” “磯潮”

  “長波” “巻波” “高波” “藤波” “清波”  “涼波” “早波” “浜波” “朝波” “高波”

  “幽鬼” “鋼鬼” “慶鬼” “蒼鬼” “海鬼”  “凰鬼” “弓鬼” “陣鬼” “彗鬼” “黒鬼”

 

 

 ジェットエンジン

 直径40cm級流星エンジン  直径60cm級彗星エンジン

 直径80cm級蒼星エンジン  直径100cm級紅星エンジン  直径120cm級天星エンジン

 

 “原爆を落とされた人々の世界平和を望む会” 

 広島  賀茂忠行  天光正教  ウリエル  死神ウラン

 長崎  安倍晴明  聖炎主教  サリエル  死神プルト

 

 宇宙開発

   常磐 アムン (Asteroid 3554 Amun) M型 直径2.48km 公転周期350.96日 発見1986年

   浅間 クルースン(Asteroid 3753 Cruithne) Q型 直径5km  公転周期363.99日 発見1986年

   エロス (433 Eros) 34.4km×11.2km×11.2 km S型  公転周期642.4日 発見1898年

   ガニュメート (1036 Ganymed) 31.66km S型  公転周期1587.75日 発見1924年

   八雲 (6178) 1986 DA  M型 直径2.3km 公転周期1719.466日 発見1986年

 

 

 1984年 宇宙ステーション “高天原” → 小惑星エロス 34.4km×11.2km×11.2 km S型 公転周期642.4日

 1986年 宇宙ステーション “アマテラス” → 火星軌道 衛星ダイモス(15.0km×12.0km×11.0km)

 1994年 宇宙ステーション “ツクヨミ” → 小惑星ケレス (直径952.4km) 公転周期1679日(4.6年)

 1995年 宇宙ステーション “スサノオ” → 金星

 

 開発予定

  宇宙ステーション “カグツチ” 木星軌道  カリスト 

  宇宙ステーション “ミカヅチ”  パラス or ベスタ

 

 

  

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第52話 1996年 『宇宙人たちは、地球に構っていられない』
第53話 1997年 『木星軌道 第4衛星カリスト』
第54話 1998年 『くたばれ、信用創造』