仮想戦記 『バトル オブ ゼロ』

著者 文音

 

 第03話 戦間編

 1926年(大正15)二月

 八木宇田アンテナ考案。

 

 霞が関

  「戦車だが、本土とエルサレム信託地では、対応を異なるものにした」

  「なになに、本土では国産戦車開発を許可。エルサレム信託地では、イギリス製の戦車を輸入する」

 「ある意味合理的ですね」

 「生産地に近いところで調達するのは一理ある」

 

 エルサレム 嘆きの壁前交番

 「お巡りさん、岩のドームに行くにはどうすればいいのでしょうか?」

 「メモ用紙に書いてあげますから。このメモ用紙の地図どおりにどうぞ」

 「ダンケ、シェーン」

 「ほとんど、観光地の案内人だな」

 「さっきの女性、観光客とみるか、それとも地元民とみるか?」

 「俺の勘だと観光客だ」

 「俺は、観光客をよそおった独逸系住人だと思う。賃貸地ではユダヤ人は主人公だ。しかし、公共地に来ると少数派だと認識している。そのため、観光客をよそおって安全を確保しているんだが彼女もその一人だと思うよ」

 「公共地の多数派がパレスチナ人でも、観光客はパレスチナ人の重要な収入源だ。それを踏まえたうえで俺は観光客だと思ったんだがな」

 「お巡りさん、旅券の落とし物」

 「ありがとう、坊主」

 「あ、さっきの女性だ。ルール地方在住の観光客だな」

 「ふふ、俺の勝ち」

 「ま、住み分けでドンパチしてくれなきゃそれでいいさ」

 

 同年九月

 国際連盟に独逸が加盟。

 

 1927年(昭和2)八月

 ジュネーブ海軍軍縮会議決裂

 「巡洋艦にも戦艦と同様、各国比率を制定しなければならない」

 「そんなことはない」

 「おい、米英も軍縮会議の方向性でけんかしてどうなる。仕切り直しだな」

 

 イギリス メードストン

 「できた。お持ち帰り用のラーメンが」

 「えらく小さくないか」

 「それがないんだ。イギリスには丼がない。それの代用となる陶器を探し回ったところ、マグカップを使うことにした。紅茶を飲む容器ならどの家庭にもある」

 「しかし、腹が膨れないぞ。一食の半分にもならない」

 「六個まとめて販売するつもりだ。男なら六個まとめて食べれば二食分だ」

 「まずは食べてみよう。ラーメンを入れたマグカップにお湯を注いで三分待つ」

 「これはこれでうまい。俺は一食に四個だ。店に来て食べる者との差別化もできる」

 「早速、おみあげコーナーに並べよう」

 「商品名はどうするんだ?」

 「マグヌードルでいこうと思ってる。目指せ、世界の合言葉、マグヌードル」

 「さっそく、工場を立ち上げろ」

 

 同年 十一月

 「大臣、イギリスのメードストンから現物込みで報告が上がってきております」

 「どんな内容かね」

 「こちらは事前に三分前にお湯を注いだものです。どうぞ、試食を」

 「これはうまい。統合本部にも送ってやれ。軍隊の携行食にも使えるだろう」

 「これを発明したのは日本人か?」

 「はい。イギリスの日本人街でラーメンを調理していた親子が世界特許を取りました」

 「確かに、画期的な発明だ」

 「続きがございます。世界特許の適用該当国から日本を外すものとしております」

 「それは、無条件に日本で生産できるということか?」

 「はい、公務の最中であるから、日本の国益としてお役に立ちたいそうです」

 「すぐさま、意欲ある食品会社を公募しろ。生糸に匹敵する産業になる可能性がある」

 

 1928年(昭和3)二月

 最初の普通選挙。

 関門鉄道トンネル開通。

 中国内戦深刻化。南京政府、北京政府、共産党の三つ巴。

 

 「日本の三八銃をあるだけもってくるアル。タングステン、ニッケル、水銀、望み通りの鉱石と交換アル」

 「もちろんです。増産させましょう」

 「例のあれも頼む。人心掌握にこれほど役に立つものはないアル」

 「わかりました、優先的に中国に輸出させていただきます。合言葉は、世界の言葉、マグヌードルでよろしいですか」

 「よくわかってるアル」

 

 「しかし、戦争当事者になりたくはないな」

 「傍観者でいるためだ。明日も買い手のところまで持っていかないといけない」

 「俺たちでも最終勝者が誰だかわからない」

 「けれど、小麦と植物油でできたものでこんなに外貨を稼いでいいのか?」

 「それがな、詳しいことはわからないんだが、大豆で世界的な発見につながったらしい。これもメードストンがらみだ」

 「ほう」

 

 イギリス メードストン

 「おら達、農民にはよくわからないけども、農場の先生たちが騒いでいたよ。『なんでこのへんの農地は、輪作して土地がやせないんだ』」

 「『大豆のおかげでないかや。大豆を作付すると地力が回復するだがや』といってやったら、先生たち偉く張り切って大豆を手に入れてただ」

 「何かわかるかもしれねーだ。楽しみだがや」

 

 ソビエトの五カ年計画始まる。

 

 1929年(昭和4)九月

 弾丸列車、東京新大阪間で開通。新幹線と名付ける。

 「大阪駅は乗りいれられなかったか?」

 「震災を受けていなかったし、私鉄が入り組んでて立体交差は難しいと判断した」

 「梅田(阪急の駅、国鉄大阪駅に隣接)十三(阪急の駅、梅田のすぐ北)間で複々線化してるんだ。これをまたぐのは難しい。地下を掘るのも海都大阪では技術的に困難だ」

 

 「父ちゃん、大阪まで何時間?」

 「四時間だ。しかもこの広さはどうだ?」

 「広いね、しかも揺れない。音も静か」

 「悪いが窓は開かないんだ。高速で走ってるために、窓を開けると大惨事になってしまう」

 「うん、それだけ速いんだね」

 「広軌規格で走ってるからね。しかも先頭の列車の中で電気モーターを回しているんだ。これは、客車だけど、貨物をけん引する列車もあるんだ」

 「父ちゃん、あれ買って」

 「おまえは、本当にあれが好きだな」

 「売り子さん、マグヌードル一袋」

 「はい、こちらで食べられますか?」

 「うん」

 「紙コップに注いで三分お待ちください」

 「まあ、俺もひとのことはいえない。マグヌードル生産工場に勤めていなかったら、この列車にも乗れなかっただろう」

 「父ちゃん、おいしいね」

 

同年十月

ブラックサーズデイ。ニューヨーク発世界恐慌。

 

 同年十一月

 御前会議

 「俵大臣、アメリカでの大恐慌が日本に及ぼす影響を述べてくれたまえ」

 「世界的に輸出が停滞するものと思われます。特にアメリカ向けの生糸は大幅に縮小するかと」

 「生糸を生産してる会社のみならず、蚕を養蚕している農家にも手取りが大幅に縮小するか」

 「手立てはないのかね?」

 「金本位制の廃止等が考えられますが、農家は大豆や小麦で収入を得ることができるのではないでしょうか?」

 「その根拠は?」

 「今年のマグラーメンの輸出金額は、生糸を上回りました。その工場に勤めている者のみならず、それに必要な資材、小麦粉、大豆油及び卵等の生産農家もその恩恵にあずかっております。いまだ、マグラーメンの生産が需要に追いついておりません。この輸出は食料品ですので不況の影響を受けにくい商品です。今のところ、マグラーメンで外貨を稼いでいられるうちは、あえて何もしないのも一つの手だと思われます」

(((ほっ)))

 「朕からもう一つ。イギリスが日本をブロック経済からはじき出さないそうだ。イギリス連邦との取引も安定が望める。ただし、バーター取引だ。その代り、エジプト領とエルサレムを鉄道で結んでほしいそうだ」

 「早速、その検討に入りましょう」

 

 1930年(昭和5)一月

 日本陸海空軍の燃料規格を海軍規格に統一。

 ロンドン海軍軍縮会議。

 おおむね補助艦隊で米英日比率 10:10:7

 

 ペンタゴン(使用開始は1943年からです。通称として使っています)

 「中将、今、軍艦を建造する時期でないのはわかります。しかし、それならせめて、携帯食の充実を要求いたします」

 「具体的には?」

 「携帯食に変更をしていただき項目はこうです。紅茶に替わりマグヌードルを」

 「うーーん。あれは英国か日本しか製造していないからな。少し難しい」

 「わかりました、ではこれから、我々はこの要求を監査部門に請求いたします。中将は、会議そっちのけで、マグヌードルを買い占めてきたことと併せて」

 「わかった、わかった。私の一存でできる限りのことをする。それは勘弁してくれ」

 

 霞が関

 「今、大きな戦艦とか航空母艦を建造するわけにはいかない」

 「国民の理解が得られないしな。今のところ、鳳翔と龍驤で着艦と発艦練習をしてるよ」

 「国民は、大恐慌の影響が去るまで航空母艦の建造を認めてくれないだろうな」

 

 同年六月

 イギリス メードストン

 「おい、これは何という品種かな?」

 「この試験場で品種登録に向け試験栽培している小麦十号といいます」

 「この背の高さはどうだ。何という低さ。もう完成していないのか?」

 「それが湿気に弱く病気にかかりやすいため、日本本土では期待されていません。そのため湿気の少ない地方での栽培を考えた上で、試験的にここで栽培しています。報告によりますと、多肥料栽培しても多収で倒れにくいとのことです」

 「我々が探していた品種はこれだ。すぐさま、これと交配雑種をすべき品種を探し出し、さらなる収穫増をさせる。君、これが品種登録する前だがケント州で広く栽培できないかい?」

 「そう言われるなら、収穫できた種を種もみに栽培させていただきます」

 

 1931年(昭和6)九月

 「第二回、エルサレム信託地の入札結果だが、所有者変更したのは5%だ」

 「ただし、競争倍率が第一回の二倍になっている」

 「ほとんどの土地で上限の一割増し入札になってしまったが、賃貸者が拒否権を発動したため賃貸権の移動が起こらなかったのが実情だ」

 「落札できなかったユダヤ人は、公共地に移植して旅券を申請するか、デビアスに雇用されて従業員となるかの二つだ」

 「前者は、独逸からの移民が多い。後者は、ソビエトからの入国者だ」

 

 1932年(昭和7)八月

 ナチス、総選挙で圧勝

 

 1933年(昭和8)三月

 アメリカでルーズベルト大統領誕生。ニューディール政策始まる。

 

 同年十月

 ドイツが国際連盟より脱退を表明。

 

 霞が関

 「やばいな。欧州で独逸の手綱が離れた」

 「陛下より、有事が起こりそうな所に赴任させるべき人事を預かってる。今開封する」

 「チョキ、チョキ」

 「あの満鉄を買い上げた男だ。すぐさま、人事を発表する」

 

 杉原千畝、大使としてスイスに赴任。

 

 1934年(昭和9)一月

 独逸ポーランド不可侵条約締結。

 

 同年八月

 独逸でヒットラーが大統領と首相を兼任。

 

 同年九月

 ソビエトが国際連盟に加盟。

 

 同年九月

 中国共産党、長征をはじめる。

 

 同年十二月

 第二次エチオピア戦争の前哨戦(ワルワル事件)が始まる。

 

 霞が関

 「我々は、エチオピア紛争に介入しないのかね?」

 「しかし世界世論がイタリアに好意的でね。それにイタリア軍と戦争をするには空母が必要と模擬戦の結果、でた」

 「それにエチオピアに介入した場合、独逸とイタリアの二つを相手にしないといけない可能背が出てきてね。今回は、英国に習えとなった」

 「英国がイタリアと陸続きになるのか。我々とは接していないからな」

 「海軍に言わせれば、紅海の安全が確保できないといわれたがね」

 「これは、第二次ロンドン軍縮会議でもめそうだ」

 

 

 1935年(昭和10)三月

 ナチス独逸がヴェルサイユ条約を破棄し、再軍備を開始する

 

 同年六月

 英独海軍協定

 「独逸の軍拡に英国もお墨付きか」

 

 同年九月

 独逸においてニュルンベルク法成立

 「ドイツでユダヤ人の人権侵害が始まるか」

 「アメリカは独逸と仲が悪くなったな。在米ユダヤ人がロビー活動をして、米独間に緊張をもたらすだろう」

 

 新幹線東京博多間開通

 「なんとか、東海道山陽線がパンクする前に間に合ったな」

 「東京博多間を八時間か。悪くないな」

 「関門トンネルを掘っていて正解だったよ。神戸より西で直線を確保するのが何と難しいことやら」

 「貨物で事故が起こらないのを願うだけだ。トンネル内の事故だと復旧に数日かかる」

 

 同年十月

 第二次エチオピア戦争勃発。イタリアがエチオピアに侵攻。

 ナチス独逸が国際連盟より脱退。

 

 同年十二月

 第二次ロンドン軍縮会議

 「進展しないな」

 「軍縮会議の最中に戦争をしてる場合、軍縮会議を無視してるとしかいいようがない」

 「日本への要求は、戦艦二隻の廃棄だがこの要求を飲むにはエチオピア沿岸の紅海が安全であるのが最低条件だ」

 「議長国として、英伊国境を緊張させるための会議か、イタリアのエチオピア進攻を承認するための会議か?そう、議会で突き上げられたらもたない」

 「付帯条項で議長国のメンツを保つしかないか」

 「イタリアは侵略行為で孤立するだろう」

 軍縮事項の破棄条件

 条約締結国が戦争に突入した場合、今回の軍縮要綱を破棄できるものとする(イタリアとエチオピアが戦争中につき、軍縮要綱が消失する)

 

 杉原千畝報告書

 独逸は再軍備を始めましたが、第一次戦勝国の英仏はこれを武力で抑え込もうとしていません。ナチス独逸は、これを見越したかのようにかつての独逸領土に攻勢をかける可能性があります。独逸ばかりではありません。ファシズムが国を支配している国は他にもあり、エルサレム信託地と地中海を隔てて対峙しているイタリアもその一つです。独伊両国は互いに連携しあう場合があり得ます。日本といたしましては独逸を英国に任せ、地中海の制海権並びに制空権をイタリアと争うのがごく自然な流れとなるでしょう。

 

 御前会議

 「我が国の海軍力は、30kt戦艦(41cm砲)八隻。紀伊、尾張、長門、陸奥、金剛、比叡、榛名、霧島」

 「重巡洋艦として妙高型が八隻」

 「ここまでは各国と戦えるのですが、航空母艦が鳳翔、龍驤の軽空母二隻しかございません。つきましては、正規空母を四隻建造することでイタリアと対峙するだけの能力を得たいと思います」

 「諾」

 「今回建造する空母の型は蒼龍型とし、それぞれ艦名を翔鶴、瑞鶴、蒼龍、飛龍と名付けたく思います」

 「なんだかんだといっても、第一回ロンドン軍縮会議を順守してるね」

戦艦八隻。空母八万トン。重巡洋艦八万トン。

 

 1936年(昭和11)一月

 独逸がラインラントに進駐。

 「国際連盟でこれに反対したのは、ソビエトだけか」

 

 同年七月

 スペイン内戦始まる

 「ファシズムと共産勢力の代理戦争か」

 「どちらも戦訓を得るいい機会だと思ってるのか」

 「戦車と爆撃機の開発が進みそうだ」

 

 同年八月

 ベルリンオリンピック開催。

 「このタイミングで独逸か」

 「二月のガルミッシュパルテンキルフェンとあわせて、ヒットラーは夏季冬季オリンピックを開催か」

 「演説だけはうまいな」

 「戦争のためのオリンピックと言われそうだがな」

 「しかし、映像記録オリンピックといえるな。独逸の国威掲揚が画面狭しとテンコ盛りだ」

 「初の聖火リレーだが、独逸の進攻順路調査も兼ねていそうだな」

 「これを見た日本は次の東京オリンピックでどうするか悩みそうだ」

 「ひとつよかったのは、ユダヤ人が活動家も含めて多数独逸を逃れる機会を得たことかな」

 

 1937年(昭和12)十二月

 イタリアが国際連盟より脱退。

 

 1938年(昭和13)三月

 独逸がオーストリアを併合

 

 同年九月

 独逸がチェコスロバキアからズデーテン地方を割譲。

 

 同年十一月

 独逸でユダヤ人の迫害開始。

 

 1939年(昭和14)二月

 英仏がスペインのフランコ政権を承認。

 正規空母、翔鶴、瑞鶴、蒼龍、飛龍竣工。

 

 同年三月

 独逸がチェコスロバキア、リトアニアのメーテルを併合。

 以降、独逸周辺国で国際連盟脱退が続く。

 

 同年四月

 イタリアがアルバニアに進攻。

 

 同年八月

 独ソ不可侵条約締結。

 

 同年九月

 独逸、スロバキアがポーランド侵攻。九月一日を持って第二次世界大戦始まる。

 イタリア、米国は中立を表明。

 日本、フランス、英国連邦国家で独逸に宣戦布告があいつぐ。

 ソビエトがポーランドに進攻。独逸とソビエトによるポーランド分割占領の後、独ソ友好条約調印。

 

 杉原千畝報告

 「ドイツは戦車と爆撃機の連係作戦でこれが通用する国々に戦争を仕掛けるでしょう。単純にいえば、陸路が続く地域で戦争を継続する能力があります。独逸の海軍力は、潜水艦を除くと英国にはるかに及びません。海戦を独逸はしかけないでしょう。潜水艦を通商破壊に用いて英国を追い込むはずです。我が国は独逸とは対照的な戦力構成となっております。世界で三指に入る海軍力、独逸に匹敵する空軍力。しかし、独逸はスペイン内戦で戦訓を得ました。このことが独逸を日本から一番引き離しました。陸軍大国である独逸の戦車に対抗するのは容易ではありません。陸海空が全てそろう地形がない限り、これに対抗するのは難しいでしょう。端的にいえば、巡洋艦の砲台級くらいの火力がないと独逸との陸戦ではできるだけ回避すべきです。

 このドイツに対抗する手段を最初に考えましたところ、現代の兵糧攻めである石油の枯渇です。ルーマニアの石油さえなくなれば、二年ほどで石油が枯渇するのではないかと予測しましたが、さすがヒットラーです。国内にある石炭を人造石油に変換する装置に莫大な投資を行い、ほぼ独逸が必要な数量を確保しています。

 つきましては、人的資源の枯渇を狙うのが最初の上策と思われます。独逸が戦線拡大をしたときに古参兵を一網打尽にする。特に飛行機乗りは古参兵を育てるのが難しい職です。第一段階として日本の古参を育てる場でもあります。第一弾は、日本の戦訓を得る場にすべきです。実は、英国は戦時体制に入って間がなく、陸空戦力が整うのは少し時間がかかるのも理由の一つです。

 イタリアが当初中立を表明しましたが、もし独逸側に参戦するのでしたら、こちらを相手に戦訓を得る場にすべきです。それまで戦艦空母は日本本国にとどめてもよろしいと思います。独逸海軍であれば、その相手は英国海軍にしてもらえるはずですから。

 長期的には、軍事資金、科学者を調達する手段といたしまして日露戦争の出来事を繰り返したいと思います。フランスが存在する限りスイスとエルサレムをつなぐ空路を用意しておきます。スイスのレマン湖に飛行艇を浮かべます。陸続きのスイスにユダヤ人が亡命してきますと飛行艇にてエルサレム信託地に輸送する。彼らは知識と諜報能力、そして国際世論及び金融基地を日本にもたらすことができるでしょう。

 

 

 

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第02話 震災編
第03話 戦間編
第04話 ゼロ戦の戦い編