手術のなが〜い1日・その3〜手術後〜


どのくらい経っていたのだろう。病室へ運ばれていくと主人と両親の安心したような顔があった。
「お疲れ様、よく頑張ったね。」「よかった〜」そんな声が聞こえたかに思うが、まだ頭がボーっとしていったのでよく覚えていない。
酸素マスクをつけたまま、主人と少し会話をした。
  私:「いま何時?」
  夫:「5時少しすぎたところ。」
  私:「ええっ?5時??じゃあ3時間もかかってたの?」
  夫:「予定より長かったから、少し心配した。」
そこへDr(お)が来て手術の説明。例のごとく摘出した子宮を見せてくれたのだが、今回はまだ意識がはっきりしていなかったので、私は見ることをあきらめた。
病室の外にいた両親の所へ、主人が説明しに行く。そのあと、両親が病室へ入ってきた。
「ひとまず安心したので、台風も近づいてるし今日は帰るね。ムリせずゆっくり休みなさい。」相変わらず父は病室の外からのぞく感じだった。手術室に運ばれる前もそうだったのだが、酸素マスクを付けた痛々しい娘の姿をまともに見られなかったそうだ。ホントにスミマセン・・・
こんな天候の日に手術だなんて・・・親不孝な娘です。手術も終わったことだし、気をつけて帰ってね。

両親が帰った後、主人に外の様子を聞く。外はかなり雨風が強くなってきているらしい。主人にも帰ることを促したが、もう少し居てくれるという。そのあと、とくに会話をしたようには思わないのだが、お互いに眠そうな姿を気遣っていたように思う。そりゃお疲れだよね。ごめんね。心配かけて・・・。

1時間もたっただろうか、主人が帰っていった。自宅は病院から電車で2駅、駅から徒歩10分ぐらいのところなのだが、このとき台風が通過中ということで駅に着いて傘をさそうと広げた瞬間、逆さになり使い物にならず、10分の距離をずぶ濡れで飛ばされそうになりながら、20分ぐらいかかって家にたどり着いたと後日聞いた。きゃああああああ!ほんとにごめんなさああああい。

術後とくに痛みはなかったが、ときたま吐き気に悩まされる。実際吐くことはなかったのだが、夜中に何度目覚めたか。点滴の交換やドレンチェックなどで、数時間おきにNsが様子を見に来るが、そのたび訴えていたように思う。やっぱり、Nsは天使だあ。

<2004年10月21日(木) 術後1日目>

特に痛みを感じることもなく、朝6時ごろ目覚めたと思う。まだ水分が飲めないので、口が渇く。うがいの水を持ってきてくれたので、口をすすぐ。そして、また眠りについた。

手術のときに気管内挿管を行ったので、痰の排出をうながす意味で「吸入」というものをおこなった。
薬を蒸気にして吸い込むのだが、ソレをおこなうと、気管が潤うのかせきがよく出る。痰を出そうと必死なのだが、なかなか痰が切れない。1度目の入院のとき、向かいのベッドの人が苦しんでいたまさしくその状態!同室のみなさん、ご迷惑おかけします。でもやったことのある人じゃないとわからないよね、この苦しみ!

夕方近くにNsが体を拭きに来てくれた。拭き終わってNsが「あれっ?チューブが外れてる!!」えっ何?何があったの?少し心配になる。どうやら、何かの拍子に背中の硬膜外麻酔のチューブがはずれたらしい。え〜っ!それってどういうこと?どうなるの?麻酔がなくなり痛くなっちゃうの??
Drを呼びにいってたNsが戻ってくる。「もうすぐ先生がくるので、ちょっと待っててね。でも入れなおすことができないので麻酔なしになるけどいいかな?」イイって、なかったら痛みが強くなるんじゃないの?やだよ〜痛いのは・・・。しばらくして、Dr(え)が来る。やはり入れなおすことはできないらしい。残っている器具もはずされた。背中がすっきりするのはうれしいが、痛いのはかんべんしてよ〜。
「痛くなったらすぐ呼んでね。痛み止めっていう方法もあるし・・・」どうか痛くなりませんように・・・