第2章 7:
「ジャンプのパズル」



  早速、船頭に話しかけると「4人なら40Gだ。」と言うので、勇者は40Gを払い、
 久し振りに船に乗ることになりました。
  「何や、値引きも効かんのかいな・・・ 」とモンクがブツブツ言っている間に船は‘オ
 スヤコディの洞窟’がある島へ到着しました。「たったこれっぽっちの距離で40Gも
 払わされるんかいな・・・ ボッタクリやで。」まだ不満のようです。
  いつまでも40Gに拘っている訳にも行きませんので、勇者は3人を引き連れてパー
 ティーとしては初めてのダンジョンになる洞窟へ入って行きました。
  洞窟に入り、先ず目に入ったのは荒れ果てた壁や汚れきった床でした。「まさか、こ
 こまで酷いとは・・・ 欲というものはこれほど心を荒ませるのですね。」僧侶が眉を顰め
 ながら言いました。確かに、整然とレンガが並んでいた壁はあちこちが剥がされ、まる
 で誰かが磨いているんじゃないかとさえ思えた床は、正体のよく判らない液体が無数に
 飛び散ってこびり付き、その姿は以前とはあまりにかけ離れていました。
  早速、モンスターが出て来たようです。『ルッキー』と『首なし棍棒』が2匹ずつで
 した。ルッキーの皿回しで戦士が目を廻しましたが、勿論、バトルはあっと言う間に終
 わりました。戦士は決めゼリフを言い損ないました。
  勇者は洞窟の中を進みながらディコスの姿を探していました。かと言って別段「会い
 たい」と思っていた訳ではなく、「あいつがいたら宝も近くにあるんだろうな」と思っ
 ていただけでした。
  「おや? 採掘ポイントがありまっせ・・・ 」モンクの言葉に皆が一斉にモンクと同じ
 方向を見ました。洞窟が荒らされたお陰で、以前は隠されていた自然の壁が現れ、そこ
 に採掘ポイントが現れたのです。早速、近付いて僧侶(鍛冶師)が採掘しました。しか
 し、残念ながら何も掘れませんでした。
  「何や、冷やかしかいな・・・ ボッタクられるは、冷やかしに会うは、全くおもろない
 トコやで、ココは・・・ 」 モンクの機嫌がまた少し悪くなりました。

  さて、特段迷うことも無く、洞窟に入って最初の階段を下りました。地下1階へ移動
 です。そこは下の図のようになっていました。左の奥に宝箱があり、その向こうに、ま
 た下り階段がありました。
  僧侶が要領を掴んだようです。「なるほど・・・ ジャンプ(L)を使って、先ずは★ま
 で進み、水を流す列を決めたら次に☆を踏んで水を流し、宝箱までジャンプ(L)を使
 って進んで行く・・・ こういうことですね。」
  「相変わらず僧侶殿は、こういう頭を使う場所では頼りになりまする。」決めゼリフ
 を言い損ねてからずっと黙っていた戦士が、久し振りに口を開きました。
  どうやら真剣に進み方を考えていたのは僧侶だけで、あとの3人はすっかり僧侶に任
 せっきりで、それぞれ別のことを考えていました。
  「ディコスはココにも居ないのか・・・ この洞窟はどこまで続いているんだろう」
  「拙者の敏捷度がもう少し高ければ、つまらぬ技で惑わされる前にこの‘妖刀’村正
 で叩き切ってくれたものを・・・ まだ修行が足らぬということか、無念でござる」
  「40G言うたら、普通デリナダからカラまでの運賃ちゃうか・・・ あの船頭、商売敵
 がおらんことをええことに好き勝手しよるわ、ホンマ腹立つ・・・ それに何や、記念すべ
 き‘オスヤコディの洞窟’第1号の採掘やぞ、ミスリル鉱くらい出したらんかい・・・ 」
  「はい、判りましたよ。私の言う通りに進んで下さい。」どうやら僧侶が解いたよう
 です。「1箇所だけちょっと苦しみましたけどね。」
  ともあれ、ジャンプ(L)が使えるのは勇者だけですから、勇者は慎重に僧侶の言う
 通りに進みました。「はい、ではコチラを向いてジャンプ」「今度はそちらを向いて○
 歩進んで・・・ あっ!」 勇者が思いっきり方向を間違えてしまい、4人は落とし穴に落
 ちてしまいました。落ちた先の部屋に魔方陣が描いてあり、その中央に立つとスタート
 地点に強制ワープで戻されました。やり直しです。
  実はこの後、4人は5回落とし穴に落ちたのですが、4回は勇者が歩数を間違え、も
 う1回はやはり勇者が右と左を間違えたからでした。さすがに最初から数えて7回もス
 タート地点に立つと、勇者は少し悲しくなりました。
  悪戦苦闘の末、7回目の挑戦で勇者たちは宝箱の前に来ることが出来ました。勇者は
‘オスヤコディの鍵’を手に入れてその先の階段を下りました。


 ABCDEFGH
_________________
|  ○○○ ○○ ○ ○    |
|宝   ■○ ○   ○ ■○■| ○ → 池
|  ○   ○○○○○○炎○ ○|
|○○■炎○ ○○ ○ ○○ ○ | ■ → 落とし穴
|○○  炎 ■○ ○■○○■○ |
| ○ ○ ○○○ ■ ○   ○| 炎 → 炎
|○  ○○○ ○ ○○炎○○○ |
| ○○■○ ■○ ○○ 炎 ○○| ★ → 列を選ぶ
| ■炎     ○ ☆  ■○ |     (踏む毎にA→Hへ1列ずつ移動する)
| ○○  ○○○ ○○○○○  | ☆ → 選んだ列に水を流す
|○ ○炎○ ■○ ■○○  ■ |     (その列はすべて池になる)
| ○○ ○○ ○ ○■  炎 ○| 勇 → スタート地点
| 炎  ■ ○○ ○ ○■○  |
|○○○○ ○ ○ ○○ ○○ ○| 宝 → 宝箱
|    ○■○○ ○■ ○ ★○|
|_○○○__○○勇○_○○___| 何もない所は普通に通れます。
         ↑

 ヒント:1.炎はジャンプで飛び越せません。池は跳び越せます。
     2.落とし穴の隣に立ち、落とし穴の方を向くと落とし穴に落ちてしまいます。
     3.池の隣に立ち、池のほうを向くことはできます。
 
                                    つづく



※ このパズルがもしゲーム上であったら・・・という仮定を元に、
  フィールドを再現してみました(問題があれば言ってください;
  改めて、このパズルのスゴさを感じます(^^;
ジャンプのパズル(リメイクフィールド版)

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