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「イリヤの空、UFOの夏」舞台探訪〜帝都線市川大門駅 編〜
「イリヤの空、UFOの夏」第1〜3巻 秋山瑞人 電撃文庫 この物語の舞台は、「園原市」である。この園原市がどこにあるのかは謎につつまれているが、作品中にいくつかのヒントが存在する。 そのうちの一つが、第1巻P43にある、「この頃、水前寺(と浅羽)は幽霊が出ると噂の帝都線市川大門駅女子トイレを夜中に潜入取材して110番され、先生にめちゃくちゃ怒られた」という箇所である。 市川大門駅をネットで調べてみると、該当する駅は全国にただ一つだけ存在する。山梨県西八代郡市川三郷町(旧:市川大門町)にある、JR身延線市川大門駅がそれである。 他にも作品中に登場する園原学園(主人公の通う園原中学とは無関係?)が山梨学院大を臭わせる記述もあり、作者の秋山氏が山梨県出身であることからしても、園原市のモデルが甲府盆地内というのはほぼ確実とみて良いだろう。 「つまんねーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」 「うわっ、水前寺さん!」 原稿を書いていたら、どこからか、園原電波新聞部部長の水前寺の声が響き渡った。 「応答せよ、USO特派員! まさか現場を取材しないでネット検索で記事をすませようとしておるのではあるまいな?!」 「えっと、その通りですが‥」 「園原電波新聞部の特派員たるものが、自分の足で取材しないとは嘆かわしいではないか!」 「いや、っていうか私、特派員になった覚えがないんですが…」 ちゃららーん、ちゃららーん。 「はっ、どこからか『スパイ大作戦』のテーマがっ?!」 「USO特派員、今日の任務は『市川大門駅女子トイレ』の取材だ」 「って言われても、私、特派員じゃないし…」 「『最優先事項』だ」 水前寺部長の声が重々しく告げた。 「・・・『最優先事項』、…ですか?」 「そうだ」 …なら、仕方がないよな。だって、『最優先事項』だし…。 こうして、なぜか突然、園原電波新聞部特派員となった私は、JR身延線市川大門駅へと取材に向かうことになったのだった。 山梨県に向かう車の中で、私はふと気がついた。 「ところで、『水前寺部長の声』って、どんなだったっけ?」 そんなことを考えているうちに、着きましたよ、JR身延線市川大門駅。
なんでも、市川大門町は甲斐源氏発祥の地だそうで、和紙と花火の産地として有名だそうです。 …それでも、やっぱり何で駅がこんな形をしているんだかサッパリわかりませんが。
駅の入り口には、「市川大門町下地区公民館」と書かれてあり、驚くべきことに地方自治体の施設である公民館と企業であるJRの駅が一体になっているようです。維持費の分担とかどうなっているんでしょうか? 他人事ながらちょっと気がかりです。 さて、それでは本日の取材のメイン・イベントである女子トイレの取材を・・・ …いや、マテ>オレ 女子トイレに入る? …しかも、デジカメを持って? ・・・それって、よく考えると、犯罪じゃないのか? ・・・いや、よく考えなくても、犯罪だと思うが? この場合、目的はトイレそのものであって余計な利用者に用は無いのだが、もし見つかって「通報シマスタ!」されて事情聴取に至った場合、事情を理解してもらえるとはとうてい思えない。 そしたら、このデジカメのデータも没収されて、この企画もボツになってしまうし…。 ・・・いや、まて、小説中で警察に捕まった水前寺部長はどうしたか? フィルムだけは隠して持ち出したのではなかったか? どこに隠してたかと問われて答えた部長いわく、『ケツの穴だっ!!』。 な、なるほど、わかりました部長! イザとなったら、このCF(コンパクト・フラッシュ)を… ・・・いや、無理です。 CFはサイズ的に無理があります>水前寺部長 悩んだ末に、今回は合法的な取材にとどめることにしました。
このドアの中にさらにドアが2つあって、向かって右側に女子トイレ、左側に男子トイレがあります。 残念ながら、幽霊が出るかどうかは確認出来ませんでしたが。 こうして、ジャーナリストとしての責務を曲がりなりにもまっとうして、私は帝都線市川大門駅を後にしたのだった。 さて、ところで、「イリヤの空」第1巻P267に、「帝都八幡区上代3の65の2で−(以下略)」という記述があります。「八幡」そのものズバリの地名は見つからなかったのですが、山梨県甲斐市(旧:中巨摩郡竜王町)に、上八幡,中八幡,下八幡,西八幡、といった地区があります。 帰り道ついでに取材して来たのが、コレです↓
「ちわー、取材から戻って来ましたーっ」 部屋に帰ると、またしてもどこからともなく、水前寺部長の声が響き渡った。 「何の取材だね? USO特派員?」 「えっ? そりゃ『市川大門駅トイレ』の取材に決まってるじゃないですか」 「…そりゃ一体、何のためだね?」 「えっと、だから『イリヤの空、UFOの夏』の園原市のモデルを取材に‥」 「応答せよ、USO特派員!! 君はまだそんなことをしているのかね?!」 からりっ。 「おっくれてるぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」 からりっ、とっ。 「USO特派員、11月2日は、何の日か知ってるかね?」 「えっ、11月2日ですか? えーっと、UFOの日は6月24日だし…、だいいち、それってもうあと1週間も無いじゃないですか」 「…11月2日は、全世界的に、『AIRの舞台を探しに行く日』、だ」 「・・・・・・」 そんなわけで、来週は若狭湾に行くらしいです。
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