「イリヤの空、UFOの夏」舞台探訪

〜「鉄人屋」発見編〜



舞台探訪者の心得
 ・探訪先では、地元の人の迷惑にならないように行動する。
 ・観光地でない場所や公共施設でない場所への探訪,撮影には十分注意する。
 ・探訪者の多い場所での行動は控えめに。


 この旅行記は、'02.12.28の冬コミで発行された「イリヤの空…」の同人誌の記事を再編集して掲載したものです。

 去る11月30日(土)、我々は「園原市」のモデルを探して、甲府盆地へと出かけた。
 メンバーは、私とKIZ氏、SUGI氏の物好き3人組。いずれも「目的のためなら手段を選ばない」ことにかけては水前寺部長にも勝るとも劣らない、心強いメンバーである(?)
 作品の舞台である「園原市」が甲府盆地内をモデルとしていることは確実であるが、すると、もしかして園原中のモデルとなった学校もあるのではないだろうか?
 ここで作品中、第3巻P117の記述から、学校は川の西側1kmの地点にあり、そして川の東側の「川向こう」には商業地区があることが読みとれる。
 甲府盆地内を流れる富士川において、川の東側に商業地区らしい物があるのは竜王町西八幡のあたりだけである。
 そう考えた我々がやって来たのは、竜王町西八幡付近の富士川にかかる橋である。

富士川の標識
富士川(釜無川)の標識

 富士川は、笛吹川と合流する前は特に「釜無川」と呼ばれており、作品に登場する「釜藤川」は、“釜”無川+“富士”川=「釜藤川」ともじったのだと推定出来る。
 この写真を撮った背後に「釜無川スポーツ公園」があり、もしかすると第1巻のはじめに出て来た、浅羽が行水した「なんとか記念スポーツ公園」のモデルかもしれない、と後になってから気がついたのだが、後の祭りで写真は撮っていない。
 えっ? 標識の横に何かが写っているような気がする?
 そ、それは(^^;、「川と橋と言えば○乃だよね〜」と持ってきた某ゲームの人形をつるして写真を撮って、信号待ちの車の列に変な目で見られた、なんて事は口が裂けても言えません(^^;
(この標識は富士川にかかる橋にはたいていあるので、恥ずかしい写真を撮るなら交通量の少ない橋を選べば良かった、と気づいたのは後の祭りだった。)

富士川
富士川の様子

 作品に登場する通りの、「川幅だけはやたらと広」い、「しみったれた一級河川」である。
 もっとも、これだけの川幅になっているのは、大雨が降るとかなりの水量になるかららしい。
 この撮影地点の東側200mほど先にボウリング場があり、第3巻に登場する「釜藤ボウル」ではないかと考え、行ってみることに。

富士川の標識
「釜藤ボウル」のモデル?

 上が、「釜藤ボウル」のモデルではないかと考えた「西甲府シルクロードボウル」(竜王町西八幡4392-4)なのだが、・・・なんと、行ってみたらつぶれていたというオチ(^^;
 下のバス停は、山梨交通のもの。作品中に登場する「園原交通」のモデルかも?
 このボーリング場が「釜藤ボウル」のモデルだとすると、第3巻の記述からすると、川の西側1kmほどのところに伊里野たちが通う園原中があるはずである。
 地図上で探してみると、それに合致する学校は1校しかない。
 我々はKIZ氏の車でその学校へと向かってみることにした。

園原中?
これが園原中のモデルか?

 実際には作品と違って高校なのだが、現地の中学校は川の東側にあるので作品と合致しない。それに作品中の学校の描かれ方を見ると中学校というには無理があり、まるで高校か大学のような雰囲気なので、モデルが高校でも特におかしいわけではない。
 と、強引に判断して、ここが園原中のモデルに決定!

プール
ここが物語の始まったプール!

 学校周辺を歩いていると、SUGI氏が「プールがありますよ!」と叫ぶ。行ってみると、たしかにフェンスに囲まれた中に、プールがあった。
 すると、ここが物語の冒頭で、浅羽と伊里野が出会ったプールだ!
 ちゃんとパトカーや白バンが乗り込んで来るだけのスペースがある。

焼却炉
焼却炉もあるぞ

 そして思いがけずに焼却炉を発見! コレが第1巻P130で『怒り狂った晶穂が軍手をはめた手で』フィルムを『ぶち捨て』た焼却炉に違いない!

(確証が無いのに断言しすぎ、ですか? たしかに、半分こじつけです(^^; でも、園原中のモデルが実在する、と考えた方が楽しいと思うわけです)

 そんなわけで、園原中学のモデルを見た我々は、お昼も過ぎたので、第3巻に登場する「鉄人屋」のモデルとの情報があった、「ぼんち食堂」に行ってみることにした。
(この「ぼんち食堂」とボーリング場の情報は、千葉県在住の某S氏から寄せられたものなのだが、某S氏の情報源は聞きそびれてしまった。)

ぼんち食堂
ここが「鉄人屋」のモデル?!

 ここが地元では大盛りで有名な店、「ぼんち食堂」(竜王町富竹新田457-8)である。
 さすがに鉄人定食が本当にあるわけではなく、個別にラーメン,中華丼,餃子を注文することになる。また、当然だが完食してもタダにはならない(^^;
 さて、分担はなんとなく、ラーメン=SUGI氏、餃子=KIZ氏、中華丼=USO、と決まった。

鉄人ラーメン
鉄人定食、第1弾「鉄人ラーメン」(ただし小)

 まずは、鉄人定食の第一弾、ラーメンである。隣のタバコはお約束。
 2玉分ぐらいだろうか? 大盛りとしてはわりと普通の量だが、実はこれが普通盛り。この他に200円増しで大盛りがあるのだが、ウワサで「10人前分ある」と聞いていたので、SUGI氏が自重したのだ。
 そして、鉄人定食第二弾の餃子は、・・・

鉄人餃子
鉄人定食、第2弾「鉄人餃子」

 餃子である。これはたしかにでかい!
 作品中の鉄人定食と同じく、皿にでかい餃子が5つ乗っている。
 横にタバコの箱を置くと、3日間とは言わないまでも、20秒ぐらいは笑える。
 そして、鉄人定食最後の料理、中華丼の登場である。
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鉄人中華丼
鉄人定食、第3弾「鉄人中華丼」


 でかい! しかもあふれてるよ!(^^;;;

 作品と同じく、ウズラでなくニワトリのタマゴが入ってるし(^^;;;

 怖ろしいことだが、これで普通盛りなのだ。
 そして、よりによってこれが私の担当分なのである…。

鉄人中華丼
うぐぅ、ひどいよ祐一君!

 …はっ、つい現実逃避してしまった。
 勇気を奮って食べ出したけど、食べても食べても減らない…(^^;;;
 それでも、ほとんど食べきりましたよ。そりゃもう、晶穂には負けないって気持ちで。
 朝食抜きだったのだけど、結局、この日は他に何も腹に入らないどころか、翌日の昼まで何も食べなくても大丈夫だった(^^; これが普通の中華丼並みの値段なのだから、コストパフォーマンスは驚異的に高いかもしれない。だけど、味の方は、正直言って質より量優先で、「値段を考えるとそれなり」といったところ。ラーメンの方もSUGI氏は「量を考えると値段なり。腹ぺこの学生向けかな〜」、という評価。餃子は結構おいしかったのだが…。次は、ぜひ如月店長に鍋を振って欲しいところです。

 この後、同人誌では「帝都線市川大門駅」こと、JR見延線市川大門駅の見物が続くのだが、Webでは先の旅行記で取材済みなので省略。

 この他に、県南部の見延町に「御殿山」という山があって、もしかするとこれが園原基地裏山の「殿山」のことではないかと考えたのだが、他のモデルとずいぶん離れていることから可能性が疑わしいし、何より遠かったので断念。
 また、「園原学院」のモデルらしい山梨学院大学も撮るのを忘てしまった。まぁ、公式Webページで見られるのでわざわざ見に行かなくても良いかも。

 こうして、我々の「園原市」の探索は終わった。
 しかし、毎度のことながら、オタクの聖地巡礼というのは地元の名物(ほうとう,信玄餅)も食べずに温泉にも入らないという、まったく地元の観光産業に貢献しない観光である(^^;
 まぁ、「イリヤの空、UFOの夏」がNHKの朝の連続TV小説になったあかつきには、ぜひ「イリヤせんべい」、「UFOまんじゅう」、「元祖鉄人定食」などを売り出して新名物にしてもらいたいものである。(間違ってもならんって)

 終わり。


  番外編〜AGASA見物記〜