しこり発見〜初診まで

胸のしこりに一番初めに気づいたのは、何時だったのか? 自問自答してみると、それは昨(2006)年の春ごろだった気がします。布団に横になった就寝前、みぞおちよりやや左側の乳房の下の縁、肋骨の間にほんの米粒くらいの塊が触れました。それは立っているときには触れないので「なくなった」と思っていたのですが、あるとき横になって触ると相変わらずそこにありました。そして少し大きくなっている。初夏〜夏にかけてはシャワーを浴びるたびに気にはなっていました。しかしその後秋から冬へと季節は移り、汗もかかず着る物も増えすっかり忘れていました。自分の誕生月を迎えた12月初旬のある日、ふと布団のなかで触れたとき「あれ? こんなに大きくなっている!」と、ちょっと嫌な予感がしました。1cmより少し大きく、米粒というより丸い形となっていました。
明けて2007年。年初に恒例の鳥さん友達と逢い、Mitsukoママに手相を見ていただいたところ「今年は健康に気をつけて。気になることがあったらすぐに病院に行ったほうがいいよ」とアドバイスされました。「良性の腫瘍だとしても大きくなったら切除するのも大変になるだろうし…」と思いMitsukoママのアドバイスに背中を押されるように病院に行く決心をしました。
さて、ではどこの病院に行こうか? これがその次の問題です。嫌な予感はしたものの癌研病院と言う発想は全くありませんでした。丁度40年前の3月「網膜はく離」で入院・手術をした都立病院にしようか、それともわがやから一番近い都立病院にしようか。はたまた会社近辺(文京区)にたくさんある大学付属病院にしようか? 「もしも入院・手術となったら、どこがいいかな〜」と思いながら、あれこれ悩み(乳癌の場合は乳腺外科か外科を受診するということも調べ)、結局は友人が2年前に手術を受けた病院に決めました。友人は婦人科でしたが(その病院は婦人科では有名)、「乳腺外科もあるわよ」と聞いていたのです。そして私が行こうと思っていた1月20日(土)の午前中がちょうどその病院の乳腺外科の外来診察日でした(木曜の午後と第1・3土曜日の午前、但し2007年4月からは外来診察日に変更あり)。

思想の生るる時

昨年末に年初はリビングにどの絵を飾ろうかと、以前、ある出版社関係の方から頂いた紀伊国屋書店のオリジナルカレンダーの中から、私が選んだのが1994年(カレンダー)の長谷川潔さんのこの作品でした。 紺とピンクの色合いの優しいタッチの版画で 「今年の初めはこれ」 と思い選んだのですが、偶然にも左乳房を押さえている絵です。後から考えると何か予感があったのかな?
『思想の生るる時』
1925年 ポアント・セッシュ、手彩色

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