出遭いの年が去り… 2008年1月5日(土)

2008年、穏やかな気持ちで新年を迎えることが出来ました。 年とともに月日の流れは本当に速く、2007年はあっという間に過ぎ去ってしまった気がします。 でも反対に乳がん告知・手術と心落ち着かない日々を過ごしたのが、僅か1年程前の出来事だったのかと思うほど、遠い過去のような気もするし…なんとも不思議な時間感覚の1年でした。
昨年は、初診・検査・告知、そして術前検査・入院・手術・術後の通院・放射線治療・半年検診…等々夏過ぎまでは担当医から提示されるスケジュールを消化しながら、術後の傷が早く癒えるように…そして風邪や感染症などの病気にかからないように…、ということだけに気を使い、他の多くを考える心の余裕も持てないまま過ぎ去った気がします。
新年を迎え2007年を振り返り、これまでに得た情報を少し整理しておきたいと思います。
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“がん情報のページあれこれ”
これまでは、ネットめぐりの大半は「鳥さん情報」だった私ですが、2007年の1月から新たに加わった 「☆お気に入り」 の 「乳」 フォルダ(ちょっとストレート過ぎのフォルダ名でしょうか)には、今ではたくさんのページが追加されています。
現在でもほぼ毎日チェックするページは、神奈川乳癌治療研究会が開いている“乳癌インフォメーション from doctors のホームページ”の中の『相談室』のコーナー。治療で忙しい日々を送っていらっしゃる乳腺外科の先生方が相談者のメールに丁寧に回答してくださるページ。相談する方々も(自分自身のことだから当たり前と言えば当たり前ですが)よく自分の病状を理解されている方が多く見られとても勉強になります。
ほかに、(乳)がんについて解説しているページは以下。 *クリックすると飛べます。
“癌研有明病院” 「がん・医療サポートに関するご相談−がんの知識」
“国立がんセンターがん対策情報センター がん情報サービス”
“乳がんinfoナビ”
“がんナビ”
“乳癌診療情報サイト−大鵬薬品”
“萬有製薬” メルクマニュアル
“乳がん.JP”
“乳がん患者サービスステーション TODAY!”
“VOL-Net−乳がんセルフサポートグループ”

ついでに薬の添付文書が見られるHPを記載しておきます。市販薬ならびに医師の処方箋によって出されるお薬についての添付文書が見られます。
“医薬品医療機器情報提供HP”
 「医薬品関連情報(医療関係者向け)」の「医療用医薬品の添付文書情報」をクリック

あとは、乳がん体験者の方のblogページ。こちらも毎日かならず数箇所訪問していますがなかなかコメントまでは入れられず、読み逃げで失礼しています。
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“いろんな情報を目にして思うこと…”

  • 進行度(病期分類)別の生存率(5年もしくは10年)を目にします。私のように1期(分類は下記に表示)だと、10年生存率は90%と書かれている場合が多いです(「無再発生存率」の表記以外は、再発・転移をしている方も含む)。10人中9人が生存し1人は亡くなってしまう…。でも患者の立場にしてみれば、自分が生き残れるかダメかどちらかで、確立は50%と言ったほうがピンと来る気がします。
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    0 期
    非浸潤がん(がんが乳腺内とどまっている)
    1 期
    しこりが2cm以下でリンパ節転移がない
    2 期
    しこりが2cmをこえるか、
    2cm以下でリンパ節転移がある場合
    3 期
    リンパ節転移が進んでいる場合、
    しこりが5cm以上でリンパ節転移もある場合、
    しこりが皮膚や胸壁に及ぶ場合、
    炎症性乳がん(しこりはないが乳房全体が赤くなる特殊型)、
    鎖骨上のリンパ節に転移がある場合
    4 期
    他の臓器(肺、骨、肝臓などが多い)に転移がある
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  • 『右乳がん』…家庭内ストレス、『左乳がん』…体の酷使。これは、あちこちのblogページなどで目にしたのですが、出所は、土橋重雄(三多摩医療生協・国分寺診療所医師)先生の『ガンをつくる心治す心』(主婦と生活社、2006年)のようです。乳がん患者に「なぜ癌になったと思いますか?」という質問をし、土橋先生がそれをまとめたところ…
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    『右乳がん』家庭内ストレスの患者さんは、本人が自覚していないことが多く(ストレスと認識していないのか、ストレスと認めたくないのか)、いずれにしてもがんの原因としての心当たりはなく、ただ、長年にわたる家庭内でのご主人や親に対するストレスの積み重ねが共通していました。また、右乳がんの患者さんは、とても理論的、理性的な思考をされる方のようです。
    これに対し、『左乳がん』の患者さんは、明らかにがんになったであろう「身に覚え」があります。ある時期の過度の身体的負担。左乳がんの方は、優しく人のいいタイプで、頼まれたらイヤといえない人が多いようです。ですから、自分の体がキツイのに、アレコレ抱えてしまう。そういう過労状態がガンを進ませてしまったのでしょう。
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    以上は、科学的根拠は全くありませんが、左乳がんの私としてはなんとなく当てはまる気がしました。最も自分の家庭を持たない私とて親や家族に対するストレスが全くないというわけではありませんが…。
  • 「闘病」 や「がんと闘う」 …という言葉、そして、「負けない!」という言葉を目にします。「病気になっても強い気持ちを持ち続けている方も数多く存在するのだなぁ」と気丈さに感心します。私はというと「闘う」気持ちはありません。と言っても、諦めているわけではありませんが。50代半ばという年齢も関係しているとは思いますが「自分の身体の中のがん細胞を完全に消し去りたい」という思いがそれほど強くないのです。「完全に消えてくれればラッキー。でも、もしも残ってしまっても、あと暫く…できれば10年程悪さをせずにおとなしくしていてね」というかんじかな。10年の根拠? それは、同居の鳥達の寿命&現在77歳の母の寿命を考えて…。
  • 「主治医との出会いは第二の結婚」 という言葉を、上記情報ページの中で病理医(がん細胞や組織を病理診断する)の先生が書いていらっしゃいました。炎症性乳癌など一部例外の場合を除き、多くの乳がんは進行がゆるやかで、再発までの期間も他のがんに比べると長いという特徴があります。再発(乳房内)・転移(肺/肝臓/骨など)は、まず2年後くらいが多いようですが、その後も静かに潜んでいて数年後(時には10年後あるいはそれ以上)に起こるといわれています。したがって、術後10〜20年という長い経過観察期間が必要となるのでそのように言われるようです。私の場合、若さ(40代前半)と元気(やる気・明るさ)という第一印象で迷うことなく「この先生にお願いする」と決めましたが、それで正解だったかな…。

初期の乳がんで、がん種もおとなしいタイプ。今まで得てきた情報の中で考えるなら、私の場合、再発・転移の可能性はかなり低いとは思っています。しかし、胸の小さな私が、まさか患うとは(家族・知人も)誰も思っていなかった乳がんと出遭ってしまったという事実を前にして、完全に能天気に「もう大丈夫!」とは思えない私(軽く見ると大きなしっぺ返しが来そうでちょっと不安)。とは言え、心配することがまた新たなストレスになるかも知れないので、そうならない程度に自分の生活に注意を喚起しながら、最期のときのことも考えつつ毎日を暮らしていきたいと思っています。今はとにかく、一日一日を大切に…と。
2008年もまたいろいろな出来事に遭遇し、そのたびに一喜一憂しながら暮らしていくことになると思いますが、今年も治療日記によろしくお付き合いください。

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