2006.05.09 千曲川 『ドッピカンの千曲川』

8日に会社で次の休み(12日)の天気予報を見ると雨・・・。天気が良いのは今日と明日だった。折角の休日が雨だと知って無性にショックを受けてしまい仕事もやる気がなくなってしまった。この時期は太陽の下で気持ちよく竿を振りたいものだ。そんな訳で会社が終わる間際に、『明日、俺休まぁ。よろしく〜』てな具合で年休を出して帰宅(^^;そして翌日、久し振りに千曲川へ向かったのである。

自宅を7:00に出発した時は霧雨が降っていた。本当にあちらは天気が良いのか不安になったが、天気予報を信用して現地へ向かう。途中の内山峠は霧に包まれて視界も確保出来ない位だ。そして最後のトンネルを抜け長野県側に出ると天気は一変、そこには気持ちの良い青空が広がっていた。
川上村も雲一つ無い青空が広がり、到着時点の9:00で気温は19℃を越えている。八ヶ岳も裾野が朝靄に包まれ、何とも言えない美しさを演出していた。


早速仕度をし入渓すると、水量が増えて濁りも若干入っている。雪白でも入っているのかと思ったが、水温は12℃も有る。とりあえずライズを探すが確認出来ない。そろそろ釣り上がっても良い時期であろうが、私は千曲川の本流はこれと言ってポイントも無いので、何か釣り上がりは苦手でライズを探してしまう。今日も30分程川を眺めライズを見つける事が出来た。結構良いサイズで見た感じ28cm程は有りそうだ。慎重に魚に近づき1投目でフッキングに成功するものの痛恨のラインブレイク。どうも前回の千曲釣行から、フックキーパーにフライを引っ掛けたまま車にロッドを積んでいたので糸が老化していたようだ。
他にライズは見つからないのと、本流は平日にも関わらず人が多いので支流に移動する事にした。


魚影は薄いが気持ちの良い渓
   
1本目の支流は人が多く、何処も先行者の車が停まっている。仕方なくまた違う支流に移動すると、運よく入渓点には先行者の車が無い。この渓は渓相は私好みなのだが、魚影は薄くサイズも望めないが、今日みたいな五月晴れの日に、気持ちよく竿を振るには最高のロケーションだ。
案の定しばらくの間は反応はおろか魚影さえ確認出来ない状況が続いたが、このロケーションの中で竿を振っている事が幸せで、不思議と魚が釣れないのはどうでも良かった。
途中に川の脇に有った水溜りで、『ゲコゲコ』と騒がしい位の大合唱が聞こえてきたので除き込んでみると、そこには恐ろしい光景があった。1匹のメスに何匹ものオスが重なり合って、ガマガエルの乱交パーティーが開催されていた。思わず目を伏せたくなるような光景だが、子孫を残す為の壮絶な争いに何となく笑みがこぼれた。
記念撮影をさせて貰い彼達の邪魔をしないように、そっとこの場を後にした。

ガマガエルの乱交パーティー(^^)
 

右の大岩の下でライズを繰り返していた
 
何の反応も無いまま時間だけが過ぎていた。しかし今日は本当に気持ちが良い。昼過ぎには汗ばむ程の陽気となったが、渓を抜ける風がとても心地よくクールダウンさせてくれる。
そんな中、大き目のプールの巻き返しでやる気満々の魚を見つけた。何度目かのチャレンジでフッキングに成功したが、潜られてしまい魚が水中の木に化けてしまった。これも良型の魚だった・・・。今日はどうも上手く事が運ばない。
更に10m程上流で本日待望の1匹目を釣る事に成功したが、釣り上げて何となく申し訳なくなってしまった。と言うのも魚の腹はぺっちゃんこで、おそらく今日初めて口にしたのが私の毛針だと思われる。痩せている魚は今まで数多く見てきたが、この魚の腹は異常で例えるなら『出産後の女性の腹』のようだった。たまに釣り上げた魚が胃の内容物を吐き出す事が有るが、釣り上げるまでの間に腹の中の物を全部吐き出してしまったのだろうか?

腹がぺっちゃんこのイワナ
 

丸々と太った26cm
 
痩せたイワナを釣ったポイントのすぐ上流で、次の魚がヒット。今度は丸々と太ったイワナだ。型もそこそこで充分私を楽しませてくれた。
同じ渓で、しかも似たようなポイントでここまで固体に差が有ると言う事は、この渓もまた生き抜く為の争いが厳しいと言う事なのだろうか?
結局この渓では2匹しか釣る事が出来なかったが、気持ちの良い釣りが出来たので満足出来た。
一旦車に戻り、今日は陽気が良いのでイブニングが有るかもしれないと思い、途中の自動販売機でビールを買い、イブニングには少し早い16:00に本流に移動。イブニングポイントでビールを飲み干すと陽気にも誘われ眠くなってしまった。少し昼寝をしようと川原に寝転がると雲一つ無い青空に、飛行機雲。『幸せだなぁ』と思いながら夢の中へと導かれていった。
30分程で眠りから覚めライズを待ったが、この日期待したイブニングは無かった。しかし今日はのんびりとして何ともいえない清々しい気分だった。たまには釣果に拘らずこんな一日が有ってもいいなと思いながら帰途に着いた。

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