2006.06.19 長野県某川 『ライズに囲まれて・・・』

今日は釣友N.Iとそろそろ最盛期を迎えるであろう大好きな渓へと釣行してきた。N.Iはこの渓へは初釣行であり、私はこの渓の素晴らしさを充分堪能して貰おうと張り切っていた。そんな私の気持ちを後押しするかのように、数日前までは雨だった予報も当日は気持ちの良い快晴となった。俄然、私もN.Iもやる気満々で渓へと足を運んだ。
 
現地に着くと、お目当てのポイントが空いていたので、早速支度をし入渓する。水温を計ると9.5℃と今日は朝からベストコンディションだ。二人ともこれから始まるドラマを期待して、左右に分かれ順番に釣り上がる事にした。

軽快に釣り上がるN.I
 

 N.Iがキャッチした本日第1号
 
予想通り朝から魚の反応は有り、入渓してすぐに幸先良くN.Iが本日の1匹目をキャッチした。この時の彼の満足そうな顔が印象的だった。
私も負けじと釣り上がるが、思った以上に好釣は続かず時折平均サイズの23cm程が顔を出す程度だ。それでも一般渓流に比べれば魚影は濃く、午前中だけでも2桁を達成していた。

釣り上がる私(photo by N.I)
 

いやらしいポイントで出た27cm
 
午後になると若干では有るが魚の活性も上がったようで、サイズUPし25〜27cmが顔を見せ始めた。しかしどの魚もスレているのか狙い易いポイントには入っておらず、いやらしいポイントに何とかフライをねじ込み、じっくりフライを見せてやっと口を使うと言った感じだ。
その後も爆釣とまでは行かないが飽きない程度に反応は有り、私もN.Iも順調に釣果を重ねていった。N.Iがロッドを振っている姿を後から見守りながら、見上げた空は青く、山はやわらかい新緑で包まれ何とも言えない至福の時間がそこには流れていた。気の合う仲間とこの時間を共有し、そして遥か昔からこの渓で世代交代をしてきたイワナ達に遊んで貰う。『本当に贅沢な遊びをしているなぁ』とつくづく思ってしまった。


時間も16:00となり一旦車に戻る事にした。まだ帰るには早い時間なので、イブニングが有るかも知れないと少し下流に車を移動。入渓する前にクールダウンを兼ねて軽く祝杯?をし、渓へと降り立った。上流に比べると水量が若干多くなるが、川幅も広くなりロッドが振り易くストレスが少ない。日が落ちるまであまり時間が無いので目的のプールまでは少しペースアップして釣り上がる。いくつかのイワナを追加した後、目的のプールが見えてきた。静かに近づき水面を観察すると、『やってる!やってる!』何尾ものイワナがライズを繰り返している。
早速手前の魚から2人で順番に狙う事にした。まずはお手本?で私が先頭を切る。魚に気付かれないようにロングキャストで狙うと1投目から25cm程のイワナが釣れて来た。そしてN.Iにバトンタッチ。するとまた何投目かに同型がフライに出た。こんな感じで正に爆釣モードに突入した。

イブニングでライズを狙う私(photo by N.I)
 
時間と共に魚の活性は高くなるばかりで、18:00を過ぎた辺りからその活性はピークを迎えた。周りを見渡すとまるで水面はライズだらけで、前も後も横でもライズが繰り返されている。私の目の前1m程の所でもライズが始まる始末だ。まるで魚に取り囲まれたような感じで少し怖くなった程だ。こうなるとフライなど何でも良く、レーンから外れてドリフトしても魚の方からフライを見つけて食べに来てくれる。そんな『ライズの嵐』も18:30を過ぎた辺りで終りを迎え渓に静けさが戻った。結局僅か1時間程の出来事で有ったが、このプールだけで2人で18匹程の釣果を上げ、サイズも25〜27cmと良型ばかりが揃った。

プールでの最初の1尾
 

このサイズが入れ食いとなった
 
今回は一日を通して爆釣を期待していたが、そうも思い通りには行かなかった。しかしながらイブンイングでの釣りは正に爆釣だった。この渓での釣りを1度N.Iにも味わって欲しくてやっと実現された釣行だったが、この渓の本当の凄さを実感させられなかった。今日の釣りの内容はこの渓にしたら序の口だと言うのを理解して欲しい。後日N.Iからのメールで『俺の渓流人生の中では最高の川だよ』と言ってくれたのがせめてもの救いだ。どうやらガイド役として合格点を貰えたようだ。今年はもう最盛期は過ぎたようなので、来年こそこの渓の凄さを体感して貰おうと思う。

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