2006.09.01 長野県某川 『久し振りの渓』

ここ数年は子供の夏休み中に合わせて、私も釣りを夏休みをする事にしている。こう書くと家族サービスをする良い父親のように感じるかもしれないが、猛暑の中で1日中渓を歩き魚を求めても、魚の反応も悪く朝夕の釣りがメインとなる為、集中力が持続しないからと言うのが本音で、ただ単に私が根性無しと言うだけの事だ。そして子供の夏休みも終わり、そろそろ初秋を迎え始める渓へ出かけてきた。久し振りの釣りと言うことも有り、少々気合いを入れ目的の渓へ6時着予定で自宅を4時に出発した。
ところが途中の峠で車にトラブルが発生。『ポンッ』と言う音がしたと思ったら、アクセルを踏んでもスピードが出ず、サイドミラー越しに後を見ると黒煙をモクモクと吐いている。車を降りボンネット開けると、インタークラーのホースが外れている。幸い手持ちの工具で処置が出来たが、30分程のロスとなってしまった。そんなトラブルも有ったが無事に目的の渓に辿り着く事が出来た。

下界の残暑が嘘のように朝の気温は13℃と肌寒い位だ。もう秋なんだなぁと感じさせる。朝のうちは日差しも出ていたが山の頂には怪しい雨雲が覆っている。降り出さない事を願って入渓し水温を計ると11℃と低い。また水量も減水していて今日は厳しい釣りが予想された。しばらく釣り上がるがやはり反応は悪くたまにチビちゃんがフライを突きに来る位だ。
1時間ほど釣り上がった所からポツポツと反応が出始めた。サイズは大きくても22cm程だが、釣れる魚は天然魚ならではの美しさが有り私を満足させてくれる。どの個体も婚姻色なのだろうか、1ヶ月前より体色が鮮やかに感じる。そして間もなくまずまずのサイズが私と遊んでくれた。完璧な魚体で金色に輝く美形なイワナだった。


ヒットポイント
 

朱点が鮮やかな美形イワナ
 
10時頃になると空が急に暗くなりだし、そしてポツポツと冷たい雨が降ったり止んだり。気温も朝から上昇せず9月の頭だと言うのに手がかじかんで言うことを聞かない程だ。幸い最終ポイントに辿り着くまで、釣りに支障をきたす程の降りにはならずにすんだ。そして山の斜面を登り道に出たと同時に土砂降りとなった。急いで車に戻り、今日はもう諦めてロッドをたたみウェーダーを脱いで、車で少し下流部の偵察に向かった。すると見慣れた車が停まっている。会社の同僚の車だ。再び上流に車を走らせ渓を覗き込むと、YさんとTさんの姿が確認出来た。昼飯を食べる為に2人も渓から上がってきたので、お互いの情報交換をすると2人も今日は不調のようだ。結局2時間程の間3人で談笑をしていると、いつしか雨も止み青空も見せるようになった。1度は帰るつもりだったが、2人に誘われ再び着替えて3人で釣り上がる事となった。

Tさん(前)とYさん(後)
 
時計を見ると14時半。陽が短くなり日没まで4時間程なので、丁度釣り上がれる距離のポイントを選び入渓した。3人で交代しながらの釣りとなったが、そこそこ反応が良くサイズも20〜23cmが釣れてくる。時折25cm程の良型も顔を見せてくれた。
時間も17時を回ると更に活性は上がり、1つのポイントで5匹連続で遊んでくれるポイントも有った。釣れる魚はどれも秋色の衣を身にまとい美しく、私を満足させてくれるには充分過ぎる程だった。久し振りの釣りと言う事も有り、夢中になり過ぎて気が付けば回りは暗闇に包まれていた。思えばこんなに暗くなるまで竿を出したのは今シーズン初かもしれない。

秋色の衣を身にまとい始めた美しい魚体
 
今回はスカッと晴れた気持ち良い秋空の下で釣る事は出来なかったが、お腹一杯になる程楽しむ事が出来た。これから秋が深まり渓の木々が色付くにつれ、渓魚達も秋色の化粧を濃くして更に美しくなっていく。そんな彼達の恋路を邪魔して申し訳ないが、ラスト1ヶ月!もうしばらく私と遊んで頂こうと思う。

TOP
Back Next