2006.09.28 長野県某川 『The Last River』

今シーズンも残り僅かとなり、いよいよ私も釣り納めの日が来た。今シーズンのラストを何処の渓で締めくくるか悩んだが、結局と言うか、やはりと言うか、大好きなこの渓に足を運んでしまった。やはり最後は思い入れが有り、ストレスが無くゆったりとロッドを振れる渓がいい。
朝晩の冷え込みが厳しいようで、三日前に来た時より木々の艶やかさが一段と増している。渓を歩くだけでも楽しくなりそうな雰囲気がここには有る。やはり最後にこの渓を選んで正解だったようだ。何度と無く見てきたこの景色だが、何度見ても飽きる事が無く私を和ませてくれる。

何度と無く見てきたこの景色
 

いつきても美しい流れがここには有る
 
景色を楽しみながらゆっくりと釣り上がって行く。魚の反応は無くしばらくはノーフィッシュが続いたが、今日は釣果は気にしない。昼を過ぎる頃から徐々に反応も出始め20cm程のチビちゃんに遊んで貰った。そしてチビちゃんがお父さんも連れて来てくれた。風格の有る立派な26cmのイワナだった。

風格が有り迫力満点な顔つき
 

秋色の衣が美しい秋岩魚
 
子孫を残す為だろうか、産卵床となりそうな浅いプールには魚影が濃くなりつつある様子で良型も入っている。彼等の邪魔をするのは申し訳ないが、水面にフライを落とすと1投目で今回最大となる28cmがゆっくりとフライに出た。まだまだ釣れそうな雰囲気だったが、この1尾で満足しこのポイントを後にした。
この後も更に活性は上がり飽きない程度に釣れ続けた。最後のサービスなのだろうか、サイズもそこそこ良いのが揃う。ゆったりとロッドを振るつもりがいつの間にか夢中になってしまっていた。ふと我に帰り、石に腰を下ろし一息ついた。
思い返すとまだ雪の降る2月の千曲川から始まり、長いようで短い7ヶ月間だった。今年もたくさんのドラマを渓は提供してくれた。そんな渓に感謝の気持ちで一杯だ。私の中では『お約束』となっているが、最後に深々と頭を下げ渓と渓魚に別れを告げ渓を後にした。それが『礼儀』だと私は思っているから・・・。

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