2006.10.03 野反湖 『秋の山上湖』

渓流も禁漁期を迎え、だいぶ自宅周辺の大気も秋めいてきた。渓流が禁漁になったからと言っても、釣りキチの頭の中は常に釣りの事で一杯で、禁断症状がすでに起き始めていた。仲間もやはり同じ症状が起き始めていた様子で、誰から誘うでもなく会社の同僚である『うーさん』『Yさん』の3人で野反湖釣行が決定された。
ここ野反湖は標高1,514mのダム湖で今の時期、きっと素晴らしい景色で出迎えてくれる筈である。私達が野反湖を訪れる目的は、素晴らしい景色の中でのんびりと釣りを楽しむのもその1つだが、なんといってもヒレピンの『Blue Back レインボー』をこの手にする事が1番の目的だ。名前の通り『青い背中のレインボー』で、その真っ青な背中は大変神秘的で私達釣り人を魅了する。とは言え、まだヒレピンの『Blue Back レインボー』をこの手にした事は無いのだが・・・。

ニシブタ沢の流れ込みから、野反湖を望む
 
現地に到着し湖の姿を見て少々戸惑った。美しい景色は健在なのだが今年の野反湖はここ数年で一番の大減水で、湖底を剥き出しにした姿がそこには有った。まぁFFマンにしてみるとキャストの際のバックが取れるので助かるし、湖底の地形が解るチャンスはそうそう無いのでこれはこれで良しとしよう。
ロッジ前の駐車場に車を停めると、すでに釣り人らしい車が3、4台停まっている。しかし渓流と違い場所取り争いの必要も無いので、ゆっくりと支度を済ませ湖畔に向う。ニシブタ沢に掛かる弁天橋を渡り、景色を楽しみながら第2キャンプ場前を目指す。

弁天橋(ここより上流は通年禁漁)
 
今日はダムサイト側からの風が幾分強く、キャストの下手な私は#5のロッドを使用しても大苦戦。渓流なら風が強くともポイントを絞り込む事が出来るが、湖では魚の居そうなポイントなどまったく解らず、ただ闇雲にキャストを繰り返すのみ。第2キャンプ場前からゆっくりとエビ沢方面へと向け湖畔を進んで行く。

第2キャンプ場より放水口方面のパノラマ風景
 
ここで少し『Blue Back』について語らせて頂きたい。まずこの『Blue Back』を目にした人は、あまりに普通のレインボーとの色の違いに驚きを隠さずにはいられないと思う。次になぜこのような鮮やかな青になるのだろう?と疑問を持つ事だろう。この疑問には幾つもの説が有るが、おおまか次の2つの説に集約されると思う。@水質による変異。A空からの外敵から身を守る為の保護色。私は後者が正解だと考えている。確かにここ野反湖の透明度は大変高く、少し高い場所から湖面を確認すると、数メートル底にいる魚影がバッチリと確認出来てしまう。これでは保護色で色を変えたくなる気持ちも解る。イワナでもそうだが川底が白い川では白いイワナが釣れるし、石の下から出てきた岩魚は黒い。マス類にしたらこの保護色は身を守る為に当たり前の現象なのかも知れない。現に、釣った『Blue Back』を後で撮影しようと生簀に入れておいたら、ごく普通のレインボーに変わってしまっていたと言う事実もある。ここに書いた事は全て私の推測に過ぎないので、本当の事は解らないと言うのが実際である。いや・・・解らない方が夢が有って良いのかも知れない・・・。

うーさんの釣った第1号(Photo by うーさん)
 
さて話を釣りのほうに戻すとしよう。私が強風で大苦戦をしている中、強風にも負けず力強いキャストを繰り返していた『うーさん』に待望の第1号がヒットした。ヒレもだいぶ回復しだいぶ『Blue Back』らしくなった魚体だった。この日このポイントではライズが有り、更に2匹追加したそうだ。
強風でキャストも満足に出来ない私は、そそくさと風の弱いニシブタワンドに逃げ込んだ。ここは他のポイントに比べると風が弱く、私みたいな軟弱な奴でもなんとかキャストも様になる。

この湖面のように鮮やかな青い背中になる
 

『Blue Back』ではなかったが、嬉しい1尾
 
ワンド入り口からの風を利用してロングキャスト(私にしては)すること数投目、フライの下にスーッと影が浮上しフライを吸い込んだ。ようやく私にも嬉しい1尾が挨拶してくれたようだ。しかし『Blue Back』ではなく普通のレインボーだった。この後も反応は結構有ったのだが、バラシやフライの下まできてUターンの連続が続いた。結局は納竿ギリギリの17:00頃にレインボーを1尾追加して終了となった。
Yさんも無事に魚の顔を見る事が出来た様子で、なんとか3人共ボウズは免れたようで良かった。またしてもヒレピンの『Blue Back』に出会う事は出来なかったが、また楽しみを残したと思う事にしよう。
何はともあれ『うーさん』『Yさん』お疲れさまでした。次回にまた頑張りましょう。

釣友『うーさん』(左)と『Yさん』(右)
 

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