★目次 ★ ■ 障害に対する行政の取り組み 投稿原稿 miyuki ■ 障害者合同面接会 はるか ■ トイレットペーパー musica ■ 何をなすべきか 連載 3 ロクスケ ■ ADD/ADHDという才能(ヴォイス刊)プレゼント企画 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ---------------------------------------------------------------------------- ■ 障害に対する行政の取り組み 投稿原稿 下記は、miyukiさんから寄せられた投稿を、ご了解をいただいて掲載いたしました。 ただ、この投稿の元になっているメルマガはそのまま掲載出来ませんので、要点のみを記すにとどめます。要するに、居間までの養護学級をまとめて障害児用専門教育機関を作り、まとめてケアしようと言う事でしょう。関連サイトは: http://www.koho.metro.tokyo.jp/koho/2003/07/kiji/shougai.htm です。 ------------------------------------- 結局、当事者やその家族の意見も聞かず直面している問題がわかるのか!って、悔しいです。 板橋区内に情緒障害児学級は小学校で3校、中学校に至っては1校。小学校3校がパンク状態で5組行きを余儀なくされる子、通常学級で頑張り続ける子がいる中で中学校に1校なんて、受け入れきれないのは明らかです。結局、中学校から5組、または養護学校という形になるか通常学級で頑張り続けるか..そういった中で、疎外感を感じたり、自己嫌悪に陥ったりして二次障害になってしまう事も少なくないと思います。特別支援学校を作るにはお金と時間がかかると思います。だったらまず、お手伝いのスクールヘルパーを増やして少しでも早く支援の体制を整える事の方が大事でと思います。子供達は今、苦しんでいます。長い時間待っていられません。今中学3年生の子はどうなりますか?受験をあきらめなくてすむ環境を早く作ってもらわないと。高校受験できる子はいいです。またそこで職業訓練校か養護学校か..高いお金を払って専門学校。都立高校が一芸入学できるようになるみたいですが..どれくらい受け入れてもらえるのか.. だいたい特別支援学校って。問題がありそうな子をひとまとめにするだけじゃありませんか!AD/HDの子は「みんなと同じ」がいいんです。「特別」を嫌がる子は多いです。子供なりに日頃からきっとみんなと違うって、みんなと同じようにできないって感じる物があるのかもしれませんね。「特別」に劣等感を感じるのかもしれません。周りの協力があれば、通常学級で対応は可能だと思います。まず正しく理解していただいて「特別」という意識を先生方から取り去る事が大切だと思います。息子が3年生の時、たぶん情緒障害所学級に通級に行った日でしょう。 先生から「特別な子」とお友達に説明があったそうです。子供達は「どうして特別なの?」「何が特別なの?」とお母さんが困ったようで、お電話をいただきました。どうして特別視するんでしょうね。 わたし達が望んでいる事は特別視や特別扱いではありません。少しの支援があればみんなと同じなんだってことをご理解いただきたいです。特別支援学校を作っても、全員が通えるとは思えません。小さい子達が通うためには家に近くないと親が送り迎えをしなければなりません。送迎バスを出すのでしょうか?帰ってきたら..近所に遊ぶお友達がいない。「特別支援学校に行ってる子」と言うことで特別視されるのは必至です。結局、何にも変わらないように思えました。特別視される事を避け、通常学級に通う。となれば今までのまま。特別支援学校ができて情緒障害児学級が無くなってしまうとすれば今まで以下です。長々と書いてしまいましたね。文章もまとまっていないかも..思いつくままに書いてしまっています。行政は変わらないのでしょうか?教育委員会って頭の硬い校長だった人が定年して行くことが多いようです。AD/HDの子を「しつけが行き届かないダメな子」のように見てきた人たちに何がわかるのか。。なんだかくらぁ〜くなってしまいました。長くなってしまってごめんなさい。 by miyuki http://members.jcom.home.ne.jp/hanyimiyuki/ ガラスのこころ ----------------------------------------------------------------------------- ■ 障害者合同面接会 盲学校を卒業してから、体調を崩し早3ヶ月が経過。精神状態も悪くなかなか外に出かけることもできないまま過ごしてしまった。 気がついたらもう6月。半年がたってしまっている。いい加減、就職決めないと。 面接が大の苦手な私ではありますが「縁故」や「コネ」がないもので、正攻法で行かざるを得ないので、ここはひとつ気合を入れていかないといけないと思い、就職面接会に臨みました。 今日は午前10時から面接会の会場に赴いたのですが、東京体育館(千駄ヶ谷(新宿の近くです))はすでに多くの人でごった返していて目的の場所にたどり着くにも一苦労の有様でした。 私の今回の面接先は某企業でのヘルスキーパーの面接でした。 不況下でもありますし、視覚障害者の場合どうしてもあんまマッサージ指圧師・鍼師・灸師という伝統的な職域に偏りがちでありますし。応募は多いと踏んでおりましたので、経験をつませていただく心積もりで臨みました。 履歴書の提出をすませ、あとは私の面接を待つばかりとなり、おとなしく待ちながらも周囲の状況に注意を払い、どのように面接をしているのか聞いてみていました。緊張しすぎて受け答えがキャッチボールにならなくなることがしばしばあるもので、ほかの人はどのように答えているのかが分かり、自分自身を落ち着けていくようにしました。 私の面接の順番まであと10人というところで面接会の時間が終わり履歴書提出に代えるとの指示が職安の職員の方よりあり、履歴書を提出して帰宅したのでした。 実際はというと、採用人数一人に対して40人前後の応募者ガいる状況でした。 今回、残念ながら結果は不採用でしたが、これにめげずに挑戦し続けて内定をいただけるよう今後とも精進してゆきたいと思います。 by はるか ---------------------------------------------------------------------------- ■ トイレットペーパー 我が家には、高校生の男の子が2人います。特に長男はよく食べるし、体も大きく、トイレも長時間はいっているのです。力がありあまっているのか、彼は、しょっちゅうトイレットペーパーを芯の棒からはずしてしまい、床に落としたままADHDのせいか面倒がってそのままにしています。それで、直すのは私の役目。これがもう15年も繰り返されてきたとはいえ、私もかなり面倒だと思いながら、直していました。 賽の河原のようだ、とある時期思いました。 床にころがった、芯の棒と、トイレットペーパーにためいきをつく私。ふうー。ところが、このところ仕事が楽になり、残業しない身になったところ、なんだか嫌な気持ちが一向にしないでトイレットペーパーをつけてしまう私がいました。ぜんぜんめんどうくさくない。当たり前のようにできてしまう。もしかして、これは仕事が暇になったからなのか、それとも習慣になったのか?普通の主婦のように、トイレットペーパーをつけ、手洗いの丸い桶まで洗剤できれいにして、気持ちがいい! これが、正常な感覚なのかもしれない!そうだ、きっとそうだ、と思いました。やっとおとなになったのかもしれませんね。(笑) by musica ---------------------------------------------------------------------------- ■ 何をなすべきか 連載 3 今回のテーマは、やる必要があるのかということ。ADHDがなぜ必要なときに注意を集中出来ないのか、は何かに打ち込もうとしているときにさえいろいろな雑念が浮かんできて、それを無視出来ないからである。無視出来ないだけならまだしも、思い浮かんだ雑念を実行してみなければならない衝動に駆られ、それまで打ち込んでいた、つまり注意を集中していた対象が意識から消えてしまうからだ。 さらに悪条件が重なる。ADHDの時間感覚がずれているため、本来ならとても出来そうもない計画を立ててしまう、というより計画なしで始めてしまう。また、もう一つそんなときは、後から考えてどうしてそう思ったのだろうと不思議になるような楽観をしてしまう。つまり、思いついた事を始めるとそれがもう出来ると思いこんでしまう。 これらの条件が重なり、思いつきで取りかかった事が出来ないかも知れないという感覚がすっぽりと抜け落ちてしまう。 それより重大なのは、そもそも優先順位の感覚が存在しないことだ。 基本的には、物事に優先順位があり、中にはする必要のない事があるという意識を常に持っていなければならないのだが、どうもそれがADHDでは消えてしまう傾向がある。それを何とかするために何かを始める前に、なぜそれをしなければならないのかを十分理解する必要がある。 とにかく、一日のスケジュールを立てることから始める。そしてその日の重点作業を見つけたら、自分の習熟度に従って作業工程(マニュアル)を紙に書く。仕事を始めたら、それを目の前におき、とにかくそれに従って作業を進める。 ひょいと全く関係のないアイデアが浮かんでも、深呼吸でもしてそれを振り払う努力をする。そのためには、作業マニュアルを常に見る。むろん、時間経過もチェックする。時間がかかりすぎつと思ったら、可能な場合、その作業はある程度で切り上げ次の段階に進む事だけを考える。済んだ作業は、マニュアルの上に消去線を書き込む。 ある作業が完全に終わらないと次の段階に進めない場合は、仕方がないが、事前に次善策をあらかじめ用意しておいてそれに切り替えるなり、その作業を後回しにするなどをマニュアルの上で組み替える。 とにかく、決めた作業をやり遂げる事だけを目標とし、他の事はとにかく何があろうと無視するわけだ。それが難しいのがADHDだが、事前にマニュアルを作りそれで意識に強く刻み込めば雑念が浮かぶ率が多少減る。また雑念が浮かんでも、マニュアルを視界においておけば元の作業に戻りやすい。 一般的な考え方として、普段思いつきを書き留めているメモなどを元にとにかく、To do listを作ってみる。私の場合など、そうやって作ったlistには100項目を越える案件がある。そのリストを眺めてみると、とうぜんすべてが出来るわけではないし、第一単なる思いつきでやる必要のない事が大半だと判る。それらを消せば、to do listの案件は十分の一くらいになるのではないだろうか。 さらに残った十分の一のうち、自分がやらなければならない事がいくつあるか考えてみる。すると、誰かに金を払ったやってもらえばよい事などが結構ある。つまり、金で解決できることがたくさんあり、それですむならそうした方がよい。そこまでしてやる必要があるかどうかを再確認して、べつにそうでもないと気がつけば、リストの案件はさらに半分になる。 残った案件に優先順位をつける。とにかくそれをやらなければ自分の生活が成り立たない、破綻するなどの事がむろん最優先になる。やった方がよい、やらなければかなり困難という案件は、手抜きですまないか、別のもっと簡単な方法ですまないかを考えてみる。 すると、最重要な事は実はTo do listの全案件の一パーセントくらいになる。本当に必要な事は徹底して分析し、準備段階からの細かいマニュアルを作り、自分の時間感覚が甘い事を十分認識しながら時間的資金的余裕を見てシミュレーションを繰り返し、マニュアルを訂正してゆく。 以上の作業は、とにかくやらなければならない事を徹底的に意識に刻みつけるために有効で、それが意識に深く刻み込まれるに従って、他の事は相対的に意識に浮かびにくくなる。 by ロクスケ ---------------------------------------------------------------------------- ■ADD/ADHDという才能(ヴォイス刊)プレゼント企画 「ひらめきすぎる人々」を出版してくださった潟買Hイスの神原編集長から下記のようなメールをいただきました。ご当人の許可を得て掲載いたします。ただし、私への私信の部分は多少編集してあります。 「ADD/ADHDという才能」 トム・ハートマン著 片山奈緒美訳 7月25日発売 本体1800円 ISBN4-89976-058-2 ADD/ADHDを障害と見るのではなく、我々が失った稀少かつ大切な遺伝子を受け継いだ人々ではないかのか、という内容です。そしてその稀少かつ重要な遺伝子というのが狩猟・採集生活をしていた「狩猟民(ハンター)」時代のものであるとハートマンはいっています。 通常、狩猟民族というと、日本人に代表される農耕民族(ファーマー)の対極にあり、無計画にわーっと狩りをして、動物たちを食べ尽くしてしまうような猛々しいイメージがありますが、地球の歴史をひもといてみると事実はまったく反対であることがわかります。考えてみれば、自然の中で自然の恵みだけで何万年も生きてきた人類が、農業を始めたとたんわずか1万年足らずの間にまさに地球を食べ尽くすかのように資源や化石燃料を浪費していて、しかもそのスピードは年を追う毎に加速する一方……。 自然と共生してきたハンターは、自然が自然に生産しうる量以上の食糧を得ることはなかったため、広大な居住地を必要とし、人口も少なかった(結果、それが環境を守ることにもつながった)のに対し、自然を「利用する」ことを覚えたファーマーは、土地の生産能力以上の穀物や家畜を確保することができたため、その人口増加はハンターを圧倒。あっという間にハンターの居住地を奪い、ハンターを「開拓」の邪魔をするものとして(アボリジニや南米インディオなどわずかな例外を除き)地球レベルで粛正。そして人々の中にわずかに生き残ったハンターの遺伝子による性質が、強く現れている人こそ、ADD/ADHDというのがハートマンの説。 すなわち獲物をすばやく発見し、迫り来る外敵に警戒し、不要な記憶はどんどん消去し、関心の対象を瞬時に切り替え、状況の変化にすばやく対応する……これらは狩猟時代は不可欠な能力だったのに、現代型の農耕社会では、落ち着きがない、集中しない、思いつきで行動する、忘れ物が多いとなってしまう、ということです。 しかし、これはすべてをファーマーのスタンダードで考えるからであって、現代型ファーマー社会でも、ひらめきにすぐれ、行動の切り替えがじょうずなハンターの才能を活かす方法はいくらでもあり、事実、警察官や外科医、弁護士、芸術家、政治家として活躍中のハンターもたくさんいるといっています(この部分の認識は日本でも広まってきているようです)。 あくまで一ジャーナリストの説ではありますが、なっとくのいく部分も多いと思います。また、現代の社会では、活躍の主役が、ひとつの仕事をまじめに続けるファーマー型から、状況の変化に応じて、すばやく行動を切り替えるハンター型にシフトする場面も多くなったように思います。テレビやコンピュータの発展もこの傾向にますます拍車をかけています。 ADD/ADHDと非ADD/ADHD両者の違いを、ハンター、ファーマーに例えると両者の違いがわかりやすくなり、その違いを認めあえば、両者が共存できるだけでなく、世の中ももっとおもしろくなるというのが大変興味深いところです。自身もハンターであるとの思いがずっとあった私にとって、ここまでADD/ADHDを前向きに捉えた本はまさに目からウロコという感じでした。 という感じの本です。長くなりましたが、おもしろいです。アメリカのロクスケさんですね(向こうから見ればロクスケがアメリカのハートマン?!)。 さて私見ですが、ハンターの活躍の場が広がる自体は、いいことだと思います。しかし、ハンターとファーマーが逆転することまで望んでいません。少なくとも片方がもう片方を押さえつける構図はいただけません。ファーマーが「動作切替欠陥障害」とされる社会もねえ……という感じです。おりしもリストラ・倒産などで多くのファーマーたちが路頭に迷っています。理想といわれればそれまでですが、どんな個性を持つ人間もその能力を活かす機会を奪うことのない社会になってほしいものです。 ----------------------------------------------------------------------------------- 以上ですが、このたびこのメルマガをご愛読いただいている方々のうち5名へ、この本をプレゼントしてくださるというお申し出をいただきました。 もしみなさんの内に是非読んでみたいとおっしゃる方は、addproject@cool.ne.jpあてへ、サブジェクトに「ADD/ADHDという才能」を明記してお申し込み下さい。取り敢えず締め切りは本日から2週間の7月20日までといたします。 もし人数が多い場合は、先着を優先して抽選させていただき、改めてその方々にお知らせいたしますので、そのお知らせが行ったら、送り先の郵便番号、住所、氏名および電話番号をお知らせ下さい。 また、その方々へお願いですが、本をお読みになってから400〜600文字くらいの感想をお寄せいただく事を前もっての条件とさせていただきたいと思います。 お申し込みをお待ちしております。 ---------------------------------------------------------------------------- ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ★編集後記★ ■ 今日は梅雨の中休みで、蒸し暑く身体に張り付くシャツが不愉快です。どうも、本来なら意識からシャットアウト出来るはずの皮膚感覚まで私の場合、どんな作業をしていても意識してしまうので、汗が背中を落ちたりする感覚は集中の妨げになります。といって、エアコンを入れておくと、それがまた気になりますしね。 ■ 精神的に不安定な人が増えてきたのか、いやな事件が続発しています。福岡の一家殺人、八王子の路上暴行事件、沖縄の中学生リンチ殺人、長崎の幼児誘拐殺人ほか方々での通り魔事件などなど。 ■ 昔もこのような事件は確かにありましたけれど、この十年でほぼ倍増しているとの事。社会のストレスが増えてきたためか、価値観が変わったのか、とにかく人々の意識が変わってきているようです。 ■ ADHDは衝動的に行動すると言われていますが、これはキレやすいのとは違うはず。キレやすいのは単に未熟なのであり、感情をコントロール出来ない幼稚な人が近頃増えてきたのではないかと思えます。むろん、ADHDの人の中にも増えてはいるでしょう。ただ、衝動的とキレやすいとは直接の関係はないと思っています。 ■ 話がずれたようですが、最近ADHDの率が増えてきたという話もあり、なにかキレやすい人間が増えたことと結びつけられているような危惧を感じた次第です。 『WING BRAIN 第37号』でまたお会いしましょう♪ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ |