Wing Brain メールマガジン 第405号
2017/09/03(日)発行



目次
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● 真空管アンプ ロクスケ
● 先延ばしについて考える(93) なさ
● 癖付けに関する経過報告(44) なさ
● 連載 第371回 健康で生活するために 自家製食品 ロクスケ
○ 編集後記




● 真空管アンプ
私がアンプを作り始めた子供だった頃は真空管を使った物だけで、乏しい尾子図解を貯めて街の電気屋で真空管を買ったり、大人のマニアに教えて貰うたびに古い真空管を貰ったり、古いラジオの部品をかき集めて作った物だ。それでも音が出たときなどは本当に嬉しく、この上もない良い音に聞こえた。その後、秋葉に行っても真空管しかなかったのは当然だ。沢山使われていたから、値段も安かったし中古品など殆ど只で山積みされていたのも見ている。

その後、トランジスタが出来てきて、真空管は直ぐに見向きもされなくなり、店頭からも姿を消し、私も数百本以上あった手持ちを邪魔だという理由で捨てたりた。なにしろ、日本を始め世界中の真空管メーカーが製造を止めてしまった。

しかし、空白の30年ほど過ぎた辺りから真空管がアンプ用として見直され始め、記章品になっていた真空管は昔の何倍、何十倍の値段で取り引きされるようになり、今ではまるで真空管でなければアンプに非ずみたいな風潮さえ出てきている。

音の好みは人それぞれで、本物の音が常に一番価値があるわけではなく、耳に一番快い音が、即ち良い音と言う事でしかない。主観が極めて大きく、例えば今でも一番古いSPレコードに竹で作った針を使って再生し、素晴らしい音だと聴き入っている人達がいる。とうぜん、本人達が良いと言うからそれで全く問題はない。それを当て込んで中国やロシアなどでは真空管が大量に作られているし、近年日本でも再び真空管やレコードが作られ始めたそうだ。

真空管も、誰かがアンプは真空管が独特の音がするから良い、レコードはアナログだから良いというだけで、実際はどの音が良いかはその音を聞いて育った人の好みによる物だろうと思う。私自身はとんでもなく高い真空管アンプよりも、最も性能の高いトランジスタ(今ではIC)を使ったアンプの方がよほど良い音がすると思っているし、実際今は自作のICアンプでデジタル録音された物を聴いている。音はアナログとこだわる人がいるのはともかく、デジタル録音は基本として劣化しないし、なにより何百曲でも何日分でも小さなメモリースティックに入ってしまうのだから、昔のようにレコードやテープを頻繁に掛け替えなくてはならないのよりはよほど集中して、或いはBGMとして聴ける。

実際に今の技術では、波形の狂いや雑音、再現できる周波数特性などどれをとってもデジタル録音とそれを忠実に再現できる半導体が一番優れているのが事実として証明されているが、前述したように本人にとって思いこみも含めて良い音とはあくまで自分がそう思うから良い音だと言う事でしかない。また、それでもちろん良いと思っている。だから、理屈はともかく、今の私にとってはデジタル音源をICアンプで再生するのが一番良い音。

さらに、年齢と共に確実に耳が衰え、特に高い周波数が聞こえなくなっているのだから、昔の思い出で良い音だ悪い音だと言っても意味がないだろう。

つまり好みとはそんな物だと思っている。

by ロクスケ




● 先延ばしについて考える(93)
引き続き、前回までに引き続いて、2009年10月に小生が執筆したWing Brainメルマガ198号〜199号の記事「先延ばしについて考える(1)〜(2)」について再考察を行います。今回も引き続いて、原因の6つ目、即ち

>6.シミュレーション力の欠如
>
>これは上の5.と切っても切れない面もあるが、敢えて区別した。
>
>普通ならば、物事の筋道を立てる場合、頭の中でシミュレーションをするのだろうと思う。そのシミュレーションが適切でない場合、あるいはそもそもシミュレーション自体をやらない場合、このまま行くとまずいという予見ができなくなり、何でも行動が場当たり的になり、失敗を招くという流れが考えられる。
>
>場当たり的な行動という意味では、上の2.も関係はしていると思う。すなわち、衝動、欲望を抑えきれず、発作的、場当たり的な行動をついしてしまうということである。今述べている6.はそれとは少し違うものである。
>
>これも、脳科学の面からの知識が今現在無いので、追々勉強してゆきたい。

について考えます。



370号において、シミュレーション力を養うための訓練のあり方について考察を行い、普段から観察力、記憶力、特に知識・経験などを連想的に結び付けて頭の中で整理する能力の3つを普段から地道に鍛える必要があると述べた。その上で、371号からは観察力の鍛え方について考察を始め、まずは観察力の構成要素(色合い、輪郭、大きさ、位置)について考察を行っている。

これまで、色合い・輪郭・大きさに関して鍛える方法を、実践結果も交えながら考察を行っている。396号までに、顔等の特徴を大げさに描く似顔絵に着目し、人間の頭の中での顔の輪郭等の捉え方についての考察を行ってきたが、397号からはさらに進め、顔の各パーツ等への注意力の配分度・興味関心度という面に着目している。特に、興味関心の凹凸が観察力の凹凸にもつながっていると考えられることから、観察力を偏りなく適正にするため、根幹要因と思われる興味関心の偏りを是正する方法について考察を進めている。



前回、脳の記憶の仕組みの原理(2つの物事の同時想起を繰返すことで、片方を想起しただけでもう片方も自然と想起されるようになる)を応用して、好きなものと嫌いなもの(例えば、ピーマンが嫌いで、ケーキ・ハンバーグが好きな人がその両者)を同時に想起することを十二分に繰返した後、ピーマンを単体で想起しても、以前ほどの嫌いな感情は湧かなくなり、またケーキ・ハンバーグを単体で想起しても、以前ほどの好きな感情が湧かなくなるのではないかと述べた。

ここで、幾つかの疑問が生じる。それらを以下に列挙したい。

1つ目は、人間の(というよりは生物、動物としての)根本的な欲求、例えば食欲などについても、上述の同時想起を十二分に繰り返すと、欲求の感情が湧かなくなるのであろうか。それとも、どれほど同時想起を繰り返しても、最低限度の程度は欲求が残るのであろうかということである。

大げさに考えすぎかもしれないが、もし前者であるならば、下手なやり方で同時想起を繰り返し過ぎると、例えば食欲が全く湧かなくなり、餓死してしまうのであろうか。拒食症といった疾患があることを踏まえると、そのような可能性は無いとは言えないようにも思う。

2つ目は、同時想起の組合せを適宜変えてゆくことで、非常に強いマイナス(例えば嫌い)の感情を完全に消すことができるのかということ。例えば、上で挙げたように、ピーマンがトラウマになる程に猛烈に嫌いで、ケーキ・ハンバーグなどはやや好きといった場合、やや好き程度のものをピーマンとの同時想起を順次繰り返すことで、ピーマンに対する激しく嫌いな感情は徐々に薄まり、最後には嫌いという感情を全く感じなくなる(むしろ好きになる?)のであろうか。



…今回はここまで。次回も引き続き、本記事の考察の続きを書きます。

by なさ




● 癖付けに関する経過報告(44)
361号まで「先延ばしについて考える」のシリーズ記事の中で述べてきた癖の付け方に関する経過報告を、2016年始後の362号から独立して別のシリーズ記事として執筆しています。本号でも引き続き、経過報告を行います。



361号までに述べてきたように、感情モニタリング法のセルフチェックを頻繁に行う癖を身に付けるべく、数か月前から継続的に取組みを行っている。毎時00分にスマートフォンのアラームが鳴るようにセットし、アラームが鳴ったらチェックを行うようにしてきた。きっちり毎時00分にチェックができたかを記録するまでには至らなかったが、頻繁に思い出してチェックを行うことはできるようになり、目標とした毎時1回よりもはるかに多い頻度にまでなった。手前味噌ながら、2015年末までにほぼ癖付けとしては成功したと言える。

2016年始からは、より一層の癖付けのため、常時セルフチェックを行いながら他のことを行えるように訓練をしてゆくと宣言したものの、年末までに一度は身に付いたセルフチェックの癖付けの頻度が落ちてしまったことから、再度2015年末までの状態に戻せるよう立ち返って癖付けを再度行うことにした。

2016年末頃からセルフチェックの頻度が再び飛躍的に上がったことから、その頻度を今後も永続的に維持するよう努めつつ、さらに別の癖付けも身に付けるべく、同年末頃より新たな取組みを始めている。今回もその経過報告を行いたい。



この部分を執筆しているのは08/20(日)だが、この2週間の間も、前回から引き続き概ね精神的に安定していた(今回もやはり多少の変動はあったが、前回同様に比較的安定していた)。

前回、仕事のサイクルに上手く組み込む形で高頻度にセルフチェックする方法を考えたとお伝えしたが、それを早速この2週間で実践してみた。結論から言えば、それなりに効果のある方法だったと思う。決して毎日完璧に高頻度にチェックができているわけではないが、以前から実践しているスマホでタイマーをかける方法と組み合わせることで、以前よりも高頻度にできるようにはなっていると思う。

加えて言えば、チェックの頻度を上げるだけでなく、1回あたりのチェック時により確実かつ迅速、正確なチェックを行う方法を模索して編み出した。他愛もないことかもしれないが、不快な気分であるかどうかを確認するには、「今の気分はどうだい?」よりも「今、落ち込んでいないかい?」と自問自答する方が効果的であることにある時気付いたのである。

改めて考察するならば、「気分はどうだい?」よりも「落ち込んでいるか否か」の方がより具体的、突っ込んだ質問になる。逆に言えば、「今の気分はどう?」の方がより漠然とした、より抽象的な質問ということになる。精神状態をより正確にきめ細かくチェックするには、いちいち「嬉しい気分か?」「悲しんでいないか?」など、喜怒哀楽などの様々な感情の状態毎に自問自答しなければならない煩わしさはあるものの、質問の具体度を上げる効果は確実にあると言える。



…今回はここまで。次回も引き続き、本記事の考察の続きを書きます。

by なさ




● 連載 第371回 健康で生活するために 自家製食品
日本は世界でも突出した発酵食品大国であり、近年それが世界で注目されつつあるという。発酵食品とは、カビや細菌の力を借りて加工した食品だが、この様な物は世界中にある。チーズやヨーグルト、酒類などは代表だろうが、日本はその種の食品が突出して多い。

例を挙げるなら、味噌、醤油、ミリン、酢、鰹節、塩から、なれ鮨、フナ寿司、酒、納豆、古漬け、糠漬け、くさやなどなど。むろん、日本でもチーズやヨーグルト、パンなどもよく食べられている。

そもそもが、人間が様々な食品を食べて消化するためには腸の中にいる無数の細菌の力を借りているのだから、ある意味体内で発酵させているともいえる。さて、前置きが長くなったが、日本は高温多湿であり、それを利用すれば自分でも発酵食品は極簡単に作れる。

私の場合、味噌、酒、古漬け、なれ鮨、糠漬けなどを作っているが、極めつけはヨーグルトではないだろうか。夏場などはごくごく簡単に作る事が出来るので、毎日大量にヨーグルトを食べている。まず、牛乳パックを大きく開く。私の場合は脱脂乳を使う。それに、無糖のヨーグルトを適当にそそぐ。その際、さじなどを使わず、大きく開けた牛乳パックの上から直接ヨーグルト容器からそそぐわけで、まさに適当量でよいが感じとして大さじ数杯分か。牛乳パックを閉じて目玉クリップなどで留めてから零れないように十分に振って混ぜ合わせ、窓際に置く。27,8度になるのが望ましいが、30℃以上あっても大丈夫で、半日から一日で振ってみてもチャプチャプ言わなくなる。全体が固まったらそれでOKであり、後は冷蔵庫に入れて普通に食べる事が出来る。次々に牛乳パックに継ぎ足してゆけばいくらでも出来るが、数回に一回はオリジナルのヨーグルトパックから入れた方がよいようだ。

とにかく雑菌を入れないために、さじなどを使ったり別の容器に移したりしない事が肝心だが、どうしても別の容器やさじを使いたければ、それらは火であぶったり熱湯をかけて消毒できる材質の物に限る。そして、十分に消毒した後冷やしてから使えば大丈夫だろうが、それならパックに直接入れて振り回すやり方が一番確実で楽だと言える。

それはともかく、ヨーグルトを時にはびっくりするほど食べるが、結構身体にも良いようだ。と言うより発酵食品自体が極めて優れていると言えるのだろう。せっかく日本の気候が利用できるなら、利用しない手はない。納豆でもなれ鮨でも味噌でも本当に簡単に出来、買った物よりも確実に美味である。

by ロクスケ




○ 編集後記
■ 東京では8月に入って唯の一日も晴れた日がないという異常気象だそうです。東北などでは福島あたりから一月以上晴れた日がない、日照時間が例年の2,30%だとのこと。確かに今年は異常気象ですが、その言葉を毎年聞いているような気がします。

■ 単なる雨だけではなく、集中豪雨による災害も今年は非常に厳しく、また台風被害も大きいようです。気象変動が激しくなったとは近年聞かれますが、これが単なる自然現象なのか、人間による環境破壊のためなのか分かりません。いずれにせよ、天候を変えられないのですから、災害を起こさない工夫をしなければと思う事しきりです。
(この項までロクスケ)

■ この編集後記を執筆しているのは8/23(水)ですが、関東では8月も下旬になり、何故か今頃やっと夏らしい晴天の日が戻ってきました。前週までは連日梅雨のような天候が続き、このまま夏が終わってしまうのかと思っていたところ、突然また晴天が続くようになり、久しぶりに猛暑日となりました。熱中症の懸念はありますが、夏らしくない天候で夏が終わるのもそれはそれで寂しいですし、その意味では晴天が戻って少しほっとした感もあります。

■ 昼間こそ夏らしい天候が戻ってきましたが、朝晩はそろそろ秋の気配がしてきました。近所のスーパーに行くと、秋にちなんだ商品が並んでいました。先日までは涼しかったため、思わず店頭のブドウを1房購入してしまいました。暑い日がまたしばらく続くのであれば、スイカなどほおばりたいところです。
(この項、なさ)



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