Wing Brain メールマガジン 第406号
2017/09/17(日)発行



目次
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● 安物買いの銭節約 ロクスケ
● 先延ばしについて考える(94) なさ
● 癖付けに関する経過報告(45) なさ
● 連載 第372回 健康で生活するために 安全を確保する ロクスケ
○ 編集後記




● 安物買いの銭節約
昔から安物買いの銭失いと言われ、安い物を買うと結局長持ちもせず無駄になる事が多いから、高くてもよい物を買えば長く使えて結局得だ、と言う教えだ。頷ける点もあるが、それは昔の事。昔は日用品といえども職人が熟練を駆使して手間暇をかけて作るしか無かったから、安物といえば、それこそ間に合わせでしか使えない粗悪品だった。

が、現代は全く異なる。時計を例にとると、腕時計はかつては高級品の代名詞であり、機械時計しかなかったのだから国産時計でも相当の値段がした。それでも普及品の精度はかなり低いし、材料も加工もそれなりで、非常に壊れやすく、何度か修理に出して結局諦めて買い替える事が多かった。その時代でも、高級品はそれなりに正確で丈夫で壊れにくかった。

が、今は時間の精度なら機械時計よりも100均の電子時計の方が上だし、時間を知るとの目的ならそれで全く問題はない。また、修理をする必要もない。電池が切れたらまた別のを買う。また、工作中にぶつけたりひっかいたりで時計を壊す事もあるが、100均時計なら問題はない。

むろん、今でも腕時計で億単位の物があるが、現実には日本ではそのような時計は作ってはいなく、殆どがスイス製だ。スイスは古くから時計産業が盛んで、主要産業と言っても良かったが、日本が電子時計を作ってから、一般市場から駆逐されてしまい、今では超高級時計を作るしかない。時計の本来の目的である時間を知るとの機能から、ステータスシンボル品へと鞍替えするしかなかったのだ。職人の技術と、国家の産業技術とは全く異なる物であり、日本の技術が、本来人が必要とする時間を知るという機能を人々に普及させ、スイスは一部のステータスシンボルを必要とする人々の意識に頼るしかないということだ。むろん、時計も趣味が反映して問題はないからスイスが駄目だ等と言うつもりはない。

同じ事が車やカメラなどありとあらゆる日用品に言える。車も今では物や人を安全に素早く安く運ぶという本来の目的に適った分野では日本製がドイツ製を始めヨーロッパ製を市場から駆逐している。車も趣味の対象として別に問題はないのでヨーロッパがその方面に逃げざるを得なかった事情もわかる。要するに日本に駆逐されたのだ。

そして、耐久性なども日本製品が圧倒しており、安物買いの銭失いはその意味で既に適用されなくなっている。

人間は見栄を張る動物であり、見かけで相手を判断する。階級社会の欧米では見かけに金をかけるのは生きてゆくために必須だが、日本は彼らほどの事はない。だから、優れた職人技の製品は数々あるが、実用品としてはほぼ市場に出ていないと言っていい。

私個人で言えば確かに極端かも知れないが、使う物は実用性さえ有ればステータスなど全く関心がない。時計は100均専用だが、それで困った事など無い。着る物は作業服だけだが、汚くさえなければ人目にどう映ろうと気にした事はない。自分で作ったものしか食べないが、それで健康を維持しているのだから、外食はやむを得ない場合以外しない。

人目がどうであろうと(社会人としてはそうも言い切れないが)自分がそれでよいと思えばそれでよいと割り切る事で、ずいぶん精神的に楽になっていると思う。なにしろ、何を食べよう、何を着よう等と考えることから解放されるだけでも価値がある。

by ロクスケ




● 先延ばしについて考える(94)
引き続き、前回までに引き続いて、2009年10月に小生が執筆したWing Brainメルマガ198号〜199号の記事「先延ばしについて考える(1)〜(2)」について再考察を行います。今回も引き続いて、原因の6つ目、即ち

>6.シミュレーション力の欠如
>
>これは上の5.と切っても切れない面もあるが、敢えて区別した。
>
>普通ならば、物事の筋道を立てる場合、頭の中でシミュレーションをするのだろうと思う。そのシミュレーションが適切でない場合、あるいはそもそもシミュレーション自体をやらない場合、このまま行くとまずいという予見ができなくなり、何でも行動が場当たり的になり、失敗を招くという流れが考えられる。
>
>場当たり的な行動という意味では、上の2.も関係はしていると思う。すなわち、衝動、欲望を抑えきれず、発作的、場当たり的な行動をついしてしまうということである。今述べている6.はそれとは少し違うものである。
>
>これも、脳科学の面からの知識が今現在無いので、追々勉強してゆきたい。

について考えます。



370号において、シミュレーション力を養うための訓練のあり方について考察を行い、普段から観察力、記憶力、特に知識・経験などを連想的に結び付けて頭の中で整理する能力の3つを普段から地道に鍛える必要があると述べた。その上で、371号からは観察力の鍛え方について考察を始め、まずは観察力の構成要素(色合い、輪郭、大きさ、位置)について考察を行っている。

これまで、色合い・輪郭・大きさに関して鍛える方法を、実践結果も交えながら考察を行っている。396号までに、顔等の特徴を大げさに描く似顔絵に着目し、人間の頭の中での顔の輪郭等の捉え方についての考察を行ってきたが、397号からはさらに進め、顔の各パーツ等への注意力の配分度・興味関心度という面に着目している。特に、興味関心の凹凸が観察力の凹凸にもつながっていると考えられることから、観察力を偏りなく適正にするため、根幹要因と思われる興味関心の偏りを是正する方法について考察を進めている。



前回、脳の記憶の仕組みの原理を応用して、好きなものと嫌いなものとの同時想起を繰返し、それにより好き嫌いを是正・克服する手法に関して、いくつかの疑問点を挙げた。今回は、それらの疑問点への答えを探る方法について考えてみる。

まず、疑問点の1つ目、即ちこの手法を用いることにより、人間の生物としての根本的な欲求(食欲など)が完全に湧かなくなることはあり得るかについて。今現在の個人的な見解・仮説としてだが、この手法により一定のレベルまで欲求を抑えることはできるようになるものの、生物としてごく最低限度のレベルは残るのではなかろうか。

具体的にそれを検証する手段として、タイマーを用いて一定時間毎に精神状態をセルフチェックする際、食欲などの欲求の程度もチェックする方法が考えられる。例えば、前々回述べたように、「今の気分はどうだい?」と自問自答するより、「今落ち込んでないか?」と聞く方がより有効と言えるが、それと同様に、「今の食欲はどうか?」と聞くよりも、「今、〇〇を食べたくないか?」などと自問自答するのが良いと思われる。



…今回はここまで。次回も引き続き、本記事の考察の続きを書きます。

by なさ




● 癖付けに関する経過報告(45)
361号まで「先延ばしについて考える」のシリーズ記事の中で述べてきた癖の付け方に関する経過報告を、2016年始後の362号から独立して別のシリーズ記事として執筆しています。本号でも引き続き、経過報告を行います。



361号までに述べてきたように、感情モニタリング法のセルフチェックを頻繁に行う癖を身に付けるべく、数か月前から継続的に取組みを行っている。毎時00分にスマートフォンのアラームが鳴るようにセットし、アラームが鳴ったらチェックを行うようにしてきた。きっちり毎時00分にチェックができたかを記録するまでには至らなかったが、頻繁に思い出してチェックを行うことはできるようになり、目標とした毎時1回よりもはるかに多い頻度にまでなった。手前味噌ながら、2015年末までにほぼ癖付けとしては成功したと言える。

2016年始からは、より一層の癖付けのため、常時セルフチェックを行いながら他のことを行えるように訓練をしてゆくと宣言したものの、年末までに一度は身に付いたセルフチェックの癖付けの頻度が落ちてしまったことから、再度2015年末までの状態に戻せるよう立ち返って癖付けを再度行うことにした。

2016年末頃からセルフチェックの頻度が再び飛躍的に上がったことから、その頻度を今後も永続的に維持するよう努めつつ、さらに別の癖付けも身に付けるべく、同年末頃より新たな取組みを始めている。今回もその経過報告を行いたい。



この部分を執筆しているのは09/03(日)だが、この2週間の間も、前回から引き続き概ね精神的に安定していた。今回もやはり多少の変動はあったが、一度だけ前回までよりも不安定になった時期があった。改めて振り返ってみると、今回も含めて以前に特に不安定になった時期に共通するが、感情モニタリングのセルフチェックの頻度が落ちていた時期と重なっていたように思う。

前回から引き続き、仕事のサイクルに上手く組み込む形で高頻度にセルフチェックする方法を実践しているが、仕事の内容も含め、各項目をチェックする際、一つ一つのチェックの質が落ちていたように思う。前回、せっかくより確実にチェックする方法を編み出したが、それに安心してチェック自体を怠っていたようにも思う。当たり前だが、チェックの方法自体を洗練したとしても、チェックそのものを確実に実行しなければ意味がない。そこで、次の2週間は、チェックの確実性を上げる工夫を重ねたいと思う。その経過は次回追って報告したい。



…今回はここまで。次回も引き続き、本記事の考察の続きを書きます。

by なさ




● 連載 第372回 健康で生活するために 安全を確保する
私自身、昔からうっかりミスが多く、それなりに問題だし、仕事上でそのための失敗を何度もしている。そのために、メモパッドやスケジュール表をつくって持ち歩いたり、パソコンを使うようになってからアラーム付きのスケジュール管理を欠かさないようにしている。しかしそれでもうっかりミスが無くなるわけではないし、どんなに気をつけてもそれが繰り返される。

先日もガスのつけっぱなしで鍋を焦がし、盛大に火災報知器が鳴ってやっと気がついた。この様な失敗は数え切れないほど繰り返しいくつもの鍋を駄目にしたが、鍋が駄目なる位で済む内は良い、火事になったら取り返しが付かず、火の始末はそれこそ頭に染みついているはずだったのにまた繰り返した。むろん、火災報知器があって助かったが、それ以外にも様々な対策をしているし目に付くところに火の用心を書いて貼ってある。だが、それが当たり前になると意識に昇らなくなるのだ。顔を洗うのを一々意識せず、半ば無意識で毎日繰り返すようになるのと同じ、毎日繰り返していると意識しなくなる。洗顔や歯磨きなどはそれで良いが、火の始末はそれでは困る。

で、色々考え、意識しなければ火がつけられず、そして意識しなくとも火を消せる方法を考えた。煮炊きはガスでおこなっているので、ガスの元栓を電気で開閉する様にし、タイマーを入れない限りガスが出ない、つまり着火出来ないようにした。そして、設定時間、例えば10分とか煮込みなどは1時間などの設定をし時間が来るとガスが止まるようにする事にして、必要な部品をネットで発注したところだ。

これだと、ガスの消し忘れはなくなる。一旦タイマーが切れると、再びタイマーを設定しなければガスに火がつかないのだから、嫌でも意識せざるを得ない。他にも色々考えたが、これが一番確実なようで、部品が届いたら自分で工事をする。幸い日頃これくらいの工事は出来るだけの設備も道具も知識もある。人間のうっかりミスがどうしても治らないなら、技術で補うしかあるまい。健康に生活する事とは少し違うかも知れないが、命の危険が減るのだから、同じカテゴリーと考えて良いのではないか。

by ロクスケ




○ 編集後記
■ 高齢者が被害に遭う振り込め詐欺が増えているようで、2億4千万円をだまし取られたり、1億5千万をとられたケースもあり、どちらも高齢者との事。高齢者をねらった詐欺がこれほど問題になっているのに、自分が被害に遭うときは見抜けないんでしょうか。

■ 年をとる事で判断力が鈍るから被害が増えるのだとはよく言われていますが、誰もが年をとります。私は、自分では大丈夫だと思っていますが、被害に遭う高齢者も自分は大丈夫だと思っているんでしょうね。
(この項までロクスケ)

■ 早いもので9月に入りました。この編集後記を執筆しているのは9/5(火)ですが、関東ではすっかり朝晩が冷えるようになり、冷房を通り越して暖房が欲しくなるほどの気温低下でした。昼間も先日9/3(日)などは久しぶりに快晴で気温も30℃程度まで上昇しましたが、その前後は曇りがちな天候であり、本当に夏らしい夏がないまま終わってしまった感じです。

■ この朝晩の冷え込みは10月並みとのことですが、それでは来月10月の天候はどうなるのでしょうか。もっと冷え込むようになるのか、今のままなのか。もっとも、今年の春先は「今年の夏は猛烈な暑さ」という長期予報だったものの、蓋を開けてみれば真逆でしたから、どうなるかは全く読めないですが。
(この項、なさ)



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