Wing Brain メールマガジン 第412号
2017/12/10(日)発行



目次
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● ながら作業 ロクスケ
● 先延ばしについて考える(100) なさ
● 発達障害自助活動の今後について なさ
● 連載 第378回 健康で生活するために 好奇心を絶やさない ロクスケ
○ 編集後記




● ながら作業
作業と言うには大げさだが、一つのことをしながら他のこともするなどは日常でいつでもあることだろう。私でそれが言えるのは、何かしながら耳で情報を得ると言うことだろうか。具体的に説明すると、歩きながら、或いは掃除などの作業をしながら耳で他のことを聴いて単に聴くだけではなくそれを仕事として為す事を言う。散歩をしながら語学学習のために教材を聴くなどがそれに当たるのではないか。

歩くという行為は、別に考えながらすることではなくいわば身体が自動的にしている行為だ。歩きながら常に目は周囲を見、段差がないか、水たまりがないか障害物がないかを確認し、もしそれらが有れば避けて歩くように足を動かす。別に意識しているわけではない。道路を横切るときは車が来ないかを目で確認しているが、それを本当に意識しているかどうかは分からない。つまり殆ど無意識にそれらをやっているわけだ。

そのような時、私がながら作業としてするのは聴くことだ。私はICレコーダーを今まで4台ほど買い替え使っている。音楽プレーヤーも同じくらい買っているが、むろん音楽プレーヤーは様々な音楽を聴くためだ。が、ICレコーダーの良いところは、自分の音声を録音出来ること、外部電池で、内部電池の寿命を気にする必要が無く、いつでも電池を替えさえすれば使えること、そして細かくフォルダーで整理出来、必要な音がいつでも選んで聞けることにある。音質は、恐らく専用の音楽プレーヤーが優れているのかも知れないが、どのみち専用のステレオプレーヤーで再生するのでない限り、音質をとやかく言うような事ではないし、そもそもイヤホンで聴くだけなら音質を問題でもすることではない。つまり音源を順序立てて聴ければそれで良く、私はもっぱら語学学習に使っている。

幸い、今ではネットで外国の報道や映画、音声をいくらでも手に入れられるし、それを音源としてICレコーダーに入れて聞き流していると耳が慣れてくる。最初聴き取れなかったフレーズが部分的にでも聴き取れるようになってくる。それが目的で、歩きながら聴いているわけだ。

これは結構役に立つようで、知らない間に自分の外国語聞き聴き能力が上がっているのを自覚するとやはりうれしい。ながら作業は充分実用になると思う。

by ロクスケ




● 先延ばしについて考える(100)
2009年10月に小生が執筆したWing Brainメルマガ198号〜199号の記事「先延ばしについて考える(1)〜(2)」について、特に原因の6つ目、即ちシミュレーション力の欠如について一貫して再考察を行っていますが、今回もその続きです。



370号において、シミュレーション力を養うための訓練のあり方について考察を行い、普段から観察力、記憶力、特に知識・経験などを連想的に結び付けて頭の中で整理する能力の3つを普段から地道に鍛える必要があると述べた。その上で、371号からは観察力の鍛え方について考察を始め、まずは観察力の構成要素(色合い、輪郭、大きさ、位置)について考察している。

これまで、色合い・輪郭・大きさに関して鍛える方法を、実践結果も交えながら考察を行っている。396号までに、顔等の特徴を大げさに描く似顔絵に着目し、人間の頭の中での顔の輪郭等の捉え方についての考察を行ってきたが、397号からはさらに進め、顔の各パーツ等への注意力の配分度・興味関心度という面に着目している。特に、興味関心の凹凸が観察力の凹凸にもつながっていると考えられることから、観察力を偏りなく適正にするため、根幹要因と思われる興味関心の偏りを是正する方法を模索している。



今回は、これまでの定例の考察を一旦中断し、やや閑話休題的な話を述べたいと思う。本記事もずっとシリーズ記事として執筆を続け、気が付けば(100)に達した。その点を我ながら改めて感慨深く感じるとともに、これまでお付き合いいただいている読者の方々に深く御礼申し上げます。

思い返せば、このシリーズ記事の執筆を開始した時点、もっと言えば元々の2009年頃の記事「先延ばしについて考える(1)〜(2)」の執筆当初から比べると、当時小生の最大の悪い癖であった先延ばし・時間ギリギリというのも、40歳を過ぎた今となっては、おかげさまでかなり克服できてきた。

克服を後押しした要因として、例えばコンサータの服用なども大きいが、とりわけこのシリーズ記事の執筆を粘り強く続け、先延ばしについて自問自答を断続的にでも繰り返していたことが何より大きいと考えている。継続は力と言われるが、まさに我ながらその通りであったように思う。

改めて思うことだが、例え発達障害ゆえの特性であったにせよ、努力と工夫次第で短所的な特性はかなりの部分克服できるものと強く確信している。この考察を始めた頃と比べれば、今や仕事に日々追われる身ではあるものの、何とか人並みに一社会人として職務を果たせている現状がある。このWing Brainに参加し始めた頃と比べれば、我ながら相当な成長を果たせたと思う。

裏返せば、当時今程の経験・能力を発揮できていれば、また相当に違った人生を歩んでいた、いや何より、人様に様々な迷惑をかけずに済んだかもしれないと思うと、それはそれで非常に悔やまれるものはある。ただ、今更悔やんでも何も生まれないので、せめて今後は今までの分を取り返すべく、日々の職務を全うしながら、あくまで余力の範囲で自助活動を精力的に続けたいと強く思っている。その具体的な中身については、別記事としてお伝えしたい。



…今回はここまで。次回も引き続き、本記事の考察の続きを書きます。

by なさ




● 発達障害自助活動の今後について
これまで、定例的に上述のシリーズ記事「先延ばしについて考える」とともに、「癖付けに関する経過報告」のシリーズ記事を執筆してきています。前者が今回(100)に達する一方、後者は前回(50)に達し、どちらも大きな節目を迎えることができました。重ね重ね、これまでお付き合いいただいた読者の皆様に御礼を申し上げます。

その上で、両者の記事の番号を揃える目的もあり、今回は後者のシリーズ記事の執筆をお休みさせていただき、この節目に我ながら相応しいと思う趣旨の記事を執筆させていただきます。



早いものでもう2017年も年末ですが、来年2018年は、小生がADHDと診断され、発達障害の世界に入り、かつこちらのWing Brainに参加させていただいてから早10年になります。思えば、長いようで短い10年でした。この間、実に様々なことがありましたが、何よりこの10年のうち丸9年は、Wing Brainの活動が骨格となっていたことに違いありません。隔週での記事執筆、途中からメルマガの編集等にも携わらせていただけることになり、今に至っています。

これまでの通り、Wing Brainでの活動は、発達障害当事者としての自己改善・自助活動がメインです。それ以外の趣旨で記事を執筆していたこともありますが、今後も引き続き発達障害・自己改善関係をメインに精力的に続けてゆきたいと考えています。折しも、来年2018年は上述のように小生にとって大きな節目であるため、今一度原点に立ち返り、今後の具体的なあり方を再考したいと思います。

我ながら、これまでに自己改善・自助活動のためにあれやこれやと思い付いては、様々な構想・計画を出してはきたものの、恥ずかしながら計画倒れ、または三日坊主的に実行がうやむやになってしまっていることが少なくありません。いわゆる「やるやる詐欺」状態に陥っている面が多分にあると自戒の念を込めて正直にこの場で申し上げます。



そこで、来年以降は特に、特別新たな構想・計画を立てるというよりは、今までに公表した構想・計画について、未着手のもの、あるいは途中で頓挫・中断しているものを改めてつぶさにリストアップし、無理のない範囲で強力に推し進められるよう体制を築いてゆきます。

とはいえ、こう申し上げたこと自体、「やるやる詐欺」になりかねない面もあるでしょうから、これまでと同じ環境・体制では同じ結果になるとの判断から、これまでとは異なる新たな環境・体制をまずは構築できるよう、工夫をしたいと思います。具体的な方法は敢えてここではまだお伝えしませんが、進展したら追ってお伝えしたいと思います。今回はひとまずここまでとさせていただきます。

by なさ




● 連載 第378回 健康で生活するために 好奇心を絶やさない
以前も書いたが、子供の頃は時間経過が極めて遅く、ほんの一年居ただけの札幌の生活がまるで十数年も過ごしていたように思っていた。毎日毎日見る物聞く物が全て好奇心の対象であり、強烈に記憶に残っているためだ。つまり人間にとって、時間経過とは単に時計の針が進んだりカレンダーがめくられるだけではなく、精神的にどれだけ好奇心が満たされ新しい記憶が刻み込まれてゆくかにかかっている。子供の頃の一年と今の一年が時間経過としては物理的に全く同じでも、その精神的な長さが何倍も何十倍も違うのは当たり前のことだ。

さて、幸いというか、私は極めて好奇心が強い方で、他の人が意識しないでそのまま見過ごし聞き過ごしていることに非常に惹かれることがままある。たとえば、毎日散歩に行くのでもカメラを持って行くし、その途中で目に付いた花や虫、景色などを撮る。またほぼ毎日日記を書いているがどうでも良いことでも気になると詳しく延々と書いたりする。

大人になって好奇心が薄れるのは、ある意味当然の心の成長の結果であり、一つ一つの小さな事に気を取られていては集中して仕事が出来ないからだし、そして本当に知らなければならないことを知るには気が散るのは決して良いことではない。

それは知っているが、それでもふとした事に興味を駆られる事は悪いことではないと思っている。むろん、仕事で何かをやらなければならないならそれはある程度封印するが、そうでないなら思い切り興味の対象を観察する。

それが自分でも度が過ぎているのがありとあらゆる事に興味を持って語学や物作り、読書、文章書き、散歩、旅行などに向く。おかげさまで退屈するなどないし、むしろ時間が足りない。

集中して何かを成し遂げる為には、不必要な物は好奇心の対象から自動的に外すのは、大人として当たり前のことだが、それが過ぎて何を見ても好奇心の対象にならないのではこれもまたつまらないと思う。

程々がよいのだろうが、私の場合はどうも好奇心に囚われることが多すぎるようだ。が、それでも結構楽しく生活をしていると思っているから、それで構わない共思っている。ただし、本来集中しなければならない整理整頓などが疎かになっていることは認めざるを得ない。

by ロクスケ




○ 編集後記
■ 本当に急に寒くなり、ようやくストーブを出してきましたが、今度はそれを点けると暑くなりすぎ、直ぐに消したりしています。私自身としては、普通の人にとって少々寒いくらいがちょうど良いので、真冬でも暖房は余り使わないのですが、先頃は急に寒波に見舞われ、身体が着いていっていないようでした。

■ ただし、寒いときでもいつものようにシャツ一枚で外を歩いていますが、早足で半時間も歩くと結構暖まり、体も軽くなります。天気が良くて時間が有れば1,2時間歩きますが、そうなると家に戻っても窓を開け放して冷たい空気を入れるほどになります。一番手軽な暖房ですね。
(この項までロクスケ)

■ この編集後記を執筆しているのは11/30夜です。気が付けば11月も終わり、年の瀬12月です。一年が過ぎるのが本当に速いと痛感します。恐らく、気が付けば来年の暮れくらいになってしまっている気がします。毎年言っているような気がしますが、年とともに時間の経過が益々速くなっているように感じます。一年一年、一瞬一瞬を大切に生きなければと思う今日この頃です。

■ これも毎年言っているような気がしますが、12月は小生が個人的に1年の中で一番好きな月です。年の瀬の慌ただしさの中で、一息付いてコタツでミカンを食べながらテレビで上野のアメ横の混雑風景の中継を眺めるのが何よりの至福の一時です。まだまだ仕事に追われてやることが山積みですが、早く一段落してそのような一息付ける時間が欲しいものです。
(この項、なさ)



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