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■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ★目次 ★ ■ はるかの私的「一年の総括」 はるか ■ 人の心が壊れてゆく? ロクスケ ■ WingBrainのクリスマスオフ musica ■ 連載 第15回 ADHDは障害なのか ロクスケ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ---------------------------------------------------------------------------- ■はるかの私的「一年の総括」 みなさま。こんばんわ、はるかです。 私にとってこの一年は公私共に大きな波があった一年でした。 特に印象的だったのは先日治療を終了した元の主治医の最後の言葉でしょうか。 「はるかさんはだいぶ発達障碍の症状がなくなりましたねえ。」 (主治医は私の身近な人(彼女)が治療に多大な貢献をしてくれた(というより彼女の行動を通して、説明を受けて改善したために状況がよくなったのである)という事実を知らない…) 本来発達の遅れがあるならば自ら違和感に気づき補正をする努力を行うのがスジというものであると私は考えているのだが、それができず他人(彼女)の力を借りねば気づけなかったというところがマイナスではあるものの、状況が改善されたことは評価したい。 まず初めに「遅刻癖」がほぼなくなったことがあげられる。 いままではその日のうちで最も大切なものにフォーカスを当てて、そこだけは守れていた状態だったのだが最近は2番目以降のものについても優先順位がつけられると同時に時間の感覚も掴めてきたのとそれに係る余計な動作を極力抑えることが項を奏したようで、本来であれば余裕を持って到着できるはずの時間に遅れるのは交通機関の遅延によるもののみになったことが挙げられる。 次に「日常生活動作」が徐々にではあるがスムースに行えるようになってきたことが挙げられる。 前述した時間の概念、そして金銭感覚ならびに本来私が持っていた空間概念とがしっかりと噛み合ってきたため、動作に無駄がなくなり、生活動線も会得できたこと。 3番目に「あきらめ癖」がなくなり「根性」がついたことが挙げられる。就職活動を行う上で分かったことなのかもしれないのだが、(やっぱり遅いかも…汗)日々遭遇する諸問題に対して簡単には逃げたりせずに真っ向から立ち向かう度胸がついてきたこと。 たとえ目的の動作や問題が一回でできなくても投げ出さずにできるまであきらめずに食らいつく根性が身に付いたこと。 以上、端から見たら至極当たり前の事なのですが…。 私的「一年の総括」でした。 本日は関東では雪がちらついていたようです。 お風邪など召しませぬよう皆様お体ご自愛くださいませ。 すこしはやいですが読者の皆様ならびにWingBrain委員会にとって来年も良い年でありますように…。 それでは失礼いたします。おやすみなさいませ。 はるかより。 by はるか ----------------------------------------------------------------------------- ■人の心が壊れてゆく? 最近、人の心に何か異常な変化が起きているのではないかと思えるような事件が続発している。別にADHDに関係があるのではないが、人間全体がおかしくなっているのではないかという一つの考察である。 その一つは育児放棄、虐待など。もともと、親が子供を育てるのは動物の本能であり、鳥類や哺乳類ならば親はときに自分を犠牲にしても子供を育て、その姿はじつに涙ぐましい。種類によっては魚類でも昆虫でも子育てをするが、彼らに思考力や心があるわけではないので、子育ては生物自体に備わった本能なのだと思われてきた。その延長で母性愛も父性愛も心を持つ高等動物の本能だと誰も疑っていなかった。 だが、実は母性愛父性愛も学習によって後天的に獲得する物で、本能ではないという事実が浮かび上がってきた。大脳が発達している動物ほど、本能から学習への割合が増えているらしい。たしかに、動物園で群れから引き離されて飼育された動物は子供を育てることが出来ないのが普通だ。 もっとも大脳が発達している人間においては、育児は完全に本能ではなく、学ぶ物らしい。母性愛も父性愛も学習の結果生じてくるのだと考えざるを得ない。つまり正常に群れの中で学習しなかった人間が親になっても、子供を育てるはおろか子供に愛情を感ずることさえ出来ないケースが増え、たとえば子供を段ボール箱に閉じこめて餓死させた両親、二ヶ月の子供のほぼ全身の骨を骨折させた父親、幼児を蹴り殺した少年などなど。読むたびに心が暗くなる記事がおおい。 各地で頻発している子供の連れ去り事件などは明らかに犯人の幼児性が原因になっていて、それが増えている。また、犯罪の質も刹那的なものがおおくなり、まるで子供が昆虫の脚をもいだりつぶしたりする感覚で人を殺し、集団暴行を加える。 色々原因は考えられる。まず子供自体が少なくなり、育児を間近に見る機会が少なくなった。精神的に成熟しないまま大人になってしまう人間が増えたなどが主因と考えられる。特に日本では大人の幼児化が著しいのではないだろうか。むろん、マスコミの取材の仕方にも問題はあるかと思うが、街頭でインタビューをされた20代くらいの人々のいかにも稚拙な発言など信じられない想いだ。おなじような状況でも海外の同年代の人間達はもっとまとまりのあるしっかりとした意見をはっきり言う。その意見が正しい正しくないは別として、とにかく自分の考えを持っている。 少子化で子供が甘やかされた、豊かになりすぎストレスに耐えられなくなった、子供同士で遊ぶことが無くなり人間関係から学ぶことが無くなった、学歴競争社会のため、人間教育がされなくなった、映像メディアなどが発達しすぎ本を読まなくなった、性的関心ばかり刺激されそれ以外のことを考えなくなったなどなど。 何か都合の悪いことがあると色々その理由が挙げられる。また、今急に日本人が未成熟になったのでも育児問題が起きたのでもない。育児放棄や虐待は日本だけの問題ではなく、むしろ海外の方がもっと深刻だともいえる。 ただ、たとえば日本でアイドルといえばかわいいがキーワードであり、欧米ではセクシーがキーワードだという違いなどがある。昔から言われているように、日本人は性的に成長が遅いのだそうだが、これはたとえば同じアジア人である韓国人や中国人と比べても言える。体の成熟ではなく、精神的な成熟についての話であり、これは寿命が長いからという原因も確かにある。 一般的に動物の幼稚化は人間に限らず生活が安定し生存の危険が少なくなると顕著になるのは常識になっている。ペットの犬猫の行動は、野良犬野良猫と比べても明らかに幼獣的だ。日本の生活がそうなってきたのだと考えれば喜ばしいのだろうが、日本人がそのために未成熟になっているのだとしたら考え直さなくてはならないとおもうのだが。 by ロクスケ ----------------------------------------------------------------------------- ■WingBrainのクリスマスオフ 今日(03/12/20)は、我が家でクリスマスオフをやるということで、前日には、夜中の3時までかかってなんとか掃除をしました。今朝も朝9時に起きて、マッサージに行き、その後皮膚科に行って、帰ってからもあれこれと掃除をして、まるで年末の大掃除と言う感じでした。 ところがです。みなさん曰く「散らかっているが、不衛生な感じではない」と言うことで、はあー、私って本当にお掃除が下手なんだなあって思いました。また、「あの、掃除していいですか」と言う方もいて、普段いかに散らかっているか、想像に難くないところです。(ノ_-;)ハア… ともあれ、私たちは買ってきたものやら、買出しに行ったもので、楽しいひと時を過ごしました。中には、2時間爆睡の人もいて、「すごい・・・」と私は思ってしまいました。まあ昼間から、アルコールですからね、夜は眠くなるのが普通かもしれません。 人数は少ないものの、今はこじんまりしていて、ロクスケさんを中心に私たちの結束は強いと思います。ロクスケさんの、おじさんギャグが連発してたいへん楽しかったです。 私たちは、次回の出版に付いていろいろと議論をしました。「WingBrainとして、みんなで作り上げた本を作りたい」これが、来年の目標です。WingBrainの委員の人が、それぞれ個性的で魅力的な文章を書くことを、ロクスケさんが評価していますし、私も、みんなでAD/HDのための本を書きたいと思っています。 「ひらめきすぎる人々」の出版から、次回はWingBrain総出で、また新しい本を書きたい。これは夢ではありません。来年必ずや実行したいと考えています。 どうか私たちを暖かく見守ってください。私たちもがんばりたいと思います。おとなのAD/HD軍団の新しい本を希望に今年は構想を練ってみたいと思います。そして、来年。日の目を見ることを誓って。 by musica ----------------------------------------------------------------------------- ■連載 第15回 ADHDは障害なのか 仕様というわけは? 「ひらめきすぎる人々」に書いたもっとも言いたいことは、ADHDそのものは障害なのではなく、単なる脳のスペックであるということ。使いこなせばかなり便利で役に立つスペックなのだが、いかんせん使いこなしが難しく、またADHD自体が知られていないせいもありそのスペックが使いにくいことも使うための方法も知られていないために、結局使いこなせなくて自分の脳みそをもてあます状態、それがADHDの障害とされている物であるということだった。 この見解は専門家のものは違う。専門家はADHD自体を障害と言っているが、違う考え方をした方がより肯定的に思えるし、将来も明るくなろうというものだ。別に、ごまかして言い換えるのではなく、生活改善の見地からすればその方が正確だと思える。 たとえば軽自動車のボディに5000ccのエンジンを付けた状態を想像してみるとわかる。取り敢えず走るだろうが、おそらくひどく使いにくい車になるに違いない。明らかな欠陥車であり、こんな車を作るメーカーはバカにされる。 だが、人間の場合にたとえれば十分使いこなせるのだ。まず、ボディや足回りを5000ccエンジンに耐える物に作り替え(車だと不可能だろうが、人間の脳みそならむろん可能)、それから5000ccでありながら絞ればスムースに500cc仕様になるようにエンジンを改造する。これも車なら不可能かも知れないが、人間の脳みその柔軟さは十分にこれを可能にする。 いままで、とにかく5000ccエンジンをだましだましガタガタ軽自動車ボディを動かし年中エンストしていたのが、まるで嘘のように快適な車になる。車なら夢物語でも、人間なら当たり前に出来る。 ADHDを障害だと思うのは止めた方がよいと考えている。持って生まれた、少々使いにくい、しかし使いこなせば便利この上ないスペックだと思えば、気持ちのあり方は180度変わるのではないだろうか。 ただ、車なら数字で性能の比較が出来るだろうが、人間の場合その可能性は誰にでもある。だから、非ADHDだからといって悲観する必要は勿論無い。非ADHDとしての可能性もまた大きいのであり、結局はADHDと違う仕様だと思えばよい。大体が、非ADHD、つまりADHDに対して普通の人の脳のスペックもけっして考えているより使いやすい物ではない。それなりに鍛え、使いこなさなければ一生無駄に過ごすことになる。使いこなすことで本来その人の持っている才能を活かせるのだから、結局はADHDと同じだと考えて良い。 私も長年生きてきて、完全な人間などに会ったことはないし、かなりバランスのとれている人だと思っていたのが多少深くつきあってみるとやはり問題を抱えているのが常だ。つまり、誰でもが問題を抱えているのであり、そこから生きにくさが生じているなら、やはりADHDというスペックを使いこなせなくて生きにくさを生じているのと変わりはない。 とどのつまり、誰も彼もが障害者なのだが、普通そうは思われていない。それなら、自分の障害を自覚し、改善する人と、自分の障害に気づかず改善しようとしていない人、という対比で見た方がよい。 by ロクスケ ----------------------------------------------------------------------------- ■ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ★編集後記★ ■ 今年一年、なんとかメルマガを休むことなく出し続けることが出来ました。これも日頃読んでくださる皆様方のおかげと、心から感謝しております。 ■ 継続は力なりと言いますとおり、とにかくこのメルマガは出し続けていこうと願っておりますが、なにしろ最近記事が集まらなくなりました。ネタ切れなのかも知れないし、また年末を控えそれぞれ忙しいこともあるでしょう。そのぶん私が記事を書くことになりますが、あまり私ばかりが出しゃばるのもどうかと思います。 ■ みなさんから是非原稿をいただければと願うしだいです。メルマガをごらんになっていればおわかりのように、それほど特別な文章ということもなく、日頃ふと思ったこと、疑問に思ったこと、人の記事に対する感想、など何でも良いのではないでしょうか。特に正面切ってADHD関連の記事でなくとも良いかと思います。 ■ WingBrain委員会のサイトもいつの間にか開いてから2年以上立ちました。足かけ3年、もうすぐ4年目になります。その間にも沢山のADHD関連のサイトが立ち上げられ、折を見て拝見していますがなかなか充実したサイトが多く、またデータなどもきちんとまとめられており、感心しています。 ■ それぞれのサイトに独自のカラーがあり、開いている人も訪れる人もその独自カラーによるもののようです。私たちのWingBrain委員会サイトはどうでしょうか。やはり、私たちなりのカラーを出してゆければと考えているところです。来年は一つ前進しようかとメンバーで話しあっています。 ■ とにかくみなさま、今年一年ありがとうございました。少し早いですが、今年一年のお礼を申し上げます。そして来年もまたよろしくお願いいたします。 ■ 今号の画像は ルナ です |