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★目次 ★ ■ 成功体験 musica ■ 3歩進んで2歩下がる はるか ■ ラストサムライ 神原 ■ 自分の心の状態を助けるヒント ナオニャム ■ 連載 第17回 ADHDの特典を考える ロクスケ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ---------------------------------------------------------------------------- ■成功体験 LD学会行って来ました。大変疲れています。 しかし、有意義な体験もありました。 そのひとつには、学会初の「本人が語る」というシンポジウムがあって、LDの大人になった本人がお二人いろいろと語ってくれました。一人は大学生の男性で、もう一人は社会人の女性です。 男性のほうは、書字障害があって小さいころから、ある程度のサポートをされていたが、勉強は個人塾に頼んでいた人で、ものすごく算数が苦手だったそうです。 でも、非常に前向きな人で、中学で分数ができないので、思い切って小学1年生の算数から復習したそうです。そうしたら、なんと簡単に解ける!ということが成功体験として非常にうれしくて、どんどん算数を勉強するようになったそうです。そうしたら、中学の数学も、もう人に教えてあげられるくらいにできるようになったそうです。それで面白くて夢中で勉強したそうです。 また、弟さんも自分ほどではないがLDっぽくって、弟さんに教えていたら弟さんもこれがやはり成功体験になって、自分ひとりで勉強するということになって、今ではよくできるようになったんだそうです。 それで、専門学校へ行こうかと思っていたのですが、先生に「勉強したい気持ちがあるならば、大学へ行けば」と言われて、大学を受験して今は大学で勉強しているということです。字は相変わらず汚いんですけどね、とにこにこ笑って話していました。 それと、親御さんが、自分の人生を自分で選ばしてくれたことがとてもよかったと言っておられました。親の姿勢というのを子供はやはり見ながら育つんだと思うと、その方も言っていました。もちろん、その影には、親御さんの目に見えないような、努力や苦労があったのだと思いますが、こうして、難関の高校を終えてみると、とてもハッピーな生活が送れているそうです。 あとは、誰とでもすぐ仲良くなることが、すごく役立ったそうです。たとえば、ノート、書くのが遅くてとりきれなくても、友達にあとで見せてもらえたり、大学でも、友達にわからないところを教えてもらえたり、すごく友達は大切だと思うとのことでした。今では彼女もいるそうです。 また、もう一人の女性は、算数障害で、現在も10−2もままならぬ状況だそうです。でも、苦難の高校生活を終えて、ものすごく成績が悪かったにもかかわらず、介護関係に行きたいとの希望があって、入った大学を一度休学して、再考してから、やめて、介護の専門学校へ1年通ったそうです。また、ボランティア経験というのが、そうした仕事に就くのに有利だということで、中学1年から高校3年までの6年間毎週施設にボランティアに通ったそうです。 それで、福祉施設に応募して、夜勤もやりますっていうことで、採用になったそうです。でも、算数ができないために、食事の数を数えて一表にしなくてはならないことがつらくて、電卓を使うことにしたそうです。それで、ほかの人が暗算で間違えたことがあって、「みなさんも電卓を使いましょう」と係りの人が言ってくれたそうです。 現在は恋人がいるそうです。恋人に買い物のときに「なんでおまえ小銭あるのに出さないんだ。」と言われて、恋人が離れていくことを覚悟して障害のことを話したそうです。そうしたら、「それがどうした」と受け止めてくれたそうです。 また、彼女はお母さんが成育についてお話したのですが、子供のころはいじめられても決して話さない、芯の強い子供だったそうです。それから、水泳を本人は嫌でやめたかったということを後で知ったそうですが、ともかく小学校から高校3年までやったことが、結果的には、成功体験として自信につながったとおっしゃっていました。 また、とても明るい子供で、どの人にも好かれる子供だったために、経営しているお店にいると、近所のおばさんたちが手を振ってくれたり、高価な薬を買ってくれたりして、驚いたそうです。 まあ、ざっとですが、これがシンポジウムとしては、たいへん印象に残りました。 また、ほかの事は、追って書きます。 ではー。 by MUSICA ----------------------------------------------------------------------------- ■3歩進んで2歩下がる たのしいお正月休みも、気がつけば3が日を過ぎ、とうとう今日から仕事始め。 (といっても私は求職活動中。仕事を得るところからのスタート…。) 今日は治療と仕事の相関関係について思うところを書いてみようと思います。 先日、私は3年半通った八王子の某クリニックへの通院を終えた。 理由は「学校を卒業したため、通うのが大変になったこととクリニックでは診ることができない検査などをするため」というものである。 いままでも感じていたことなのだが、治療が順調なときは(当時は学生だったので学業だが…)仕事がはかどっていて、治療が停滞していたときは学校の成績も凋落していたということをこの3年間は改めて知った時期でもあった。至極当たり前のことのようだけど自身が意外とその渦中にいるとわからないものであるのだ。 治療は「365歩のマーチ」ではないが、(正確に言うと停滞はするが後退はしない)これでもかというくらい進むときもあれば、進みの遅いときもある。兎に角、あせらずたゆまず進むことのみを考えたほうがいいのかもしれないということを知った。 かく言う私も医師ではないが治療者のはしくれであり、自身の抱える疾病について患者として治療にあたりどう臨むかを、自身が治療をする際に患者さんに携わりながら自分の患者さんから多くのことを学んだつもりだ。このことは得難い経験であったと思う。 この場をお借りしてそれのうちのひとつを紹介したいと思う。それは、「あきらめないこと」である。 きわめて単純なことだが、あきらめないことは強いと心底思った。以下は個人的な今年の目標です。読者の皆さんはどんなことを目標になさったのでしょうか? また、今年もあきらめることなく今年を終えることができるか、新たにイチから勝負だ。そして最後に笑うのは私だ。 それでは、お大事に。 by はるか ----------------------------------------------------------------------------- ■ラストサムライ 映画「ラストサムライ」がヒットしておりますが、主演のトム・クルーズは自らLDであることを告白し、また、ADHDでもあるといわれています。 もちろん本人はそんなことを意識していないと思いますが、サムライ的な生き方は、どこかADHDのいい部分を活かす生き方のひとつと見える気がし、トム・クルーズが映画のテーマに幕末のサムライを選んだことに妙に納得したりもしています。 偶然にもトム・ハートマンの「ADD/ADHDという才能」でも日本はきわめてファーマーの国であり、ハンターと呼べる人々となるとそれはサムライではないだろうか、という旨のことを書いていました。 トム・クルーズがあの本を読んで、サムライに興味を持ったなんてことがあれば、どかんと売れたのになどと、不謹慎な皮算用をしつつ日本のハンターたち、サムライに思いをはせる今日このごろです。 ただ個人的には幕末のサムライより戦国のサムライにあこがれを感じます。幕末の日本に来た英米人は日本のサムライに末恐ろしさを感じたそうですが戦国の日本に来たポルトガル・スペイン・オランダ人はいま自分たちの行く手に立つ強大な力を日本のサムライに感じたそうです。中でも超ハンターはやはり信長でしょう。豊臣、徳川、明治政府と政権がいくつも入れ替わったため彼の攻撃性、破壊性がずいぶんと誇張されているような気がします。 本来の彼は、改革者であり、創造者であったと思います。政教分離、兵農分離、城下町、市場経済、技術革新など信長の時代にルーツを持ち、豊臣、徳川の時代を経て明治、戦後の日本に受け継がれているものも少なくないと思います。 時代背景もあり、確かに暴君にならざるを得なかった部分もありますがしかし、取り立て残虐な主君ではなかったとは思います。 by 神原編集長(ヴォイス社) 信長のADHD性についてはいつぞや家康に至るまで色々なタイプのADHDの例であるとの説を披瀝していただきました。 信長に限ったことではありませんが、為政者については後の権力者によって、あるいは権力者におもねる人間によってかなりその像がゆがめられるのが常だと思っています。たとえば徳川家康などとんでもない狸親父として長年伝えられていましたがあれは明治政府の画策によるものらしいですしね。 信長は三国志魏の曹操にたとえられますが、たしかに同じようなタイプと思われます。信長が同時代の中国に曹操の立場に生まれたらどうなっていたかと想像するに、結構良い線行ったかと思いますが、どうでしょうか。というより、日本で三国志というと吉川英治の書いたものが基調になっているようです。吉川英治が信長を頭に置いて曹操を描いたと考えられそうな気がしますが。 いずれにせよ、曹操孟徳も大ADHDであったような気がするという訳です。日本では劉備玄徳や諸葛亮孔明が主人公になっていますが、本来は曹操こそ主人公であり、玄徳は孫権仲謀よりも小者のような気がします。むしろ、関羽の方が中国では人気がありますしね。しかし、三国志の中で一番私が魅力を感じるのは曹操です。三国の三人の中で彼だけがADHD的じゃないでしょうか。 from ロクスケ ----------------------------------------------------------------------------- ■自分の心の状態を助けるヒント 今日は自分の心の状態を助ける物として毎日私が実行している事を具体的に紹介しようと思います。 1.プラスになる言葉を発しているメルマガ、自分の興味のあるジャンルのメルマガの購読プラスの言葉を発しているもので私が今購読しているのは下のものです。1日数分で読み終えることが出来、なんとなく勇気が出ます。 〜プラスになる言葉〜 ※NAPOLEONHILL POSITIVE ACTION PLAN S365 『 HILL'S MESSAGE−成功の黄金律− 』 知っている人もいると思いますが、ナポレオンヒルズ財団が発行しているメルマガです。 自分の行動についてのヒントを毎日くれます。 自分の興味のあるメルマガは皆さんそれぞれ違うと思うので載せませんが、それを読んでゆくと色々やってみたいことが出てきます。 最初は、色々取ってみて、だんだん時間が経ってくると、本当にいつも読むもの。読まないものと判ってくると思います。読まないものは購読を解除すればよい。それだけです。 2.毎日することリスト、したら良いと思われるリストをスケジュール張に見やすい場所に作る。これは最初かったるいかも知れませんが、これを続けていくと、びっくりするくらいにしなきゃいけないものを先延ばしにしていたことに気が付かされます。それに、期限内にしなければいけないものをちゃんとできるようになります。したらいいなと思うこと出来たら自分はどうなるかワクワクして考えてみてください。心がウキウキしてきてプラスの空気を作ることが出来ます。もちろん、出来ることだったら行動してみてください。自分の自信につながります。 3.自分のお気に入りの物を持ち歩く。小さいものが良いと思います。バックの中に潜ませておくとなんとなく嬉しいです。(これは私の個人的な趣味?) 4.1日の最後に今日あった素敵なことを思って眠る。失敗してしまったことや、悲しい出来事はなるべく考えないようにしましょう。鬱の状態にあるときは最初これは大変な作業だと思います。でも、毎日続けてください。楽しい事を考える方が、自分にとってとても良い状態を作り出すことに気が付くはずです。 以上、この4つの事を私はしています。最初は、もう、全く効果がありませんでした。でも、ある日効果が自分に出てきていることに気が付きました。周りに助けてもらうのを待っているのではなく、自分の中にある自分の力を信じて使ってあげてください。最初は無力でも、だんだんとても力強いものに変化していることに気が付くと思います。 by ナオニャム やはりポジティブシンキングが大切だと言うことでしょう。何をやっても駄目だ、どうせうまく行きっこないというあきらめ癖がどれだけ生き方をむしばんでいるかは、すこし考えてみれば分かることです。たしかに、絶え間ないミス、人との摩擦など自分の問題を考えるとそのようなあきらめ癖、負け癖が付いてしまうのは当然でしょうが、それがまたますます結果を悪くし、さらに負け癖が強く染みついてしまうと言う悪循環に陥っていることが多いようです。 理屈抜きにとにかくうまく行く、と強く自分に言い聞かせ、仮に失敗してもどこかにうまく行った点があるはずだと探し、次はもっとうまく行くと信じることで負け癖に陥っている負の循環から抜け出せると言うことだと思います。 ナポレオンヒルズの理論については批判的な人もかなり居ますが、とにかくプラス思考が大切だという点では正しいと考えられます。 昔はスポーツでもただただ根性、練習に明け暮れ本番で実力が発揮出来ない、という問題が指摘されています。練習による自信の裏付けや技術の向上は当然として、あとは結果の成功を強くイメージすることが大切だと言われるようになってきました。 とにかく、自分を勇気づけ、自分の心を明るくし、成功を信ずるという姿勢は取ってゆきたい物です。むろん、それを実現するための努力も欠かせません。 from ロクスケ ----------------------------------------------------------------------------- ■連載 第17回 ADHDの特典を考える 当初私がADHDの事を知った時は、ADHDとは単なる障害であり、とにかくリハビリをして克服してゆかなければならない物だと考えていた。 基本的に、それはある面正しいが、ADHDには利点もあるのではないかとある時気づき、その面で改めて自分を観察し、大勢のADHD当事者達と出会い、話を聞き、確かにADHDには活かすべき利点がある、と思うようになった。 最近では、ADHDが単なる障害、マイナスの状態なのではなく、それ故の利点も有るという認識が方々で言われるようになったようだ。ただ、あまりにマイナス面が強く出てきて、本来なら気づくべきプラス面にまで目が行かなかったという事らしい。 ただし、行き過ぎではないかという理論も目に付くことがあり、それで誤った認識を持つのもどうかとはおもう。曰く、ADHDは天才だ、およそ世界の天才偉人は殆どADHDだ、ADHDも個性だからひけめを感ずることはない云々。 ADHDだから天才だとは思わない。ただ、ADHDでも非ADHDでも天才は天才、凡人は凡人だろうが、常人の意表をつく思考形式がそのように見えることもあるということで、また確かに天才に必要なひらめきという点で、ADHDは天才を発揮しやすいとは言える。 世界の天才偉人が殆どADHDと言うのも推測に過ぎない。ただ、彼らの発想の仕方がいかにもADHD的であり、だからこそADHDではないのかとう推測に結びつく。その意味では正しいと思える。 ADHDは個性だからひけめを感ずる必要はないというのも誤解を与えそうだ。ADHDという脳のスペックを持っていること自体は、本人のせいでもないし親の責任でもない。ひけめを感ずることも、罪悪感を感ずることも必要ない。ただし、現実の社会生活で、約束を守れない、人の話が聞けない、時間にルーズ、金銭にルーズというマイナス面をこれは個性だから文句を言うな、責任はない、と言うのは間違っている。理由がなんであれ、そうやって人に迷惑をかけているのであれば、とにかく少しでも人に余分な負担をかけないように努力をし改善をする必要がある。それは大人としての責任であり、脳のスペックとは違う問題だ。 だから、自分の至らない点を努力で改善するのは、ADHDであろうとそうでなかろうと共通して大人の責任なのであり、また完全な人間はいないのだから、だれでも努力をして向上する心を失ってしまえば、その原因がなんであれその結果、つまり敗北を引き受けなければならない。一方、ADHD当事者が向上心を失わず、それにそった努力を続けてゆけば、あとはADHDとしてのひらめき、発想の柔軟性、直感の早さ、感覚的な鋭さなどのメリットを十分に発揮出来るはずだ。ADHDだからとくよくよしているより、自分を改善してADHDのメリットを活かした方が良くはないだろうか。 何もしなければADHDのマイナス面に押しつぶされ世の中を呪ってゆくしかない。他の人とはやり方が違うだろうが、ADHDとしての改善策を採ってゆけば、ADHDであることがいかに得だったかと思えるのではないだろうか。私自身未だその境地に達しているわけではないが、そうなれるとは思う。 今号でポジティブシンキングの話題が有ったが、その意味でもADHDを積極的に活かす生き方を考えた方がよほど得だと思える。 by ロクスケ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ★編集後記★ ■ 今年に入ってメルマガも2回目の発行です。時間の経つのは年々早くなっていますが、もう一月も後半に入ってしまいました。ADHDの時間感覚が極端に違うとはよくいわれていますが、今年もあと残すところ十一ヶ月と少しです(!) ■ 私も、昨年末から背負い込んでいた風邪もようやく完治したのではないかと思えます。私の場合、風邪をこじらせると本当にひどい状態になるので、いまは集中して治すようにしていますが、反省点として少し保護しすぎたのか、風邪をひいている間ろくにまとまったことが出来ませんでした。また風邪をひくと私の場合精神的な落ち込みが激しく、一昨暮れも正月にかけてひどい風邪をひきそれが長く尾を引いていました。 ■たんなる風邪というよりインフルエンザだったかも知れません。確かに今年も流行し始めたようです。SARSやエイズ、エボラ出血熱や鳥インフルエンザなどが次々と出てきて戦々恐々ですが、実はインフルエンザがあらゆる伝染病の中で死亡者数が多く、細心の注意が必要です。死亡率自体はSAASやエボラなどの数十パーセントとは比較になりませんが罹病者数が桁違いに多いために死亡者数も多いと言うことです。 ■ たんなる風邪だ、などと油断せず、風邪をひかないように予防する、もしひいてしまったら一刻も早く治すことを最優先にしなければならないと思います。無理をして長引かせることで、人にうつす、トータルで不必要にロスが増えるなどがあります。 ■今冬は暖冬だそうですが、それでも2月に近づけば寒さもつのります。そして空気も乾燥し、風邪をひいている人との接触も増えます。手洗い、うがい、十分な休息、栄養の確保などで風邪をひかないように注意した方が結局は得です。風邪をひきながらつくづくそう思いました。 ■いやはや、前号に間違いがありました。今年最初の発行が49号で、今年中に100号の大台に乗るでしょう、と書きましたが、隔週発行ですから、計算をしてみれば今年中に100号にはなりません。頭をかきながら訂正します。 ■今号の画像はカメレオンです。散歩の途中、ある家の玄関先で飼われているのを見つけました。体長10センチくらいです。 |