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          WING BRAIN メールマガジン第75号
          
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★目次★



■ セロトニン          みゆき
■ Aタイプマダムの日常(1)   Rosamonde
■ 夢の中 (1)        MUSICA
■ 連載 第42回 認識されていない発達障害はあるだろうか     ロクスケ
■ ○編集後記○

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■ セロトニン


 心の高ぶりを鎮め、「ホッ」と落ちつかせ、安らぐ気持ちを作り出す嬉しい脳内ホルモンがセロトニンですね。AD/HDはこのセロトニンの分泌が低いと聞きます。
 
 セロトニンは、精神安定剤とよく似た分子構造です。脳に増えると、興奮や不快感を鎮める働きがあります。よって脳にセロトニンが分泌されます。その時「ホッ」と落ち着いたり、「あ〜、癒されるぅ〜ε=(´・`) 」という気持ちになるのです。セロトニンが不足すると、心にブレーキがかからなくなってしまいます。
 
 このセロトニン不足の影響は心だけでなく、全身に及びます。セロトニンを作り、送り出しているのは、「ほう線核」です。「ほう線核」は、減ったセロトニンを補充するだけでなく。実は身体機能を司る中枢にも分泌、その働きを調節する命令を出してします。つまりセロトニンは、身体の働きを調節する命令の伝達役なのです。しかしほう線核の働きが低下すると、一日中セロトニン分泌が少なくなってしまいます。  

 すると、身体機能調節の命令が伝われず、様々な異常が起こる恐れがあるのです。実は、ほう線核は、呼吸中にセロトニンを送って呼吸量を命令してます。「ほう線核」は、「1秒に2回」という「一定のリズム」で、セロトニンを生成し、分泌しています。それを司っているのが、ほう線核の中にある「ペースメーカー細胞」。この細胞が、ほう線核に一定のリズムを崩さず働くよう指示しています。
 
 この細胞に、リズムの刺激を与えると、ほう線核が活発化するそうです。ペースメーカー細胞は、5分以上、同じリズムが続くと反応し、活性化します。例えば、日常生活の反復的な運動を「1秒に2回」のリズムで、「5分以上」行う。それだけで、セロトニンを増やすことができるそうです。
 
 さらに、生活の中にほう線核を活発化させる方法が、「光」です。明るい昼間にたくさん分泌されるセロトニン。ほう線核は、光を感知する目の網膜と、神経がダイレクトにつながっています。網膜から光の信号が5分以上伝わると、今、身体を動かすべき時間だと判断活動を活発化し、生成量を増やすのです。
 
 でも、蛍光灯の光ではほとんど増えません2500ルクス以上の光が必要です。つまりほう線核の活動を高めるの太陽の下!と言うことになります。1秒に2回のリズムで5分以上で、太陽の下..これが最もセロトニンを増やす効果的な方法なのです!となるとぉ..ウォーキング!  

 また、セロトニンの原料は「トリプトファン」と言う必須アミノ酸です。このトリプトファンがほう線核に入らない限りセロトニンは生まれません。でも、トリプトファンは体内では作れません。食品で摂るしかないのです。ほう線核で「ビタミンB6」と、「トリプトファン」が合成され、初めてセロトニンになるのです。
 
 両方が多く含まれる食品は「カツオ」「マグロ」「牛肉の赤身」「豚肉の脂なし」「乳製品」などです。これらの食品を食べる事により少しでも症状を安定させることができるなら摂るようにしたいですね。また、女性はセロトニンが不足すると排卵が遅れたりするそうです。摂らねば!歩かねば!!
 
 
みゆき


 ADHDとセロトニン不足は関連づけられており、セロトニンをどうすれば多く作り出せるかの方法が昔から言われています。このみゆきさんの記事は非常に参考になります。光を浴び、身体を動かすことで精神的にも活発になることはみなさん経験していると思いますが、単に気のせいなのではなく、きちんとした生理学的な裏付けがあることが分かります。
 
 いずれにせよ、散歩、ガーデニングなどで光を浴び体を動かすことを習慣づけると得なことが色々ありますよ。なんならスケッチブックやデジカメ、虫眼鏡などを持って出かけるともっと楽しいですしね。
 
 暖めたミルクを飲むと安眠出来ると昔から言われています。含まれているL-トリプトファンに穏やかな睡眠導入作用があるからで、これはまた確かにセロトニンの原料になるとも言われています。たしか、大豆製品、それも発酵食品である味噌、納豆なども非常に良いと言われてますし、納豆はこれからひきやすくなる風邪予防にも効くと言いますしね。

 ミルクに納豆を入れて呑むと良いかも知れません。(私は別々に摂りますが)
 
from ロクスケ



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■ Aタイプマダムの日常(1)


 プロローグ〜マダムになりました。

 私、Rosamondeは12月、マダムの仲間入りしました。苗字が変わり、住所も変わりました。変わらなかったのはAタイプぶり。※この場合のAタイプとはAS,Autisum,ADHDなどの頭文字を取った発達障害者の事を指す。Aタイプ使用については『A typeで行こう』の管理人であるウーシャさんのお許しを得ています(Aタイプと言う用語の最初の提唱者はウーシャさんではなく村上京子さんと言う人です。詳しくは『A typeで行こう』のサイトを見て下さい)。

 マダム業は楽チンだなと思って思っている人がいるかもしれないが、現実はAタイプマダムにとっては楽チンではありません。あま〜い気持ちでAタイプの人間がマダム業してたら偉い目に遭いますわよ。

 マダムとして『ダンナより遅く寝て、ダンナより先に起きる』ことを心得としてしておりました。見事、マダム業修行3日目で見事に玉砕。ぶっ倒れてしまいました。以後『ダンナより早く寝て、ダンナより先に起きる』スタイルを取る様にしました。

 12月に式を挙げたが、11月から新居に住み始め、マダム業修行をしておりました。ダンナから式までに新居に慣れておいた方がいいと言う理由で、ダンナとの共同生活に備えていました。1月間はマダム業模擬練習と言った方がいいのかもしれません。今、思ったら、ダンナの判断は正しかったなと思いましたわ。

 と言うことで、今後はどうなることやら。お楽しみに。

by Rosamonde



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■ 夢の中 (1)


(この原稿はMUSICAさんが入院をしている最中の昨年9月に手書きでわざわざ寄せてくれたものですが、わたしのパソコン入力が遅れたために今になってしまいました。MUSICAさんごめんなさい。しかし記事自体は今も非常に考えさせられるものです)

 私は時々夢の中で仕事をしている。そしていつもうまく行かない苦しい夢だ。
 
 この間の日本LD学会の時もそうだった。アンケート集計をEXELで入力してゆく。だが、パソコンは持ち込めたものの、病院の中でリタリンを飲めないままする細かい仕事は私を疲れさせた。第一に、母集団が集まりきっていないのが余計に心を重くした。
 
 それでなくともまだ身体が弱っている。入院する前にせめて準備が終わっていたら良かったのだろうが、その時は本業が忙しすぎた。同時進行はムリ、結局純部不足である。
 
 夢に毎日アンケートのことが出てきて、眠りまでもが浅かった。集計結果のグラフ化もいりいろ考えたが、母集団の数が50%も違うので、これは殆ど統計としては使えない。
 
 際だったところはこれはと思うところを何カ所がグラフにしたが、あとは多くの人が書いてくれた事を中心にレポートを作った。当日の朝、指定討論者のM先生から電話が入った。
 
 「打ち合わせなしでは指定討論者は引き受けかねる。私も体の具合が悪いので昨日も早く帰ってきたくらいだから、今日の役割はお断りする旨、さっき本部に連絡しました。きちんと打ち合わせが出来ていたら具合が悪くても行ったのだけどね」
 
 そうだなぁ。先生の言うとおりだ。準備不足、先延ばし癖、自分の体調管理、全てに問題が有った。ADHDの所以というよりも、やはり自分の計画性の無さに泣いた。
 
 他の先生にも代理を頼んだのだが「M先生が出来ないことを自分は引き受けられないわ!」と断られた。泣きながらA先生にも頼んだのだが、却って二人の先生に「準備不足は確かだし、アンケートも完成していないのだから、今年は諦めたら?」とか「勇気ある撤退も必要よ!」とどの先生も、今回のシンポを諦めるように勧めた。
 
 でも、今年行ったアンケートは、きっと2年先では使い物にならないだろうと思っていた。考え方や脳の科学的診断は日進月歩である。
 
 少なくとも、おとなにとってADHDという物が有るにもかかわらず、多くの精神科医は「実態が無い」とか「確率していない」など、相手が素人だと思って知らんふりするのが情けないと思うからだ。
 
 主に一番精神医学が進んでいると言われるアメリカのDSM-V(1980年)には「成人の残遺型ADD」という文章が載っていることをパワーポイントで説明したい。1994年には、DSM-Wで多動性のあるなしに拘わらずADHDとなり、DSM-W-TR(2000年)では成人の有病率は3〜7%としている。
 
 少しでも興味のある関係者にそのことを知らせたいし、精神科の敷居が低くなった今、そういうことにもっと医療関係者に取り組んで欲しいと思っているのだ。

ー 続く ー

by MUSICA



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■ 連載 第42回 認識されていない発達障害はあるだろうか


 元々発達障害とは目に見えない障害であり、存在が判明したのは非常にあたらしい時代だ。せいぜいどんなにさかのぼっても100年くらいだし、詳細に分析され対策法が考えられたのはこの20年くらいだろうと思われる。
 
 言い換えれば、未だ認識されていない発達障害が存在することは大いに有る得るだろう。そもそも、人間の脳のバリエーションは無限とも思えるし、その仕様を有限なカテゴリーに分類する事など不可能なことだ。自閉症やLDなどがどうもしつけや環境などの原因によるものではなく生まれつきの脳の出来方によるらしいと気づいた事から発達障害の認識が出来てきた。そして多くの症例を集め分析し、脳の特定の部分の発達不全からそれらの症状、すなわち外界との連携が取れない、一定分野の習得が困難、そして注意の集中が出来ない、感情が発達しない、人間としての連携意識を作れないなどなど様々な問題が発生する。
 
 ただし、これらの問題が脳の出来方だけを理由にしているわけではないことは明白で、しつけや環境、ストレス、痴呆など様々な原因が挙げられる。だから、全ての人間に大なり小なりこれらの問題が生じうる。これが長年、発達障害が認識されなかった理由だ。なにしろ、本人自身が問題の原因に気がつかないのだから。
 
 社会生活を営む上で問題を抱えている人間は大勢居る。本人だけの問題ではなく、社会的に脅威を与えている犯罪者も、仮に本人が苦痛を感じていないとしてもやはり正常な社会生活を営む障害と言える。
 
 犯罪者がどうして犯罪を犯すのかは様々な原因が考えられ、つい金に困って出来心で盗みをした、つい感情が抑えきれずに人を傷付けてしまった等、ある程度理解出来る動機もある。だからといって、普通の人間であればそれらも犯罪の原因にはならないのだから、ある意味自分のコントロールが出来ないという問題が考えられる。
 
 しかし、特に青少年犯罪に見られるのだが理由がどうしても理解出来ない犯罪がある。日頃おとなしい青年が親を殺したり友人を殺したり、路上強盗や殺人を簡単に犯し、しかも本人は事の重大性を理解出来ていないと言われるケースが多い。
 
 気になるのは、これらも発達障害が有るからと考える人が居るらしいことだ。他の人にはない何らかの原因があり、それが目に見えないのだろうがだからそれらをひとくくりに発達障害などと言うとしたらとんでもないことだ。私たちの考える発達障害は、それを理解し対策を立てれば完全に克服出来る物であり実際に、ADHDでもLDでもASでも社会的に成功し充実した人生を送っている人は多くいる。
 
 結局、何が原因なのかを知りそれに沿った対策をどのように効果的に用意し実行するかが大切なのだろう。そのためには個人的努力だけでは限界があり、どうしても公的な援助は広範な研究も不可欠だ。その過程で、発達障害の分類はもっと細かくなり、新しい症例が発見されてくるのだろう。

by ロクスケ


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○編集後記○

 ■ 皆さん、開けましておめでとうございます。ことしもまた我がWingBrain委員会およびこのメルマガをよろしくお願い申し上げます。早いもので、WingBrain委員会が発足してから4年目に突入しました。おかげさまで本を二冊出すことも出来、今後何が新しく出来るだろうかといろいろ考えているところです。
 
 ■ 台風、猛暑、噴火、そして地震など様々な自然災害に見舞われた去年もとにかく過ぎ、それも最後の最後になってインドネシア沖の未曾有の大地震は、なにもここまで追い打ちをかけなくとも、とまさに言葉を失います。最終的に十万人をはるかに超える人が亡くなりました。色々な自然災害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げるものです。それにしても、わたし自身、そして私より年輩の人たちに聞いても、こんなにひどい災害つづきの年は無かったと行っています。
 
 ■ 今年は少なくとも穏やかな年であってくれれば良いと切に思いますが、同時に個人としてはもう少しダイナミックに方向転換、むろん良い方へ転換させたいものだと心底願っています。
 
 ■ ことしに限ったことではないのですが、正月には今年こそあれとこれとをやって、と計画するのに、年末には殆ど出来ていない年の繰り返しです。だからといって、計画を立てるのは止めようと言うわけにも行かず、やはり計画表を眺めながらその具体的な方法を考えているところです。
 
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