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タクシーに乗ると、よく「お稲荷さんの角を曲がってください」と言い
ます。そこが「大松稲荷」という名前だと知ったのは、最近のこと。
確かに片隅に松が植えられていますが、どちらかというと、小松稲
荷とかやせ松稲荷のほうがぴったりくる感じです。夜には赤提灯が
ともって、この一角だけ不思議な雰囲気になります。きつねが毬で
もついて遊んでいないか、ひょいと覗いてみたくなるような・・・ で
も、ここのキツネさま、結構おっかない顔をして陣取っています。
お参りする人はほとんどなく、唯一、お正月に見かけた記憶があり
ます。あるとき思い立って内に入ってみました。すると、何故か自分
の姿が通りを歩く人からは見えなくなってしまったような錯覚に陥り
ました。
ここだけが異空間、というか、異界に通じる入り口にいるような不思
議な感覚・・・そちらの世界に行けば、きっとキツネさまとも言葉が
交わせるのでしょうね。
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