・浄智寺

鎌倉は今回訪れるのが4回目となりますが、ここ浄智寺を訪れるのは初めてです。

考えて見ると小津さんと一番ゆかりのある寺ですよね、何しろ小津宅って昔の浄智寺の敷地内ですよねぇ、お隣さんと言うより大家さんと言った方がいいかも知れませんねぇ。
まぁ、別の見方をすると小津邸の庭か・・・・・・やはり寄らなくてはなるまい。

今回、この参道手前で事件が起こりました、デジカメが・・・・急に作動せず、レンズが開か無い
・・・う〜ん・・・・まずい!。
原因はデジカメをズボンのポケットに無理やりねじ込んだための物理的ダメージと電池の接触不良か・・・・・。
デジカメを小突き・・・・叱り・・・・・説得し・・・気合で電源オン・・・・・無事修復したのでした。
実に、ロスタイム15分成り。
あせるぜ!
・曇華殿(仏殿)

ドンゲドンと呼ぶそうです。本尊の木造三世仏座像が安置されています。

円覚寺と同じ鎌倉五山の一つで第四位です、中国風の可愛い山門をくぐった所にあります。
でも禅寺って何か清潔感があって良いですね、以前秋に鎌倉に来た際に寺めぐりをした事がありましたが、その時の印象がすばらしくて・・・・・ここも良いだろうな秋来たら。

勿論、蝉の鳴く夏の鎌倉もすばらしい事は言うまでもありませんが。


・浄智寺 境内

谷戸と呼ばれる谷あいの境内は国の史跡に指定されているそうです。

1962年2月7日 小津の母堂の葬儀がここ浄智寺で行われますが、この建物の中で行われたのでしょうか・・・・。


1962年2月7日  全日記 小津安二郎 より

「午前九時半出棺 火葬場に向ふ 午後二時から三時迄浄智寺に於いて告別式 その間久しく時雨れる」

告別式の一時間、真冬の時雨る中で小津さんは何を思っていたでしょう、その心中を思うと・・・・・・。
この年発表された遺作「秋刀魚の味」では老教師演ずる、東野 英治郎に「人生はひとりぼっちですわ」と何度も言わせます。そしてラストシーンでは娘を嫁がせた父親・笠 智衆に「ひとりぼっちかぁ・・・・」とも言わせます。母無き後の小津さんの心中が察せられます。
この年の翌年、小津さんは母親を追いかける様にして亡くなりました。


ところで、笠智衆は取材を受ける際には良くここを指定したそうです、そう言えば小津安二郎 100年記念のDVDボックスの中の「まほろば」で山内静夫とか川又昂の対談はここで行われています、取材を受けるには最適な場所なのでしょう。

部屋の内部を何気なく撮影したんですが・・・・後で写真を見直してビックリ・・・・。

パソコンのデイスプレーの前で思わずつぶやきました。

「これって、小早川家の秋の自宅セットと同じじゃん、えっ どう言う事、小津狂いで何を見ても小津さんのものに見えてしまうのかな?・・・鴈治郎が部屋の奥からこちらを見つめている様な気がする・・・・・」

しかし良く似ている。
・布袋尊

なぜか境内の洞窟の奥に「ほていさん」が鎮座していました。
弥勒菩薩の化身との事です、随分かわいい菩薩です。
小津さんの時代には鎮座していたのでしょうか、結構新しそうな気がします。
観光用のものかも知れませんが、お腹をなでると元気が出るとの事。
ヤボな事は言わない、勿論管理人もなでて来ました。

しかし、中国風の面白いお寺ですねぇ、中国風と言えば管理人が真っ先に目に浮かぶのが京都東山山麓の同じ臨済宗の東福寺と言う超有名なお寺ですが、何せ広大な境内と観光客の多さ・入場料の高さには辟易とします、あのお寺だけで数千円のお金が消えて行きます、その点、鎌倉のお寺は良いなぁ。

入場料も安いし・・・・・。
確かあのお寺も京都五山の一つだった様な気がします・・・・って調べよってかぁ・・・・