樹木の掘り取りと運搬の例

樹木の根回し

樹木根回し 掘りまわし

  長い年月の間、1つの場所に生育していて、値切りなどを行わずに放任されていた樹木では、根元に根元に近い根は機械的に樹木の倒伏を防ぐように組織が固定し、水分、栄養を摂取するのに役立つ根は幹から遠のいて生じています。このような樹木を掘り上げてすぐに移植することは、水分、栄養を摂取している大切な根の大部分を切断する結果となるため、根が切断されてから新しく細根が発生するまでの間は、相当の期間を必要とするものであって、樹木はそれまでの間は吸水力が弱まっていますからこうした樹木に対して細根を発生させてから移植をしたほうがよいでしょう。 したがって、前もって移植に必要な根の範囲一度切断し、残った根に細根の発生を促進させ堀り上げ作業と移植後の活着と生育が根回しになります。
また根回しを必要とする樹木は次のようなものです。
1) 壮年期を過ぎた老木
2) 工事の関係で移植時期以外の時期に植えつけなければならないもの
3) いままで移植の経験のないもの
根回しの時期ですが、根の活動しているときならいつでも良いのですが、樹種、樹齢などによって異なり、多くはその樹種の移植の適期とほぼ一致します。一般には、細根が発生するまで時間がかかるため、移植の時期を考慮し、逆算して行うのが望ましいと思います。貴重な樹木などは根回しをした2〜3年後に移植するほうが安全です。

樹木の掘り取り

専用刀 樹木の掘り取り2 樹木の掘り取り3
掘り取り4 掘り取り 寝巻き
寝巻き 鉢じり 鉢じり

掘り取りを行うためには、樹種、木の大きさ、時期などによって鉢の取り方を決め、最初の位置は鉢の径よりもやや大きめにし,パワーショベル専用のバケットに付いている根切り刀で掘り進めていきます。(根切りチェーンソよりもはるかに速いです)幹を背にしてショベル入れその時の溝穴は垂直に掘り進めていますと、時にはセミの幼虫に遭遇したりします。始め側土を削り、側根を切りながら予定の鉢径寸法にしていきす。掘回し・根切りの終わった樹木を土付き鉢として掘り上げることを「根巻き」といい、根巻きは縄などで根鉢を締め付ける方法で鉢には土をつけて落とさないようにし、鉢の表面には縄(サイザル)わら、こもなどを使い鉢の周囲を巻く「たる巻き」を行い、次いて縦・横に縄(サイザル)をかける「揚げ巻き」を行い、あまり道具は使いませんが縄絞め用として木づちなどを用いながら根鉢を締め付けていきます。 以前は主に大木・中木、針葉樹や常緑樹そして季節はずれの落葉樹、移植力の弱いものなど根巻き「土付き法」でしたが今では以前と違い、すべての樹木に対してこの方法が使われています最後に根巻き縄を完全に回すことができないため最後に鉢じりの土が落ちないように、わらなどでしり当ての処理をすると良いでしょう。

枝しおり

枝しおり 枝しおり

枝が多いと運搬に支障があるので、枝をまとめて枝張りを小さくする必要があります。

穴上げ

穴上げ 穴上げ 穴上げ1
 

荷造りの完了した樹木を掘り穴から上げますが、樹木の大きさや鉢を崩したり重心となる箇所には、縄、こもなど巻き、幹肌を痛めないよう細心の注意を払って進める必要があります。

積み込みと運搬

積み込み 積み込み 車載状態

 樹木の運搬に当たっては形、容積とともに相当の樹木重量を考え、運送途上の困難性が予想される場合は枝葉の剪定や風害または乾害を防止するため対策を事前にたてたり幹や枝葉に損傷のないよう幹当てなど施す処置が必要があり、写真の場合は樹木重量と樹木の長さを考えトレーラ積みになりました。

植え込み

植え込み 植え込み1

配植計画によって樹木を植える場所に掘る植え穴は、直径・深さともに根鉢の大きさよりやや大きめに堀り、地下水のわかない程度の深さにとどめ植え穴を掘る場所の土質、土壌、地形、環境など事前に調査し移植樹木の生育に適さない埋立地や地下水の高いところ、また水の滞留が心配されるところなどはあらかじめ対策をたて処理しておきましょう。

シラカシ株立ち シラカシ株立ち1

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