謎のPC−9821Xv20前編
2000年2月8日改訂
2000年2月6日執筆

事の発端


ロゴは間違いなくXv20
 あれは昨年(1999年6月)の事です。いつもどおり会社の帰りに中古パソコン屋のジャンクコーナーを覗くと、新しく入荷したおぼしきタワー型のパソコンが目に付きました。タワー型がジャンクに出るのはめずらしいな、と思いつつ近づいてよく見ると、パネルにはPC−9821Xv20というロゴが。
値札には、

MMX200MHz.
改造品.DOS動きました.
¥20,000.

と書かれています。確かに改造品らしく、5インチベイの一つはふたが取れて無くなっていました。どことなく怪しげな雰囲気が漂う98です。

 決して安価だとは言えなかったけど、たまたまPentium系の98が猛烈に欲しかった時期でもあって、エイ!とばかりに購入しました。その時は、まあCD−ROMは付いているし、DOSも動くようだし、それに改造といっても拡張ボードや周辺機器が入れ替わっているぐらいだろう、と甘く見立てていました。しかし、この98。実はただ者ではなかったのです。

さっそく動作確認


これが謎のXv20
 持ち帰って、いそいそとディスプレイ、キーボードを接続し、MS−DOSディスクを入れて電源投入。からからからとHDDの動作音。なんだHDDも入っていたのか。こりゃ儲け物ということで、DOS起動の確認後HDDを使えるようにあれこれ作業することに。でも結局HDDは壊れていて使えませんでした。まあジャンクではよくあることです。

 とりあえずFDDからDOSを立ち上げ、ベンチマークなどしてしばらく遊んだ後、Xv20についての情報を集めることにしました。すでに主流から外れた感のある98シリーズですが、Web上ではまだまだ現役で、98ファンサイトも大量にあり情報には事欠きません。Webを探し回ると、ME氏のホームページ「ME's Self-Serving Propaganda」(http://hp.vector.co.jp/authors/VA007038/)内に「PC-98スペック一覧」というコンテンツがあるのを発見しました。ここに、PC-9800シリーズ全機種のスペックがデータ化されている、驚異的なEXCELワークシートがあります。
 さっそくダウンロードしてワークシートを開き、Xv20を調べます。その結果、Xv20なる98は、

 CPU:Pentium200MHz
 Mem:32MB(SIMM)
 Video:MGA Millenium 4MB
 100BaseTX、Ether付き

というなかなか豪華なスペックを持っていることが判明しました。
 こりゃすばらしい、良い買い物をしたと思わずにんまり。さっそく中身を拝もうと、カバーのネジを外している時、ふとあることに気づきました・・・

 あれ、店の表示はMMX Pentium。
 でもXv20ってMMXじゃないよ・・・。

謎の98


なぜかVideoはTrident
 こりゃ変だ、ということでマザーボード上のCPUを確認。どう見てもささっているのはMMX Pentium。特にゲタを履いているのでもなく交換した形跡もない。
 頭の中が???になりつつ他のパーツを確認すると、Videoカードも違う事が判明。MilleniumじゃなくてTridentのTGUi9682XGiが付いていました。他のパーツも調べると出るわ出るわ。付いているはずのEthernetがない。ないはずのDIMMメモリースロットがある。Xv20はSIMMのみのはずなのに・・・。

 背面: コネクター類が表示と一致していない
 そして極めつけは、シャーシ裏に印刷されたコネクターの表示とマザーのコネクターが一致していない!
 要するにマザーボードがXv20オリジナルではなかったということです。



 ここにきて「Xv20なのはケースだけで、中身は別の98である」という結論に達しました。

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