謎のPC−9821Xv20後編
2000年2月12日執筆
2006年2月1日追記

謎の98

 さて、この98の中身はいったいどの機種の物なのでしょうか?
 ここでも、ME氏のPC−98スペック一覧ワークシートが活躍します。
 EXCELのオートフィルターでMMX Pentium 200MHzで、DIMMメモリースロットを2つ搭載した98を抽出します。するとこのCPUを使った98は、Xc200、V200、F200シリーズが該当するようです。この中で最後の機種は省スペース型Fineシリーズで、マザーボード形状も大きく異なると考えられ、謎の98に付いている物とは違うと思われます。
 さらに絞り込むため、残ったXc200、V200からTrident、TGUi9682XGiをつんだ機種を抽出してみると・・・該当する製品がない!
 どうもマザーボードとビデオカードも、お互い別々機種から持ってきたようです。

 TridentのTGUI9682XGi。これはXa、Ra、Rsシリーズに登載されているようですが、とにかく製品数が多く、ビデオカードだけで機種を同定することはほぼ不可能でした。
 ここに来て、マザーボードとビデオカードのルーツ探しは、暗礁に乗り上げてしまいました。

マザーボートの型番を調べる


マザーボードに記された型番
 とりあえず使い道もなく、しばらく塩漬けになっていた謎の98ですが、とある98ファンサイトの掲示板を見ていたらマザーボードの型番に関する話題が出ており、そこで機種とマザーボード型番との対照表があるという事を知りました。Wed上を巡回すると対照表を掲載しているサイトを2つ発見。さっそく謎の98のカバーをあけて、マザーボード型番をチェックし、対照表で調べてみました。
 この結果、謎の98のマザーボード(型番G8YDP)は、ValueStarV200で使用されていた事が判明したのです。

(2006年2月1日追記)その後、G8YDPにはリビジョンによってV200以外の機種でも使われており、私のマザーボードはXc200用だという情報をメールで頂きました。


Windowsのインストール

 ここまで、DOSでしか使ってこなかった謎の98ですが、スペック的にはWindows95/98が十分いけます。Windows95に関しては、一般に販売されているPC−98用パッケージは最初期バージョンであり、Xv20、V200、Xa、Ra用のドライバーをデフォルトで持っていないことは明らかです(OSR2はプレインストール機のみ)。
 それらのドライバーを正規に入手しても良いのですが、少なからず費用がかかる上に、初期バージョンのWindows95を動かすのにそこまでするかという話にもなります。むしろ、これらの機種の発表後に発売され、ドライバー類をデフォルトで持っている公算が大きい、Windows98を素直に導入した方が良いと判断しました。
 DOS/V機用に買ってそのまま放ってあったWindows98のパッケージ(新規インストール版)がたまたまあったので、さっそくインストールを行いました。市販パッケージのWindows98は、DOS/V用とPC−98用が同封されていたので、この場合ラッキーでした。

起動成功・・・?

 HDDを取り付けて、パッケージの起動ディスクからFDISKで領域確保、FORMATで初期化を行い、いよいよWindows98をセットアップします。 
インストーラーは何ら問題なくファイルをコピーし、ハードウェアを認識しドライバーを組み込んでいきます。ひんぱんなリセットの繰り返しにイライラしつつ、それでもシステム設定まで順調に完了し、最後のリセットが行われました。再起動。あのWindows98の起動画面が現れ、画面下を青のグラデーションが流れていきます。おなじみの光景ですね・・・なんて思って見ていたら、グラデーションの動きがピタッと止まってしまいました。そしてそのままハングアップしてしまいました。

 所詮まがい物の98。インストールは無理・・・という心の声を振り払い、気を取り直してソフトリセットします。おなじみCTRL+GRPH+DELを試みますが、やはりというか全然反応なし。ハードリセットスイッチも見あたらず、やむを得ず電源を落とすことに。この98の電源はATXと同じもののようで、電源スイッチを押し続けることで、電源を切ることができます。
 再び電源を入れると、今度はハングアップこそしませんでしたが、起動してみればSafe mode。やはり何か問題があるようです。ものは試しで、Safe modeから再起動をかけると、またもやハングアップ。そして電源再投入で、再びSafe modeに。結局Safe Modeでしか起動しないようです。

 さあ、ここからが気合いの入れどころです。ハングアップする直前、ディスプレイが一瞬またたくことから、グラフィックアクセラレータが怪しそうです。グラフィック関連のリソースや、カードを外したりいろいろしているうち、いつの間にか起動するようになっているではありませんか。それまであちこちをいじりまくっていたので、結局、何が良かったのかよく分かりませんでした。
 Windows98の終了時にエラーを出してハングアップしてしまうという問題はあったのですが、とにかくWindows98が起動して使えるようになったので、これで良しとします。

そして再び謎の98に

 さて、動くまでの顛末をHomePageに載せようと思い、ふたたびWindows98をクリーンインストールすることにしました。Safe Modeで起動するところまでは、今まで書いてきたとおり。ところが、今度は何をしてもまともに起動しないではありませんか・・・。そんな馬鹿なと、再びいろいろいじり回した結果、ディスプレイデバイスを削除すると何とか9821標準ディスプレイモードで起動させることができました。でも起動時にハードウェアウィザードによってデバイスを組み込まれてしまうので、そのまま再起動させるとまたハングアップ。
 結局、クリーンインストールは大失敗で、「うまく動いているものはいじるな」という格言を噛みしめる結果となってしまいました。

 最初に動かすことができたのは単にラッキーだったからなのでしょうか?
 再びWindows98の起動に成功したら、またレポートします。

復活編に続く

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