家の近くの川添えは長閑な春の風物詩である。葉桜の緑が雨上がりを映す。青空に押されて散歩しながら、「歌謡スタジオつかさ」に寄る。二人の看板むすめに迎えられて唄の練習に入る。出演しようと思った時に抱く不安や疑問を解消するには人前で練習するのみ。「男の友情」から声出しを。「天下の夢」と本人評価は上々。「嫁ぐ日よ」と村田節をつづける。そんな所へ顔出ししたマスター。歌手としてデビューした曲「いで湯の宿」「夫婦花」を歌唱し紹介した。甘い歌声は熟年女性に人気かな。混み合っている中、店のカオちゃんに歌をすすめたらデュエット曲になっている「トンコ節」が入り、私はその相手に担ぎ出されてトンコトンコ。今の世の中、失われている家族愛も素晴らしい店だ。看板むすめは唄はまあまあ、でも来店の客の心を掴む優しさは女房も褒める。さり気ないマナーを心得ていて、笑うと眼が無くなる。料理にも箸休めがあるように、少々ふくよかな姿は爽やかな「カオちゃん」。楽しく歌ってくれて有難う。
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