当院の音楽療法の現状報告

音楽療法とは
医療、福祉、教育の場においての、幅広い分野を対象に活動してる。
ここでは日本の医療現場での数少ない臨床実践や研究を伐採して載せてあります。

音楽療法治療
音楽療法での神経難病患者に対する治療は、 【発声練習】歌唱による【嚥下機能維持】【喀痰排出機能】の維持や口頚部筋のリラックスによる拘縮予防と患者や家族のストレス緩和、などの効果が在ると診られてる。


現状報告

当院は、名古屋市内で、神経内科を標榜する外来のクリニックです。1999年7月の開業直後から、音楽療法を開始しました。当初は主にパーキンソン病に対する集団音楽療法のみでしたが、現在は失語症における個人音楽療法や痴呆症患者の少人数グループ音楽療法、神経難病患者における在宅音楽療法など、いくつかの形態で行っています。

音楽療法士(常勤1名、非常勤1名)の他、ボランティアの音楽家の協力を頂き、多くのスタッフに恵まれ、大変感感謝しています。遅ればせながら、私自身も昨年日本音楽療法学会の認定音楽療法士の資格を取得しました。また毎年、音楽療法に関する学会発表を行い評価を行うよう心がけています。


学会報告

過去の学会では、集団音楽療法がパーキンソン病患者の低血圧に有効であったこと(第42回日本神経学会総会、2001)パーキンソン病患者のQOLの増悪、軽症のうつ状態の増悪を阻止する可能性が示されたこと(第44回日本神経学会総会、2003)、パーキンソン病患者のUPDRS−partV(運動能力)を有意に改善させること(第45回日本神経学会総会、2004)などを報告しました。

音楽療法士の加藤が、失語症への個人音楽療法に関する報告(第2回日本音楽療法学会東海支部総会、2004)を行い、小川が軽症アルツハイマー型老年痴呆患者に対する音楽療法の効果(第4回日本音楽療法学会、2004)を報告させていただく予定です。今後は、在宅音楽療法を行っている神経難病患者(パーキンソン病や多系統萎縮症)への効果についても検討し、報告していきたいと思っています。また来年度から、近隣の大学の音楽療法の研修先にも指定されたこともあり、セッションの内容面での充実も過大です。


国家資格

音楽療法は国家資格化の問題、保険点数の問題などいくつかの問題が山積みしています。このような時期に、神経治療学会で「神経難病における音楽療法を考える会」を立ち上げて頂けますことは、とてもタイリーであり大いに期待しています。

残念ながら今回は会への出席は出来ませんが、今後は微力ながらスタッフ一同協力させていただきたいと願っておりますので、どうぞよろしくお願い致します。最後に、原稿の依頼を頂きました世話人の近藤清彦先生、主催者の先生に厚くお礼申し上げます。


東北大学病院音楽療法室の試み

音楽療法とは
医療、福祉、教育の場においての、幅広い分野を対象に活動してる。
ここでは日本の医療現場での数少ない臨床実践や研究を伐採して載せてあります。

音楽療法治療
音楽療法での神経難病患者に対する治療は、 【発声練習】歌唱による【嚥下機能維持】【喀痰排出機能】の維持や口頚部筋のリラックスによる拘縮予防と患者や家族のストレス緩和、などの効果が在ると診られてる。


音楽療法とは 東北大学病院音楽療法室室長 市江雅芳

音楽療法は、医療、福祉、教育、保健という大変広い領域を対象としているが、音楽療法士が国家資格の医療職ではないため、音楽療法を行っても診療報酬の対象とならず、医療の場における臨床実践や研究は大変少ない。その結果、音楽療法士の医療職としての国家資格化や、音楽療法の医療の場への導入が妨げられるという、悪循環に陥っている。

欧米の事例では、小児科、精神科、心療内科、老人科、リハビリテーション科、神経内科、外科、ER,ICU,NICU,緩和医療、ターミナルケアなど、様々な医療の場で音楽療法が実践されているが、日本では精神科における作業療法が中心である。
日本の医療システムの中で音楽療法を行うには、越えるべきハードルがいくつかある。医療職としての音楽療法士教育、医療としての音楽療法の定義、診療システムにおける音楽療法室の位置づけ、そして医療関係者が納得するEvidenceの提示など。


音楽療法室の開設

東北大学病院では、2005年、外来等に音楽療法室を開設した。準備は、2002年、東北大学病院の各診療科長(教授)に対するアンケート調査において、いくつかの診療かで音楽療法のニーズが確認できたことに始まる。

2003年東北大学大学院医学系研究科障害科学専攻(全国で唯一、医学部出身者以外が学ぶことが出来る医学部の大学院)門戸を音楽療法士にも開き、医療の場における教育と研究を開始した。2004年4月、未来科学技術共同研究センターに市江が異動となり、同時に大学院医学系研究科に音楽音響医学分野を開設し、それまでに入学した音楽療法士の大学院学生は全新分野に移った。

専門教育としては、人体解剖実習や生理学などの基礎医学教育や関連診療科医師によるレクチャーを行っている。また、カルテを閲覧し、治療目的を明確にした音楽療法を実施するため、雇用関係を結んだ上でセッションを行わせている。ボランティアとしての関わりは、医療としての音楽療法にはあり得ない。2004年6月、緩和ケア病棟で音楽療法を開始し、これまでに13名の患者さんにセッションを行っている。

%現在の医療制度では、健康保険を利用している入院患者さんに自由診療として音楽療法を行うことは混合診療禁止の原則に抵触するため、音楽療法は雇用しているが、患者さんから料金はいただいていない。

今年開設した音楽療法室は外来患者さんを対象とし、全ての診療科が利用可能な中央診療部的な運用を目指している。自由診療が基本であり、当日は他の診療かを受診しないことで、混合診療となることを避けている。
現時点では、音楽療法士の医療職としての国家資格化は極めて困難であり、音楽療法を医療の枠の中で実施することは難しいが、現行の医療制度の中で音楽療法のモデルケースを提示していくことが、東北大学病院音楽療法室の使命と考えている。

ホームページ  http://www.music.med.tohoku.ac.jp/     

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