ホーム⇒日本をもっと知ろう⇒制度疲労している日本の社会システム

近年目立つ「おかしな為政者たち」

 「為政者(いせいしゃ)」とは、国や地域などの政治を司る立場にある人物を指す言葉ですが、近年ではその立場にある人物のけっしてマトモではない振る舞いが世間を騒がせることが増えてきたようです。    その中でも「学歴詐称」が問題になるケースが多いようです。

 2025年は伊東市の田久保真紀市長の、実際には大学を除籍となっていたにも関わらず、市の広報誌に「東洋大学法学部卒業」と記載した「学歴詐称問題」が噴出。   市議会で不信任の議決を受けますが、市長は市議会を解散し、10月19日に市議会議員選挙が行われることとなります。  この学歴詐称のケースは『カイロ大学を首席で卒業した』としている 東京都の小池百合子知事と似ています。

 小池氏の「学歴詐称」疑惑については、2018年6月の月刊『 文藝春秋 』に、当時カイロで小池氏と同居 していたという日本人女性の重要な証言が掲載されます。 それによれば、当時の小池氏の暮らしぶりや、 小池氏が1976年5月の進級試験に合格できず、その時点で4年生にもなっていなかったので追試も受けられなかったこと。  さらに小池氏が卒業できないまま日本に帰国したにもかかわらず、 日本では嘘をついて「カイロ大学文学部社会学科首席卒業」という肩書を使い始めたことを、ケロっとして認めたことなどが書かれていますから衝撃的ともいえます。

 これは小池氏が公言してきた「カイロ大学卒業」に疑義を呈する記事であり、もしこれらの疑惑が事実とすれば、 過去小池氏は選挙のたびに選挙公報に虚偽の経歴を記載して有権者を欺き、公職選挙法違反や偽造私文書行使等という犯罪を重ねてきたということです。

 注目されるのが、元都知事の舛添要一氏の発言です。  舛添氏によれば、「...あるとき、私も番組に呼ばれ、そのとき『振り袖、ピラミッドを登る』という彼女の著書をもらったんです。   本には『カイロ大学首席卒業』とあった..」、その後、どこかで会ったときに舛添氏がそのことを言うと、小池氏は笑いながら悪びれもせず 「私の学部は、学生が私ひとりだったから、首席でもあり、ドベ(ビリ)でもあるのよ」 と答えたというのです。

 しかし、その後、2018年の都知事記者会見で、舛添氏は小池知事の『嘘』つきぶりを見せつけられます。   記者からカイロ大学を首席で卒業したという経緯について質問され、 『非常に生徒数も多いところでございますが、ただ、先生から、非常にいい成績だったよ、とアラビア語で言われたのは覚えております』と答えていたというのです。   作家の林真理子氏が 「これほど人々の心を操れる人がいるだろうか。 これほど堂々と嘘がつける人がいるか」と評しただけあり、空気を吐くように嘘を言うのです。

 2020年3月12日に開かれた東京都議会の予算特別委員会において、自民党の田村利光議員が、 「(カイロ大学を)卒業したのなら、卒論を書いたのでしょうか? 書いたのならテーマをお聞かせ下さい」と質問したのに対し、小池氏は「卒論という制度は学部、学科によって異なる。  自分が卒業した文学部社会学科には卒論はなかった。  当時の同級生たちもそのように言っている。  たぶん取材をなさったのは、別の学科の方ではないかと思います」と答弁しました。

 田村議員に先立って質疑に立った川松真一朗議員は「小池知事は、卒業証書、卒業証明書はこれまで何度も公表してきたと述べているが、公の場に出したことは一度もないと記憶している... 現物をなぜ都議会や記者会見という公式の場に出せないのか?」と質問しています。 これに対し小池氏は「公には何度も(卒業証書類)を出している...カイロ大学が何度も正式な卒業を認めている」 とはぐらかし現物の公開を拒否します。

 これに作家の黒木 亮氏は小池氏の「公には何度も出している」という発言は事実に反するとしています。 黒木氏によれば 『...小池氏が卒業証明書類をある程度見える形で公開したのは、2016年6月30日に放送されたジテレビの「とくダネ!」での一度だけだ。  それも 非常に短い時間で、記載内容をきちんと読むことができない。  それ以外には、(ある程度でも読める形では)どこにも公開していない』と指摘しています。

 小池氏は窮地に立たされたわけですが、そんな中の2020年6月8日、在日本エジプト大使館は突然、エジプトのカイロ大学が小池百合子東京都知事が 「1976年10月にカイロ大学文学部社会学科を卒業したことを証明する」との声明を出したことをフェイスブックで発表します。  声明では、小池氏の卒業証書は 「カイロ大学の正式な手続きにより発行された」と説明。  「日本のジャーナリスト」が信頼性に疑問を呈したことについて、 「カイロ大学及びカイロ大学卒業生への名誉毀損(きそん)であり、看過することができない」と批判します。  小池氏は国会議員だった時代から日本とエジプトをつなぐ人脈として、 果たした役割は小さくない人物とされます。  この突然の場面転換についても裏取引があったのは確実です。

 もともと、カイロ大学などエジプトの国立大学では、長年にわたって教授や職員が関与し、“不正卒業証書”の発行が行われてきたという背景もあるようで、 エジプトを知る人間の間では政府や国家機関の言うことなど、あてにならないのは常識だそうで、いずれこのような声明が出されることは予想されていたといいます。   そもそも経済基盤が極めて脆弱なエジプトは日本から巨額のODAを供与されており、2016年までの総額は約9139億円に達するといい、日本の経済支援が欠かせません。

 カイロ大学では、小池氏は「日本の総理大臣になるかもしれない人」と認識されているそうで、巨額のODAを提供している日本の政治家・小池氏が、 実はカイロ大学は卒業しておらずウソをついているとなったら、小池氏は権力者の地位を失い、ウィンウィンの関係となっているエジプトもうまい汁を吸えなくなります。   そんな事態となれば関与していた大学関係者のクビは確実に飛ぶわけで、エジプト側としては真実が明らかになると困ります。 卒業証書を偽造して小池氏を支援するのは エジプト側にとっても有意義なのです。(msnニュース)

 これで一件落着かと思いきや、2024年には小池知事の元側近・小島敏郎氏が、 小池氏とエジプト側との裏取引を匂わせる暴露話『「私は学歴詐称工作に加担してしまった」小池百合子都知事   元側近の爆弾告発 小島敏郎』(文藝春秋2024年5月号) を発表します。  これは小池知事の大学卒業を認めるカイロ大学学長名の2020年の声明文を巡り、知事から相談を受けた際、小島氏が 「カイロ大から、声明文を出してもらえばいいのではないですか」と対策を提案したというものです。  つまり、 カイロ大の声明文は知事側から仕掛けた可能性があったことを示唆するもので、これが事実であれば、 あの突然出てきた「小池氏を擁護したカイロ大の声明文発表」も腑に落ちます。

 しかし、それらはテレビや新聞で報じられることは一切ありません。  というのも、小池とエジプト側がどんな裏取引を行ったかは不明ですが、小池知事は上手くエジプト側を巻き込みエジプト側も大学卒業は事実であると認めている話です。  エジプト大使館とカイロ大が認めている以上、 メディアとしては知事の卒業について疑義を挟む小島氏の告発に乗るわけにはいかないという事情もあるわけです。   しかし、マア、これは言い訳であって「ジャニーズ「性加害事件」騒動と同様、これが 権力にひれ伏し、見て見ぬふりするのが当たり前となっている 「報道すべき責任」を放棄している日本のメディアの正体なのです。

 しかし、これで東京都知事という要職にある人物が、エジプト側とズブズブの関係になった背景も見えたわけで、小池知事はエジプト側に大きな借りを作ったわけです。  もしヤクザに借りを作ったら最後、ケツの毛までむしり取られるのは世の常識であり、現に「小池知事が二期目に入るやエジプト関連予算を一気に増額させている」という事実(「週刊文春」2024年4月25日号)も 現実に起きています。   つまり、東京都知事という立場の人物が、自分の不正隠しのため借りを作った相手にセッセと便宜を図っている構図なのです。    メディアも都民もこれを平気で見逃しているのです。

 そんな小池氏は、告発報道後に3期目を目指して東京都知事選に出馬した際、厄介なフリー記者に質問されないよう、「公務」を理由に街頭に出て来ませんでした。 代わりに現場視察を名目に同行するメディアを通じて、 2期8年の実績や今後取り組みたい施策をアピールした結果、すべての東京都民が小池のウラ事情を理解しているわけではないため、まんまと再選を果たしたのです。

 ここが民主主義のコワイところで、チョット口当たりのいい公約を並べ立て、愚衆たちを上手くダマすことさえできれば、あとは黙っていても自分に投票してくれます。    つまり、有権者はそんなウラ事情など無関心であり、「「その場の空気」に支配された大衆は、 いとも簡単に誤った結果を引き起こすわけです。

 田久保氏はメガソーラー建設計画の白紙撤回や新図書館計画中止といった訴えをしてきたので、SNSでは「利権につぶされた」という声もあるようですが、このように 「既得権益と戦っている人」というイメージを作り、世間の同情を集め自身の疑惑が帳消しにされた結果、まんまと選挙に勝利するというパターンは 兵庫県の出直し知事選でも発揮されています。 出直し選挙で斎藤氏は再選を果たしますが、 「既得権益に切り込みワナにはめられた」との「陰謀論」を信じ込んでしまったオロカな支持者の存在、が指摘(東京新聞)されています。

 しかし、田久保氏は当初「怪文書には対処しない」と一蹴していますし、斎藤知事も自身に関するパワハラなど7項目の疑惑を指摘した内部告発について「うそ八百」と発言しています。     そして、斎藤氏は告発を公益通報として扱わず、県幹部に調査を命じて元幹部を特定して懲戒処分にしています。  告発文書を怪文書扱いされた元県幹部はそのあと自死しています。     斎藤氏も田久保氏も、首長が議会や百条委の判断を尊重しないというルール無視するところは同じなのです。  権力を持つ側が自身の不都合な情報に対し、 潰しにかかるということを、隠そうともせず平気で行われているのが、今の日本の「おかしな為政者たち」の姿なのです。

 とうとう小池氏は嘘を隠し通したわけですが、こんな為政者が堂々と政治の世界に居座れるのですから、 真夏の怪談話以上のホラーであり、 まっとうな人間として必要な善悪の価値観や行動規範などと無縁な「おかしな為政者たち」が次々に出没しているのです。  日本の政治はもう終わっています。    やはり「道徳教育」を蔑ろにしてきた戦後教育の弊害なのでしょう。  「道徳教育」というとヒダリマキはすぐ「国家主義への傾斜」などと茶々を入れますが、 そんな些末な問題より、「嘘を言わない、嘘は恥ずかしいと考える日本人」を育てることが大事でしょう。(2025.9.23)

 

医療費高騰の元凶、高齢者への投薬過多

 毎年鰻登りに増加している日本の医療費。 その要因のひとつとされるのが処方薬の多さです。  特に高齢者に処方される薬の多さには、身近に老人を抱えていれば誰しも気付かされるところです。

 アメリカの研修医向けの書籍に「4種類以上の薬をのんでいる患者は危険」という記述があるほど、「多剤服用」 の危険性は世界中で知られているのに、日本ではそれがまかり通っています。

 2019年6月、厚生労働省は《在宅療養患者では、平均処方薬剤種類数は6.5種類であり、60%が6種類以上であった》、 という報告書を発表します。 そもそも高齢者は複数の病気をもっていることが多く、さらに国の方針で病院よりもクリニックにかかることが推奨されています。

 一方でクリニックの医師は患者が他院でどんな薬を処方されているのか共有しづらいため、あちこちのクリニックからいろいろな薬が処方される事態となっています。   たとえば脳神経科で頭痛の治療を受けている人が、腰痛で整形外科にかかるという場合、鎮痛剤や胃薬が両方から出ることもよくあるといいます。

 この報告書では、2014年に大手チェーンの585薬局で調剤を受けた65才以上の患者約18万人(平均76.1才)を対象とした調査結果を掲載。    5種類以上の薬を処方されている人の割合は65〜74才で27.2%、75〜84才で36%、85才以上になると、 なんと47.3%と半数近くにも及ぶことが報告されています。

 人は年を取るごとに複数の病気を抱えるようになり、薬が増えていくのはある程度仕方ないことではあります。 しかし、多種類の薬を使えば新たな副作用を招いてしまうこともあります。   さらに病院や医師によっては売り上げを増やすためか投薬に熱心なところも多くあります。 自分も皮膚炎で通院している大学病院で、 つき指してチョッと痛む、という話をしたら、即座に"鎮痛剤を処方しましょう"、と熱心に勧められたことがあります。 モチロン断りましたが。

 厚生労働省の発表はこうした「多剤服用」に警鐘を鳴らすとともに、高齢者の療養環境ごとに薬剤治療を見直す手段を、より具体的に記載したものとなっており、 「高齢者の服用には注意が必要な薬剤」のリストもバージョンアップされています。

 多剤服用が増加している背後には、健診で使われる『ここからは病気』とされる基準値が徐々に厳しくなっている現状も関係しているとされます。   検査結果が同じでも、これまで健康とされていた人が“病人”と判定されるようになり、どんどん薬が出るようになっているというのですから驚きます。

 国家予算の2018年度の医療費は11.8兆円で、毎年数兆円単位で増加しています。  このままではいずれ医療費が国家経済を圧迫するのは目に見えています。 今のうちから抜本的な対策を打たないと将来大変な事態となるでしょう。(2019.7.7)


岐路に立つ年金制度

 2019年6月、金融庁が「老後資金は2千万円不足する」などとする報告書案を発表。 これが数字の独り歩きを招き、国民を不安に陥れます。    不足額を「赤字」と表現したことについて政府は「誤解を招いて不適切だった」と釈明しますが、金融庁は報告書の事実上の撤回に追い込ます。

 この報告書案は大学教授をはじめ、個人マネーに携わる専門家たちから構成された「市場ワーキンググループ」という審議会の委員が何度も議論を重ね、 それをまとめた報告書であり、官僚が主導した考えではありません。  マア、お上の息は掛かっているでしょうが。

 1961年に国民皆年金体制が誕生しましたが、そもそも年金制度を設計した当時と今とでは、寿命は大幅に延びた一方で出生率は低下しています。 少子高齢化が進む日本において、 現役世代が高齢世代を扶助するという今の年金制度の仕組みを放置したままでは、 いずれ立ち行かなくなるのは誰でもわかるリクツです。

 報告書案を批判する声の大部分は、「年金だけで暮らせないのは政策ミスなのに、なぜ国民が2000万円ものお金を自助で貯めなくてはいけないのか」といったもののようです。    その反面、「あなたは将来の自分の生活において、どの程度お金が必要か計算したことがありますか...」という調査では、約3分の2の人が「考えたことがない、 計算の仕方がわかない」と答えたそうです。

 現在の年金制度では、寿命が長くなって高齢化が進む日本社会において、現在の70代、80代以上の親世代と同じような年金生活を、将来においても維持するのは難しい、 というのは厳然たる事実です。  この現状を直視せず、成り行きにまかせたまま放置しておいて、イザそのときが来ると大騒ぎする....いかにもニホンジンらしいところではあります。

 だから、昔旧民主党のような現実無視のデタラメ政党が選挙公約で実現不可能な公約をブチ上げたのを頭から信じ込み、 政権をまかせ、結局日本を未曾有の大混乱に陥れるような事態が起こるのです。

 この現状から窺えるのは、自分の老後の将来設計など何も考えておらず、年金制度を無能な政治家・役人まかせにし、老後資金は全部お国に頼りきり、 したがって老後資金の備えもしていない人たちがいかに多いかということです。   マア、この無能な政治家を選んだのは自分たち なわけで自業自得でもあるわけですが......ですからある意味この報告書案は実にタイムリーなものだったわけです。

 月の年金収入が約21万円に対し、支出が約26万円。 毎月5万円の赤字は1年間で60万円、したがって65歳から95歳の30年間では2000万円近くに上る、という報告書に、 東京新聞は「報告書は2017年の家計調査に基づいて示した高齢夫婦無職世帯の1ヵ月の平均収支を示しているが、その中身は実に衝撃的だ」と書いています。

 しかし、衝撃的どころかこんな内容は少しでも年金に関心があるならとっくに知っている数字です。   新聞記者が驚くことのほうがよっぽど衝撃的です。  新聞からしてこんな調子なのですから、破綻するハズの年金制度について誰も問題視せず、 長い間放置されてきたのも"むべなるかな"、というところです。

 そもそも国が発表する、将来受け取れる年金、という数字も曖昧すぎます。 月の年金収入が約21万円といっても、 これはあくまで生涯の平均年収が500万円だったサラリーマン・公務員の年金額で、 しかも奥さんの国民年金を合わせた金額です。  この年金額は決して、誰でも受け取れる年金額ではないのです。   この額を受け取れる人は大企業に勤めたサラリーマンや公務員ならともかく、そう多くはありません。     国が公表するモデル額を鵜呑みにしてはいけないのです。

 たとえ厚生年金受給者であっても、公的年金額は生涯賃金に左右され個人毎に異なる、という仕組みさえ把握しておらず、 会社員(厚生年金)と自営業(国民年金)では年金額に倍以上の差があることを知らず、自分もアノぐらい受給できるんだ、と思い込んでいる人たちが多すぎます。

 特にサラリーマンの年金は年金の月額掛金が一定の国民年金と違い、勤め先が地方の零細企業か首都圏の大企業か、公務員だったのかなど、 "生涯賃金の過多"によって将来受給できる年金額に大きな差が出ます。

 今は現役世代へも「年金定期便」が送られ、自分が将来受給できる年金がいくらぐらいか誰でも確認できます。  この報告書案は年金だけでは賄えない現状を公表し、不足すると考えられる分について国民に喚起し、自助努力を促すことが目的であり、 老後に必要とされる資金額をシュミレーションした数字を発表したに過ぎません。

 モチロン、この報告書案は金融関係者が老人世帯のタンス預金を投資に回させるための誘い水として発表したという裏の事情もあるかとは思いますが、 国民が年金について本気になって考える"キッカケの始まり"にはなったかもしれません。

 これからは現役世代にどこまで負担を求め、年金受給者に対する給付をどう抑えれば国民の理解を得られるのか。  この難しい選択をどう受け止めていくかが国民に問われます。(2019.6.12)


蔓延する住宅ローンの不正融資

 2019年5月、朝日新聞がフラット35を巡る不正融資を報じます。  これは金融機関と不動産業者、借り手がグルとなり、 自分が住むと偽って投資用物件の価格を水増ししてフラット35からの融資を引き出し、 物件取得にかかる費用との差額を客にキックバックするというやり方です。

 フラット35は、金融機関が融資を実行した後、その債権を住宅金融支援機構に譲渡する仕組みで、金融機関は融資実行の際に手数料を得たうえ、 貸し倒れリスクを負わずに済むもので、業界に10年以上前から存在しているポピュラーなものだといいます。

 借り手の客はその差額でそれまで抱えていた消費者金融など高金利の借金を返し、 取得した投資用不動産から家賃収入を得ながら、年利1%程度の住宅ローンを返済していくわけです。

 このスキームにおいては、年収300万円以下で、かつ借金を抱えている層がターゲットになっているとされますが、借り手がウソの申告をしていても、 金融機関が目をつぶる動機は十分にあるわけです。  現役の不動産営業マンによれば「ある銀行員が『こっそりやってくださいよ』と言っているのを聞いたことがありますからね」、 という実態のようです。

 国民のマイホーム取得を後押しするという理念で販売されているローン商品を悪用し、借金にあえぐ低所得者に投資用不動産を売りつけていた実態が暴露されたのです。

 この背景には、2018年、不動産投資用物件のローンに積極的だった、スルガ銀行 による借り手の年収や物件価格を水増しする偽装工作が発覚し、スルガバブルが崩壊したことも影響しているとされます。

 それまでスルガのゆるい審査のおかげで『一棟モノ』と呼ばれる一棟マンション・一棟アパートで稼ぎ、さんざん“オイシイ思い”をしてきました多くの不動産業者が、 区分投資マンションを扱う業者に鞍替えし、一気に融資を引き締めたスルガの代わりとして、フラット35を活用して派手に押し込んでいったというわけです。

 この実態に業を煮やした住宅金融支援機構は、過去の融資実態について本格調査する方針を固めたといいますから、 「不正な融資が確認されたら、見せしめで一括返済を求めてくるはず。  物件を売った代金で相殺できない場合は悲惨ですよ」、という懸念も出ています。

 もしそうなれば、借り手は物件を手放したうえ、また借金を返すだけの生活が始まるわけで、甘い言葉に踊らされた結果、泣きを見るのはこれからなのかもしれません。(2019.6.11 msnマネー 引用)













 (2019.1.28)




⇒ページTOP


⇒サイトマップ

関連サイト


コトバ学

忖度(そんたく).......他人の心中をおしはかること。

斟酌(しんしゃく)......相手の心情を考慮して程よくひかえめにする。

(*3)........新渡戸稲造(にとべいなぞう)

1862年9月1日-1933年(昭和8年)10月15日。 日本の教育者・思想家。農業経済学・農学の研究も行っていた。 国際連盟事務次長も務め、著書 Bushido: The Soul of Japan(『武士道』)は、流麗な英文で書かれ、長年読み続けられている。 五千円券の肖像としても知られる。(Wikipedia)

(*4)........規範意識(きはんいしき)

道徳、倫理、法律等の社会のルールを守ろうとする意識のこと。遵法精神とも。

楽天トラベル・総合ランキング



こんなサイトあります

アルファード関連
・カーナビ地図情報更新
・アルファードタイヤ交換
・アルファード追加装備品


車イジリのアレコレ
ドイブレコーダー
・車イジリの便利グッズ
・ドライブレコーダー
・電気配線ミニ知識


運転操作あれこれ
ダイハツミラ・外観
・エコドライブ
・キックダウン
・ユーザー車検体験記・検査ライン編




【 全国各地ドライブ旅行記 】

東京アクアライン........「海ほたる」


ドライブの便利グッズ→
旅の記録に...........ドライブレコーダー
車内で家電品............パワーインバーター
読書でリラックス.......好きな作家、読んだ本






【 災害対策用品・災害備え 】

アウトドア用品にはイザ、というとき役立つものが数々があります。


災害時の備えに→
停電時の暖房.........カセット式ガスストーブ
便利な2口コンロ......ツーバーナーストーブ
停電時の照明.........4灯式ランタン
災害対策.........揃えておきたい防災アイテム






【 自然フィールド 】

吹上高原キャンプ場.....自然の中でリフレッシュ


野外便利グッズ→
電気の缶詰...........ポータブル電源
夜間でも両手が使える...........LEDライト
とにかく明るい.........コールマン・ランタン295
キャンプで焚き火........ファイヤグリル






関連サイト・バックナンバー