小論文の評価基準

▽ 表示スタイル切り替え ▽
ルビあり〕  〔ルビなし

小論文(しょうろんぶん)のポイント

小論文(しょうろんぶん)では、以下(いか)の3(てん)(とく)重要(じゅうよう)である。

  1. 結論がはっきりと示されているか?
  2. 自分の考えと他人の考えが区別されているか?
  3. 書式や形式が整えられているか?

結論(けつろん)がはっきりと(しめ)されているか?

論文(ろんぶん)は、特定(とくてい)問題(もんだい)(こた)えを()すこと》目指(めざ)すものである。【参考→論文が目指すもの

そのため、序論(じょろん)提示(ていじ)した問題(もんだい)(たい)する(こた)えが、本論(ほんろん)および結論(けつろん)明確(めいかく)(しめ)されていなければならない。

自分(じぶん)(かんが)えと他人(たにん)(かんが)えが区別(くべつ)されているか?

論文(ろんぶん)は、自分独自(じぶんどくじ)主張(しゅちょう)()文章(ぶんしょう)である。【参考→作文と論文の定義

自分独自(じぶんどくじ)主張(しゅちょう)()くためには、まず自分(じぶん)(かんが)えと他人(たにん)(かんが)えとを明確(めいかく)区別(くべつ)しなければならない。自分(じぶん)(かんが)えと他人(たにん)(かんが)えとが区別(くべつ)されていないのならば、どこが自分独自(じぶんどくじ)主張(しゅちょう)なのか()()理解(りかい)されないであろう。

また、無断(むだん)他人(たにん)表現(ひょうげん)(かんが)えを()りるのは、盗用(とうよう)剽窃(ひょうせつ)である。出典(しゅってん)(かならず)明示(めいじ)するなど、いかなる場合(ばあい)にも、引用(いんよう)誠実(せいじつ)(おこ)なわれなければならない。【参考→引用の方法

出典(しゅってん)は、直接(ちょくせつ)引用(いんよう)するときだけではなく、要約(ようやく)して引用(いんよう)する場合(ばあい)(そのまま(うつ)したわけではないが、文献(ぶんけん)資料(しりょう)参照(さんしょう)して()いた場合(ばあい)にも(かなら)明記(めいき)しなければならない。つまり、(あき)らかな常識(じょうしき)(だれでも()っていること)やすべてが自分独自(じぶんどくじ)のものである(かんが)以外(いがい)にはすべて出典(しゅってん)(しめ)さなければならない。

引用(直接引用)と参照(要約した引用)の出典の示し方
引用(直接引用)の場合の書き方参照(要約した引用)の場合の書き方
……。「…………(山田 1999:123)」。……。
 ⇒ 文をカギカッコでくくって出典を書く
……。…………(山田 1999:123)。……。
 ⇒ 文の終わりのマル(。)の前に出典を書く。文にカギカッコはつけない
段落
(1つ)

山田(1999:123f.)は、地球温暖化の影響について次のように述べている。

……………、……………、……………。……………、………………。……………、……………、……………、……………。

したがって、地球温暖化に対して……………

 ⇒ 引用の前後を1行空ける。引用の部分は2文字分右に下げる。出典は本文中に示すか、引用部分の最後に書く

……………、……………。……………、………………。……………、……………。……………、………………。……………、……………。……………、………………。

……………、……………、……………。……………、………………。……………、……………、……………、……………。(山田1999:123f.)

……………、……………。……………、………………。

 ⇒ 段落の最後の文の後ろ(マルの後ろ)に出典を書く
段落
(複数)
×
 ⇒ 複数の段落の引用は好ましくない(長すぎる)
例:山田(1999:123f.)は、地球温暖化の影響を次のように説明している。……………、……………。……………、………………。……
例:山田(1999:123f.)にしたがえば、地球温暖化の影響は次のようにまとめられる。……………、……………。……………、………………。……
例:山田(1999:123f.)を参考にして、球温暖化の影響についてまとめてみる。……………、……………。……………、………………。……
 ⇒ 文献を参考にした事実を本文に明記する

書式(しょしき)形式(けいしき)(ととの)えられているか?

ビジネス・ライティングとアカデミック・ライティングは、文章(ぶんしょう)(かん)する重要(じゅうよう)なスキル(技能(ぎのう))であると(かんが)えられる。

ビジネス・ライティングとは、一般的(いっぱんてき)なビジネス活動(かつどう)必要(ひつよう)とされる文書(ぶんしょ)作成(さくせい)(または作成能力(さくせい))をいうものである。本校(ほんこう)でも『日本語商用作文(にほんごしょうようさくぶん)』の授業(じゅぎょう)(おこ)われている。

一方(いっぽう)、アカデミック・ライティングとは、報告書(ほうこくしょ)論文(ろんぶん)などの学術的(がくじゅつてき)文書(ぶんしょ)作成(さくせい)(または作成能力(さくせい))をいう。アカデミック・ライティングを学ぶのが、『論文指導(ろんぶんしどう)』の授業(じゅぎょう)である。

ビジネス・ライティングとアカデミック・ライティングに共通(きょうつう)しているのは、どちらでも書式(しょしき)形式(けいしき)(とく)重視(じゅうし)されるという(てん)である。「文章(ぶんしょう)はなかみである」という(かんが)えもあるが、ビジネス・ライティングやアカデミック・ライティングでは通用(つうよう)しないものである。ビジネス・ライティングやアカデミック・ライティングでは、まず書式(しょしき)形式(けいしき)(ととの)えることができるか、そのための知識(ちしき)能力(のうりょく)()っているかどうかが()われるのである。【参考→レポートの体裁

ページの先頭へ↑
←ひとつ前に戻る
目次へ
トップページへ