フスベヨリ谷コースを利用する際は十分注意を


2004年夏 アオザレ南西の沢で土石流が発生

 2004年8月末から9月にかけての豪雨や台風で、アオザレ南西の沢では土石流が発生し、尾根からフスベヨリ谷まで、一気に土砂が流れ込んでいます。
 アオザレ南西の沢で発生した崩壊は、土石流となってフスベヨリ谷を流れ落ち、その先端は、フスベヨリ谷のヌスビト沢出合い下流の丸木橋が掛かっていた所(標高1,180m)に達しています。崩壊が発生した最も高い地点は標高1,750mの尾根付近ですので、標高差約570m、水平距離1,700mの想像を絶する土石流です。
 このため登山道は、フスベヨリ谷登山コースの標高1,180m地点から標高約1,450m付近までの間、ごく一部を残して流失しています。その麓(下流側)でも、カンカケ谷出合上流付近まで、所々流失しています。
また、フスベヨリ谷に架かっていた橋は、カンカケ谷出合下流のワイヤーで吊っていた橋(登る際に右岸側から左岸側へ渡っていた橋)を除いて全て流失しています。

(写真は2004年10月16日に、カヤハゲから西に延びる尾根から県境の尾根を撮影したものです。写真右側の逆三角形の裸地状になっているのが「アオザレ」、写真中央が崩壊した沢です。)


フスベヨリ谷コースを利用する際の注意点


登山ルートとしてフスベヨリ谷コースを利用される方は次の点に注意してください。
崩壊地点の上端には、まだ不安定な土塊が残っています。この土塊が崩落する恐れがありますので、降雨時にこのルートを利用することは危険です。
登山ルートがわかりにくくなっています。所々に、赤いテープがありますが、ルートファインディングには十分留意してください。
特に、崩壊した沢がフスベヨリ谷と合流する地点では、従前の登山道への入口を間違わないよう、慎重にルートを選んでください。紅白のポールが目印です。
渡渉地点が4カ所あります。フスベヨリ谷の状況は増水の度に姿を変えています。的確に渡渉点を選んで谷を渡ってください。


 注:写真は、崩壊した沢とフスベヨリ谷の合流点付近を下流側から撮影したものです。撮影地点周辺では、崩壊した沢からの澪筋とフスベヨリ谷の澪筋が別々になっています。撮影場所の少し下流で、右岸側から、崩壊した沢の澪筋を渡り、二つの澪筋の間を上流側にルートをとります。(赤い大きな線)
赤い矢印の下に測量用の紅白のポールがあります。これが登山道への入口の目印です)



お亀岩避難小屋・カンカケ谷登山コースの状況


 お亀岩小屋は、台風16号、18号の強風で屋根の一部が損傷し、雨漏りがしていましたが、9月25日(土曜日)ブルーシートで応急修理を行いました。
 また登山道も、倒木が多数発生し通行しにくい状況になっていましたが、同じく9月25日に倒木の除去作業を行い、ほぼ従前どおり通行できるようになりました。
 お亀岩避難小屋下の水場の使用は可能です。

光石登山口〜西熊林道〜さおりが原〜カヤハゲの状況


 この間は、長笹谷をさおりが原の方へ渡ったところで小規模な崩壊があり、そこを迂回する必要がありますが、登山道の倒木は整理されており、小規模な崩壊場所を除けば従来どおり通行が可能です。



 

 


(写真2004年9月11日撮影)フスベヨリ谷 盗人岩(標高1,220m)付近(土石流の先端) 

(写真2004年9月11日撮影)フスベヨリ谷 さおりが原分岐(標高1,300m)付近 




(写真2004年11月18日撮影)上の写真とほぼ同じ場所。崩壊直後は平らな河原状態だったものが、その後の降雨により澪筋が発達し、河床が下がり谷の形状ができあがりつつある。)



トップページへ
三嶺のページへ
三嶺の自然のページへ
三嶺の花たちのページへ