石立山の概要


石立山は国道195号線の四つ足トンネルの北約2キロの、高知県と徳島県の県境にあります。登山口の標高が560m、頂上の標高が1708mと標高差が約1150mあるうえに、きつい登りがほとんどで四国で最も「しんどい山」です。 山全体が石灰岩で出来ており、好石灰岩植物が多数みられます。

石立山への登山路


 

登山口まで

 国道195号線で物部村別府(べふ)までたどり、そこから槙山川に沿って約1.2km遡ったところが別府峡(べふきょう)の入り口で、道の側に茶店があります。茶店の下に駐車場やトイレが整備されており、茶店のすぐ上流の赤い鉄橋が登山口です。駐車場まで高知市からだと車で1時間30分少々です。





登山コースの案内

 
 登山口の吊り橋を渡るといきなりきつい登りになります。歩き始めは体がなれてないので意識的にペースを落として登りましょう。途中の自然林をトラバースする道も、川との間に樹木があるものの、踏み外すとそのまま槙山川まで落ちそうな道です。
 杉林の小さい尾根に出た後、水平になった道を進むと岩がごろごろした谷に出ます。ここまで登山口から約40分です。流量の変化が大きい谷で、普段は空谷の状態の時が多く、水を補給することはあまり期待できません。この谷が竜頭谷(りゅうずだに)で、沢を直接詰めると登山道とは違った面白さがあります。(ほとんどがゴーロ状の涸れ沢ですが、詰めの部分がきついですので、体力に自信があり、経験者が同行する場合に利用してください。)
 竜頭谷からは尾根筋の直登で、石灰岩の岩角や木の根をつかみながらの登りになります。 きつい登りの連続ですので周囲に目がいかないかも知れませんが、ビャクシンの古木が素晴らしい景観を作り、また、足元に思わぬ花を見かけることがありますので、余裕を持って登りましょう。竜頭谷から1時間ほど登ると石灰石が露出し、左右の展望が開けたところに出ます。ここから先はまた原生林の中の急な登りが続きますので、周囲の景色を十分楽しんで一息入れておいてください。
 竜頭谷から2時間ほどで県境の尾根に出ます。途中はブナの大木や、石立山にだけに咲くイシダテクサタチバナ(花期は6月中旬から7月上旬ごろ)などの花を楽しむことができます。三角点のある頂上は西峰から右手(南東)に20分ほど行ったところにあります。途中の登山道は笹が茂っており思わぬ苦労を強いられますし、頂上もダケカンバや笹で展望が利かず、山の頂上としての魅力に欠けます。県境尾根の小さいピーク(西峰)から左(北)に行くと捨身嶽(すてみがだけ)と呼ばれる石灰岩の断崖があります。こちらの方が景観も良く、岩山の気分を味わうことができます。
 昔は、石立山から剣・三嶺の従走路まで県境に沿って踏み跡があり、身の丈を越すスズタケに悩まされながらやっと通れるような登山道でした。その後利用する者もなく一時廃道状態になっていましたが、2001年に県境に沿ってスズタケが刈払われ、快適に歩けるようになっています。
 降りは元の道を引き返しますが、岩場はもちろん石立山の土の部分は特に滑りやすいので、足元に十分気をつけて降ってください。


                                    

【参考コースタイム】

(登り)
 登山口−(40分)−竜頭谷−(60分)−石灰岩の露出した展望の利く所−(70分)−県境尾根分岐(西峰)−(20分)−三角点
[県境尾根分岐(石立山西峰)から捨身嶽までは5分]     

(降り)
 三角点−(20分)−県境の小さいピーク(西峰)−(50分)−石灰岩の露出した展望の利く所−(50分)−竜頭谷−(30分)−登山口
[捨身岳から県境尾根分岐(石立山西峰)までは5分]


石立山で特に注意していただきたいこと


 四国で最もしんどい山ですし、急坂の連続です。足元も滑りやすいですのでしっかりした靴で登ってください。  石灰岩の山で、石立山特有の植物があります。また、ニホンカモシカやツキノワグマの生息地でもあります。他の山以上に動物や植物に気を使いながら登ってください。
地形図  5万分の1  「北川」


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